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2016年10月

【健康】 意外?スマホの悪影響が腰痛にも関係してるって知ってました?


どうもSHIBAです。

スマホの利用によって腰痛にもなるって知っていました?

スマホ利用には目の疲れ頭痛首こり肩こりといった、いわゆる「スマホ症候群」という悪影響があることは知っていましたが、腰痛の原因にもなるとは意外な気もします。

確かによくよく考えてみれば、スマホの姿勢は立ち姿勢でも座り姿勢でも前かがみになりがちで、
それによって負荷がかかるのは首や肩ばかりではなく腰回りにも当然あるわけで。

しかも僕の場合は、座り姿勢の場合、基本的に足を組んでスマホを操作しますから、腰への負担が無いわけがありません。

骨盤や股関節が歪んだ状態が続くわけですから、筋肉だってそりゃ硬直しますわな・・・

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足を組んでいると何となく姿勢が楽な気がしているだけで、実は大変なことになっているわけです。
足を組む方が楽な気がするのは、それだけ足腰の筋肉が低下しているからだとも言われています。


しかもそのうち、その姿勢すらも疲れてきて遂には寝転がりだすのがオチ。

寝ながらだと最初は楽な感じがしますが、寝ながらのスマホ操作も結構疲れるんですよ。

知らず知らず横向いたり仰向けになったり、腹ばいになって肘をつきながらスマホを使い続けています。
要はどの姿勢になっても負荷がかかり続けているってことなんでしょうね。


姿勢の歪みは骨の歪みになるばかりではなく、血流も悪化します
いろいろな弊害があるのも頷けます。


自分もスマホ症候群かも?と疑われる場合はスマホの利用時間を減らしましょう。

姿勢を工夫すれば良いなんて簡単に考えてもダメですよ。
例えば足組み姿勢が癖になっているからといって、逆の足でも交互に組めばバランスが良くなると思ったら大間違いですよ。

それよりスマホ操作の時間を減らす

そしてその後のケアをしっかりする。

ストレッチは当然、入浴も血流改善に効果がありますから、きちんと自分の体をメンテナンスしたいものですね。



関連記事

『【健康】 「眼精疲労」の入浴法 ~疲れ目とは違う~』

『【健康】 「肩こり」の入浴法 ~炭酸ガス系の入浴剤やアロマで効果的に改善~』

『【健康】 「腰痛」の入浴法 ~腰痛にもいろいろある~』
 

【入浴】 「夜間頻尿」の入浴法 ~原因別で違ってくる~



夜間頻尿」とは病名ではありません。「夜間に1回はトイレに起きる」ことを定義とする症状のことです。

頻尿は加齢水分の過剰摂取などの生活習慣によってもなりますが、尿崩症糖尿病が原因となることもあります(尿崩症とは抗利尿ホルモンが減少したり働かなくなるために尿量が増えてしまう症状で、昼夜関係なくトイレの回数が増えます )


特に夜間の就寝中に頻尿になることを「夜間頻尿」といい、考えられる原因は以下のとおり・・・


「夜間多尿」・・・夜の水分の過剰摂取はもちろん、カフェインやアルコールの摂取も原因となる。心臓や腎臓の機能低下も多尿に関係し、高血圧や心臓病の薬による影響もある。

「膀胱畜尿障害」・・・機能的膀胱容量が減少し、膀胱に十分な尿を溜めることができなくなる状態。過活動膀胱、前立腺炎、膀胱炎などが原因となる。

「睡眠障害」・・・高齢者に多い。眠りが浅く、トイレに行きたくて起きるのか、目覚めたからトイレに行きたいのか自分でも分からない状態。不眠症の他、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群が関与している場合もある。



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◆夜間頻尿の場合


まずは生活習慣の見直しから始めましょう。

就寝時間は不規則になっていませんか?寝る時間が毎日バラバラだと体内時計が乱れるので夜間に起きてしまうことにもなります。

また、夜にお茶やコーヒー、お酒を飲む習慣がある場合も注意が必要です。カフェインアルコールを含むものは控えた方が良いでしょう。

体質も関係します。

夜だけ頻尿になる人の特徴として足のむくみが原因となることがあります。
これは寝るときに体が横になり、脚に溜まっていた水分が全身に回り腎臓に流れた水分が尿となるから。


『【入浴】 「脚のむくみ」の入浴法 ~炭酸泉が効果あり~』 参照


それから意外と忘れられていることかもしれないのが「冷え」。

体が冷やされると、ヒトは体温を維持するために余分な水分を排出しようとします。
例えば鍋に張った水を温めたい時は、少し水の量を減らした方が早く温まりますよね。それと同じ。だから寒くなるとオシッコが近くなる。

そういうわけで、入浴で体をしっかりと温めることはとても有効なことなんですね。



◆膀胱畜尿障害の場合


過活動膀胱前立腺炎膀胱炎など膀胱に尿が溜められなくなる障害が原因なので、水分の過剰摂取とはあまり関係ありません。

過活動膀胱は神経因性による場合が多く、脳と膀胱をやり取りしている神経にトラブルがあって膀胱に尿が少ししかたまっていなくても尿を出そうとする病気です。

女性の場合は、神経のトラブル以外でも、加齢や出産によって骨盤底筋がゆるんだり弱くなることで排尿機能が低下し過活動膀胱になることがあります。
ときに尿もれを起こすこともあり、これを「腹圧性尿失禁」といい、重い物を持ったりくしゃみや咳をした時に腹圧がかかり尿もれを起こします。
この場合は骨盤底筋を鍛えてやることが有効であり、膣と肛門にキュッと力を入れて10秒後に脱力し、またキュッと引き締めることを繰り返すと良いそうです。


『【健康】 女性に多い「尿もれ」防止に効果!お風呂で簡単トレーニング』 参照


男性に見られる症状として「何度もトイレに行きたくなるけど尿があまり出ない、しかも残尿感がある」というような場合は、前立腺肥大からの過活動膀胱の併発が起こっている可能性が考えられます。
これは前立腺肥大によって尿道が圧迫されて尿が出にくい状態にもかかわらず、トイレに行くたび無理やり尿を出そうと膀胱に力を入れることを繰り返しているうちに、膀胱が過敏になって過活動膀胱になってしまうケースです。

