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2015年11月22日

【入浴】 子どもの入浴法 ~「インフルエンザ」の場合~

子どもによくある気道の感染症にはかぜとインフルエンザがあります。

どちらも上気道(口から喉頭まで)に飛沫感染や接触感染で感染しますが、
かぜの病原体にはいろんなウイルスや細菌があるのに対し、インフルエンザはインフルエンザウイルスのみによって引き起こされます。


『【健康】 今さら聞けない!かぜとインフルエンザの違い』 参照

 

1~2日間の潜伏期間のあと、急激な悪寒とともに発熱します。

症状はかぜのような上気道の呼吸器系だけでなく、関節痛、頭痛、筋肉痛など、全身に症状があらわれるのが普通です。

インフルエンザが怖いのは体力を奪われてしまうことと、
それにより合併症をひき起こすこと。

高齢者では肺炎、乳幼児は脳炎や熱けいれんに注意が必要だと言われています。


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◆インフルエンザの特徴

【感染様式】飛沫感染、接触感染

【潜伏期】1~2日間(長い時は1週間)

【好発年齢】乳幼児、高齢者、免疫力の弱い人

【症状】急激な悪寒、発熱(高熱)、頭痛、関節痛、筋肉痛など


 

1.いつから風呂に入れるのか?

 

「かぜをひいたら風呂はダメ」は過去の話。

だからといってインフルエンザの時に入浴するのは危険です。


風呂に入ってもよいか控えた方がよいかは熱があるかどうかではなく、体力があるかどうかで判断することが現在の常識となっています

つまり、発熱や咳といった症状で判断するのではなく、食欲や元気があるかどうかが判断材料になります。

なので少しばかり熱があっても機嫌がよければお風呂に入れてあげても問題ないものなのですが、これは「かぜ」の場合の話・・・


インフルエンザは38℃、39℃を超えてくる高熱を伴います。

熱があるかどうかが入浴の判断材料ではないとはいえ、高熱によりかなりの体力が奪われている状態です。

間違いなく重症化を招きますので入浴は控えてください。

ただし高熱では相当汗をかくので、こまめに体を拭いてあげましょう。


問題は「いつから入れるのか?」ですよね。

一応、「37℃まで熱が下がり、食欲や元気があるようなら大丈夫」ということになりますが、それまでの高熱で体力を消耗した後なので、入浴によりさらに体力を消耗させることになりかねません。

そこは慎重に判断する必要があります

また、熱が下がっても、また熱をぶり返すことがあります(二峰性発熱という)ので、安心は禁物です。

『学校保健安全法』で定められているインフルエンザの出席停止の基準は、「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日間」となっているので、「熱が下がった = 治った」わけではないことに注意しなければなりません。

熱が下がった後も、しばらくはウイルスが潜伏している可能性があるということです。

 

2.入浴時の注意点

 

なお、入浴するのであれば「長湯をしない」ことと「湯冷めをしない」ことを守りましょう。

長湯は体力を消耗します。短めにサッと温まって風呂から上がり、あとは湯冷めをしないように暖まることが基本です。

湯冷めは悪化させてしまう原因になります。
脱衣所や部屋を暖かくしておく他、体をしっかり拭く、髪の毛もしっかり乾かすようにして下さい。

水分補給も重要です。
冷たい飲み物は体を冷やすので、できれば温かいものを飲ませてあげて下さい。

風呂上りは安静にすることが第一で、せっかく温まった状態を維持しながら就眠へと繋げましょう。

 


3.家庭内感染に注意

 

家族が同じお風呂に入ったらインフルエンザがうつるのではないか?といった心配があるかと思います。

しかしウイルスは高温多湿な環境を苦手とします。

ちなみに、ウイルスの感染力は室内が25度で2分の1、30度の場合は10分の1にも下がると言われています。また、湿度が50%の場合は約3%しかウイルスは生き残れないそうです。

浴室の湿度は場合によっては90%ぐらいあるでしょうから、入浴で感染することは考えにくいものです。


それよりも接触感染に注意。

タオルやバスタオルは同じ物を使わないことが肝心です。

またドアノブからの間接的な接触感染もありうるようです。

ウイルスが付いた手で、無意識に、顔や口のまわりを触ることも多々ありますからね。
浴室の使用後はドアノブを綺麗に拭いておくといいですね。


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『「子育て」としての入浴法』


『子どもの症状別入浴法』