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【入浴】 「花粉症」の入浴法 ~症状を緩和する入り方~


花粉症は、スギなどの花粉による季節性アレルギー性鼻炎のこと。

ハウスダストやダニなどによる通年性アレルギー性鼻炎とは分けられていますが、発生原理や症状、所見は同じです。

抗原が鼻腔に侵入することでアレルギー反応が起こります。
抗原とはアレルギーの原因となる異物(アレルゲンという)のことで、花粉症の場合はスギやヒノキなどの花粉です

くしゃみ鼻水鼻づまり(鼻閉)がアレルギー性鼻炎の三大症状です。

これらの症状が引き起こされるのは、ヒスタミンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)の作用によるものです。


アレルギー画像


花粉症の発症メカニズム


まず、抗原(花粉症の場合は花粉)が鼻腔に侵入した情報を免疫細胞がキャッチすると、免疫細胞はIgE抗体を産生します。

IgE抗体が肥満細胞(マスト細胞)に取り付き、この状態で抗原と結合すると肥満細胞は化学伝達物質を放出。

花粉症に影響する主な化学伝達物質には、ヒスタミンロイコトリエンがあります。

ヒスタミンによって知覚神経を刺激し、その情報が中枢神経に伝わると、今度は副交感神経を介してくしゃみ鼻水を起こします。

副交感神経は体を休ませ守るために働く自律神経で、例えば食べた物を消化しやすいように唾液の分泌を促進したり、体内の老廃物を排出するためにおしっこを作ったり、目や鼻腔に付着した異物を洗い流す働きがあります。何かと体内の水分を排出させることの多い神経といえます。

また、ロイコトリエンによって鼻の血管を拡張したり、血管透過性を亢進されます。鼻の粘膜の血漿が漏出し浮腫んだように腫れるために鼻づまり(鼻閉)を起こします。これは異物が奥へ入らないように気道を狭くしていると考えることができます。


この花粉症の発症メカニズムが分かりにくいという人は抗原を敵部隊、免疫細胞を偵察部隊、IgE抗体をレーダー、肥満細胞を軍輸送車、化学伝達物質を工作部隊に例えると分かりやすいかも(笑)

敵部隊をキャッチした偵察部隊によってレーダーが作られ、それを搭載した軍輸送車が再び敵を探知すると工作部隊がわらわらと降りてきて鼻腔に仕掛けを作って敵の侵入を防いだり排除しようとしている。そんなイメージでしょうか。



◆入浴上の問題リスト◆


#1 くしゃみ、鼻水、鼻づまりだけでなく冷え性も伴っている
#2 入浴後に症状が悪化する

#3 肌荒れがあり、かゆみを感じる

まず入浴中にアレルギー症状が出ないことが優先。
そして、花粉症対策として入浴を活用したいものです。
人によっては入浴すると症状が悪化する場合がありますが、体質の改善も考慮した入浴法も効果的です。



◆入浴法◆


<入浴上の問題>#1 くしゃみ、鼻水、鼻づまりだけでなく冷え性も伴っている

<入浴目標> リラックスして血行を促進する



入浴は花粉を洗い流すだけでなくリラックス効果が得られるので、シャワーだけで済ますことがないようにしましょう。

花粉症は冷え性とも関係があって、しっかりと温まり血流を良くすることが重要です。

体に冷えがあると、免疫力のバランスを乱しやすく、そのため免疫細胞が花粉に対してアレルギー反応を起こしてしまうという考え方が存在します。

そしてその冷えの原因は、血流が悪いのと自律神経のバランスが悪いためだと考えられています。

なので、38~40℃のお湯10~15分浸かることが目安です(15分を超えると逆効果になる可能性が高くなる)

これがリラックスするには適温です。


注意しなければならないのは、42℃以上の熱い温度です。

熱い湯は、それ自体がストレスとなってアレルギー症状を悪化させる原因となってしまうからです。

リラックスすることを目的に入浴して下さい。


目や鼻がムズムズする場合には蒸らした温かいタオルを目や鼻を中心に当ててやると気持ちいいですよ


入浴剤にはリラックス効果の高いハーブ系がお勧めです。




<入浴上の問題>#2 入浴後に症状が悪化する

<入浴目標> 体質を改善して自律神経系のバランスを整える



しっかり温まったところで、これで風呂から上がっても良さそうなものですが、このままだと問題になることがあります。

花粉症の人が入浴した後に症状が悪化したという報告が結構あるからです。

入浴して症状が逆に悪化してしまう理由はいくつか考えられています。


浴室内や髪の毛に花粉が付着していた。
もしくはバスタオルや着替えの衣服、バスマットなどに花粉が付着していた可能性もあります。

しかしそれ以上に気がかりなのは、入浴によるリラックスで副交感神経が優位になりすぎている場合です。

というのは、くしゃみや鼻水は副交感神経が優位の場合に起きやすいものだからです。

また、風呂上りの温度変化、いわゆる寒暖差に鼻の粘膜の血管が過敏に反応する場合もあります。花粉に反応しているわけではなく、空気もまたストレスとなってヒスタミンの作用により副交感神経を介してくしゃみや鼻水を引き起こしている可能性もあります。


