【入浴】 「脚のむくみ」の入浴法 ~炭酸泉が効果あり~
ちょっと聞いて奥様。脚のむくみって、場合によっては命取りになるらしいよ。
冗談ではありませんよ。
そもそもむくみの原因は水分の摂り過ぎや運動不足のせいだと決めつけてはいませんか?
これが結構やっかいな症状なんですよ。
今回の話題は、脚のむくみに対する入浴法についてです。
脚のむくみは一言で言うと「脚の皮下細胞間に余計な水分が溜まってしまう状態」
座ったり、立ちっぱなしの状態が続くと体内の水分は重力で下へ下へと溜まろうとします。
しかし細胞間の水分は、張り巡らされている血管やリンパ管を通して体を循環しているため、
通常はむくむことはありません。
それがむくむということは、この細胞と血管・リンパ管との間で、水のやり取りが上手く機能していないことを意味します。
そんな時は脚のむくみとして表れます(朝起きると顔がむくむのは身体が水平になっていたから)
考えられる原因はいくつかあります。
1)運動不足による筋力の低下
心臓から送り出された動脈は足先まで流れますが、そこから静脈となりまた心臓へ戻らなければなりません。
しかし、心臓から送り出されるポンプの力が弱いと、スムーズに下半身から心臓へ重力に逆らって昇ることができません。
心臓って血液を送り出すことはできても、回収するための吸引力は無いんです。
ふくらはぎの筋肉こそがポンプ役。
だから「ふくらはぎは第二の心臓」と言われています。
ふくらはぎの筋力が弱いと血流が悪くなり、上手く血管を通して水分を循環出来なくなることが考えられます。
女性は男性より筋肉が少ないので基礎代謝も少なく、一般に脚のむくみが女性に多いのはそのためかと。
2)冷え性
冷え性も血行不良によるもの。
これも足のむくみが女性に多い理由かもしれませんね。
3)血圧が高い人(または塩分の摂り過ぎ)
血圧が高い人は脚がむくみやすいと言えます。理由は2つ。
「心臓が悪い場合」と「腎臓が悪い場合」
高血圧が続くと心臓に負担がかかりますよね。
心臓は血液のポンプ役ですが、この力が弱くなるとどうなるか。
もうお分かりですよね。
スムーズに下半身から上へと血液を汲み上げることができなくなるからですね。
また、高血圧は動脈硬化を引き起こします。
腎臓には尿をろ過する細かい網目の血管(糸球体)がありますが、
これが動脈硬化になると上手く尿をろ過することができなくなります。
結果、体に水が溜まりむくみに繋がります。
4)リンパの機能が弱っている時
細胞の周りに張り巡らされているのは血管だけではありません。
リンパ管もまた全身に張り巡らされていて、細胞間から老廃物などと共に水分も流れ込みます。
しかしリンパ管の流れが滞っていると、老廃物や水が上手く排出できず、体中がゴミ屋敷になってしまいます。
『【美容】 リンパを知る② リンパって何?』 参照
5)腰痛
腰が痛いと脚のむくみの原因になるというのは、ちょっと意外かもしれません。
腰痛の人に共通して言えるのは骨盤の歪み。
姿勢が歪むとは、体の左右のバランスが歪むわけですから、脚にかかる負担も左右で違うことになりますよね。
これがふくらはぎの筋肉が左右で違ってくることに繋がってくると考えられています。
腰痛の原因が腎臓にある場合もあります。
6)その他
ホルモンの影響。ビタミンやミネラルの不足。薬の副作用など・・・
このように脚のむくみの原因は多種多様。
脚のむくみには入浴が有効ですが、それぞれの原因に応じた入浴法が必要となります。
通常はお風呂の温熱効果と水圧効果を利用すると良いでしょう。
脚の血行を良くするためには、できれば脚だけでなく全身の血流を良くしたいところ。
また湯船に浸かると水圧がかかりますよね。
水圧による脚への刺激、また水圧による利尿作用も期待できます(風呂に入ったら尿意を感じるのは水圧のせい)
だからシャワーだけでは意味が無くて、半身浴よりも全身浴が好ましい。
しかも、脚のむくみには「炭酸泉」が効果的だということが報告されています。
炭酸泉には血圧を下げ、血行や代謝を良くします。
『【健康】 「炭酸泉」のススメ』 参照
高血圧による脚のむくみについてはこの限りではありません。
脚のむくみよりも血圧に注意した入浴が必要です。
詳しくは
『【健康】 「高血圧」の入浴法 ~安全な入浴法と症状別の工夫~』 参照
リンパの流れが悪い場合は、新陳代謝が悪いか免疫機能が落ちているか・・・
リラックスしながらリンパをほぐしてやるのが良いでしょう。
『【美容】 リンパを知る④ 風呂で簡単にできるリンパストレッチ』 参照
こうして書き出してみると、脚のむくみといっても複雑やね・・・
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『症状別の入浴法』