• イベント情報
  • メールフォーム

2016年06月13日

【健康】 サウナを科学する⑥ まとめ


サウナ浴による健康や美容に対する効果について振り返ってみると、
サウナに関する間違った認識がかなりあるように思います。

2016613174849.jpg

●サウナに関するありがちな間違い


・「発汗=デトックス」でない

「デトックス」という言葉の意味は実は曖昧です。毒素を分解するという意味であればそれは主に肝臓の役割であり、毒素や老廃物の排出であれば大半が便(75%)と尿(20%)によって行われ発汗による排出は体全体の3%でしかありません。

しかも汗に含まれる成分の99%は水。残り1%の大半も塩化ナトリウム(食塩)。

そもそも毒素とは何か?というのもはっきりしておらず、一応汗の成分には尿素、乳酸、硫化物、アンモニア、尿酸なども含まれていますがデトックス効果を期待するには微量すぎると思われます。

サウナ浴に美肌効果があるのは、デトックス効果によるものではなく、血流が促進されて肌のターンオーバーが活性化されることによるもの。


・「発汗=ダイエット」ではない

発汗で失った水分の量だけ体重は減りますが、これを「痩せた」とは言いません。水分補給をすれば元に戻ります(当たり前)

ダイエットで大事なのは体重ではなく体脂肪


・熱いのを我慢してはいけない

どうしても「熱いのを我慢しなければいけない」という風潮がサウナにはありますが、心臓や血圧に負担がかかりますので無理はしないで下さい。

また、心臓や血圧に心配のある方は低温サウナ岩盤浴などをお勧めします。
そんな低い温度ではかったるいのではないかと思われるかもしれませんが、湿度が高ければ高温サウナにも匹敵する体温の上昇が期待できます。

温度が低くても湿度が高ければ体温が上昇する理由についてはこちらを参照下さい。

『【健康】 サウナを科学する④ ダイエット効果』 参照


・酔い覚ましのサウナは超危険

「ちょっくら汗かいてアルコールを抜こう」としてサウナに入る人がいますが危険な行為なのでやめましょう。

ただでさえアルコールには利尿作用があるのにサウナで発汗すれば脱水症状の原因にもなりますし、水分量が減ったドロドロな血液は脳梗塞や心筋梗塞の原因にもなります。



●正しいサウナ浴法


サウナの入り方は目的によって違ってきます。

共通するのはサウナ浴の前後に水分補給をすること。

入浴前はコップ1杯の水でかまいませんが、入浴後は失われたミネラルも補給したいので水よりもスポーツ飲料かフルーツ飲料が最適です。

水分補給を怠ると脱水症状の原因となるので忘れずに行いましょう。


サウナに入る前には体を洗っておいたり、先に湯船に入浴しましょう。毛穴の汚れを落としたり汗腺を開いておくことで、サウナの効果を効率よく得られます。またサウナに発汗作用を求めるなら体表面の水分は拭いてからサウナに入りましょう。体がぬれたままだと汗が出にくくなります。

ではいよいよサウナの入り方です。

基本的には高温サウナによる短時間浴でも健康にとって有益ですが、
より目的別に効果的な入浴法があるのでここにまとめてみます。


【低温サウナ浴】
約15分のサウナ浴

・鼻づまりの解消
・夏バテ防止
・冷え性の改善
・ストレス解消
・血圧の安定
・疲れ目の解消


低温サウナは温度が低い代わりに湿度が高いのが主流です。
湿度が高いことで汗が蒸発しにくく熱が奪われないために熱が体に籠りやすくなります。そのため温度が低くてもしっかり温まることができます。

意外かもしれませんが、サウナ浴の習慣のある人はない人よりも心疾患のリスクが低いという研究報告があります。
これは血管が拡張され血圧が下がることと関係していると考えられています。
もちろん、そのような効果はサウナでなくとも普通の入浴(浴槽浴)でも得られるわけですが、水圧がかからないという点でサウナは心臓に対する負担が軽いと考えられます。


【HSP入浴】
?分のサウナ浴(時間はよく分からない)

・肥満体質の改善
・筋肉の疲労回復
・かぜ予防
・肩こりの改善


体温を2℃上げると産生されるHSP(ヒートショックプロテイン)
傷ついた細胞を修復するタンパク質と言われています。
敢えて熱ストレスを与えることで筋肉の疲労回復を早めたり免疫力を向上させる作用があります。

また、褐色脂肪細胞を活性化させる働きもあるので、脂肪が燃焼しやすい体質への改善ができるとして期待されています。
ただし、入浴時間や継続期間がどのくらいだと体脂肪がどのくらい減るかといった具体的なデータは存在しない。


【反復浴(分割浴)】
約10分のサウナ浴 → 約5分の外気浴 (3~4回繰り返し)

・冷え性の改善
・疲れにくい体質への改善


体に負担をかけずに効率よく体を温める方法。
毛細血管の隅々まで酸素や栄養を運ぶので血行促進に最適です。


【温冷交互浴】
約10分のサウナ浴 → 1~2分の冷水浴(水風呂or冷水シャワー) (数回繰り返し)

・花粉症の改善
・冷え性の体質改善
・熱中症の予防
・かぜ予防
・自律神経失調症の改善


血管の拡張と収縮を繰り返すことで血行促進にもなるし、なにより自律神経が鍛えられます
自律神経のバランスを整えることで改善される様々な症状に有効です。
体温調節機能も改善されるので熱中症や冷え性の対策に最適です。



関連記事

『【健康】 サウナを科学する① デトックス効果(前編)』
『【健康】 サウナを科学する② デトックス効果(後編)』
『【健康】 サウナを科学する③ 疲労回復効果』
『【健康】 サウナを科学する④ ダイエット効果』
『【健康】 サウナを科学する⑤ 体温調節機能の改善効果』