せっかく体も温まってリラックスできたのに、そのために症状が悪化するというのはとても残念な話です。


ではどうすれば良いのでしょうか・・・

ヒントは薬物療法にあります。


通常、薬物治療では、くしゃみや鼻水に対しては抗ヒスタミン薬でヒスタミンの働きをブロックするか、ステロイド薬で免疫細胞の過剰反応を抑えることで症状を止めます。

鼻づまり(鼻閉)には、抗ロイコトリエン薬やステロイド薬で解消します。また、鼻づまり(鼻閉)は鼻粘膜の血管が拡張しているために腫れているのが原因なので、交感神経を刺激して血管を収縮させる血管収縮薬を併用する場合もあります。


さて、

薬物療法のように花粉症に対して理に適った入浴法はあるのでしょうか。


血管を収縮させることで鼻づまり(鼻閉)を解消させようと、敢えて交感神経を刺激するような熱い湯に入浴すれば、交感神経が優位となり、その熱い湯がストレスとなりヒスタミンやロイコトリエンが誘発されて症状が悪化。

逆に副交感神経が優位となるようぬるま湯でリラックスすれば、それはそれで風呂上りに症状が悪化。

ふつうに入浴するだけでは花粉症に対応できません。


そこで試しもらいたいのが「温冷(交互)浴」

温冷交互浴とは水風呂と熱風呂を交互に入浴する方法です。


  【温冷交互(交代)浴】

  1.40~42℃のお湯に3分浸かる
  2.浴槽から出て、冷たい水シャワーを手足に10~20秒かける


  1と2を数回繰り返します。
  なお、最後は水で終わるのが鉄則です(皮膚が引き締まり保温効果になる)




とはいえ、普通の家庭に二つも湯船があるわけでもなく、水風呂に浸かるのは抵抗も大きいでしょうから、
「冷水を浴びる →入浴→冷水を浴びる→入浴→冷水を浴びる」を繰り返す入浴法でも構いません。

