• イベント情報
  • メールフォーム

【入浴】 「気管支ぜんそく」の入浴法 ~サッと入ってサッと上がる~


気管支が炎症を起こし気道が狭くなることで呼吸困難をきたす「気管支喘息(ぜんそく)」

ハウスダストやダニなどの吸入によるアレルギー性の疾患ではありますが、
気温や気圧の急激な変化によって体調が崩れることが引き金になって発症します。

季節の変わり目夜中から朝方にかけて喘息の発作が起きやすいのが特徴です。


『【健康】 秋に発症しやすい「気管支ぜんそく」』 参照


girlkaze01.jpg

 

◆入浴上の問題リスト◆
 
#1 入浴時に喘息発作が起こる
#2 入浴後に喘息発作が起こる
#3 水分不足による痰の粘稠度の増大
 
環境中に存在する抗原(アレルギーの原因となる物質)を除去することはアレルギー反応を抑制するうえで必須条件です。
また、急激な環境の変化にも反応しますので温度変化などに注意を払うようにします。
入浴によって喘息発作が出る理由は、こうしたアレルギー反応や過敏性の増強による場合か、入浴によるリラックス効果で副交感神経が優位になり気管支が狭くなる場合によりますので、喘息発作を抑制するケアを行うことが重要です。
 
 
 
◆入浴法◆
 
 
<入浴上の問題>#1 入浴時に喘息発作が起こる
 
<入浴目標> 喘息発作の危険因子を除去する
 
 
お風呂に入って急に喘息発作が起こるのはアレルギー性の炎症反応か、それに伴う過敏性の増強による反応であると考えられます。
 
浴室は多湿でカビが繁殖しやすい環境です。カビの成分を吸い込むことでアレルギー性の咳がでることがあるので、こまめに浴室を掃除したり入浴後は換気扇を回したりして、危険因子の除去に努めましょう
 
急激な温度変化も喘息発作の要因となります。
浴室や脱衣所の室温も寒暖差ができるだけ無いように工夫した方が良いでしょうね。
 
バスマットやバスタオルなどは常に清潔にしておくことも大切です。
 
 
 
<入浴上の問題>#2 入浴後に喘息発作が起こる
 
<入浴目標> 喘息発作をコントロールする
 
 
最近は喘息があっても熱がなければ入浴した方が良いとされていますが、時にはお風呂には入らない方が良いと言われることもあります。
 
それは、入浴で寛ぐことが副交感神経を優位にし、発作を招く怖れがあるからです。
 
事実、喘息の発作はリラックスしている時に起こりやすいものです。
 
リラックスした状態は筋肉が緩むので、さらに気道が狭くなるからです。
 
風呂上りに休もうとしている時に、決まって苦しくなりやすいのはそのためです。
 
だから風呂は良くないと言われています。
 
しかし。
 
衛生上そういうわけにもいきません。
 
身体には細菌など気管支にとっての大敵がたくさん付いていますからね。
 
常に清潔にしておかないと風邪をこじらせてしまい、それが喘息の発作の引き金になることもあります。
 
もちろん、今まさに呼吸困難だという場合は入浴は避けなければなりません。
 
呼吸が楽な場合でも、調子に乗って風呂で寛ぐのは危険です。
 
副交感神経が優位になると発作が起きやすくなります。入浴時は問題なくても上がった後に起きることもあります。
 
なのでリラックスモードになりやすい38℃前後の湯は適温とは言えません。
 
ベストだと考えられている温度は40~42℃
 
湯船には全身浴で、サッと入ってサッと上がること。時間にして5分以内
 
変に温まり過ぎると気道が狭くなるので長湯は禁忌です。
 
全身浴は胸部に水圧がかかって呼吸しづらいと感じる場合は半身浴にしましょう(肩が冷えないようにタオルを当てるなど工夫して下さい)
シャワーだけでも構いませんが、冬など寒い日は湯冷めが心配なので気をつけないといけませんね。
 