入浴による過活動膀胱の対策としては、へそより下の血流を改善すること。
半身浴でもいいので、20~30分じっくり温めてあげましょう。


『【入浴】 「過活動膀胱」の入浴法 ~下半身を冷やさない~』 参照


膀胱炎は女性に多い病気です。

膀胱炎はお風呂に入っても大丈夫か?という疑問はよくありますが、問題はありません。
膀胱炎は細菌による炎症なので、免疫機能を高めるためにもむしろ入浴して体を温めることの方が有効です。


『【入浴】 「膀胱炎」の入浴法 ~水分をしっかり摂る~』 参照



◆睡眠障害


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よく眠れないと頻尿の原因となります(逆に夜間頻尿が睡眠障害の原因となる場合もある)

不眠症の原因は加齢心因性によるものだといわれています。心因性というのは自律神経の乱れ。不安やストレスが自律神経のバランスを乱し熟睡できなくします。

そういうわけですので、不眠症の改善策はストレスモードからリラックスモードに切り替えることなので、入浴法としては副交感神経を優位にする38~40℃のお湯でゆっくりすること。

浴槽に浸かる時間が短すぎると、このモード切替が不十分になるかもしれません。あえて少し長湯と感じる20~30分浸かりましょう。

就寝時間の1~2時間前に入浴することもポイントです。


『【入浴】 「不眠症」の入浴法 ~就寝の1~2時間前に入浴する~』 参照





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『症状別の入浴法』

 

【美容】 美肌を意識するなら風呂上りに牛乳を飲むと良い


風呂上りはいつも何を飲まれていますか?

もし美肌を維持しようと日々意識されているようでしたら「牛乳」はいかがでしょうか?


牛乳を飲むことにいくつかの効果がありますが、特に女性に嬉しいことが多いような気がします。

例えばに牛乳を飲むとお通じが改善されます。

これは牛乳に含まれるオリゴ糖乳糖が腸内細菌のエサとなり、腸のぜん動運動が活性化されるためです。

そしてお風呂上り。

お風呂上りに牛乳を飲むことのメリットを、ここでは2つ紹介します。


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1.カルシウムの吸収がUPする


カルシウムの吸収されやすい時間帯はご存知でしょうか?

実は就寝の1~2時間前が良いそうです。

ご存知のとおり、牛乳に多く含まれるカルシウムは骨の形成に必要な成分ですが、その作用は主に寝ているときに行われています。

ですので、夜に入浴することを前提に考えれば、就寝の2時間前に入浴を済まして牛乳を飲むと効率よくカルシウムが吸収されて作用するということになります。

とりわけ、骨粗しょう症は女性に多く、男女比は1:3とも言われています。

また、カルシウムにはトリプトファンという心を落ち着かせるアミノ酸も豊富ですので、
入浴でリラックスして風呂上りに牛乳を飲めば、ストレスを解消して安眠に繋げることができるというわけです。



2.ビタミンAで肌を保護する


牛乳に含まれるビタミンAは、皮膚や粘膜を保護する役割があります。
そのため美肌ビタミンとも呼ばれ、美肌を意識する人には重要なビタミンです。

ビタミンAは緑黄色野菜などにβーカロテン(体内でビタミンAに変わる)というかたちで多く含まれていますが、ビタミンAは「脂溶性ビタミン」といって、オイルとの相性がとても良いんです。

ですので、サラダでビタミンAを摂取したい場合はノンオイルドレッシングではなく、オイル入りのドレッシングマヨネーズをかけて食べるとビタミンAの吸収率が上がります。

油と酢を乳化(本来分離して混ざり合わないものが限りなく混ざっているような状態)させたマヨネーズやドレッシングなどは、油の粒が小さくなっているので特に吸収率を高めてくれます。


同様の理由で、牛乳の脂質にも同じ効果が得られるようです。

牛乳にはビタミンAが含まれているだけでなく、牛乳が持つ脂質のおかげでより吸収されやすいという特徴があるんですね。

寒くなってくる時期には乾燥肌にも注意しなければなりませんから、ますますビタミンAは必要になってくるでしょう。

ビタミンAはのどの粘膜も保護してくれますので、風邪予防にもなりますね。

 

出生前診断で悩んでいる親に朗報?「ダウン症の9割は幸福と感じている」


どうもSHIBAです。

先週、とても興味深いニュースがありました。

それは厚労省によるアンケート調査の報告で、ダウン症のある人の9割以上が「毎日幸せに思うことが多い」と感じているというアンケート結果が得られたというものです。


http://www.news24.jp/articles/2016/10/13/07343576.html
日テレNEWS:ダウン症のある人「幸せに思う」90%以上


つまり、ダウン症本人の大半が幸福感を持って暮らしている・・・ということです。


実は僕、以前からこのような話題を待っていたんです。

単にダウン症のある人が幸せに感じていることが嬉しいと思っているだけではありません。

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現在、医療技術の進歩によって「出生前診断」の安全性と精度が飛躍的に高くなっています。

「出生前診断」というのは妊婦の胎児の健康状況を調べる行為で、これにより胎児に障害などの可能性まで知ることができます。

とりわけダウン症の場合はほぼ確実に出生前に分かるようです。


もし今から生まれてくる子に障がいがあると分かれば前もって準備も出来ますし、いい状態で生むために帝王切開を選択するなど事前に情報があると便利だというメリットが出生前診断にはあるわけです。