この入浴法でもしっかり温まることができます。

「半信半疑だな」「面倒だな」と思われる人は、ゆっくり温まって風呂上がりの前に一度だけ冷水を浴びるだけでも試してみて下さい。


最後は冷水で終わることが肝心です。

それにより皮膚がキュッと引き締まり、体内の熱を逃がさない保温効果が高まります。

これはサウナの後の水風呂と同じ原理です。

皮膚と地続きの鼻の粘膜の血管も引き締まり鼻の通りが良くなります


そして、この入浴法の一番の効果は自律神経のバランスが整われること。

交感神経、副交感神経どちらかに偏ることにはなりません。

自律神経のバランスが整うということは、免疫力のバランスも整うということ。


また、「自律神経が鍛えられる」という表現をされる方もいらっしゃいます。

これは多少の花粉や寒暖差に過敏に反応しなくなるということでもあります。

免疫システムの過剰反応(アレルギー反応)の制御にもなれば体質改善にもなります。


そのため、今ではこの温冷(交互)浴は、
花粉症のみならず他のアレルギー疾患、例えばアトピー性皮膚炎や喘息などにも効果があるとして注目されています。



<入浴上の問題>#3 肌荒れがあり、かゆみを感じる

<入浴目標> 保湿ケアに努め皮膚バリア機能を維持する



花粉症の症状は鼻や目だけでなく肌にも表れる場合があります。

冬の乾燥肌時期でもないのに肌がカサカサしたりかゆみを伴ったりする場合、それは花粉症が原因かもしれません。

花粉症の人にとっては花粉はアレルゲンですから、花粉が皮膚に触れることで肌がアレルギー反応を起こすことがあるからです。

赤いブツブツができることもあり、「花粉症皮膚炎」と呼ばれたりもします。

毎年花粉症に悩まされている人にとっては、春先にこの皮膚症状が現れたら花粉症到来のサインかもしれません。

症状がひどい場合は皮膚科の受診が必要になりますが、入浴においては体をゴシゴシ洗わないことはもちろん、必要以上に洗い過ぎないようにしなければなりません。

浴槽に浸かる時間も長くて15分間としたのは、それ以上の長湯は角質をふやけさせてしまい、ちょっとした刺激でも剥がれちてしまいやすくなるおそれがあるからです。
 
風呂上がりの時点ですでにかゆみを感じる場合は、その部分に冷たいシャワーを当ててから浴室を出ると良いでしょう。
 
 
重要なのは入浴後の保湿ケアです。
 
できれば入浴後5分以内に行うことが求められます。
 
入浴直後は肌が潤っているように思えても、すぐに乾燥して肌の水分は入浴前より失われた状態になるからです。
 
そうは言っても5分以内じゃ汗がひかないよ・・・という場合にも風呂上がりの冷たいシャワーは有効でしょう。

入浴後の保湿ケアで重要なのは、化粧水だけで終わりにせず、その後に保湿クリームをすること。

ただの保湿ではなく、クリームの油分が皮膚を覆うことで花粉が肌に触れることから守るという意味があります。

これは男性であっても同じです。化粧水はともかく保湿クリームは塗布しましょう(軟膏やワセリンでも可)




◆おすすめのアロマバス◆


花粉症による鼻水・鼻づまり・目のかゆみにはアロマバスでリフレッシュしましょう。
根本的な治療にはなりませんが、アロマは花粉症の緩和をサポートします。

花粉症対策といえばユーカリティートゥリーペパーミントが代表的な精油と言えるでしょう。

特にユーカリは清涼感のある香りで鼻やのどの不調に最適な精油です。
鼻が詰まって香りを嗅げなくても、湯気を吸うように口呼吸することによっても肺から血管に香り成分が吸収されますよ。また皮膚からも吸収されるのがアロマバスの良いところです。
ユーカリと同じように呼吸器系のトラブルにはティートゥリーも有効です。
どちらも抗菌作用に優れていて、外出する時はハンカチやマスクに一滴吸収させて用いられたりしています。

鼻づまりのエキスパートといえばペパーミント。

目のかゆみを伴う時には、カモミール・ローマンラベンダーをブレンドすると良いでしょう。


●ユーカリ
すっきりと頭がクリアになるような香り。主成分の1.8シオネールには高い抗菌作用がある。ユーカリにはユーカリ・グロブルスとユーカリ・ラディアータの2種類あるが、アロマバスにはラディアータの方が刺激が弱いので肌に良い。

●ティートゥリー
風邪予防の精油としてポピュラーな精油。並外れた抗菌・抗真菌・抗ウイルス作用がある。足浴にもよく用いられる。

●ペパーミント
クールなミントの香り。鼻の通りを改善する効果がある。清涼感のある香りは脳を活性化する働きもあるので集中力が高まります。

●カモミール・ローマン
リラックス作用が高く保湿作用もあるのでアロマバスに向いている。抗炎症作用もあるのでアレルギー症状やかゆみを伴う症状全般に役立つ。


アロマバスの例


基本は浴槽にユーカリ・ラディアータを数滴(最大5滴まで)を垂らし、よく混ぜて全身浴してみましょう。
精油の刺激が気になる方は、天然塩大さじ1に混ぜてバスソルトにするのもいいですね。

鼻水などの症状が花粉症なのか風邪なのか判断できないときはティートゥリーに替えると良いでしょう。


とりわけ鼻づまりが酷い場合
 ユーカリ・ラディアータ 2滴
 ペパーミント 2滴

 (ユーカリとペパーミントはどちらも揮発性が高く香りも強いので配合比率は同率にする)
 ※妊娠中・授乳中・乳幼児の使用は控えましょう。ペパーミントは皮膚刺激があります。


目のかゆみが気になる場合
 ユーカリ・ラディアータ 2滴
 ラベンダー 4滴

 (ラベンダーをカモミール・ローマンに代替するなら2滴)

ラベンダーやカモミール・ローマンは乾燥肌や敏感肌にもお勧めの精油です。


温冷交互浴、または自律神経系のバランスを調整するなら
 ティートゥリー 2滴
 ベルガモット 3滴

 (ベルガモットは鎮静と高揚の両方に働き心を調整する作用がある)
 ※光毒性に注意して下さい


★目や鼻の症状は出ていないが肌がかゆくなり始めた場合
 ティートゥリー 2滴
 パルマローザ 3滴

 (パルマローザはスキンケアに最適な精油。本格的な花粉症になる前に予防するブレンド
 ※妊娠中の使用は控えましょう


(最終更新日:2017/03/14)



『症状別の入浴法』

 

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