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2016年11月19日

【健康】 その物忘れ。認知症ではなく「難聴」かも


いつも仕事をテキパキこなすAさんがあるとき大事な会議をすっぽかした。

とてもそんな事をするような人ではないのに、まさか連絡ミス?・・・いいや。確かに会議のことは事前にAさんに報告した。

同僚に聞けば、最近似たようなことは他にも時々あると言う。
大事な約束を忘れたり、みんなと話をしていてもうわの空のようだったり。そういえば一人でボーっとしているように見えるときもある。

ひょっとしてAさん、アルツハイマーじゃ・・・?

な~んて、そんなことありませんか?


でもそれって、認知症ではなくて難聴かもしれませんよ。




難聴になるとコミュニケーションや意見のやり取りができにくくなります。考えを伝え認識を共有することが難しくなるんですね。

そのため認知症を疑われることが多いようです。

しかし難聴の場合、記憶力が低下しているわけではないので、認知症による記憶障害はありません。
認知症による記憶障害であれば日付が分からなかったり、体験したことを覚えていなかったり、「あれ」「その」という言葉が増えたりするはずです。

Aさんの場合、忘れていたのではなくて聞こえていなかった。

会話を続けるには集中力が必要で、聴力が低下していると脳がついていけません。
ボーっとしているように見えたのは難聴による集中力の低下が原因だと考えられるのです。

急にこのような症状が起きる場合は「突発性難聴」も考えられます。

難聴は早期治療しないと治りにくくなるため、周りにこのような人がいたら、すぐに耳鼻咽喉科を受診するように促してあげましょう。


で、話は変わりますが、やっかいなのは自分が難聴になったとき。

他人のことだったらこうやって指摘してあげられるのに、自分が難聴だった場合、意外と気づかないことが多いようです。

50も過ぎてれば「まあ年のせいかな」と思ってしまうみたいですね。

でも物忘れや集中力の低下がみられ、かつ耳鳴りがするようなら「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」を疑ってみるべきです。

中耳炎は子どもに多い病気ですが、加齢が原因で起こることもあるんですよ。


『【健康】 子どもの入浴法 ~「中耳炎」の場合~』 参照


滲出性中耳炎は、中耳に水が溜まっているために難聴になったりするわけですが、痛みがないために見過ごされがちになります。

この場合のサインは耳鳴りです。
耳詰まり感があったりツーンとするようなら耳鼻咽喉科を受診しましょう。

水を取り除くと劇的に良くなるそうなので、「歳のせいだ」なんて思っていると損しますよ。