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【入浴】 「心不全」の入浴法 ~ぬるめ、浅め、早め~

坂道で息切れしたり咳が出る。
これは心不全によくみられる症状です。

心不全とは、心臓のポンプ機能の低下により血液の循環が不全になる状態のこと。

「心不全」という病名があるわけではなく、状態をあらわす言葉です。

血液循環が悪いため、全身の組織に十分な酸素が行き渡らず、
また全身の血流が滞るためにうっ滞などが起こる症候群です。


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心臓には右心と左心がありまして、血液の循環はこのように流れています。


心臓(左心) →(動脈)→ 全身 →(静脈)→ 心臓(右心) →(肺動脈)→ 肺(ガス交換) →(肺静脈)→ 心臓(左心)


これで1周。 

( ※肺動脈は名前こそ「動脈」ですが、流れている血液は静脈血です。肺静脈はその逆。ややこしい)


心不全には正確には右心不全左心不全がありますが、
通常は結局両方が同時に起こる両心不全へと発展します。


右心不全・・・心臓の全身から血液を受け取る機能が弱いため、静脈血がうっ血(血が滞る)した状態。

症状としては、足のむくみなどがあります。

左心不全・・・全身への心拍出量が低下しているため諸臓器の血流が悪くなっている状態。また、肺からの血流をも停滞させ、肺うっ血を起こす。

症状としては、呼吸困難、頻脈、チアノーゼ、尿量低下、血圧低下などがあります。
また、ピンク色の痰がでることも・・・

『【健康】 風邪でもないのにピンク色の痰が出る理由』 参照




◆入浴上の問題リスト◆


#1 息切れを起こすことがあり、入浴に不安がある
#2 倦怠感があり、入浴が困難に感じる


心不全は心機能が低下している状態なので、入浴する時には心臓に負担がかからないよう、ちょっとした注意が必要です。



◆入浴法◆



<入浴上の問題>#1 息切れを起こすことがあり、入浴に不安がある

<入浴目標> 入浴中に症状が悪化しない



息切れや呼吸困難を生じることがあるので入浴が不安になる場合があります。

しかし、心不全にとって風邪をひかないようにすることは重要です。体を清潔に保ち、特に冬場は体を冷やさないようにして、風邪予防に努めるためにも上手に入浴を活用しましょう。

寒い季節は交感神経を刺激しやすく、それが血圧を上げたり心臓に負担をかけたりする原因にもなります。

少しでも入浴で体を温めて、楽になるようにしたいものです。


また、更衣や浴槽の出入りはゆっくり行うことも心がけましょう。
脈が早くなると心臓が疲弊しますからね。そのせいで呼吸が苦しくなるかもしれません。



洗髪する時は、前かがみになると心臓を圧迫しますので、姿勢には注意してシャワーを使用しましょう。

また、サウナのある温浴施設ではサウナ浴をするのも良いでしょう。

浴槽浴は水圧がかかるので少なからず心臓に負担がかかりますから、少しでも呼吸が楽にできるという意味では水圧のかからないサウナ浴(または岩盤浴)は有効です。


なお、浴槽浴でもサウナ浴でも、入浴後は水分補給をしっかりと行って下さい。



<入浴上の問題>#2 倦怠感があり、入浴が困難に感じる

<入浴目標> 負荷をかけずに入浴ができる




まず、心臓への負担を少なくするため、動作間を30分程度空けるようにして、二重負荷がかからないようにしましょう。

例えば食後にお風呂へ入るのであれば、食後30分以上空けてから入浴するようにします。
仕事から帰宅した場合も、すぐにお風呂に入るのではなく30分待ってからにすると心臓に負担がかかりにくくなります。

そして、その間(入浴を待っている間)は、脱衣場と浴室内を暖めておきましょう(特に冬の寒い季節)


急激に血圧が上がったりすることがないよう、あらかじめ脱衣場や浴室内を暖めておくことは有効な方法です。

浴室内においても、入浴前にシャワーを出しっ放しにしておいたり、浴槽の蓋を開けておくなど、湯気で室内を暖めておくと良いですね。

要は温度差をなくすようにするということです。


入浴する際は、先にかけ湯をしましょう。
心臓から遠い場所からお湯をかけるようにします。



浴槽の温度は心臓にのかからない温度であることが重要です。
40℃前後が目安です。


心不全で呼吸が辛い時は、寝ているよりも座っている状態の方が楽である特徴があります。

深く浸かると肺や心臓に水圧が強くかかるので、浅めが推奨されています。

浅めでも長湯をすると負担になるので、10分以内に上がりましょう。

なお、起立性低血圧を起こしやすいので、出浴時には立ちくらみに注意してゆっくり立ち上がりましょう。



このように、心不全の場合の入浴は「ぬるめ、浅め、早め」が基本となります。
 



(最終更新日:2017/05/31)



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