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2016年7月

【健康】 冷房が効きすぎるとお腹の調子が悪くなる理由


暑いので冷房をガンガンに効かしたままお腹を出して寝ていたら下痢になっちゃった・・・という経験はありませんか?

誰しも経験的に「体を冷やし過ぎるとお腹の調子が悪くなる」ことは分かっています。

しかしなぜエアコンやクーラーによってお腹が痛くなったり下痢になったりするのでしょうか。

実はこの現象、正確には科学的な解明がされていないようです。


一般的によく言われるのが「冷えによって自律神経が乱れるから」というもの。

ここでも言われますか「自律神経の乱れ」

最近目立ちますよね、このフレーズ。
何でもかんでも自律神経のせいにして片付けるのはよくありません。

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冷房によってお腹の調子が悪くなるのは「体の恒常性を保とう」とするメカニズムが関係していると考えられています。

体が冷やされると、ヒトは体温を維持するために余分な水分を排出しようとします

例えば鍋に張った水を温めたい時は、少し水の量を減らした方が早く温まりますよね。それと同じ。

水分の体外への排泄は「発汗、呼気、排尿、排便」などによって行われていますが、寒いと感じている時には発汗はありません。
その分、排尿と排便による排泄量が増えるわけですが、寒いからといってその度に下痢にはなりませんよね。

その代わり尿が出ます。
だから寒い時ってオシッコがしたくなるでしょ。

しかし、お腹まで冷えてしまうと腸内の水分を直接排出してお腹を温めやすくしようとします。それが下痢です。


ちなみに、夏で暑いのに下痢を起こすこともよくあります。

原因としてありがちなのは、熱中症対策や脱水症状から守るために摂った水分補給にあります。

発汗で失われた水分の中にはナトリウムなどのミネラルも含まれているので、水分のみを補給すると血中など体液内のナトリウム濃度が薄くなります。

このままだと低ナトリウム血症になりかねません。そのため体がナトリウム濃度を保つために余分な水分を排出しようとします。
これにより起こるのが下痢だというわけです。

水分補給をするならミネラル入りのドリンクにしましょう。


関連記事

『「下痢」の入浴法 ~腸を落ち着かせる~』



 

 

【健康】 え?ポケモンGOが原因で不眠症に?


どうもSHIBAです。

熱狂的な人気で社会現象とまでになっている「ポケモンGO」

大流行の反面、いろんなリスクが囁かれています。

その中に「ポケモンGOが不眠症の原因となる」というのも見かけました。

不眠症といえば、その影響で肥満になったり筋肉の低下、あるいはうつ病が懸念される症状です。

はて?・・・ポケモンで不眠症?

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危惧されているその理由とは「スマホのブルーライトによって睡眠障害が起こる」というものでした。

ああ、なるほどね。

確かに、ヒトの体には昼夜の体内リズム(サーカディアンリズム)があって、その睡眠と覚醒に伴う神経活動はメラトニンセロトニンという神経伝達物質の働きによって決定しますが、ブルーライトはこの覚醒に働くセロトニンを活性化させ睡眠に働くメラトニンを抑制すると言われています。


そういう理由ならば、ブルーライトはサーカディアンリズムを乱し、不眠症の原因になるというのはよく分かります。

しかし、実際はどうなんでしょう。僕には単なる寝不足なのではないかという気がします。

不眠症であれば肥満や筋肉の衰えが問題になりますが、ポケモンGOのおかげでよく歩くようになったという話を耳にしますし、なんだか話が逆ではありませんか?

また自閉症の子がポケモンGOのおかげで症状に改善が見られたいう話題も報道されています。


そんなことより夜遅くの公園や街中に大の大人が沸いている方が異常な感じを受けますよ。


(SHIBA)


 

【健康】 「いい汗」とか「悪い汗」とか言うけど・・・


夏になるとよく耳にする言葉に「いい汗」「悪い汗」があります。

「いい汗をかこう!」とか「悪い汗をいい汗に変える方法」とか言われますが、いい汗と悪い汗の違いを意識したことってありますか?

