【健康】 熱中症が増えた理由は昔より暑くなったから・・・だけではない
どうもSHIBAです。
近年では熱中症になる人が増加していますよね。
日本人は暑さに弱くなったのでしょうか。
それとも昔の人が暑さに強かった?
現在では「水分補給には水分だけでなく塩分も必要」というのは常識になってきていますが、昔はそんな知識すらなかったのに、ましてや部活などでは猛練習でも「水なんか飲むな」という風潮だったのにね。
この疑問に対する憶測はいろいろされていますが、大別すると2つの意見に分かれています。
●暑さに弱い人が増えたから
●昔から比べて夏が暑くなったから
これ。どちらが正しいと思われますか。
おそらくどちらも正しいでしょうね。
「暑さに弱い人が増えたから」というのは、今の人が昔の人よりも暑さに弱いという意味ではありません。
高齢者ほど体温調節機能の働きが鈍くなるので熱中症患者の多くは高齢者であり、現在の熱中症患者の増加はそうした高齢化社会と関係があると考えられています。
つまり、「暑さに弱くなった」のではなくて「暑さに弱い人が増えた」ということです。
しかし同時に「暑さに弱くなった」というのも事実なのではないでしょうか。
高齢者以外においても昔の成人より今の成人は暑さに弱いということ。
と、こう言えば必ず「昔から比べて夏が暑くなっているのだから熱中症になりやすいのは当たり前だ」という反論があるものです。
確かに温暖化により気温は30年前よりも2.5度ほど高くなっていると言われたり、気候的なもの以外でもヒートアイランド現象などが影響していることもあって、昔より暑くなっているのは間違いないでしょう。
しかしそれがかえって冷房に頼る機会が増え、自ら体温調節機能を弱めている可能性が高いように思います。
暑い所と涼しい所の差が激しいほど出入りする度に自律神経は乱れやすく「夏バテ」の要因となり、
また発汗機能も低下して熱が体内に籠りやすくなり「熱中症」となる要因にもなるからです。
単に昔より気温が高くなったことだけが熱中症増加の原因だとすれば、日本より暑い国の人々は熱中症だらけでなければなりません。
日本は気温だけでなく湿度も高いことも関係しているとは思いますが、やはり暑さに対して適応できていないと考えべきではないでしょうか。
エアコンやクーラーといった冷房の利用を否定しているわけではありません。
しかし、日常的に「汗をかくべき時は汗をかく」というヒトとして当たり前の生理現象を避けてばかりいると、ますます暑さに対する適応能力が失われていきます。
便利な世の中になればなるほど、ヒトが本来持っている能力が衰えていくことの一例のような気がしてなりません。
<追記>
汗をかく習慣が無いと熱中症のリスクが高くなるのは汗腺機能が低下してしまうため。
能動汗腺(発汗作用が機能している汗腺)が少なくなると当然汗をかきにくくなりますよね。
能動汗腺は加齢によっても減少するそうなので、発汗できず熱が籠りやすい高齢者に熱中症が多いと考えられます。
【健康】 高齢者が熱中症にかかりやすい本当の理由 参照
また、逆に汗をかきにくいことが脱水を起こしていることに気付かないというパターン(かくれ脱水)もあるそうで、これも高齢者に熱中症が多い理由の一つになっています。
【健康】 「自分には関係ない」と思っている人ほど「かくれ熱中症」に注意 参照
なお、これらは何も高齢者に限ったことではなく、「汗をかく習慣が無い」人にも当てはまるので、やはり汗をかく習慣は重要になってきます。
手軽に汗をかく習慣を身につけるには毎日の入浴が有効です。
暑いからといってシャワー浴になっていませんか?シャワー浴では発汗作用が十分には働きませんよ。
全身浴か半身浴でしっかり汗をかきましょう。
ただし、発汗作用が円滑に機能するためには水分補給が大切になります。
ただ汗をかいてばかりいると脱水を招きますから、入浴の前と後には必ず水分を摂取して下さい。
(最終更新日:2018/07/19)