• イベント情報
  • メールフォーム

2015年02月11日

日本企業の国内生産回帰が始まったというけれど・・・

久しぶりに経済のことを考えています、どうもSHIBAです。

ちょうど日本の企業が決算を迎えているこの時期、
海外に生産拠点を多く持つ大手製造業、いわゆるグローバル企業において、
国内への生産回帰が始まったとの報道が相次いでいます。

とりわけ電機関連会社が多いのかな?
自動車メーカーも一部国内回帰が始まっているようです。

大企業においてはこれまで、円高対策のため、海外で工場を建て、現地で従業員を雇う流れが長らく続いていました。

それが今の円安基調の流れを受けて、海外生産を縮小し、国内生産を増やす動きが広がっています。

これは喜ばしいことなのでしょうか?

koujo.jpg

参考までに海外企業に目を向けてみますと、
米国ならびに欧州では2年前より生産拠点の国内回帰が始まっています。

確かに中国や新興国での人件費コストに対する魅力は以前ほどではないでしょう。

なので、この流れは日本にとっても不思議ではないと考えたいところですが、
どうも日本と海外では事情が違うようです。

しかも同じ海外でも米国と欧州もまた違う性質を持っているようです。


米国が国内に生産拠点を戻した一番の理由はシェールガス革命によるものですよね。
自国でエネルギーを賄えるようになれば、エネルギーコストの削減が可能になるので、
工場を国内で建設するのは当然の流れともいえます。

その点において、日本にはエネルギーが無いので米国とは状況が違います。


では欧州はどうか。

欧州が生産拠点の国内回帰を行った最大の理由はおそらく失業率の改善のため。

欧州では10%を超える失業率が景気低迷の要因ともなっており、
雇用を増やすため国内に工場を戻す政策に出た結果となっております。

そもそも欧州の失業率が高いのは、労働者に対する厚い保護政策のため。
高い賃金を保証すれば、企業側からしてみると大勢雇うことは出来ず、
結果として失業者が増えてしまうので、これを解決するには賃金を下げるか単に雇用を増やすしかないわけです。

その点において、もともと日本は失業率は低い。しかも業種によっては人手不足で困っているくらいです。
やはり欧州とも状況が違います。

というわけで、日本企業の生産国内回帰が吉と出るか凶と出るか、僕にはさっぱり分からないが、
今の円安基調を受けてそうするのだとすれば不安の方が大きいですね。

生産だけではなくて、売上・販売も海外依存率が高いのだとすれば、
やはり現地で資材調達、生産、販売をした方が効率良いのは明白なのではないのかな?

でなければ、体裁よく生産の国内回帰と誤魔化しているだけで、実は不採算事業整理でしかない気がします・・・


(考え方が偏屈者 SHIBA)

天皇陛下はエンペラー?(後編)

『天皇陛下はエンペラー?(前編)』 の続き

「皇帝」と「天皇」は同義語。

つまり
「皇帝」=「天皇」

「皇帝」は英語で「エンペラー」と言うから、
「天皇」も英語で「エンペラー」と言う。

でも「天皇」を「エンペラー」と呼ぶのは、なんだか違和感があるよね。

ってな話をしました。

そこで今回は、その違和感について考えてみました。



そもそも「皇帝」て何や?

まずそこから疑問ですよね。天皇なら分かるけど。

そこで頼れる兄貴、ウィキペディアで調べてみると「君主の称号の一種で、王よりも上位のもの」とある。

かなり曖昧です。

まあ、いろいろと諸説あるようですが、
簡単にいうと、それぞれ「王」が支配する国を「王国」といって、
複数の王国を統一するのが「帝国」、その頂点に立つのが「皇帝」
ということらしいんだけど。

まあいいや。


とにかくね。

「天皇」が他国の「国王」や「皇帝」との決定的な違いがあるんですが。

例えば歴史。

現在、世界には王室が27(28?)あり、その中でも日本の天皇の歴史は世界で一番古いです。

今上天皇(明仁)は第125代天皇にあたります。

2番目に古い国はデンマークで、今の国王が第54代ですからね。日本ぶっちぎりです。

そして一番決定的な違い。

それは他国の国王や皇帝は何れも武力による支配・統治によるもの
例外なく戦いの勝者です。

それに対し、天皇は古来より由緒正しき天皇家により代々継がれてきたものです。

天皇家内での権力争いは過去に壬申の乱などありますが、天皇家以外の血筋の者が天皇になることはありません。
どんなに力があってもです。

天皇家とは関係の無い誰かが「今日から俺が天皇だ」と名乗ったとしても
「は?おまえ何言ってんの。頭おかしいんじゃね?」
と言われるのがオチです。
それだけ血が大事だということ。

ナポレオンは広大な領土を支配し、自ら「皇帝」を名乗りましたが、同じようなことを日本では出来ないということです。


栄華を極めた藤原氏も、武家社会を築いた平氏も源氏も足利氏も、信長・秀吉・家康でさえも。天皇を倒して自ら天皇を名乗るということはなかった。

これって凄くないですか?