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◆「いい汗」とは


一般に「いい汗」と呼ばれている汗は

・痩せる汗
・夏バテ予防、熱中症予防になる汗
・体臭予防になる汗


などと形容されています。

具体的には

<いい汗の特徴>

・無色無臭
・サラサラとして汗の粒が小さく蒸発しやすい
・弱酸性



ヒトは体が熱いと感じると、体熱を放散するために交感神経が刺激されエクリン汗腺から発汗します。

汗の成分は皮膚血管の血液から作り出されていますが、この成分には水分以外にもナトリウムなど体に必要な成分も含まれていますが、汗として排出される前に体に必要な分は再吸収される構造になっています。
なのでこのエクリン汗腺から出る汗の成分は、約99%が水であり、基本的に無色無臭です。

エクリン汗腺は体中に無数に分布しているのでひとつひとつの粒が小さくて蒸発しやすく、かいた汗が蒸発するときに皮膚の温度を奪っていくので(気化熱という)、体温が下がり調節されます。

健康な肌は弱酸性に保たれています。これはエクリン汗腺からの汗と皮脂腺から分泌される皮脂とが混ざり弱酸性となるからで、このおかげで細菌やカビから守られており、天然の美容液とも言われます。



◆「悪い汗」とは


反対に、悪い汗とは

<悪い汗の特徴>

・しょっぱい
・ベタベタとして大粒で蒸発しにくい
・弱アルカリ性



いい汗と真逆ですね。

ふだんから汗をかく習慣がないと、汗腺機能が徐々に衰えていきます。

働いている汗腺を「能動汗腺」といいますが、汗をかく習慣がないと能動汗腺の数が減少し、その分ひとつひとつの汗腺から出る汗の量が多くなってしまいます。
そのために汗の粒は大粒となり、ナトリウムなどのミネラル類も多く含みます。必要なミネラル類は汗として排出される前に再吸収されるとはいえ、その量に限界があるために多く流れ出るようです。

そういう訳で汗はベタベタと大粒でしょっぱく成分としては弱アルカリ性に傾きやすくなります。

弱アルカリ性になると肌に良くないのは、有害な菌が繁殖しやすいから(有害な菌はアルカリ性の環境を好む)

菌が汗の成分を分解し繁殖することで臭いが発生し、これが体臭の元となります。



◆本質的には汗に「いい」も「悪い」もない


本当に悪いのは「汗をかかないこと」であって「汗」そのものではありません。

悪い汗と呼ばれる汗だって、本当は意味があってかいているのであって、発汗には全て目的と理由があるものです。

発汗はなにも体温調節のみに作用するものではなくて、例えば緊張や不安、ストレスによっても起こります。

このような交感神経が優位になる状況下では、体温の上昇とは関係なく汗をかきます。
面接やスピーチ、怖い時、好きな人を前にした時、モスバーガーで「マックシェイク下さい」と言ってしまった時とか・・・

この場合の発汗は「精神性発汗」といい、体温調節のための発汗とは違い、手足から汗が出始めます。

これは戦闘時や逃避行動の際に、滑ることがないよう手足を湿らせておくという目的があって発汗するそうです。
よく「手に汗握る」と言いますよね。これはそういう意味だそうですよ。



◆悪い汗の改善方法


繰り返しになりますが、「悪い汗」と呼ばれる発汗は「汗をかかない習慣」によって起こるので、本当に悪いのは「汗をかかない習慣」です。

なので「いい汗」と言われる汗に変えるには「汗をかく習慣」を身に付けることです。

冷房に頼ってばかりいる人なら頼り過ぎないようにするとか、運動不足の人なら運動をする。それも有酸素運動。

体を冷やすことも原因となりますので、冷たい飲み物は常温にしてみるとか。


入浴も有効な手段となります。

特に半身浴。40℃以下のぬるめのお湯に20~30分間、じっくり汗をかくと効果が期待できます。


また、汗腺機能を鍛える入浴法として「手足高温浴」があります。

手足高温浴とは、43~44℃の高温のお湯が腰のあたりまで少なめに張られた浴槽に、両手の肘から先と下半身だけ浸す入浴法です。
パッと見、土下座をしているような姿勢になります。

時間にして10~15分間。全身の汗腺が働き、かなりの発汗量になると思います。

手足以外がお湯に浸かっていないのは、熱すぎるからというのもありますが、本来の目的はかいた汗を蒸発させるため。
かいた汗が蒸発することで気化熱を奪って皮膚温が低下し体温が調節されますが、ここまでが本来の汗腺機能の役目ですからね。そこまでしっかり働かせること。お湯が高温であるにもかかわらず10~15分間ものぼせることなく入っていられるのは、手足以外がお湯に浸かっていないためにかいた汗が蒸発できるから。


かくべき時にしっかり汗をかく。
これができるようなれば、「悪い汗」と呼ばれる汗は「いい汗」へと変わります。

そういうわけで本質的には「汗」にいいも悪いもないはずで、本当に悪いのは「汗をかかない」ことであり、もし「汗」そのものに「悪い汗」というものがあるとすれば、多汗症による必要以上の汗やワキガでしょうか。


関連記事

『「多汗症」の入浴法 ~情動の安定をはかる~』



 

