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2016年07月19日

【健康】 「多汗症」は「汗かき」や「ワキガ」とは違う


多汗症はしばしば「汗かき」や「ワキガ」と混同されます。
 
汗の悩みという共通点はありますが、どちらも症状は違います。

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◆「汗かき」との違い

 
例えば、肥満の人はよく汗をかいているイメージがありますよね。
あれは動作にエネルギーを大量に消費するので体温が上がりやすく温熱性の発汗が起こりやすい。これがいわゆる「汗かき」
 
つまり、汗かきの人は暑い時に大量の汗をかきます。
これは特別なことではなく、普通の人より汗の量が多いだけ。
 
ふつうは暑い時や運動をすると体温が上がるので、発汗することで体温を下げて調節するものですが、
多汗症の人は寒い時や運動をしていない場合でも大量に汗をかいてしまうという特徴があります。
 
 
 
◆「ワキガ」との違い
 

これもよくある勘違い。
 
汗の出る汗腺には「エクリン汗腺」「アポクリン汗腺」があります。
 
暑い日や運動をして体温が上昇した時に体温調節機能として発汗するのはエクリン汗腺の役割で、多汗症の人は体温に関係なく特にこのエクリン汗腺から必要以上に汗が出るのが特徴です。
 
基本的にエクリン汗腺の汗は無色無臭。
 
これに対し「ワキガ」の人はアポクリン汗腺が多く分泌されるのが特徴。
 
アポクリン汗腺は体温調節の役目はなく、乳白色か黄色っぽい色をしています。
これはエクリン汗腺の成分の他に脂質、タンパク質を含んでいるからで、アポクリン汗腺から出る汗が皮膚表面に出ると常在菌で分解され臭気を帯びるようになる。
 
これがキツイ体臭のもとで、酷くなると「ワキガ」になります。
 

◆多汗症の種類

 
多汗症には全身性のものと、手のひらや腋、頭部といった局所性のものがあります。
 
また、何かしらの疾患や薬が原因で多汗症になる場合と、原因が不明な原発性の多汗症とがあります。
 
全身から汗が出る多汗症は、その裏に更年期障害や甲状腺障害、糖尿病、結核、その他に薬剤の副作用などが原因となっている場合が多いようです。
 
一般的に多い多汗症は局所性のもので、原因は不明ですが交感神経が異常に働いてしまう自律神経の失調が関係していると考えられています。
 
局所性の多汗症は多量に発汗する部位によって以下のように呼ばれます。
 
手掌(しゅしょう)多汗症・・・手のひら
 
足蹠(そくせき)多汗症・・・足底
 
腋窩(えきか)多汗症・・・脇
 
顔面多汗症・・・顔
 
胸腹部(きょうふくぶ)多汗症・・・胸部、腹部
 

これらはほとんど自律神経の失調で起こる症状なので、「自分は汗かきなだけ」と思い込まずに医療機関で診てもらいましょう。

 

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