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2015年05月30日

【健康】 食物繊維は誤解されすぎ!?本当の魅力

食物繊維の摂取は、今では当たり前のように推奨されていますが、かつては今ほど重要視されていませんでした。

科学の進歩と共に、食物繊維の持つ魅力が発見され、その都度食物繊維の常識は変わっていきました。

そして今もなお研究は続けられ、新しい研究結果が報告されています。

そのためか、食物繊維は何かと誤解されているような気がします。

そこで。

ちょっと思い付いた「おそらく誤解している人が多いであろう食物繊維に対する常識」を書き出してみました。

あなたのその食物繊維に関する常識、すでに過去のモノかもしれませんよ・・・

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◆かつては食べカスだと考えられていた。

食物繊維は消化がされないことから、昔は腸で消化しきれなかった食べカスだと考えられていました。

その後、実は単なる食べカスではなくて、炭水化物の中でも糖質以外の消化されない成分で、便通改善に効果があることが分かって見直されるようになりました。


◆栄養というより物理的効果が注目されていた

食物繊維は「お通じが良くなる」ということで、3大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)、ビタミン、ミネラルに続く「第6の栄養素」と呼ばれるように・・・

しかし、第6の栄養素と呼ぶには違和感があって、そもそも食物繊維は炭水化物に含まれていて単独の栄養素ではないこと。

また、便通改善の効果があると言っても、それは消化されずに腸を通過することで腸のぜん動運動を刺激するからであって、要は物理的作用によるものであるから栄養素とは言えませんよね。

しかもその後、食物繊維の効果は便通改善だけでなく、
血糖値上昇抑制腸内細菌叢(腸内フローラ)の改善免疫力UPミネラルの吸収促進など多岐に渡ることが判明。


便通改善以外の効果はあまり知られていないことかもしれませんね。


◆食物繊維は血糖値やカロリーに影響はない???

食物繊維は健康やダイエットの味方として、どれだけ摂取しても構わないと考えている人が多いようです。

その根拠は、どれだけ食物繊維を摂取しても血糖値やカロリーに影響が無いと思われているため。

しかし、これは間違いです。

かつては消化されないと考えられていた食物繊維ですが、腸内細菌のエサになることが分かってから状況が変わりました。

腸内細菌のエサになるとはどういう意味か。

腸内細菌によって分解され代謝されて、乳酸や酢酸などの短鎖脂肪酸という有機酸を生成するということです。

人が栄養素を吸収・代謝するように、腸内細菌もまた食物繊維を吸収・代謝しているんです。

そして生成された短鎖脂肪酸は腸管に積極的に取り込まれてエネルギー源として利用しています。

通常、炭水化物(糖質)1gのエネルギーは4kcalと言われていますが、食物繊維1gは2kcal前後

食物繊維は0kcalではないんです。

糖質の半分とはいえ、エネルギーを産生しているんですね。

食物繊維もやはり炭水化物ということ。
これにより食物繊維は、全く消化されないわけではなくて難消化性(消化されにくい)の成分であると考えられるようになりました。

なので消化・吸収された分はわずかながら血糖値を上げています。

例えばノンシュガーガムやチョコレートによく含まれるキシリトール。これも血糖値を上昇させるし実はカロリーもちゃんとありますから、昔とは常識が変わっています。


◆食物繊維のおかげで腸内環境が良くなるのは善玉菌のエサになるからだけではなかった。

先程も言ったように、食物繊維が腸内細菌により分解、代謝されて短鎖脂肪酸を生成するという話には続きがあって、
この短鎖脂肪酸のおかげで腸内のpHが下がり酸性に傾くんです。

善玉菌は酸性を好み、悪玉菌はアルカリ性を好みますから、食物繊維は単に善玉菌のエサになるだけではないことが分かりますね。

また酸性よりになることでミネラルが溶けやすくなるので、ミネラルの吸収を促進することにも繋がります。


◆食物繊維の定義があやふやに・・・

そもそも食物繊維とは「炭水化物の糖質以外の難消化性成分」を指すのですが、
糖質の中でもオリゴ糖や前述のキシリトールなども難消化性成分なので食物繊維同様の効果があります。

また、でんぷんの構造が変化したレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)もまた食物繊維みたいなもの。

もはや「炭水化物の糖質以外の難消化性成分」という定義は狭義的なものになりつつあるようです。

最近では小腸内で消化・吸収されにくく、健康の維持に役立つ生理作用を発現する食品成分をまとめて「ルミナコイド」と呼ぶようになりました。

ルミナコイドには食物繊維だけでなく、それに似た難消化性成分、例えばオリゴ糖やレジスタントスターチなども含ま
れます。

食品で腸内環境を整える方法として、乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌を含んだ食品を摂取するプロバイオティクスと、善玉菌が喜ぶルミナコイドを摂取するプレバイオティクスがあります。

最近では腸内環境にはプロバイオティクスよりもプレバイオティクスの方が効果が大きいのではないかと考えられるようになり、ルミナコイドの注目度は上昇中です。


(毎日ヨーグルトにオリゴ糖をかけて食べています SHIBA)