【入浴】 「多汗症」の入浴法 ~情動の安定をはかる~


ヒトは体温調節をするために汗をかきますが、必要以上に汗をかく症状を「多汗症」といいます。

多汗症は入浴によって治療はできませんが、ある程度は発汗を正常化することが可能だと考えられています。



◆温熱性発汗と精神性発汗


ヒトが発汗するのは体温を維持するため。

そのため汗腺は交感神経が支配しています(副交感神経の支配は受けていない)

というのは、例えば激しい運動や戦闘を行ったときは緊張状態にありますから交感神経が優位になっていますよね。
激しい動作を伴いますので体温は上昇します。このまま放っておくとヒトは体温が42℃以上になり機能不全、死に至ります。

そうならないために発汗をして体温を下げるのが温熱性発汗(体温調節性発汗)

というわけで、発汗は交感神経が優位な場合に起きます

交感神経が優位になると発汗するので、体温の上昇とは関係なく緊張している時も汗をかきます。

この緊張や不安、ストレスで起こる発汗を精神性発汗といいますが、局所性多汗症の多くはこの精神性による発汗の異常が原因だと考えられています。

局所性多汗症というのは、多量に発汗する部位が限られているもので、手のひらに多く発汗がみられるのは「手掌多汗症」、足裏に多く見られれば「足蹠多汗症」、脇に多いのは「腋窩多汗症」と分けて呼んでいます。


まれに全身が多量に発汗する全身性の多汗症もありますが、これらはその裏に更年期障害や甲状腺障害、糖尿病、結核、その他に薬剤の副作用などが原因となっている場合が多いようです。

このような原因がはっきりしている続発性の多汗症であれば、対処法は自ずと決まってきますが、問題は局所性多汗症の場合。

一応は自律神経の失調である可能性が高いものの原因ははっきりしていません。

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◆入浴法のアプローチ


入浴法のアプローチとしては

・「汗腺機能を鍛える入浴法」
・「脳への血流を良くする入浴法」


の2通りが考えられます。

自律神経のバランスが乱れているために体温調節機能上手く働いていないとするならば、汗腺機能を鍛えることで改善が期待できます。

汗腺機能を司っているのは視床下部の体温調節中枢です。
外気温の変化は皮膚に存在する温受容器で感受し、その情報は体温調節中枢に伝えられます。
また、体内の深部温の変化は、視床下部にある温度感受性ニューロンで感受し、その情報も体温調節中枢に伝えられます。

体温調節中枢は、この内外から伝わる温度情報を統合して処理され発汗を誘発します。

汗をかくべき時に汗をかく。この当たり前の生理反応が弱いと汗腺機能が衰退し、能動汗腺(働いている汗腺)の数は減少してしまいます。

能動汗腺が減少していると、全身の汗腺で汗をかかないぶん、 体の一部分だけに大量の汗をかいてしまう現象が起きてしまいます。

このような体質の人には汗腺機能を鍛える入浴法が有効です。

しかし、局所性多汗症のようにみえるこの症状は、本当は「能動汗腺衰退症」と呼ばれ多汗症とは違います。

ただ、汗腺機能が低下しているために多汗症だと勘違いしているケースも多いようなので、一度は汗腺機能を鍛える入浴法を試してみる価値はあるでしょう(ちなみに、これはふだん汗をかく習慣のない人、運動不足の人にも有効な入浴法です)


もし汗腺機能に問題がないとすれば別のアプローチが必要で、それが脳への血流改善です。

それでは、「汗腺機能を鍛える入浴法」と「脳への血流を良くする入浴法」をそれぞれ紹介します。



◆「汗腺機能を鍛える入浴法(1)」手足高温浴からの半身浴


多汗症に悩んでいるからといって汗をかかないようにと水分の摂取を控えるとか、制汗スプレーなどで汗を止めたりするのは多汗症にとっては逆効果になると考えられています。

汗腺機能が正常に働いていないのであれば、汗を抑えるのではなく汗腺を鍛えて正常に戻すことが重要。

ということは、汗をかくべき時はしっかりと汗をかいて体温調節機能の役割を果たさせる必要があります。


汗腺機能を鍛える入浴法として知られているのは「手足高温浴」

手足高温浴とは、43~44℃の高温のお湯が腰のあたりまで少なめに張られた浴槽に、両手の肘から先と下半身だけ浸す入浴法です。
パッと見、土下座をしているような姿勢になります。

