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2016年06月

【健康】 サウナを科学する③ 疲労回復効果


サウナには疲労回復効果(リラックス効果)があります。

疲労には精神的なものと肉体的なものがありますが、溜まっている疲労がどちらかによってサウナの活用法は違ってきます。

とはいえ、根本的には同じであり、いずれにしても安眠へと繋げることがポイントとなってきます。

なにしろ良質な睡眠に勝る疲労回復方法はありませんからね。睡眠中には成長ホルモンの分泌が活発化され傷ついた皮膚や血管の修復などを行ったり免疫力の向上に働きかけます。

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●精神的な疲労の場合


精神的な疲労の主な原因はストレスです。

交感神経が優位な緊張状態が続くと人は誰しも疲れてきます。
交感神経は細動脈を収縮させます。その結果毛細血管の血流が悪くなるので全身に酸素と栄養の供給が行き渡りにくくなるからです。

そのためサウナを利用する場合は、高温サウナよりもリラックス効果の得やすい低温サウナをお勧めします。

リラックス効果を得ることで緊張状態から解放されます。副交感神経が優位となり細動脈が拡張されるので、毛細血管の血流が促進され疲労の回復を早めるからです。

これは入浴によっても同じ効果を得られますが、入浴には水圧がかかりますので、温度が高くなくても何となく苦しく感じて浴槽に長く浸かっていられないという人がいます。
そんな人には低温サウナがお勧めです。

また、低温サウナによるリラックスは安眠効果も得やすいのが特徴です。
ストレスによって作られた活性酸素は血管を傷つけますが、前述のとおり睡眠中に成長ホルモンによって傷ついた血管は修復されるので、安眠へと繋げることがとても重要になりますよ。



●肉体的な疲労の場合


実はこちらも低温サウナによるリラックスが疲労回復に効果あります。

疲労した筋肉を回復させるには酸素や栄養を行き渡らせるのが一番であり、そのためには血行促進がとても有効だからです。


ただし、疲れにくい体質にしたいのであれば、また違ったサウナの活用法があります。

それは高温サウナでしっかり温まったら、一旦サウナから出て休み、またサウナに入る。これを数回繰り返す。

サウナに10分程度入ることを3~4回繰り返すのが目安ですが、当然個人差はあります。時間や回数は体力に応じて判断すれば良いかと思います。

血管を拡張させたり縮小させたりすることで、血流が促進して疲労を回復するだけでなく、毛細血管が鍛えられるのがこのサウナ活用法の目的です。

この時、サウナとサウナの間の休憩は外気浴で十分です。水風呂は血圧の急上昇や血栓の詰まりを起こしやすくしますからね。動脈硬化や心臓に不安のある人には危険です。



●逆に疲れる場合もあるが問題ない


低温サウナでも長く入っていると逆に疲れる場合があります。

でもこの疲れはカロリーを消費した分の疲労であり、たいした疲れではありません。

ストレスによる疲れや、筋肉の疲労とは質が違います

それなのに「ぐったり」するのは副交感神経が優位になっているからです。

副交感神経が優位になるとリラックスした状態、つまり体の力が抜けたような状態になるので実際よりも疲れを感じるわけです。

疲労感と実際の疲労は違うということです。

むしろ副交感神経が優位になっているので睡眠へと繋ぎやすく、この疲れは問題ありません。


ただし、脱水にならぬよう水分補給は忘れずに行って下さい。

水よりもミネラルを補給できるスポーツ飲料やフルーツ飲料がお勧めです。


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【健康】 サウナを科学する② デトックス効果(後編)


「デトックス」という言葉は当たり前のように使われているが、学術的には定義されておらず、一般的には「毒素や老廃物の排出」という意味で用いられているようです。

しかし、ここでいう毒素とは何のことかですら曖昧で、しかもサウナでいくら発汗しても汗に含まれる成分の99%は水であり、残りの1%の大部分も塩化ナトリウム(食塩)でしかなく、とても発汗でデトックスできるとは言い難い

ただし、体外毒素、つまり元々体内には存在しない水銀、カドミウム、アルミニウム、鉛などの有害物質は、便や尿では排出されないようです。

そしてこれら体外毒素は唯一発汗でのみ排出されると言われています。

発汗と言っても汗腺から出る汗のことではなく、皮脂腺から出る皮脂と一緒に混じって出るとのことで、つまり皮脂の分泌が活発なほど体外物質を排出できるということになります。

皮脂の分泌は思春期に多く、とりわけ男子学生の肌に脂がたまってテカっているイメージがしやすいかと。

年齢と共に皮脂の分泌は減っていくので、デトックスをするなら意図的に分泌させなければなりません。

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さて。

その皮脂が分泌されるには30kmの走行に相当する運動をすることが条件となるようです。

いやいや。普通に考えれば これはかなり条件が厳しいです。

ところがサウナを利用すれば皮脂を分泌するのは簡単になります。

というのは、サウナを利用すると汗をかきますよね。
体温を下げるために汗腺から汗が出るわけですが、そのうち汗が出尽くします。
それでも体温を下げることを止めるわけにはいかないので、汗が出尽くすと今度は皮脂腺から皮脂を出すそうなのです。