症状が経過とともに軽くなってくる安定期になれば、少しずつ入浴時間を延ばしていきましょう。
 
 
それでも・・・

それでも湯上りに喘息を発症してしまう場合があります。

そんな時は、肺や気道を広げやすくするために衣服の首周りを緩め、
上体を90度に起こして座る姿勢になります(起座位)

 
また、くれぐれも身体は冷やさないようにしなければなりません。

お子様が気管支喘息でお悩みの方は、医師の指示に従って下さい。
 
 
<入浴上の問題>#3 水分不足による痰の粘稠度の増大
 
<入浴目標>容易に痰が出るようにする
 
 
痰が絡むときはしっかりと痰が出るようにしたいものです。
 
暖かく湿った空気は、痰の喀出を容易にするので入浴はとても効果があります(逆に冷たく乾いた空気は刺激の要因になる)

入浴の最大のメリットはこの湿度の高さにあると言えるでしょう。だだし、普段は浴室の換気をしっかりと行い、カビなどの危険因子を取り除くことが大切です。
 
また、入浴で汗をかき、適切な水分摂取が行われなければ、体内の水分が不足し、痰の粘稠度が増して呼吸が困難になります
水分補給はしっかりと行いましょう。
 
ただし、冷たい飲み物は、ただでさえ過敏になっている喉を刺激してしまいますので、常温温かい物を飲むべきでしょう。
 
気管支喘息にはコーヒーが効果的だという噂があります。
 
水分補給だけではなく、カフェインが交感神経をするからだと考えられています。
 
喘息は交感神経が優位の時は症状が落ち着いていますが、
副交感神経が優位になると発作を起こしやすくなる傾向があることから、
「コーヒーは喘息に良い」と言われているんでしょうね。
 
とはいえ、コーヒーは薬ではありませんから、症状を抑えることを期待するのではなく、予防程度に考えておくのがよろしいかと。



◆おすすめのアロマバス◆


呼吸系のトラブルに効果があるとされている精油リストは、
サイプレス、ティートゥリー、ニアウリ、フランキンセンス、ペパーミント、ユーカリ・ラディアータ、ローズマリー、レモングラス など・・・

主に咳を鎮めたり痰を切りやすくなる精油が並びます。

ただし注意しなければならないのは、気管支喘息は風邪の咳とは違うということ。

副交感神経が優位になり過ぎると気管支が狭くなってしまうので、リラックス効果の高い精油は逆効果となってしまうことが懸念されます。

リストに挙げたフランキンセンスは、咳を鎮める作用がありますが、同時にリラックス効果をもたらす精油でもあるので使い方には注意しなければなりません。症状が酷いときよりも予防のために使用する方が適していると思われます。
 
また、アロマバスとして精油を用いるということは、蒸気を吸入することにもなるので、気道が狭いときにはむせてしまう可能性があります。
実際、日本アロマ環境協会によれば、喘息時にはアロマは吸入しないことと定めています(特に手浴は蒸気でむせやすいと思われます)

それに気管支喘息はアレルギー性の疾患でもあります。
精油が合わずにアレルギー反応を起こすことがあります。
アレルギー反応が出なくても、気管支が過敏なっていてアロマの精油成分が気管支の粘膜を刺激してしまう場合もあります。
事前に医師に相談したうえで、必ずパッチテストを行ってから使用しましょう。



アロマバスの例


症状の緩和ケア
 天然塩 大さじ2
 
ユーカリ・ラディアータ 3滴
 ペパーミント 2滴

 (一般の咳と違いアレルギー性の疾患なので、抗アレルギー作用も持ち合わせた精油をブレンドする。去痰作用も必要)
 ※入浴時間は5分間。少しでも異常を感じたらすぐに風呂からあがりましょう



(最終更新日:2019/07/19)


関連記事

『症状別の入浴法』