顔はうつむかないで上げて下さい。
この姿勢が辛い場合は、浴槽用のイスを入れて腰かけながらするのもよいでしょう。

時間にして10~15分間。かなりの発汗量になると思います。

この手足高温浴の目的は3つ。

1)手や足は局所性多汗症に多くみられる発汗部位になるので、ここの汗腺を刺激すること。

2)43~44℃だけに全身から汗が出ますが、これは全身の汗腺を働かせること。

3)かいた汗が蒸発することで気化熱を奪って皮膚温が低下し体温が調節されますが、ここまでが本来の汗腺機能の役目ですからね。そこまでしっかり働かせること。お湯が高温であるにもかかわらず10~15分間ものぼせることなく入っていられるのは、手足以外がお湯に浸かっていないためにかいた汗が蒸発できるから。


ただ単に汗をかいてもダメなんですね。

そして、そのあとに、浴槽にお湯を足し、37~39℃の微温浴で半身浴をします。

これは手足高温浴で優位になっていた交感神経を副交感神経に切り替えるため

全身浴より半身浴が有効な理由は、やはり汗腺機能を鍛えるため。体温調節としての汗腺機能の役割は「汗が蒸発して気化熱で体温を調節するまで」が1セットですからね。

頭から手、腋を含む上半身からかいた汗が蒸発するまでを実践することで本来の働きを取り戻すことが目的です。

こうして手足高温浴で交感神経を刺激し、半身浴で副交感神経優位に切り替えることで自律神経のバランスも整えられます。



◆「汗腺機能を鍛える入浴法(2)」入浴後のケア


入浴後は体をタオルで軽く拭き(水分を完全に拭こうとしない)、ゆっくりと汗が蒸発して体温が下がるのを待ちます。

暑い時はうちわで扇ぐのも良いでしょう。ただし、冷房を使って一気に体を冷やすと、せっかくの汗腺トレーニングが無駄になってしまいます。

皮膚表面の温度が下がることで一時的には汗はひきますが、体内(脳内)の深部体温は高いままなので再び体温調節中枢が働いて汗が出てきます。

ゆっくりと汗が蒸発して体温が下がるのを待つのは、体温調節中枢が正常な判断ができるようにするためです。



◆「脳への血流を良くする入浴法」


局所性多汗症の発汗は温熱性発汗(体温調節性発汗)よりも精神性発汗であることの方が多いもの。

この精神性発汗が温熱性発汗と生理的に違うのは、視床下部だけでなく大脳辺縁系が関与しているということ。

そして、手足以外から発汗するのが温熱性発汗であるのに対して、手足に発汗が多いのが精神性発汗の特徴です。

精神性発汗に大脳辺縁系が関与しているのは、辺縁系には情動に司る扁桃体が存在するからで、視床下部は辺縁系の影響を受けて作用します

「情動」とは喜怒哀楽の感情で引き起こされた行動のこと。

体温調節中枢も汗腺機能も自律神経の制御やホルモンの分泌も全て視床下部の役目ですが、その上位である大脳辺縁系で統合された指令が視床下部を制御しています。

つまり、大脳辺縁系は視床下部の上司みたいなもの。
自律神経のバランスは情動によって左右されるのはそのためです。

これでもうお分かりになるかと思いますが、局所性多汗症が精神性発汗の異常によるものだとすれば、いくら汗腺機能を鍛えても効果は期待できず、情動の安定が必須条件になります。

そのためには視床下部や大脳辺縁系に血流と脳脊髄液の循環を改善すること。


入浴法としては「脳への血流を良くする入浴法」が求められます。

脳への血流が悪いとめまいなどの症状が表れますが、実際に多汗症にはめまいを併発することが認められています。

首こりや肩こりがあると脳への血流は悪くなりますので、首や肩にこりがある場合は先にこれを改善しましょう。


『【入浴】 「めまい」の入浴法 ~耳の血流UPとストレス発散~』 参照

『【入浴】 「肩こり」の入浴法 ~炭酸ガス系の入浴剤やアロマで効果的に改善~』 参照


脳脊髄液を増やすには、日常生活においては十分な水分補給睡眠が不可欠だと言われています。
入浴法としては安眠へと繋がるような入り方をすることが求められます。


『【入浴】 「不眠症」の入浴法 ~就寝の1~2時間前に入浴する~』 参照


また、情動を司る扁桃体にはオキシトシン受容体が多く、オキシトシンはそこに作用して、扁桃体で生じる恐怖や不安を打ち消すという研究報告があります。
オキシトシンとは視床下部で産生される別名「幸せホルモン」とか「愛情ホルモン」と呼ばれる神経伝達物質のひとつです。

そこで、このオキシトシンが増えるような入浴法が望まれますが、浴槽に好きなアロマ精油を数滴垂らすと効果があると考えられています。

好きな人と一緒にお風呂に入るのもいいらしいですよ。要はスキンシップですね。

あとは、入浴中にストレッチリンパマッサージを行うとさらに効果が期待できるようです。

オキシトシンが十分に分泌されると、心理的・精神的ストレスを緩和し、身も心も満たされたような気分になるので大脳辺縁系の状態が安定し、それが多汗症にも良い影響を与えるのではないかと推測されます。
 

