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2015年12月

【健康】 排尿時に不快を感じるのは尿路感染症かも

頻尿に加え、尿意切迫が強い、排尿した時に痛みを感じたり残尿感があるといった不快感をおぼえるようなら、それは尿路感染症かもしれませんよ、どうもSHIBAです。

尿路感染症とは、おしっこの通り道のどこかで細菌などが感染して炎症を起こす病気の総称です。

腎臓で作られた尿は腎盂から尿管を伝って膀胱、尿道と運ばれます。
炎症を起こしている場所によって腎盂腎炎膀胱炎尿道炎などと呼び方が違ってきます。

基本的には尿道口から細菌など(主に大腸菌)が侵入して感染することが多く、
尿道炎や膀胱炎ではトイレが近くなったり排尿時の痛み残尿感などの症状があらわれます。

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膀胱炎は膀胱が細菌により感染して炎症を起こした状態で、特に女性に多いのが特徴です。
健康であれば菌が侵入してきても免疫による防御機能により膀胱炎にはならないものですが、
風邪や疲れ、ストレスなどで免疫力が低下していると感染しやすいと言われています。

『【健康】 「膀胱炎」の入浴法 ~水分はしっかり摂る~ 』 参照


なお、膀胱炎には尿の中に細菌などの病原体が認められない非感染による間質性膀胱炎があります。
原因は明確ではないものの、アレルギー性(自己免疫疾患)や知覚過敏によるものではないかと考えられています。

細菌が認められない頻尿や尿意切迫などは「過活動膀胱」と症状は似ていますが、
過活動膀胱には排尿時の痛みや不快感はありません。


膀胱からさらに腎臓にまで感染が及ぶと腎盂腎炎になります(腎盂とは腎臓と尿管の接続部で、腎臓で作られた尿が集まるところ)

通常は尿管に細菌が侵入しても尿で流し出されるので腎臓への感染は防止できるはずですが、
腎臓結石や前立腺の肥大などが尿の流れを障害したり、何らかの理由で尿が逆流すると腎盂腎炎を起こしてしまう理由になります(体の別の場所での感染が血管を通して腎臓に拡がる場合もある)

腎盂腎炎では排尿時の不快感(膀胱炎を合併していることが多いから)に加え、発熱腰痛がみられるのが特徴です。


大人であれば、腎盂腎炎に至る前に排尿時の不快感から異変に気付くこともあるでしょう。
しかし赤ちゃんの場合だと不快感を訴えることができないため感染が腎盂腎炎にまで及び、発熱を起こすまで親も異変に気付かないことが多いようなので注意が必要です。

つまり風邪でもないのに高熱が出たり、発熱を繰り返すようなら尿路感染症を疑ってみるべきです。


尿路感染症の予防方法としては、身体を冷やさない(特に下半身)ことが基本となります。
入浴は身体を温めるだけでなく、血行を良くし、免疫力を高めるので予防にとても効果が期待できます。

水分は多めに摂ることと、尿意は我慢しないことも重要です。
尿を長く体内に溜めることは、菌の増殖を許すことになるからです。

いずれにしても医療機関で受診し、尿路感染症の類だと診断されれば抗生物質で数日後にはスッキリ治ることが多いと思われるので、我慢せずに早めに診察を受けましょう。

尿路感染症は、完全に治すことが大切です。
中途半端に自己判断で治療をやめてしまうと、再発を繰り返す慢性の膀胱炎などになりますよ。


(おしっこを我慢している時は笑わせないで欲しい SHIBA)

【健康】 「かぜは人に移すと治る」という迷信にも根拠があった?

かぜをひいた時って、誰に移されたのかをいつも必死で考えてしまう、どうもSHIBAです。

ところで「かぜは人に移すと治る」という噂がありますが、もちろん医学的な証左はありません。

まさか本気にしている人はいないと思いますが、でも実際に人に移して治ったと実感したことがあるという人もいらっしゃることでしょう。

このような迷信が生まれたのも、あながちテキトーなものではなく、ちゃんと根拠があったとも考えられます。

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人はかぜを移されても直ぐには症状が出るものではありません。

個人差や病原体の違いはあれど、数日間の潜伏期間があるものです。

移した本人は数日後には快方に向かうので、ちょうど入れ替わりのようになるのでそういう迷信が生まれたんだろうと思います。


話は変わって・・・

では「マスクにインフルエンザの予防効果は無い」という噂はどうでしょうか?