しかし気がかりなのは、それにより親が出産をあきらめてしまうこと。

知るということは準備もできるという一方で、親としては中絶という選択肢も当然あります。
現在の出生前診断は正確ですから中絶を選択する人は増えるでしょう。

障害を持った子供が生まれれば、親には体力的にも精神的にも大きな負担がかかることは間違いありません。

それが理由で出産をあきらめるのは仕方がないでしょう。

ただし、なかには「子供のことを考えたら生めない」という理由の人もおられます。

差別を受けたり生活に不自由があったりして子供を不幸な目に合わせてしまうんじゃないかという考え方です。

でもこれは親の勝手な解釈なのではないか?と僕はずっと思っていました。


子どものことを思うあまりそう感じているのかもしれませんが、幸か不幸かは本人が感じること。

親が心配しているほどダウン症の子本人は気にしていないのかもしれないということが、このアンケート結果から窺えます。

実際にダウン症の子が幸せかどうかは別として、少なくとも本人は幸せだと感じている場合が多い。

このアンケート結果は、出生前診断でダウン症であることが判明した時に、
「生まれてくる子が悲しい思いをするのでは?」と出産を躊躇している親にとっては朗報のはず。

本当は生みたい・・・と悩んでいる人の背中を押してくれるでしょう。

何よりもまず親が「かわいそう」などと思わないことの方が重要かも・・・。
そんな思いが親自身にあると、子供も「自分は不幸な身に生まれたのだ」と自分の境遇を悲観してしまうのではないでしょうか。

そもそも健常者に生まれたからといって、幸せな人生を歩めるとも限りません。生きてみなければ幸か不幸かなんて分からない。それなのに、生まれた時点で「この子は不幸だ」と決めつけてしまうのはもったいないということです。
 

【健康】 女性に多い「尿もれ」防止に効果!お風呂で簡単トレーニング

 
尿もれは加齢とともに起こりやすくなりますが、特に女性に多いのが腹圧性の尿もれです。
 
腹圧性というのはお腹に力が加わったとき、例えばくしゃみや咳をした場合、重いものを持つときに踏ん張った場合に膀胱を圧迫してしまうことです。
 
この腹圧性による尿もれが男性に比べて女性が多いのは、女性の体は尿道口と膀胱の距離が短いためです。
※同様の理由で膀胱炎も女性の方が起こりやすいです。

 

 
また、男性と違って尿道を締める前立腺もありませんのでなおさらです。

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加齢とともに尿もれを起こしやすくなるのは骨盤底筋という筋肉が衰えるためで、女性にとってはこの骨盤底筋を鍛えることが尿もれ防止の改善法と言われています。
 
 
そこで、その具体的な改善法ですが、これが超簡単。
 
 
(1)膣と肛門括約筋に力を入れる。簡単に言えば膣と肛門をキュッと引き締めるだけ。
 
(2)10秒ほど脱力

 
これを何度も繰り返すこと。
いつでもいいから気が付いたときに行うと良いそうですよ。人混みの中でも誰にも気づかれずに行えるトレーニングですね。
 
 
でも特に効果が期待できるのが入浴中。
 
お風呂でこのトレーニングをすると骨盤底筋の血流が改善されやすく、また女性ホルモンの分泌の増加にも影響するのだとか。
(女性ホルモンの分泌が低下する更年期障害による症状として尿もれがある)
 
浴槽に浸かりながら、あるいは体や髪を洗いながら、ちょっと膣と肛門に意識を向けてキュッと力を入れるだけで良いわけですから簡単なことですよね。
 
骨盤底筋を鍛えることで尿もれが改善されたという報告をよく見かけるので、これは期待大ですよ。

 

【入浴】 「五十肩」の入浴法 ~積極的に肩を温めること~


40~60代に多く見られる五十肩。発症する年齢によっては四十肩・六十肩とも呼ばれますが、正式名称を「肩関節周囲炎」といい、その名のとおり肩関節の周囲が炎症を起こす症状です。

筋肉がこわばって血流が悪くなることで痛みを感じる、いわゆる肩こりとは違いますが、五十肩の人の多くは同時に肩こりにも悩まされていることが多いようです。

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五十肩の原因は分かっていませんが、治療法として温熱療法が有効とされています。

温熱療法とはホットパックで患部を温めたりすることですが、入浴もまた有効だと考えられています。要は肩回りを温めることです。

炎症と聞くと「患部を温めて大丈夫なのか?冷やすべきでは?」と思われるかもしれませんが、五十肩に関していえば「温める」で問題はなさそうです。

というのは、急性の炎症には「冷やす」、慢性の炎症には「温める」と言われるように、
例えば捻挫を起こした直後など患部(炎症しているところ)が熱を持っている状況では温めると腫れと痛みが増加するので冷やさなければなりませんが、五十肩はある瞬間からいきなりなる症状ではなく、どちらかといえば慢性の症状といえるから。

実際のところ、入浴すると五十肩の痛みが緩和されるという人は多いようです
それでも心配ならば、まず肩を温めてみて、それで痛みを増すようならば冷やしてみる。という感じでよろしいかと思います。



1.温度は「ぬるめ」にすること


肩を温めると良いからといって熱いお湯はやめましょう。そこはやはり炎症患部ですから強い刺激は良くありません。

38~40℃のお湯で全身浴の場合は15分半身浴の場合は20分が目安です。
※あくまでも目安です。患部の具合に応じて入浴して下さい

半身浴の場合は肩にシャワーを当てると良いでしょう。

とにかく肩を温めることが肝要です。
入浴剤には保温効果の高いものが良いでしょう。一般に無機塩類系(主成分は硫酸ナトリウムなど)の入浴剤がお勧めです(炭酸ガス系入浴剤もお勧め)

保温効果の高い牛乳風呂、塩風呂(バスソルト)、みかん風呂で楽しみながら肩を温めるのも良いですね。

また、就寝の1時間前に入浴を終えるようにすると、肩を冷やすことなく就寝することができます。


なお、五十肩には運動療法も有効とされているので、入浴中か入浴後にストレッチをすることも効果的です。

ただし、急性期(発症から3カ月以内)は肩の安静を保つことが優先されますので、肩に負担のかかる動きは控えましょう。


<五十肩の経過>

●急性期(発症~3カ月) ・・・ 絶対安静
●拘縮期(3カ月~1年) ・・・ 無理のない範囲で肩を動かしてみる
●回復期(1年以降)   ・・・ 積極的に関節を動かしてみる(痛みの出たら中止で)