【健康】 「多汗症」は「汗かき」や「ワキガ」とは違う


多汗症はしばしば「汗かき」や「ワキガ」と混同されます。
 
汗の悩みという共通点はありますが、どちらも症状は違います。

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◆「汗かき」との違い

 
例えば、肥満の人はよく汗をかいているイメージがありますよね。
あれは動作にエネルギーを大量に消費するので体温が上がりやすく温熱性の発汗が起こりやすい。これがいわゆる「汗かき」
 
つまり、汗かきの人は暑い時に大量の汗をかきます。
これは特別なことではなく、普通の人より汗の量が多いだけ。
 
ふつうは暑い時や運動をすると体温が上がるので、発汗することで体温を下げて調節するものですが、
多汗症の人は寒い時や運動をしていない場合でも大量に汗をかいてしまうという特徴があります。
 
 
 
◆「ワキガ」との違い
 

これもよくある勘違い。
 
汗の出る汗腺には「エクリン汗腺」「アポクリン汗腺」があります。
 
暑い日や運動をして体温が上昇した時に体温調節機能として発汗するのはエクリン汗腺の役割で、多汗症の人は体温に関係なく特にこのエクリン汗腺から必要以上に汗が出るのが特徴です。
 
基本的にエクリン汗腺の汗は無色無臭。
 
これに対し「ワキガ」の人はアポクリン汗腺が多く分泌されるのが特徴。
 
アポクリン汗腺は体温調節の役目はなく、乳白色か黄色っぽい色をしています。
これはエクリン汗腺の成分の他に脂質、タンパク質を含んでいるからで、アポクリン汗腺から出る汗が皮膚表面に出ると常在菌で分解され臭気を帯びるようになる。
 
これがキツイ体臭のもとで、酷くなると「ワキガ」になります。
 

◆多汗症の種類

 
多汗症には全身性のものと、手のひらや腋、頭部といった局所性のものがあります。
 
また、何かしらの疾患や薬が原因で多汗症になる場合と、原因が不明な原発性の多汗症とがあります。
 
全身から汗が出る多汗症は、その裏に更年期障害や甲状腺障害、糖尿病、結核、その他に薬剤の副作用などが原因となっている場合が多いようです。
 
一般的に多い多汗症は局所性のもので、原因は不明ですが交感神経が異常に働いてしまう自律神経の失調が関係していると考えられています。
 
局所性の多汗症は多量に発汗する部位によって以下のように呼ばれます。
 
手掌(しゅしょう)多汗症・・・手のひら
 
足蹠(そくせき)多汗症・・・足底
 
腋窩(えきか)多汗症・・・脇
 
顔面多汗症・・・顔
 
胸腹部(きょうふくぶ)多汗症・・・胸部、腹部
 

これらはほとんど自律神経の失調で起こる症状なので、「自分は汗かきなだけ」と思い込まずに医療機関で診てもらいましょう。

 

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『「多汗症」の入浴法 ~情動の安定をはかる~』

【健康】 「あせも」と「湿疹」は違う。でも幼児のあせものケアは湿疹と同じ


「あせも」「湿疹」て似ていますよね。

あせもは汗の出る汗腺の出口が詰まり、そこに汗がたまってしまう状態です。
正式には「汗疹(かんしん)」といいます。

汗が詰まって水ぶくれになるだけなら痒みを伴いませんが、炎症を起こして赤くなりだすと痒みや軽い痛みを伴うようになります。

幼児は発汗量が多く、また肌がプニプニしているぶんシワが多くあります。首回りや肘裏、膝裏は特にあせもができやすいもの。


一方、湿疹は「外的要因により肌に赤くブツブツができたもの(皮膚の炎症)」を総称した表現です。

原因は様々で、例えば金属にかぶれたり、何かしらのアレルギー症状だったり、擦れたり引っかいたりしたことによるものもあれば、薬の影響で起こる場合もあります。

あせもも炎症すれば湿疹と同じとも言えます。

あせもは放っておくと、細菌が感染して「とびひ」になることもあるのでしっかり治しましょう。

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あせもの原因は汗をかくことではなく、かいた汗を放っておくことにあります。

あせもケアは湿疹と同じ。
肌を清潔に保つことが基本となります。

そのためには汗をこまめに拭くこと。

乾いたタオルよりも水に濡れたタオルでやさしく拭くことがポイントです。
これは刺激を与えないためです。

そしてこまめに着替えさせてあげること。

厚着はあせもを悪化させるので良くないのはもちろんですが、かといってノースリーブが良いかといえばそうでもなく、袖はある方が汗を吸収できるのであせもの予防になります。

通気性の良い天然素材の衣服は汗を吸収してくれますよ。


汗を多くかいたら風呂に入れてあげるといいですね。

ただし、入浴の仕方には注意が必要です。

お湯の温度や入浴剤、体の洗い方や入浴後のケアまで正しい知識は身に付けておいた方がお子様のために良いでしょう。

詳しくは
『【健康】 子どもの入浴法 ~「あせも」の場合~』 参照



 

【健康】 牛乳を飲むと良いのは朝?それとも夜?


