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【入浴】 子どもの入浴法 ~「溶連菌感染症」の場合~


子どもに多い感染症のひとつに溶連菌感染症があります。
 
溶連菌は主に子どもののどに感染して咽頭炎や扁桃炎など炎症を起こし、他にも様々な症状を伴います。
 
なお、溶連菌(正式には溶血性連鎖球菌という)には数多くの種類がありますので、ここでは一番多い「A群β溶血性連鎖球菌」についての入浴法に限定します。
 

代表的な症状はのどの痛み発熱ですが、普通のかぜなどとの違いは、赤い小さな発疹をともなう猩紅熱(しょうこうねつ)や伝染性膿痂疹(とびひ)といった皮膚に症状があることです。
また、舌の表面がいちごのように赤くなるいちご舌が挙げられます。
 
溶連菌はウイルスはなく細菌なので抗生物質が有効とされています。なので溶連菌特有の症状がみられたら直ぐにでも医療機関で受診しましょう。

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◆溶連菌感染症の特徴
 
【感染様式】飛沫感染、間接的な接触による経口感染
 
【潜伏期】2~5日間
 
【好発年齢】4歳~小中学生
 
【症状】発熱、のどの痛み、発疹
    いちご舌
 


1.熱があるうちは入浴は避ける
 
普通のかぜの場合、入浴できるかどうかの判断は、熱の有る無しは関係ありません。
高熱はともかく微熱であれば、子どもの食欲や体力の様子で判断することができます。
少々熱があってもいつもどおり元気であれば入浴しても問題ありません。
 
しかし、溶連菌感染症の場合は、熱があるうちは入浴しない方が良いでしょう
 
というのは、溶連菌感染症は悪化すると中耳炎気管支炎リンパ節炎副鼻腔炎など様々な合併症を起こす可能性があるからです。
 
入浴は体力を奪います。熱が高いうちはなおさらです。入浴で悪化させるようなことがあってはいけません。
 
抗生物質を飲み始めて数日で熱が下がり始めるはずなので、それまではお湯で蒸らしたタオルで体の汗を拭いてあげるようにしてあげて下さい。
 
少なくとも入浴は熱が下がってからにしましょう。
 
完全に熱が下がりきらなくても、37度前半に落ち着くようになれば、シャワーで軽く汗を流すところから始めて良いでしょう。
 
ここで注意すべきことがあります。
 
入浴できるまで回復したからといって、勝手に抗生物質の服用を中止しないで下さい
溶連菌感染症の特徴として、体内に菌を残しておくとリウマチ熱急性腎炎(急性糸球体腎炎)などの合併症まで起こしてしまうそうです。
 
 
 
2.長湯は絶対にダメ
 

入浴する際にも注意が必要です。
 
発症後しばらくして、顔や体(特にわきの下、下腹部)に小さい赤い発疹が多数出現している場合、温めるとかゆみが強くなるおそれがありますので温度には気をつけましょう。
 
また、運動や入浴などで大量に汗をかくと、体内の水分量が失われ腎臓に負担をかけてしまします
急性腎炎にまでならぬよう、いつまでも汗をダラダラかくような長湯は避けましょう
 
もし急性腎炎を起こしていると、入浴により腎臓への血流が増加し炎症が増悪する可能性があります。
 
体を洗うときは、ゴシゴシ洗うのはNGです。
 
かゆみを亢進させないよう、ボディソープの使用を控えても良いでしょう。
肌をかいて傷つけないよう、爪を短く切ってあげることも大切です。