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2016年06月18日

【健康】 梅雨期の入浴法② 冷えとむくみの関係


梅雨の時期に体調を崩しやすいその理由の一つに「低気圧」があります。

気圧が低くなると私たちの体は膨張しようとする力が働きます。
その影響が顕著に表れる症状の一つが「むくみ(浮腫)」です。

低気圧により血管が拡張されてむくみやすくなるという説が目立ちますが、医学的な根拠は乏しいようです。

ですが、実際に梅雨期にむくみやすいという現実があり、低気圧が何らかの形で影響していると考えるのが自然です。



◆梅雨とむくみ


梅雨期は天気の悪い日が多く、体を動かす機会も減りがちで筋肉が低下しやすいという環境要因もあるでしょう。

加えて梅雨ならではの湿度の高さが汗をかきにくくするので、体内に水分が溜まりやすくなることもむくみの要因となります。と同時に冷え性の原因です。

むくみが足に表れれば、これは静脈がうっ滞を起こし、血流が悪くなっている状態です。
下半身の静脈血が重力に逆らって心臓に戻るにはそれ相応の血流が必要です。

静脈血がうっ滞を起こして血流が悪くなればむくみはできますし、その逆もしかりで、血流が悪くなれば静脈血がうっ滞してむくみができます。

この静脈がうっ滞を起こす(むくみができる)ことを「還流障害」ともいい、むくみの対策としては還流障害を改善することとなります。

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むくみの起きる原因は他にも心臓や肝臓、腎臓などの疾患による場合も多いものですが、気圧の変化によるむくみはなんら深刻なものではありません。

とはいえ、そのむくみが脳で起きれば頭痛、足のうっ滞に表れれば冷え性を伴うことが多いので、放っておいても良いというわけでもありません。


そこで入浴です。

改善法としては食事や運動なども有効ですが、ここでは入浴法を紹介します。



◆梅雨期の「むくみ」「冷え性」「頭痛」の入浴法


梅雨の時期のむくみは、低気圧と湿度が関係しており、冷え性を伴うことが多いという点をふまえて、
「老廃物をためこまないこと」「冷やさないこと」「しっかり発汗すること」をポイントとします。

そのために入浴に求められるのは温熱効果による血行促進、そして発汗作用です。

シャワー浴だけではまず無理で、必ず浴槽に浸かる習慣にしましょう。

ヒトの深部体温は一定に保たれるようになっているので、入浴で体が温まり、体内の熱が深部体温を超えそうになると熱を体外へ逃がすため、皮膚の血管が拡張され血流が増えます。

冷え性とは皮膚の血管が収縮してしまって(血管が細くなっていて)血の巡りが悪い状態ですから、温熱効果によって皮膚の血管が拡張されることで冷え性に有効です。

そのための入浴温度は38~40℃が適当です(それ以上の熱いお湯になると熱刺激が交感神経に作用し、逆に皮膚の血管が収縮してしまい逆効果になります)

血流が促進されることにより足のうっ滞が解消できますし、代謝も促進され老廃物を排出できるのでむくみの改善になります。
またシャワー浴にはない水圧効果も手伝って、足のむくみ改善にはとても有効です。
さらに水圧効果には利尿作用もあり、これもまたむくみ改善に働きます。

水圧効果を得るには半身浴よりも全身浴が適しています。


入浴時間は10~20分間。しっかり温まることで、汗腺が開き発汗作用が亢進されます。
発汗そのものに余分な水分が排出されるという効果もありますが、何より体温調節機能をしっかりと働かせることで冷え性の体質を改善できることにあります(冷え性の原因は体温調節機能が働きにくいこと)

むくみと一緒に低気圧性頭痛(片頭痛)のある方は、額を冷やして下さい。顔を冷水で洗うのも良い。
ただし脳の血管は拡張しやすく、それが低気圧性頭痛(片頭痛)には悪い影響を与えかねないので、入浴時間は短めにしましょう。



◆炭酸泉で温冷交互浴


上記の入浴法を最大限に発揮するのが炭酸泉です。

炭酸泉は血管を拡張し血流を促進するのに効率的なお湯です。
実際の温度よりも1~2℃温かく感じるのが特徴です。

実際に炭酸泉がむくみ解消に効果があるという研究報告もあります。

家庭のお風呂では炭酸ガス入り(シュワシュワ系) の入浴剤を入れると同じ効果が得られますよ。


『【健康】 「炭酸泉」のススメ』 参照


さらに、温冷交互浴といって、温かいお湯に浸かったあと冷たい水を浴びて、また温かいお湯に浸かることを繰り返すと効果的。

血圧を上げることなく体を温めることができ、体温調節機能を正常に働かせるための入浴法です。

自律神経のバランスが整うので、体温調節機能が正常化する他、冷え性の改善や免疫力の向上にも役立ちます。

また、この入浴法を梅雨の時期のうちに続けることで、梅雨明けの熱中症対策にもなります

なお、温冷交互浴は最後は「冷」で終わること。お風呂で温まった熱を体内に閉じ込めて保温効果にもなります。


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