健康のために牛乳を飲むなら朝と夜、どちらが効果的でしょうか?

牛乳を飲む習慣のある人なら一度は考えたことがあるかもしれない疑問です。

牛乳にはたくさんの栄養素が含まれていますからね。


牛乳から摂取できる主な成分はカルシウムビタミンAビタミンB2、そして豊富なアミノ酸などなど・・・

これらの成分はそれぞれ役割があるので適した時間に摂取することが望まれ、また吸収しやすい時間・作用しやすい時間というのもあります。

なので、牛乳を飲むなら朝が良いとも夜が良いとも一概には言えなくて、目的に応じて答えは変わってきます。


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◆便秘解消には「朝」


考えるうえで必要になってくるのは時間栄養学です。

時間栄養学に基づけば、一日の生活リズムのうち、朝は排出の時間帯

そのため内臓を温めるようなものや腸内活動を刺激するものが有効となります。

「牛乳を飲むとお通じに効果があるから朝に飲む」という人は多いと思いますが、これは時間栄養学からみてもとても理に適っています。

牛乳を飲むとお腹がゆるくなるのはオリゴ糖乳糖を多く含んでいるからです。

腸内で善玉菌のエサとなり腸のぜん動運動を活発化させる作用があるので便秘解消に効果があると考えられます。



◆骨粗しょう症予防、安眠効果、美肌効果を期待するなら「夜」


牛乳といえばカルシウムですが、カルシウムはただ摂取しても効果的ではありません。

カルシウムは骨を形成するうえでとても重要な成分ですが、骨を形成している時間帯は実は就寝中。

ヒトは夜眠っている間に成長ホルモンが分泌され、傷ついた血管を修復したり骨を形成したりしています。

ということは、骨の材料であるカルシウムは夜摂取する方が骨粗しょう症の予防には良いということになります。

カルシウムは就寝の1~2時間前が吸収されやすいので、風呂上りの1杯に最適ですよ。


また、カルシウムには気持ちを落ち着かせる効果もありますし(ストレスを感じた時に副腎から分泌される抗ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールは生成されるためにカルシウムが必要になる)、牛乳には心を落ち着かせる脳内物質セロトニンを生成するためのトリプトファン(体内で作ることができない必須アミノ酸)が豊富に含まれています(アミノ酸はタンパク質を構成する成分)

コルチゾールの生成にはカルシウムの他にマグネシウムも必要になりますが、牛乳にはマグネシウムも豊富に含まれています。

よって牛乳はストレス解消にはとても効果があり、夜飲むことで安眠効果に結び付けることができます。


そしてそして。

牛乳には美肌ビタミンと呼ばれるビタミンAも豊富。

ビタミンAは皮膚や粘膜を保護するビタミンとして肌トラブルから守ってくれる働きがあります。
乾燥肌対策にもなりますよ。



◆体力UP、筋力UPには「運動直後」


筋肉は主にタンパク質を構成するアミノ酸から合成されています。

そしてそのタンパク質合成能力は運動終了直後が特に高くなると言われています。

よくアスリートが筋トレをした後にプロテインを飲むのはそのためです。

言うまでもなく牛乳も良質なアミノ酸(タンパク質)が含まれています。

目安は「運動終了直後30分以内」だそうです。ホント直後ですね。

筋肉量が増えれば基礎代謝量もUPしますので疲労も回復しやすくなります。



まだまだ牛乳の効果はあります。

それなりにカロリーがあるので空腹時に飲めばおやつ代わりに。食前に飲めば食べ過ぎの予防に。などなど・・・

このように細かく見ていけば牛乳は目的に応じて飲む最適なタイミングが違ってくることが分かります。


しかし、本当に大事なのはスポット的に飲むのではなく、毎日飲む習慣を身に付けることでしょうね。



 

