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2016年01月18日

【なるほど漢方】 漢方って中国の医学?


当館の大浴場において看板となっている漢方「励明薬湯」は、8種の生薬が配合された本物の薬湯です。
 
「漢方」を取り扱う施設としていたしまして、漢方の魅力を感じて頂きたいと考えています。
 

ところで「漢方」と聞いてどんなイメージを持たれますでしょうか。
「中国の民間療法でしょ」くらいのイメージでしょうかね。
 
そもそも「東洋医学」「中国医学」「漢方」、それぞれの違いを知らなければ理解できません。

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「東洋医学」というのは、東洋ですから中国や韓国・日本など東アジアで発展した医学全般を意味します。
 
ですから、中国医学も漢方も東洋医学に含まれます。「東洋医学」に対して「西洋医学」、という感じですね。
 

中国では、自国の伝統医学のことを「中医学」と呼んでいます。
その歴史は古く、東洋医学の原点と言えそうです。
 
日本の伝統医学も元々のルーツは中医学になります。
しかし私たちにとって一番身近な「漢方」は、実は日本独自の東洋医学です。
 
5~6世紀ごろ、中国から仏教など大陸文化が入ってきたときに医学も伝わったとされています。
そこから長い歴史を重ねて、日本独自の考え方が発展して形作られたのが「漢方」で、いま私たちが飲んでいるのが「漢方薬」です。
 
漢方薬の元になっている生薬は、約8割が中国由来のものだそうです。
それなのに中国には「漢方」や「漢方薬」という言葉はありません。面白いですね。
 
漢方は中医学の一部という考え方もできますが別物です。
ただ、「漢方」の「漢」は中国を意味するので暗に中国をリスペクトしているのかな?という気もしますね。
 

ちなみに日本では、漢方薬を処方できるのは西洋医学を学び国家資格をもつ医師に限られます
 
それに対し中国では、中国の伝統医学を学んだ「中医」と、西洋の医学を学んだ「西医」と2種類の医師資格が存在します。医学を教える大学も中医と西医、それぞれ別になっている点でも日本とは違います。
 
日本では西洋医学の知識もじゅうぶんでないと漢方を取り扱えないということからも、
漢方の方が中医学よりも信頼できるというのが個人的な感想です。