この時に、皮脂と一緒に体外毒素が出ると・・・そういうわけです。

でもこれ、方法はサウナに入るだけなので方法としては簡単ですが、「汗が出尽くした後に」ということはかなり長い時間待つことになりそうです。

人によっては心臓への負荷や脱水症状が心配ですね。

その点、岩盤浴だと時間を短縮できるそうですよ。


ちなみに汗が出尽くしたかどうかを判断する目安ですが、最初ベタベタしていた汗がサラサラな汗に変わった時。

汗はベタベタしているものですが、やがて皮脂が分泌されると汗と皮脂が混ざってサラサラな皮脂膜ができるんです。

皮脂膜は天然の保湿クリームと言われ、細菌から肌を守ったり潤いを逃がさないために重要な役割を持っています。臭くもない。

そのためかサウナ後に洗い流さなくても良いという論調もありますが、しかし多すぎる皮脂は毛穴の詰まりを招きますから一概に賛同できるものかどうかは疑問です。個人的には、皮脂に体外毒素を含むのであれば洗い流す必要があると思います。



●結論


一般にデトックスといえば肝臓で解毒され、排便や排尿によって排出されるもの。

発汗そのものにデトックス効果があるとは言い難い。

もしサウナにデトックス効果があるとすれば、唯一皮脂腺から排出される水銀、カドミウム、アルミニウム、鉛などの体外物質に対してでしょう。

ですが現実的に考えて、日常的に健康に害を与えるほど摂取しているのか?という疑問もあります。

考えすぎなような気もしますし、サウナにはデトックス効果があるというはっきりとした根拠は見当たりません

ただし、その先にある美肌効果は得られます

サウナで血行が良くなることで新陳代謝が盛んになりますから、肌の細胞にとっても効果が期待できます。

「毒素が排出されるから肌に良い」のではなく、「ターンオーバーが活性化されるから肌に良い」のだと言えそうです。


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【健康】 サウナを科学する① デトックス効果(前編)


健康や美容のためにサウナを愛用している人は多いですが、はたしてそれが本当かどうか。医学的や科学的にどうなのよ・・・と思われている方もいらっしゃるでしょう。

そこで、ちょっとサウナの効果について科学的に評価してみよう、というのが今回のテーマ。

とは言っても、サウナで期待されている効果は一つではありません。

・デトックス効果 それによる美肌効果
・リラックス効果 それによる疲労回復効果
・ダイエット効果
・体温調節機能の改善効果 それにょる冷え性改善効果


など、サウナを利用する人の目的は様々だと思います。

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今回はデトックス効果について。

サウナといえばデトックス、と感じている人は多いでしょう。

ですが、はたしてサウナにはデトックス効果はあるのでしょうか?

そもそもデトックスって何でしょう?

デトックスという言葉は学術的には定義されていないらしく、一般的には体から毒素や老廃物を排出することで体をキレイに保とうとする方法を指していると考えられます。

つまり発汗によるデトックス効果が注目されているのは、その先にある美肌効果のため。


しかし、ここでいう「毒素」とは何のことでしょうか?

医学的にはデトックスといえばアルコールや薬物の解毒のことを指しますが 、毒素を解毒するという意味であれば、それは肝臓の仕事であり発汗ではありません。

サウナに期待しているデトックスはそういう意味ではありませんよね。


毒素とは何のことであれ、それらの類の殆どは肝臓で処理されその後、便・尿・汗・髪・爪から排出されています。

で、その割合ですが、「便(75%)・尿(20%)・汗(3%)・髪(1%)・爪(1%)」となっており、これがデトックスとするなら圧倒的に排便によるデトックスの方が重要になってきます。

汗によるデトックスは全体の3%でしかなく、しかも汗(エクリン汗腺)の成分の99%は水です。
残り約1%の大部分は塩化ナトリウム(食塩)で、汗をなめるとしょっぱいのはそのためです。

その他、汗の成分として尿素、乳酸、硫化物、アンモニア、尿酸などが含まれていますが微量でしかありません。

これでも発汗によるデトックスは効果があると言えるのか?

それよりも「快便こそがデトックスである」と言っても過言ではありません。


・・・と、こう結論付けてしまっては元も子もないですよね。


実は毒素と考えられるものには体内毒素体外毒素というものがあり、
このうち体外毒素は発汗でしか排出できないという理論があるんです。

体内毒素というのは、尿素、乳酸、硫化物、アンモニア、尿酸などが該当し、汗にも微量ですが含まれています。
とはいえ、便や尿とは比較になりません。

体外毒素というのは本来体内にはないもの。水銀、カドミウム、アルミニウム、鉛などの有害物質です。

これら体外毒素と呼ばれる有害物質は解毒されず、腎臓でろ過されることもないので排便や排尿では排出されません。

体外物質が排出されるのは発汗でのみ。

ただし、普通の汗ではありません。
汗腺から出る汗は主に水分ですよね。これら有害物質は金属なので水に溶けて排出されることはないんです。

毛穴にある皮脂腺皮脂と結びついて排出されます。だから正確には汗ではないですね。

この皮脂腺の分泌こそが体外毒素を排出するうえで重要であると言えます。


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