【健康】 高齢者が熱中症にかかりやすい本当の理由


かつては熱中症といえば炎天下でのスポーツや作業中に起こることが多いイメージでしたが、今では室内に居ながらにして発生する症状として認知されるようになってきました。
 
その原因として高齢者の熱中症患者の増加があげられます。
 
高齢者が熱中症にかかりやすい理由として広く認知されているのが「冷房が嫌い」「気温に対して鈍感になっている」というもの。
 
確かに高齢者は暑さに対して反応が鈍く、気が付いたら熱中症にかかっているというケースは多いようです。
 
これは体温調節機能が低下しているためで、体内に熱がこもっても暑さを感じないために熱中症の危険性は高くなります。
 

しかし・・・
 
暑さをしっかり感じることができたとしても、それでも熱中症にかかってしまうのが高齢者に多い特徴のようです。
 

その理由は3つ。
 
・能動汗腺の数が少ない
 
・筋肉量が少ない
 
・食事量が少ない
 
これこそが高齢者に熱中症が多い本当の理由です。

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体温調節機能には体温の変化や外部環境の温度変化を感知する機能だけでなく、その変化に体が対応するための機能も備わっています。
 
体温調節機能が低下するということは、暑いと感じることができても体がそれに対応できないということです。
 
暑いと感じた時のヒトの体の対応とは「発汗作用」のこと。
 
発汗作用は、暑い日や運動時における体温の上昇に対して、体温調整を行う上で最も効果の期待できる手段です。
 
脳の視床下部には体温調節中枢があり、ここで体が熱いと感じると、自律神経の交感神経を活発化させ、汗腺に体温を下げるように指示を出します。
 
そして血管から血液の成分を受け取って濾過をして汗腺から皮膚表面に汗となって出ます。
最終的には汗が蒸発する時に体表面の熱を奪って体温は下がるというわけです。
 
夏の熱い道路に水を打つと蒸発して少し涼しく感じるようになるのと似ていますね。
 


◆能動汗腺が少ないと「うつ熱」になる


さて、この一連の流れが発汗作用。
 
ところが高齢者は能動汗腺が少ないために汗をかきにくいのです。
 
能動汗腺とは、すべての汗腺のうち活動している汗腺のこと。
 
能動汗腺の数は加齢とともに減少するようです。
 
そのため高齢者は暑いと感じてもなかなか汗が出ないために熱がこもりやすいようです。
 
この熱がこもって起こる熱中症を「うつ熱」といい、熱中症の中でも一番症状が重く、頭痛や嘔吐・意識障害・けいれんに加えショック状態や多臓器不全などを起こすほど命にかかわる危険な症状で、高齢者に多いのがこの「うつ熱」による熱中症です。
 
日頃から汗をかく習慣を身につけることが重要です。
できれば有酸素運動が効果的ですが、入浴でじっくり汗をかくことのも良いですよ。
 


◆筋肉量が少ないと「熱疲労」になる


また、汗をかくためには汗となる体内の水分が必要で、水分が不足しているとすぐに脱水状態となり「熱疲労」と呼ばれる熱中症になります。
 
ヒトは人体の1~2%の水分を失われるだけで意識障害が起こると言われています。
 
水分の10%はいざという時のために筋肉に蓄えられているようですが、何しろ高齢者は筋肉の量が少ないために水分の備蓄が少ないことになります。
 
そのため高齢者はすぐに脱水状態となり熱疲労を起こしやすいと考えられます。
 
水分の備蓄ができないのであれば、こまめに水分補給するしかありません。
あまり喉が渇いていなくても面倒くさがらずに水分補給しましょう。
 

ちなみに、筋肉量が少ないと代謝力も落ちますから汗をかく習慣も少なくなりがち。汗腺は働く機会が無いと機能しなくなるので、汗をかく習慣が少ないと能動汗腺の数が減ることにもつながります。



◆食事量が少ないと「熱けいれん」になる
 

そして食事量の減少も熱中症と大きく関係しています。
 
実は飲み物だけでなく食べ物の中からもけっこうな水分を摂取しています。
脱水状態にならないために必要なミネラルや電解質も食事から摂取できます。
 
というわけで、食事量が少ないと汗をかくための材料が不足しがちになることに・・・
 
とはいえ、高齢者はたくさん食べようにもエネルギー消費するだけの代謝力がありません。
ですから、少ない食事でも熱中症に有効な栄養を効率よく摂取することが重要です。
 
熱中症対策に有効な栄養素はナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムといったミネラルです。
これらのミネラルが汗で失われ過ぎると「熱れいけん」と呼ばれる熱中症を起こしますので注意が必要です。
 
なお、ビールやアルコール飲料は逆に脱水状態になりやすいので注意しましょう。
 
 

 