そしてその理由は、天皇が「権力者」ではなく「権威者」だったということです。

他国の国王や皇帝はその国の最高権力者です。支配者ですから。

天皇だけは違います。権力はありません。
権力は政治家、昔なら幕府や将軍が握っています。

天皇は神主の総長みたいなもの。

では天皇の役割って何だ?と思いますよね。

天皇陛下の一番大事な仕事。それは「お祈り」

国民の幸せと平和をお祈りされています。

「えぇ~?」と思われますか?

思い出されますか去年2012年3月11日。

東日本大震災1周年の追悼式に天皇陛下が参列されていましたが、直前に心臓手術を受けておられたことを覚えていますか。

この追悼式にどうしても参列するために、天皇陛下は日程を逆算して手術の日を決められたそうです。

周りからは「無理をしないように」と慎重論もありましたが、陛下が「私には祈ることしかできない」と言って強行日程を組まれたとのこと。
勿体無きお言葉じゃありませんか。


とにかく。

天皇は「権力者」ではなく「権威者」

GHQが知りたかったことは、そういうことでした。

第2次世界大戦時の権力者は軍部にあり、平和を願う昭和天皇の意思とは関係なく暴走しました。

敗戦が濃厚になった時の「降伏するか徹底抗戦か」を決める御前会議。
その時の昭和天皇の心中察するに辛いものがあります。

天皇について理解したGHQは、天皇に戦争責任を追及しませんでした。
命令するような権力者ではなかったからです。

8月15日の玉音放送で、昭和天皇は国民に対しても「日本は負けたんだから降伏しなさい」とは命令していませんよね。

「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び・・・」という慈悲深い独特の表現をされています。

だから日本国民は涙を流しながらも素直に降伏を受け入れたんでしょう。

日本が焦土から経済大国に急成長した底力の源は、この玉音放送による部分も結構あるんじゃないですかね。


ってなことで。

「天皇」は「皇帝」とは全然違う性質なもの。

だから「天皇」は英語では「エンペラー」ではなく「テンノウ」でいいよ。

というのが僕の結論です。


(今回のブログ記事は2013年のメルマガで掲載した内容です SHIBA)

天皇陛下はエンペラー?(前編)

本日2月11日は初代天皇、神武天皇が即位した日ということで「建国記念日」となっております。

そこで!

いきなり問題です。

ヨーロッパのある国で食事会を開催することになって、各国の代表者を招待することになりました。
以下の4人のうち一番上座に座る人は誰でしょう。

1.オバマ大統領(アメリカ)
2.エリザベス女王(イギリス)
3.ローマ法王(バチカン)
4.天皇陛下(日本)


いずれも身分の高いお方たちですが・・・


答えは、

4.天皇陛下
です。

どうですか、ちょっと意外ですか?


実はですね、欧米では外国の要人を招く場合に、身分の序列を決める基準というものがあります。

その基準によると

1.皇帝・天皇
2.国王・法王
3.大統領

の順になります。

このように「皇帝・天皇」が一番身分が高いのです。
しかも、現在は世界に皇帝はひとりもいません。
ということは、
天皇陛下は世界で一番身分が高いお方になるんですよ。

実際、昭和天皇が1975年に訪米した時は、大統領が空港まで出迎えていますし、エリザベス女王だって天皇陛下と同席するときは上座を譲っています。

凄くないですか?

天皇は「国民の象徴」とでしかみていないなら、それは大間違い。

世界の国々から別格扱いを受けているのに、それを日本人だけが知らないというのは、悪しき戦後教育の影響でしょうね。
天皇陛下は

ちなみに「皇帝」は英語で「エンペラー」と言いますよね。

「天皇」と「皇帝」は同義なので、「天皇」も英語で「エンペラー」になります。

でも天皇陛下のことをエンペラーって、なんだか違和感ありませんか?


以前、劇場で映画『終戦のエンペラー』を観てきました

作品タイトルになっているエンペラーとは昭和天皇のことです。

舞台は終戦直後の日本。
「昭和天皇の戦争責任をどう捉えるべきか」という議題に取り組むGHQの視点から描かれています。

当時のアメリカ世間の風潮として、日本のトップである天皇にも戦争責任は当然あるとして処罰を要求していました。

しかしGHQの最高司令官マッカーサーは、天皇は罰しない方向で対応します。

今思えば、マッカーサーという人物がいなかったら、二千年以上続いた天皇の血脈はそこで途絶えていたかもしれません。

映画の中でマッカーサーは「日本の復興を目指す」と言っていましたが、それは事実ではありません。

目指していたのは「軍国主義・軍事力の解体」です。

マッカーサーは日本人の底力をとても恐れていたようです。

一歩間違えれば日本の国民は反乱を起こし、統治できなくなると。

マッカーサーは日本人の本質をよく理解していたんでしょうね。

いや、詳しいとは言わないにしても、日本人の行動規範が何によるかは分かっていた。

それが天皇の存在。


しかし、そこまでは分かるが、では日本人にとって天皇とは一体どんな存在なのか。そこが分からない。

GHQは、それを知ることこそが鍵だと徹底的に天皇について調べます。

そしてそこに見えてきたものは・・・


『天皇陛下はエンペラー?(後編)』 へ続く


(今回のブログ記事は2013年のメルマガで掲載した内容です SHIBA)