ストレッチ方法に決まりはありませんが、肩甲骨を広げたり寄せたり、あるいは回したりと様々な動きを取り入れて、徐々に可動域を広げていくようにしましょう。
くれぐれも無理はしないように。



2.五十肩に効くツボ


五十肩に効果があると言われているツボは体中にたくさんあります。

せっかくですから、湯船に浸かりながら試してみましょう。
というより試さない手はありません。

中でも簡単に場所が分かって自分でも圧しやすいツボをいくつか紹介します。

●肩周りのツボ
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●手のツボ

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●足のツボ

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『症状別の入浴法』


 

【入浴】 「糖尿病」の入浴法② ~糖尿病患者の場合~

 

現在の糖尿病の治療方針は、糖尿病を治すことよりも血糖値をコントロールし、進展を抑制したり合併症の予防を目標としています。
 
糖尿病の合併症には網膜症、腎症、神経障害のいわゆる3大合併症の他、脱水やケトアシドーシス、免疫低下に伴う皮膚感染や尿路感染、それに動脈硬化による心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、下肢動脈硬化症など様々な症状に及びます。
 
これらは、高血糖により血管が傷つき血流が悪くなることが主な原因となっています。
 
入浴には、インスリンの作用を促進し、血流を改善する効果があるので、
 
・インスリンの効きが良くなる
・血圧が安定する
・動脈硬化の予防になる
 
といった影響が期待できます。
 
 
境界型糖尿病(予備軍)の場合は
 



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◆入浴上の問題リスト◆
 
 
#1 薬理作用に伴う低血糖により意識障害を生じる危険がある
#2 皮膚が乾燥し、感染症にかかりやすい
#3 血圧が高く、動脈硬化のリスクがある
#4 自律神経障害と水分不足により便秘を起こしている
 
入浴には糖尿病の進展や合併症の発症を予防すると共に、生活の質(QOL)を維持する役割があります。
ただし、糖尿病をコントロールするためには注意事項を理解し、現在抱えている問題に合わせた入浴法を実践する必要があります。
 
 
 
◆入浴法◆
 
 
<入浴上の問題>#1 薬理作用に伴う低血糖により意識障害を生じる危険がある
 
<入浴目標> 低血糖症状の出現しないタイミングに入浴する
 
 
インスリンは副交感神経の支配を受けています(ちなみにインスリンの分泌を促す要因は副交感神経だけでなくインクレチンという消化管ホルモンによる影響もある )
 
そのため40℃前後のぬるめのお湯に入浴すると副交感神経が働き、インスリンが分泌されやすくなります。

全身の血行も促進されるのでインスリンの効きも早くなる傾向にあります。

しかし、糖尿病患者の症状には個人差があり、いくら副交感神経が優位になってもインスリンの分泌が弱かったりインスリンの効きが悪かったりします(インスリン抵抗性)

なので薬物療法によって血糖値を下げるようにしているわけですが、ここで注意しなければならないのは入浴によって薬理作用を高めてしまうということです。

場合によっては薬が効き過ぎて低血糖を起こしてしまうことがあるので、その点においては注意が必要です。
恐いのは高血糖よりもむしろ低血糖です。
 
 
入浴中に低血糖症状が生じると、意識障害により転倒や風呂で溺れる事故を起こしかねません
 
 
一般的に血糖値が70mg/dL以下になると、ヒトの体はこれを低血糖状態と判断し、生体反応として交感神経を介して血糖値を上げるので血糖値はすぐに正常値に戻ります。
しかし糖尿病の人は低血糖になっても、血糖値を上昇させるホルモンの分泌力が低下しています。

そうなんです。糖尿病ではインスリンの分泌能力も低下していますが、血糖値上昇ホルモンの分泌能力も低下しているんです。
だから糖尿病とは血糖値を下げられない病気というより、正確には血糖値をコントロール出来ない病気だと言えるんです。

また高血糖の状態から急激に血糖値が下がった場合、それが70mg/dLを下回らなくても、その急激な落差によって低血糖症状を引き起こす危険性も高くなります。

このようなことからインスリン注射や血糖値を下げる薬を服用直後に入浴すると、血流が良くなって薬理作用が効きすぎて低血糖を誘発するため、服用直後の入浴はご遠慮下さい。
また、食前の入浴も危険です。特にインスリン注射やインスリンの分泌を促すスルホニル尿素薬(SU薬)などを服用した場合はすぐに食事をしないと低血糖を起こすくらいです。


ときに、「風呂に入ると逆に血糖値が上がる」という人がいます。

そのような人は熱いお風呂に入ってはいないでしょうか?熱い湯は血糖値を上げる要因となります。

例えば糖尿病の危険因子に「ストレス」があります。

ストレスの多い生活をしていると交感神経が過剰に働きます。
交感神経が活発化しているときは副交感神経の働きは抑えられています。
交感神経の支配を受けている血糖値上昇ホルモンが働き、副交感神経の支配を受けているインスリンの分泌は低下するので、 血糖値を下げることができなくなってしまうんです。

ストレスの多い人は糖尿病になりやすいのは、こうした理由によります。

 
そういう意味でもストレスを解消するためにリラックス効果を得るような入浴タイムにする必要があるんです。
 
 
 
<入浴上の問題>#2 皮膚が乾燥し、感染症にかかりやすい
 
<入浴目標> 感染の徴候を見逃さない
 
 
高血糖になると、自律神経のバランスが乱れて発汗が減少することによる皮膚の乾燥と、末梢の細い血管の血液の流れが悪くなる血流障害とによって、皮膚感染を起こしやすい状態になります。
 
皮膚の乾燥が感染症のリスクになる理由は、皮膚バリア機能が低下し、皮膚における有害菌の侵入を許しやすいことにあります。
末梢の血流障害が感染症のリスクになる理由は、酸素や栄養が十分に行き渡らず、感染した細胞において回復に時間がかかったり、免疫細胞や薬物の成分も届きにくい状態にあることが言えます。
 
