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【入浴】 子どもの入浴法 ~「かぜ」の場合~


「風邪をひいたら風呂へは入るな」とはもう過去の常識となりました。

かつて「入浴が風邪によくない」という考えが定着していた背景には、
お風呂が家にはなかった家庭が多く、銭湯などを利用した帰りに湯冷めをしやすかったという背景が考えられています。

時代は変わりましたからね。今ではその常識は改められています。

/blog/2014/11/post-144.php
『【健康】 風邪を引いたらお風呂は禁止?』 参照

とはいえ、それは大人を基準にした見解。


子どもの場合はどうなんだろう?
大人と同じことが言えるだろうか?

子を持つ親としてはそこが気になるところです。

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その前に知っておかなければならないこととしては、

◆ 「風邪をひくと水分と体力を消耗する」

◆ 「風邪といってもいろいろある」

の2点。


風邪をひくと、思った以上に知らないところで水分と体力を失います。

そのため、かぜをひいた時は「保温、保湿、水分補給、栄養補給、安静(睡眠)」が鉄則になります。


また、そもそも何をもって「かぜ」というのか理解していないと、
入浴法を間違えてしまいます。

まず「かぜ」というのは病名ではありません。

一般的に「かぜ」と言われているのは急性の「上気道炎」または「上気道感染症」のことで、
鼻腔・咽頭・扁桃などの上気道が炎症をきたす疾患群の総称です。

炎症とは病原体に対する免疫細胞による防御反応のことですから、
「かぜ」の原因は病原体による感染によるものです(稀に寒冷やアレルギーなどの非感染性の場合もある)


病原体が上気道に感染すると、くしゃみや鼻水、咳、発熱といった症状があらわれます。

くしゃみも鼻水も咳も、これらは病原菌を生体外へ排除しようとする防御反応です。

ですから、子どもにこれらの反応が出たからといって慌てる必要はありません。正常な反応なのだと理解する必要があります。



1.発熱がない場合


入浴は問題ありません。

むしろ重要なのは風呂上りで、湯冷めをしないようにすることと水分補給がポイントです。


ちなみに感染した部位によってかぜの症状が違います。

鼻に感染すれば、くしゃみ、鼻水、鼻づまり。
のどの感染すれば、咳、痰、のどの痛み など。

くしゃみや咳はカロリーを消費しています。風邪が長引くと体力が低下してくる理由のひとつです。

熱い湯や長風呂は体力を消耗するので控えましょう。



2.発熱している場合


では発熱がある場合はどうでしょう。

「体温が1℃下がると免疫力が30%低下する」という言葉を聞いたことはありませんか?

ウイルスは熱に弱く、また免疫力は体温が上がったほうが活発化するので、
発熱とは免疫細胞がウイルスと闘うために有利な環境を作ろうとしている行為なんです。

つまり外敵によって熱が出るのではなく、自ら発熱しているということ。


寒気は「体が熱を求めているサイン」であり、鳥肌は血管を収縮させて熱を体内から逃がさないようにするための行為であり、こうして熱を作り出します。

ですから、微熱程度ですぐに解熱薬を飲むのは、体が頑張ろうとしているところを邪魔する行為になってしまいます。


咳止めなどのかぜ薬や発熱を抑える解熱薬は、症状が重くてこのままでは体力が奪われるというような時にこそ使用するべきです。


では発熱時の入浴はどうか。

入浴も、個人差はありますが微熱程度であれば問題なさそうです。

子どもは平熱が大人より少し高い傾向があります。
成人では一般的に37度以上が発熱とされていますが、子どもは平熱が37度を超える子もいますからね。

小児の体温が高いのは、基礎代謝が活発だからなんです。


単に体温で判断するのではなく、微熱があってもいつもと変わらぬ元気があったり食欲があるようならお風呂に入ったほうが良いでしょう。

赤ちゃんの場合は言葉で表現できないので、
機嫌が悪かったりミルクを飲まないといった場合は具合が悪くなる前触れである可能性もあるので、お風呂は控えましょう。

いつもどおりであれば基本的には入浴により37度台をキープしてあげる方が、免疫力を高く維持することになりますよ。


ただし38度を超える場合は、さすがに体力が心配ですし体調が急変する可能性もありますので、入浴は控え安静にして休ませるほうが良さそうです。

熱が高いとそれだけで体力を消耗するものですから。


ただ、温かく蒸らしたタオルで汗を拭くこと(清拭)は忘れずに。

汗をたくさん掻くので下着やパジャマを替えてあげることも必要です。


熱が下がったら様子を見てお風呂に入れてあげて下さい。


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『「子育て」としての入浴法』

『子どもの症状別入浴法』