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2016年11月23日

【健康】 女性に多い?飲酒もタバコもしないし太ってもいないのに血圧が高いのは「冷え」が原因かも




高血圧の原因は病気によるものや遺伝的なものを除けば、「飲酒、喫煙、肥満、塩分の過剰摂取、ストレス」などそのほとんどが生活習慣によるものです。

しかし、お酒は飲まない。タバコも吸わない。肥満でもない。むしろ痩せている。それなのに血圧が高いのはなぜだろう?

・・・とお悩みのあなたは、ひょっとして冷え性だったりしませんか?

だとすれば、その高血圧は「冷え」が原因かもしれませんよ。

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冷えの症候は「冷え性」「低体温」として現れます。

「冷え性」と「低体温」は明確な違いがあります。

冷え性は末梢血管の血流が悪くなるために手足が冷えるが体幹の体温は維持されている状態です(深部体温は保たれている)

一方、低体温は「体温が36℃未満」の人のことを指し、冷え性よりも異常事態といえます。

何れにしても、どちらも「冷え」による症状で、「冷え」が高血圧の原因になるなんて意外だと思われるかもしれません。


それもそのはずで、西洋医学において「冷え性」と「低体温」という病名はありません。
高血圧の治療概念に「冷え」はないのかもしれません(だから「冷え症」ではなく「冷え性」というのかも)

それに対し、東洋医学では「冷え」は未病として扱われ、様々な症状の原因となるとして重要視されています。

もちろん、高血圧ではなく低血圧が原因で末梢血管まで血液が行き渡らず手足が冷える。ということもあるでしょう。
しかし、東洋医学の視点に立てば、「冷え」と「高血圧」もとても深い関係にあるんですね。



◆「冷え」が高血圧の原因になる理由①


なぜ、「冷え」が血圧を上げるのか?

これにはいくつかの要因が考えられています。

例えば冷え性によって末梢血管の血流が低下すると、手足が冷たくなりますが、ヒトの体は冷えを感じると熱を逃さないようにと、さらに末梢血管を収縮させます。

血圧とは血液が血管の壁を圧し拡げようとする圧力のことですが、この場合は血液量が減っているわけではないので、血液量が変わらずに血管が収縮するということは当然血圧は高くなります。

「 血流の低下 → 体温を維持しようと血管が収縮 → 高血圧 」


また、低体温によって体温が下がってしまうと、血中の脂質の粘度が高まって血液がドロドロになるために血圧が上がるとも考えられています(バターやラードなどの動物性脂質は冷えると固まることを連想すると分かりやすいかも)

「 体温の低下 → 脂質が固まりやすくなる → 血液ドロドロ → 高血圧 」



◆「冷え」が高血圧の原因になる理由②


東洋医学的には「冷え」とは余分な水分の代謝が悪くなることと考えます。
「水分の代謝が悪い」とは体外へ排出されるはずの水分が体内に蓄積されることをいいます。

水分の代謝が悪いと冷えを感じることとなり、前述のとおり血流が悪くなるので血液の流れが停滞するとむくみの原因になるということは想像しやすいでしょう。

むくみが起きている血管においては血液量が多いために血管を圧し拡げている状態であり、これも血圧を上げていることになります。

「 水分の代謝が悪い → むくみを起こす → 高血圧 」



◆「冷え」が高血圧の原因になる理由③


また、冷えは便秘ととても関係があります。

腸内において水分の代謝が悪いとお腹を冷やし腸の活動も悪くなります。そうなると腸内環境も悪化し、便秘の原因となります。

便秘になってしまうと排便時に力みがちになり、その瞬間はかなり血圧が高くなります。
さらに腸内環境が悪いと自律神経が交感神経優位に傾き、血管の収縮に作用します。

「 水分の代謝が悪い → 腸内環境の悪化 → 便秘 → 高血圧 」



◆「冷え」が高血圧の原因になる理由④


女性に多い理由として「男性と比べて筋肉量が少ない」ことが言われています。

筋肉はエネルギーを生み出す場所なので、言い換えれば熱産生の場でもあります。

筋肉量が少ないとエネルギーの代謝量も少ないので熱産生が低下し、平熱の体温が低くなる要因にもなります。

体温が低下すると血圧が上がる理由は前述のとおり。

「 筋肉量が少ない → 熱産生の低下 → 体温の低下 → 高血圧 」


このような理由から女性はどうしても男性に比べて冷えに悩まされる人が多いと考えられています。
なので、運動して筋肉量が低下しないようにすることが必要なわけですが、困ったことに女性は食べない系(食事制限系)ダイエットが好き。

本来は運動をして代謝力を上げるダイエットをしなければならないのに、食べない系ダイエットをすると体重は減りますが筋肉量も低下します

食事を制限するということはエネルギー不足に陥りやすいということですからね。

よく話題になる炭水化物抜きダイエット、又は糖質抜き(糖質制限)ダイエットの対象となる炭水化物(糖質)は大事なエネルギー源なので、エネルギー源が不足すると筋肉による熱産生も低下し、冷えを助長させます。運動をしないのならなおさら。

「痩せ(食事制限ダイエット) → エネルギー不足 → 熱産生の低下 → 以下同文 」

自分から血圧が上がるようなことをしておきながら「こんなに健康に気をつかっているのにどうして血圧高いんだろう?」って言うのは自分の間違いに気付いていないんでしょうね。



◆「冷え」が高血圧の原因になる理由⑤


とりわけ高齢の女性はなおさらです。

高齢の女性に冷え性が多いのは、加齢と共に筋肉量が低下することも関係していると考えられます。

それに加え、閉経と共に女性ホルモンであるエストロゲンが減少し、ホルモンバランスが乱れます(エストロゲンには血管拡張作用がある)

ホルモンバランスの乱れは自律神経の乱れ。
更年期障害は冷え性だけでなく、肩こりや頭痛、睡眠障害などいろいろ影響を及ぼします。


「加齢 → 筋肉量と女性ホルモンの減少 → 更年期障害 → 冷え 」



とまあ、「冷え」が血圧に対しいろんな角度から影響を与えるわけですが、何しろそれが原因だということに気付かれないために高血圧が見過ごされてしまうことは多いようです。


他に心当たりがないようでしたら、まず冷え対策をやってみることから試してみましょう。

食事や運動習慣の見直しの他に、お風呂も冷え改善に効果的ですよ。


『【健康】 「高血圧」の入浴法 ~安全な入浴法と症状別の工夫~』 参照
『【健康】 「冷え性」の入浴法 ~誤解だらけの冷え性対策~』 参照
『【健康】 「便秘」の入浴法 ~お腹を温めリラックスする~』 参照
『【健康】 「更年期障害」の入浴法 ~気持ちを安定させる~』 参照