また、高血糖状態になると、好中球(免疫細胞)の働きが低下すると言われています。
 
つまり糖尿病は、生体防機能が低下し、肺結核や尿路感染症、皮膚感染を生じやすい易感染状態になりますので、感染の徴候を見逃さないようにしなければなりません
 
皮膚の乾燥には特に入浴後の保湿ケアをしっかり行うことが重要で、入浴中においては角質を落とし過ぎないように気をつけなければなりません。
とりわけ、足の皮膚感染は潰瘍や壊死を生じる原因ともなるので、常に足を観察し、白癬、カンジダやタコ、うおの目などを発見した場合は医師に報告するようにしましょう。 
 
 
 
 

<入浴上の問題>#3 血圧が高く、動脈硬化のリスクがある
 
<入浴目標> 血行を促進し、血圧をコントロールする
 
 
糖尿病で気を付けなければいけないのは血糖値ばかりではありません。

その合併症の多さからも分かるように、常に合併症のことも意識しなければなりません。

合併症の中でも、特に注意しなければならない疾患のひとつに「脳梗塞」があります。
多くの場合は前触れもなく発症し、最悪死に至ることもあり、命は助かっても後遺症が残ることの多い恐ろしい疾患です。

問題は血圧です。

入浴でリラックスすると副交感神経を介して血管が拡張されますので血圧は安定します。

しかし熱いお湯は交感神経を刺激し、反対に血圧を上げてしまうので脳梗塞のリスクも高くなりますのでご注意下さい。

 
なお浴槽浴によって水圧がかかりますので、全身浴よりも半身浴をお勧めします。
 
 
また、糖尿病は動脈硬化になりやすく、脳梗塞含む脳卒中や心筋梗塞などの急性心疾患に注意しなければなりませんが、末梢血管においても同様に注意が必要です。

末梢血管はその細さのため、血糖にによって傷つきやすい傾向があります。
この場合の血管障害の多くは、血管内皮細胞が障害を受けることから始まると考えられています。

内皮細胞からは血管を弛緩させる一酸化窒素(NO)が放出されていることが知られており、NOの持つ血管拡張作用(降圧作用)が血管障害から守ってることになります。

そしてこのNOを作動させるのが副交感神経。というわけです。

よく「副交感神経は血管を拡張させる」といいますが、実は血管を支配しているのは交感神経だけであり副交感神経は直接血管に作用しません。
しかし副交感神経はNOを介して結果的には血管を拡張させる働きがあることには違いありません。

40℃のお湯に10分間の入浴でNOの産生が促進され、血管の拡張や血流の増加が認められている研究結果もあることから、入浴は末梢血管の障害を予防する効果も期待できます。


なお、糖尿病には
炭酸風呂に入浴する炭酸浴が有効です。

少なくとも糖尿病による合併症の末梢血管障害に対して効果を発揮すると考えられています。

血管拡張作用による血流改善もそうですが、炭酸浴には患部の組織に酸素の供給を促進する働きがあるため、血行障害の回復を早めるという報告があります。

自宅で炭酸浴をする場合は、一般的な浴槽(200リットル前後)のお湯に重曹を大さじ3杯、クエン酸を大さじ2杯入れて下さい。
これだけで炭酸風呂のできあがりです。



『【入浴】 家庭でできる「炭酸風呂」』 参照


ただし、水分補給は忘れずに行って下さい。

発汗により体内の水分が失われると血中の糖濃度が高くなるばかりでなく、血液粘度も高まり動脈硬化のリスクも高くなります。
 

 
<入浴上の問題>#4 自律神経障害と水分不足により便秘を起こしている
 
<入浴目標> 適切な水分摂取ができる
 
 
糖尿病になると、多量のブドウ糖を尿中に排泄するため脱水状態になりやすい傾向にあります。
 
水分が不足すると便秘になりやすくなりますが、糖尿病が便秘になりやすい理由はそれだけでなく、糖尿病により内臓の働きを整える自律神経の働きが低下するため、腸のぜんどう運動が鈍くなることも便秘の原因となります。
 
便秘に伴う排便時のいきみは血圧の急上昇を引き起こし、脳梗塞などの脳血管障害や目の網膜症といった合併症に及ぶことがあるため、便秘は合併症のリスクと考えられます。
 
便秘の症状があり、かつ著しい口渇感を生じている場合は、その原因が糖尿病と関係している可能性が強くなります。
 
入浴は特に体内の水分を失いやすいので脱水に気をつけましょう。

だからといって入浴をしないというのは違います。

入浴時にはしっかりと水分補給をして便秘の予防、改善に努めましょう

また、入浴により副交感神経を刺激することは腸のぜんどう運動を促進する働きがありますので、排便をコントロールするためにも入浴を有効に活用しましょう。
 
 
 

◆誤った入浴法


食後一時間以内に運動や入浴をすると、血糖値は抑えられるという話を耳にします。

これは入浴も汗をかくと、運動と同じようにエネルギーとして糖分が消費され、血糖値が抑えられるというわけです。。

しかし入浴は運動のような筋肉を動かすことによって消費される活動代謝とは違い、基礎代謝が活性化されるぐらいなので運動のような目立った変化は期待できないはずです。

 運動・・・筋肉を動かすのでブドウ糖の消費大
 入浴・・・せいぜい基礎代謝が活発化するだけ

ただ血糖値の上昇を抑えられるのは事実のようです。これはおそらく、入浴によって血液が体表面に集まり、代わりに胃腸の消化活動が低下しているために、食べた物がなかなかブドウ糖にまで分解されず、血糖値の上がり方が緩やかになっているのではないか?と考えることもできるのです。

つまりブドウ糖の吸収を緩やかにしていると・・・


では食後すぐの入浴は効果があるのか?