ウイルスというものは細菌と比べてもの凄~く小さい物。

ざっくり言うと、ウイルスは細菌の1,000分の1ほどしかありません。

一般的な不織布マスクの隙間は、5μm(マイクロメートル)

であるのに対し、

インフルエンザウイルスの大きさは、0.1μm

余裕でマスクを通過できるほど小さいのが特徴です。

「マスクにインフルエンザの予防効果は無い」と考えるのも無理はありません。

でもマスクはフィルターが何重にも層を成しているので、そう簡単に通過できるものなのか疑問です。

それにマスクをすることでのどの湿度が保たれます。

ウイルスは乾燥した環境を得意としますから、のどを潤すことは予防に効果があるということです。

むしろマスクの利点は保湿であるとも考えられ、マスクの隙間の大きさだけでウイルスを予防できないと一概に決めつけられるものではありません。

マスクはやはり、風邪予防、インフルエンザ予防の基本だと言えそうです。

(最近ピンク色のマスクとかあって可愛いですね。虎の縦じまのやつは何のつもり?タイガーマスク?何それ?シャレ? SHIBA)

【健康】 子どもの頭痛で小児科が特に注意を払うのは「髄膜炎」

どうもSHIBAです。

頭痛は誰にでも見られるものですが、深刻な状況になることはめったにありません。

しかし、中には他の病気が原因で頭痛がきる場合があり(二次性頭痛疾患)、
稀に深刻な病気による頭痛というのもあります。

脳腫瘍やくも膜下出血など可能性のある病気がいくつかありますが、
子どもに限っていえば免疫力がじゅうぶんではないので感染症である「髄膜炎」は要注意です。

おそらく小児科にとって最も注意を払っている子どもの頭痛は髄膜炎なのではないでしょうか。

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髄膜炎とは、脳を包む髄膜に細菌やウイルスなどが感染し炎症が起きる病気

髄膜炎は細菌性と無菌性に分類されます。


●細菌性髄膜炎(化膿性髄膜炎)

細菌がくも膜下腔に侵入することで起きる炎症です。

髄膜炎が怖いのは、治療が遅れると死亡したり、知的障害など脳に後遺症が残ったりするからです。

最初は頭痛、発熱、吐き気などかぜに似た症状や首の硬直がみられたり、酷い場合にはけいれんや意識障害があります。
首の硬直とは、あごを胸につけることが痛くてできないことをいいます。

原因となる細菌には「インフルエンザ菌b型(Hib)」「肺炎球菌」が代表的ですが、
乳幼児に多いのは「B群溶血性レンサ球菌」「大腸菌」などがあげられています。

細菌の侵入により免疫細胞による防御反応が起きるため、血液検査をすれば白血球の増加が認められます。

脊椎穿刺を行うことで原因となる細菌か細菌以外によるものかを判別でき、さらに細菌であればどの細菌によるものか特定するための検査も行われます。

しかし、検査の結果を待たずして数種類の抗生物質が投与されることも多いそうです。
症状だけでは細菌の種類が特定できないので複数の抗生物質を投与する必要があるのだとか。
場合によっては抗ウイルス薬も投与されることがあるようです。

副作用の危険があるにもかかわらず、原因が特定できる前からこのように抗生物質や抗ウイルス薬を投与するということは、それだけ手遅れになると命の危険があるということです。

●無菌性髄膜炎

検査で細菌が検出されなかった場合の髄膜炎です。

その多くは何らかのウイルスによるウイルス性髄膜炎ですが、
なかでもムンプスウイルスエンテロウイルスが有名です。

麻疹、風疹でも脳炎を合併することがありますが、
ワクチンが普及しているのでこれらが原因になることは少なくなっております。

細菌性髄膜炎よりかは危険性は低いそうですが、炎症が脳にまでおよぶと脳炎になるので、
顔色が悪いとかあくびをよくするといった様子がみられる場合は注意が必要です。

ウイルス以外でも真菌薬剤による影響で髄膜炎になることがあります。



いずれにしても、発熱を伴う頭痛、首の硬直がみられる場合は、すぐにでも診察し、入院も考慮しなければならないでしょう。

子どもは子どもでも赤ちゃんの場合は、頭痛を訴えることができません
なので親が赤ちゃんの異変に気づきにくいという危険があります。
機嫌が悪い、ミルクを飲みづらそう、やたらと眠るといった様子がみられる場合は疑ってみるべきでしょう。

髄膜炎は、医療機関よりも親による対応の方が鍵となりそうな疾患ですね。

(もちろん成人にとっても重篤な疾患です SHIBA)