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2015年05月09日

【健康】 肉はよく噛んで食べなければならない2つの理由

これから暑くなってくるので、スタミナつけるために肉をモリモリ食べたくなる時期。

しかし肉はよく噛んで食べないといけません。

いや、肉に限らず何でも咀嚼して食べることは大事なことですが、特に肉はね。

肉と初恋の味はよく咀嚼しましょう、どうもSHIBAです。

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肉の消化は胃液と深い関係にあります。


胃で分泌されている胃液には大きく「胃酸」と「ペプシノーゲン」があります。

胃酸(塩酸)は胃に入ってきた食べ物を溶かす働きがあります。

ペプシノーゲンはたんぱく質を分解する消化酵素「ペプシン」のもととなる物質。

ペプシノーゲンそれ自体は不活性なのですが、胃酸の分泌に反応してペプシンと変化します。

たんぱく質はこのペプシンの作用により胃である段階にまで細かく分解されます。


胃液の働きをまとめるとこうなります。

 胃酸(塩酸)・・・胃に入ってきた食べ物を溶かす

 ペプシン・・・胃の中でたんぱく質を細かく分解する



たんぱく質は胃である程度にまで分解された後、腸でさらに細かく分解され吸収されます。

しかし胃の段階から消化酵素が働き始めるのは3大栄養素「炭水化物」「脂質」「たんぱく質」の中でもたんぱく質に対してだけなんです。

それだけたんぱく質の消化は大変なんでしょうね。



そして肉の主成分は「たんぱく質

肉は咀嚼が大事である理由の一つがここにあります。

胃液の分泌は視覚、味覚、嗅覚が刺激される段階から始まります(脳相)

なので、しっかりと咀嚼をしている間に、胃液の分泌が十分整います。

しかしよく噛まずに食べると胃液の分泌がまだ不十分な状態で胃へ送られることになります

これではたんぱく質消化酵素ペプシンの働きも発揮されません。

また、よく噛まずに食べるということは、食塊が大きいまま胃へ送られることになりますよね。

より未消化のまま腸へ送られる部分が出てくる可能性が高くなります。

当然その後の腸での消化・吸収にも大きく負担をかけることにもなります。


そして咀嚼が大事なもう一つの理由。

それは「ビタミンB12

ビタミンB12は不足すると悪性貧血の原因となります。

ビタミンB12は植物性食品には存在せず、肉などのたんぱく質に多く含まれています(特にレバー)

では肉をモリモリ食べればビタミンB12はたくさん摂取できるかというと、やはり早食いはダメで咀嚼が大事になってきます。

ビタミンB12は胃に摂り込まれると、そのままだと胃酸によって溶けてしまい腸まで届きません。

そこで守ってくれるのが唾液に含まれるハプトコリンという物質。

ビタミンB群の中でも、B12の吸収は特徴的です。

食品中のたんぱく質と結合したビタミンB12は、胃酸やペプシンの作用でたんぱく質から遊離します。

その際、唾液中のハプトコリンと結合することで、ビタミンB12は胃酸から保護されるんです。

だからよく咀嚼して唾液を分泌しないと吸収にまで辿り着けません。


肉や魚を食べない菜食主義者は必然的にビタミンB12不足になりやすいので、
サプリメントなどで補給している人も多いかと思います。

しかしサプリは咀嚼せずに摂取するので、上記の理由からサプリではビタミンB12の吸収率は相当悪いのではないかと容易に想像がつきます。



このように肉はよく噛んで食べなければ、せっかくの栄養がもったいないことになります。
それどころか消化不良の肉のせいで腸内環境が悪化しますよ。



ここから先は余談・・・


このとおり、胃酸は塩酸ですから強い酸性の液体ですし、ペプシンはタンパク質を分解します。

ではなぜ、胃もタンパク質でできているのに、胃自体は溶けないのか?

疑問に感じませんか?

それは、胃壁を覆っている粘膜のおかげです。
さらに粘膜細胞から分泌されている粘液が粘膜を覆っています。

胃の調子が悪いからといってそのたびに胃薬を飲む人は注意が必要ですよ。

胃薬の種類によっては胃酸の分泌を抑えるものがあります。

胃酸を抑えることは、自ら消化を悪くしているようなものですから。


(貧血の90%はビタミンB12ではなく鉄欠乏によるものではあります、一応 SHIBA)