例えば糖尿病の治療薬にはインスリンとは関係なく、炭水化物が腸で消化吸収されるスピードを遅くし、血糖値の上昇を緩やかにするものがあります(炭水化物は吸収されるまでの過程でブドウ糖に分解される)

食後すぐの入浴は、それと同じように血糖値の上昇を緩やかにするかもしれません。

しかし薬は炭水化物のみをターゲットにしているのに対し、入浴による消化機能の低下は脂質やタンパク質も含めて消化不良を起こす可能性があります。
そこまでして血糖値の上昇を抑えるのはとても勧められたものではありません。

 薬 ・・・炭水化物の吸収のみ緩やかにする
 入浴・・・炭水化物以外の吸収も緩やかにする(単なる消化機能の低下)

なお、アルコールを飲んでの入浴は、糖尿病患者にとっては低血糖を招くリスクが非常に高くなります。

理由は肝臓がアルコールの代謝に働くため、グリコーゲンの分解がおろそかになって血糖値が上がらないために血糖値を下げる薬物療法が効きすぎる恐れがあるからです。そんな状態の時に入浴すればどうなるか。もう説明は不要でしょう。

というわけで飲酒後の入浴はやめましょう。



(最終更新日:2017/02/08)


 

【入浴】 「糖尿病」の入浴法① ~境界型糖尿病(予備軍)の場合~


血糖値と入浴の関係、予備軍を含む糖尿病に効果のある入浴法、そして注意点などを中心に紹介します。

結論から言いますと、40℃前後のお風呂は血糖値を下げる効果が期待できます(ただし42℃以上は逆効果)

その理由を説明する前に血糖値のしくみを把握しておく必要があります。



◆血糖値のしくみと入浴の影響


人の血糖値は通常、一定の範囲内に維持されています。

食事や運動によって血糖値が変動する要因は多数あるにもかかわらず、一定に保たれるのは血糖値を調節するホルモンがあるからです。


血糖値を上げるホルモン・・・血糖値上昇ホルモン
 ・交感神経が支配
 ・肝臓におけるグリコーゲンの分解を促進

血糖値を下げるホルモン・・・
インスリン
 ・副交感神経が支配
 ・肝臓におけるグリコーゲンの分解を抑制
 

※血糖値上昇ホルモンにはすい臓から分泌されるグルカゴンや副腎髄質から分泌されるカテコールアミン(アドレナリンなど)の他にも、成長ホルモンやプロラクチン、甲状腺ホルモンなど多数存在する。

インスリンやグルカゴン、カテコールアミンなどの分泌は自律神経によって調節されています。
つまり交感神経を介してグルカゴンらが分泌されたり(血糖値上昇)、副交感神経を介してインスリンが分泌されます(血糖値低下)

また、肝臓は血糖値の変化に応じてグリコーゲンを分解して血中にブドウ糖を放出したり抑制したりしていますが、
このグリコーゲンの分解や合成も自律神経の支配を受けています。
交感神経を介して肝臓からブドウ糖が血中へ放出されたり(血糖値上昇)、副交感神経を介してブドウ糖が貯蔵されます(血糖値低下)

このように交感神経は総じて血糖値を上昇させる働きがあります。
(この時点で交感神経を刺激する42℃以上の熱いお風呂は糖尿病に良くないということが分かります)

逆に40℃前後のお風呂は副交感神経を優位にするのでインスリンの分泌を促進し 、また血管が拡張され血流が良くなるのでインスリンの効きも良くなると考えられます(入浴した場合はそうでない場合よりも1時間後のインスリンの分泌量が多いという実験報告もある)



◆境界型糖尿病(糖尿病予備軍)の入浴法


境界型糖尿病の人は数年後には慢性の糖尿病になる確率が高く、特徴として食後に血糖値が急上昇する食後高血糖がみられます。

食後は誰でも血糖値は上がるものですが、正常であればインスリンの働きにより血糖値は元のレベルに戻ります。
しかし境界型糖尿病の人は食後に異常に血糖値が上がり、しばらく高い状態が続きます。

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空腹時の血糖値がまったく正常であることもあり、これが「かくれ糖尿病」とも言われる所以ですが、その食後高血糖による血糖値の急騰ぶりから「グルコーススパイク(血糖値スパイク)」と呼ばれ、最近ではその危険性が重要視されてきています。


『グルコーススパイク(血糖値スパイク)って何?』 参照


食後高血糖の原因はインスリンの分泌が不足しているか反応が鈍くなっているからです。
そのために血糖値の上昇を抑えられなかったり元に戻すまでに時間がかかります。


・境界型糖尿病の人はインスリンが効き始めるまで時間を要する。
・食後高血糖のピークは食後30分~1時間後。
・入浴した場合はそうでない場合よりも1時間後のインスリンの分泌量が多い


これらの事実を踏まえると、食前30分前の入浴がグルコーススパイク(血糖値スパイク)の危険を回避するための入浴法だと考えることができます。
証明されているわけではないので科学的根拠は弱いのですが、食事前に入浴することで副交感神経優位の状態にしてインスリンの効果を高めやすくしておくことは一考に値します。

さらに、食前の入浴は食欲を抑制します。
これは入浴によって体が温まることで熱を放散しようと血液が体表面に集まり、代わりに胃腸の血流が減り消化活動が低下するためです。
食べ過ぎを防ぐことも過度な血糖値上昇の予防になりますからね。


しかしこれには条件がありまして、それはインスリン注射や飲み薬の服用など薬物療法は行っていない場合に限ります
すでに糖尿病が進んでいて薬物療法を行っている場合は、食前に入浴することは低血糖症状を引き起こす危険性があります。

また注意点としては

●水分補給はしっかり行うこと
 ・・・血液中の水分が減るとブドウ糖の血中濃度が高くなります。
●42℃以上の入浴は逆効果
 ・・・交感神経を刺激すると血糖値が上がります。

にご注意下さい。
 

【健康】 糖尿病と睡眠の関係がどんどん解明されてきている件


どうもSHIBAです。

食生活以外で糖尿病の誘因影響となる生活習慣といえば、これまでは運動不足や肥満、喫煙などが指摘されてきましたが、近年になって睡眠との関係も深いという研究が次々と報告されてきています(ここでいう糖尿病とは2型糖尿病)