【入浴】 子どもの入浴法 ~「ヘルパンギーナ」の場合~


夏かぜのひとつ「ヘルパンギーナ」

ヘルパンギーナは夏に流行する急性の咽頭炎で、子どもに多いので「子どもの夏かぜ」として知られています(大人もかかります)


一般的な症状としては、突然の発熱から喉が痛み、食事が飲み込めない場合があるようです。

ウイルス性の感染症で、病原体はエンテロウイルス属(コクサッキーウイルス、エコーウイルスなど)で、熱は2~4日で治まるとされていますが、まれに重症化して髄膜炎などを起こしてしまう病原体です。


『【健康】 子どもの頭痛で小児科が特に注意を払うのは「髄膜炎」』 参照


夏のエンテロウイルスによる感染症は他に「手足口病」などがあります。

一般にウイルスといえば冬場の低温乾燥の環境を好むものですが、エンテロウイルスは夏に好発するだけあって、高温多湿の環境を好むのが特徴です。

そのため、1997年にアメリカの医師によってエンテロウイルスとの関係性が分かるまで ヘルパンギーナはずっと慢性疲労症候群と呼ばれ原因は不明とされていました。

原因が分かってからまだ日が浅いため、効果的な治療法や薬はまだ確立されていないようです。

慢性疲労症候群に対する治療としてビタミンCビタミンB12などを用いることが多いようなので、ふだんの食事からビタミンを摂取することを心がけると良いと思われます。

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◆ヘルパンギーナの特徴

【感染様式】飛沫感染、接触感染

【潜伏期】2~4日

【好発年齢】乳幼児

【症状】発熱、咽頭痛、口内炎、水疱





◆入浴法しても良いのか?


一般的なかぜであれば入浴しても問題がなく、発熱をしているかどうかよりも、子ども本人が元気かどうかで判断することが多いものです。

しかし、ヘルパンギーナの場合は、子どもの体力は確実に落ちていると考えられるので入浴は控えた方がよいでしょう。
せめてぬるめのシャワーで清潔さを保つのが無難です。

入浴は熱が下がり水疱がなくなってからにしましょう


また、入浴で他の家族に感染するかといえば、湯船では感染はしませんが飛沫感染や間接的な接触感染の可能性はあります。

一般のかぜでは高温多湿の浴場で感染することはありませんが、エンテロウイルスは高温多湿を好むという点で注意が必要です。

入浴できるようになっても、他の家族全員が入浴し終えてから最後に入浴させると良いでしょう(シャワー浴の場合でも)

また、タオルやバスタオルの共有も控え、入浴後は湯冷めさせないように注意してあげて下さい。



関連記事

『「子育て」としての入浴法』


『子どもの症状別入浴法』

【健康】 「夏バテだからウナギを食べよう」は間違い


昔から夏バテには「ウナギ」・・・ですよね。

土用の丑にはウナギを食べて体力をつけようとする習慣からも分かるように、ウナギには体力を増進する栄養素が豊富にあります。

しかし、夏バテして体力が低下している人が「体力をつけるためにヨシっ!ここはひとつ、ウナギでも食べて・・・」と考えるのは間違っています。

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夏バテに負けないように、体力を維持するためにウナギを食べるのであれば、これはとても効果的です。

しかし、すでに夏バテをして体力が低下している人は胃腸も弱っています。
こんな時にウナギのような脂っぽい物は消化に悪く、胃腸に負担をかけてしまい、むしろ逆効果となってしまいます。

これは何もウナギに限った話ではありません。
スタミナ料理とされている豚肉料理なども同様です。

豚肉料理も確かにタンパク質やビタミンBが豊富で、スタミナUPに適した料理ですが、タンパク質や脂質は消化に時間がかかるのでやはり胃腸には負担がかかります。

これらウナギや豚肉は体力のあるうちから食しましょう。


では夏バテをしている人はどんな物を食べれば良いのか?

もうお分かりですよね。

それは「消化に良いもの」です。


消化に良いものというのは

 ・温かいもの
 ・柔らかいもの
 ・小さく切ったもの
 ・不溶性食物繊維の少ないもの
 ・脂肪の少ないもの
 ・消化を助ける食材(大根、長いも、小松菜、キャベツ、オクラなど)
 ・ヨーグルト


お粥柔らかく煮込んだうどんは消化も良く、また炭水化物なので素早くエネルギーとなるので胃腸が弱っている人には最適です。

不溶性食物繊維は消化されにくいので食べ過ぎないように気を付けましょう。具体的には「ゴボウたけのこサツマイモレンコンこんにゃくきのこ類」などが不溶性食物繊維を多く含んでいます。

ヨーグルトは乳製品自体が消化に良いということもありますし、胃の粘膜を保護したり腸内環境を整えたりする作用があるので有効です。