そこで・・・

昨年(2015年)から次々と報告されている糖尿病と睡眠の関係性についての研究を少し紹介してみます。


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◆糖尿病と睡眠障害の関連性


まずは2015年、大阪市立大の研究チームによって、糖尿病と睡眠障害の関連性が明らかにされました。

結論から言うと「睡眠障害を抱える患者は糖尿病になりやすい」とのこと。

2型糖尿病患者63人の睡眠の質を脳波計で測定したところ、血糖値が高いほど深い睡眠の時間が減少して朝の血圧上昇が高まったそうです。
血糖値が高いと眠りが浅くなり、不眠症などに陥りやすいようです。さらに、睡眠障害を起こしたまま早朝を迎えると血圧が上がり、血管障害のリスクが増えることが分かったといいます。



◆糖尿病と寝だめの関連性


同じ2015年の11月、米ピッツバーグ大学の研究グループによって、糖尿病と寝だめの関連性が指摘されました。

「休日に寝だめをすると、心血管疾患や糖尿病などの長期的な健康問題を喚起する恐れがある」と報告しています。

どうも平日と休日の睡眠スケジュールの差が大きければ大きいほど、インスリン抵抗性の悪化やBMIの上昇、血中脂質の増加といった代謝系への悪影響も大きくなるようです。

この研究結果は、糖尿病リスクの要因が睡眠時間にあるというよりも、生活リズムが乱れたことによるものだと言えそうです。



◆糖尿病と睡眠時間の関連性


先述の2つの研究は睡眠障害や睡眠スケジュールの乱れによる糖尿病リスクとの関連性についてのものでしたが、睡眠時間そのものの影響力は解明されていませんでした。

それが2016年に入り遂に、オランダのアムステルダム自由大学医療センターの研究チームによって「睡眠時間は少なすぎても多すぎてもの糖尿病リスクになる」という研究結果が報告されました。

睡眠不足が糖尿病リスクになり得ることはすでに大阪市立大の研究により指摘されていましたが、実は睡眠時間が極端に多い場合も糖尿病リスクが高くなるという結果が得られたということです。

ただし・・・

注目すべきは、この傾向が見られたのは男性だけだったといいます(実験対象は成人男女約800人)

なぜ男性と女性とでこのような差が生じたのかは説明できておらず、この研究結果だけで糖尿病と睡眠時間の因果関係を結論付けることはできません。
今後、さらなる研究結果が報告されることを待ちましょう。



◆糖尿病と昼寝の関連性


最近では2016年9月に東大グループが「1日に60分以上の昼寝をすることが、2型糖尿病の発症リスク上昇に関連していた」というデータ解析を学会で報告しています。

これまでは、短時間の昼寝であれば眠気が取れて作業効率を高め、不眠や認知症の予防にもなるというメリットが指摘されている反面、寝過ぎると逆効果になるということが指摘されていました。

そして今回の研究によって、1日当たり60分以上の昼寝をすることは、全く昼寝をしないことに比べ、2型糖尿病発症のリスクが45%上昇させることが判明したようです。

しかし、この研究においても、60分以上の昼寝がなぜ糖尿病の発症リスクを高めるのかを説明できるものではありません。

せいぜい「昼寝のしすぎが夜に眠れなくなる原因となって睡眠障害となっている可能性ある」と指摘されている程度です(睡眠障害が糖尿病の誘因となることは証明済み)


今のところ睡眠時間と糖尿病との関連性は明らかになっているのは結果報告のみで、因果関係を説明できるレベルには至っていません。
ですが、ここへきて次々と類似性の研究が報告されているので、近い将来解明されるのではないかと期待しています。


関連記事

『【健康】 <最新のニュースから> 歩行時間と糖尿病との関連について』

 

【健康】 「グルコーススパイク(血糖値スパイク)」って何?


一般の健診で血糖値が正常でも侮れないのがグルコーススパイク(血糖値スパイク)だと言われています。

グルコーススパイクとは、食後に血糖値が急上昇して、空腹時血糖値食後血糖値の差が大きくなる状態のこと。

健康診断の血糖値は空腹時血糖値なので、いくらこれが正常値でも安心できるわけではありません。
空腹時血糖値は正常値なのに、食後血糖値が異常に高い人のことを「かくれ糖尿病」とも呼ばれます。



◆グルコーススパイク(血糖値スパイク)の何が問題?


糖質(または炭水化物)を摂取すると体内で消化され、ブドウ糖(グルコース)にまで分解され血中に流れます。
血液中のブドウ糖のことを血糖といい、食後はブドウ糖の血中濃度が高くなるので血糖値が上がります。

やがて血糖値を下げるためのホルモンであるインスリンが分泌され、ブドウ糖は体中の各細胞に取り込み、エネルギーとして利用されることになります。必要以上のブドウ糖は体脂肪として蓄えられていきます。

すると今度は、このインスリンの働きによって血糖値が下がり、血糖値は正常値へ戻ります。


この一連の流れは誰しも食後に起こる生理現象ですが、一度に糖質(または炭水化物)を摂り過ぎると急激に血糖値が上がります。
この状態をグルコーススパイクといい、境界型糖尿病(糖尿病予備軍または軽い糖尿病)にみられる特徴です。

境界型糖尿病では、インスリンの分泌が不足し始めているか、効きが弱くなり始めている可能性が高いと考えられます。
そのため食後の血糖値上昇をなかなか抑えられず高くなりがちになったり、高い状態が続いたりするようです。


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そもそも血糖値が急激に上がることの何がいけないのか?・・・まずはそれを知らなければなりません。


<グルコーススパイクの問題点>

・血糖値が高いとブドウ糖が血管を傷つける

・インスリンが大量に分泌されるので血糖値が急降下し、今度は下がり過ぎて低血糖になる場合がある

・このような生活が続くと、すい臓がインスリンの分泌に疲れてそのうちインスリンの分泌がされなくなったり効きが弱くなったりして糖尿病になる



怖いのは糖尿病だけではありません。血管が傷つくわけですから動脈硬化のリスクだって高くなりますし、むしろ怖いのは動脈硬化によって突然死の原因となる脳卒中(脳出血や脳梗塞など)や急性心疾患(心筋梗塞など)です。
最近ではがん認知症も糖尿病の合併症として認知されてきています。

『【健康】 糖尿病最新事情(前編) がん細胞の増殖も合併症?』 参照



◆こんな人は要注意!


このように急激な血糖値上昇は不調のもとになるわけですが、
グルコーススパイクに注意しなければならないよう要素は以下の通りになるそうです。

・加齢 ・・・ 加齢と共にリスク上昇
・BMI値 ・・・ 肥満な人ほどリスク上昇
・遺伝 ・・・ 親や兄弟に糖尿病患者がいるほどリスク上昇
・血圧 ・・・ 高血圧ほどリスク上昇
・喫煙習慣 ・・・ 吸う本数が多いほどリスク上昇
・運動習慣 ・・・ 運動不足ほどリスク上昇



また、朝食抜きダイエットをしている人もグルコーススパイクに要注意だとか・・・

食事をするたびに血糖値が上がりインスリンが分泌されるなら、一食(朝食)を抜くことで負担は軽くなり血糖値が下がりそうな気がするかもしれません。

しかし、ヒトの血糖値は常に一定に保たれる性質があるので、朝食を抜いて血糖値が下がりそうなときは血糖値を上げるホルモン(グルカゴンなど)が働いています。
そんな状態のまま昼食をとると、普段以上に血糖値が上がってしまいます。
これこそがグルコーススパイクに注意しなければならない理由です。


◆グルコーススパイク(血糖値スパイク)を回避する食べ方


一番簡単なのは摂取する糖質(または炭水化物)の量を制限することですが、それができるなら苦労はしませんよね。

同じ食事量でも血糖値の上がり方に変化をもたらす方法としては、食べる順番が有名です。

一度は聞いたことがあるとは思いますが、米やパン、麺類といった炭水化物のものを先に食べるより、野菜など食物繊維を含むものから先に食べる方が血糖値の上がり方は緩やかになります。


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ちなみにタンパク質や脂質は血糖値に影響しませんので食べる順番は

1.野菜
2.タンパク質・脂質
3.炭水化物

が理想的だと考えられています。

まあ、そんなことぐらいは承知されているとは思いますが、もうひとつ工夫できることとして低GI値の食品を取り入れることが挙げられます。

GI値とは、ブドウ糖の数値100を基準とし、食後の血糖値の上昇スピードを数値化したもので、同じ糖質を摂るにしてもGI値の低い食品をうまく食事や間食に取り入れることで血糖値の急激な上昇を抑えることができるというわけです。

例えば同じコメでも玄米は白米よりもGI値が低く、白米を玄米に変えるだけで血糖値の上がり方が少し緩やかになるはずです。

白米のGI値 : 85
玄米のGI値 : 56


同じ野菜でも芋類や豆類は比較的GI値は高めですが、きのこ類やナッツ類はGI値が低い食品として注目されています。

一般的に食物繊維を多く含む食品が好ましいでしょうね。海藻類も食物繊維が豊富です。


食物繊維以外では、長いもやオクラのようなネバネバ成分であるムチンを含む食品も血糖値の急激な上昇を抑える作用があるので有効です。

長いもは決してGI値が低いとはいえませんが、ムチンを多く含むため逆に効果のある食品とされていて、GI値が全てでもない例だと言えます。

長いものGI値 : 65
オクラのGI値 : 28



また、果物もおすすめです。甘いイメージが強いのでGI値が高そうに思えるかもしれませんが、特にブドウ糖よりも果糖を多く含む果物のGI値は低めです(果糖は血糖値に影響しない)

りんごは果糖が多いのでGI値は低く、またカリウムやペクチン(食物繊維)も多く含まれているので優秀です。

果糖よりもブドウ糖の多いバナナは、リンゴと比べると若干GI値は高くなりますが、見た目のGI値以上に豊富な食物繊維や善玉菌のエサとなるオリゴ糖による恩恵が大きく、腸内環境を整える食品として優秀です(だからといって食べ過ぎはもちろんダメ)

りんごのGI値 : 39
バナナのGI値 : 55



意外なところでオリーブオイルの使用も血糖値の上昇を抑える工夫です。
酢は体内でクエン酸となり糖質の代謝を活発化し、オリーブオイルのオレイン酸にはインスリンの分泌を助ける作用があります。

ダイエットのためといって野菜にノンオイルを使用する方が健康に良いとは限らないのです。


最後に、トクホ(特定保健用食品)にも指定された難消化性デキストリンも紹介しておきましょう。

難消化性デキストリンとは、消化しにくいデンプンのことで、水溶性食物繊維の一種とも言われています。

デンプンはブドウ糖がたくさん結合したものなので、デンプンは体内で消化されると通常はブドウ糖にまで分解されます。
ところが難消化性デキストリンはブドウ糖にまで分解されないので血糖値を上げることはありません。

『【美容】 ダイエットに注目度高い「レジスタントスターチ」と「難消化性デキストリン」』 参照



補足ですが、早食いをしないことも重要なポイントです。

噛まずに飲みこむほど血糖値は上がりやすく食べ過ぎも招きやすくなりますからね。

よく噛んで食べることや、少量を複数回に分けて食べることは、血糖値の急上昇から回避する良い方法です。


食べたい物を我慢ばかりするのはストレスにもなりますから、少しでも賢く食べていきたいものですね。


関連記事

『【健康】 糖尿病最新事情(後編) 運動が糖尿病改善に有効なワケ』
『【健康】 <最新のニュースから> 歩行時間と糖尿病との関連について』
『【健康】 <最新のニュースから> カリウムが糖尿病患者に良い?』
『【健康】 「糖尿病」の入浴法① ~境界型糖尿病(予備軍)の場合~』
『【健康】 「糖尿病」の入浴法② ~糖尿病患者の場合~』