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2019年07月08日

【入浴】 「便秘」の入浴法 ~お腹を温めリラックスする~


特に女性に多い便秘の悩み。

もし便秘に悩んでいて、いつも湯船に浸からずシャワーばかりで済ましている方はいらっしゃいませんか?

毎日の入浴は便秘にとても効果があると言われています。

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そもそも便秘の定義とは何ぞや?

2通りの考え方があって、

1つは「排便が週に3回未満」というもの。

でも、「べつに腹が張って辛い」という状況でなければ、或は生活に困っているわけではなければ、これは別段問題ではありません。

問題なのはもう1つ方、「排便困難」によるもの。

便が硬い、力んでも出せない、腹が辛いなど・・・悩みの多くはこれ。

便が腸内に長く留まると、便の水分を失って硬くなったり出にくくなったり。



便秘にもタイプがあって、弛緩性便秘、直腸性便秘、痙攣性便秘とがあります。

簡単に言えば、

1.腸の動きが悪く便の通過が遅いタイプ(弛緩性便秘)

2.便意はあるが肛門の筋力低下によって力んでも出せないタイプ(弛緩性便秘)

3.何日も便意を感じないタイプ(直腸性便秘)

4.ストレスが原因で便意を感じなくなってしまうタイプ(痙攣性便秘)


に分けることができますが、入浴法においてはどのタイプでもポイントは同じになります。



◆入浴上の問題リスト◆


#1 加齢と共に慢性的な便秘になりやすい
#2 何日も便意を感じないことが多い
#3 便秘と下痢を繰り返したり、便がコロコロしている



どの問題においても入浴でお腹を温めることがポイントとなります。お腹の血流が良くなることで腸のぜん動運動を正常化すること。それから気持ち良く温まることで副交感神経が刺激され、それによっても腸のぜん動運動が促進されます。
なお、腹痛に加え下痢や吐き気などを伴う場合は、急性の疾患である可能性もあるので医療機関を受診しましょう。



◆入浴法◆


<入浴上の問題>#1 加齢と共に慢性的な便秘になりやすい

<入浴目標> お腹を温め、リラックスできる



便秘になる大きな原因のひとつに「冷え」があります。

お腹を冷やすと腸の血行が悪くなり、腸の働きも悪くなるようです。

夏だって冷たいものを飲んだり、冷房に頼った生活をしているとお腹は冷えるので便秘の方は注意が必要です。

ストレスによっても冷えは起こり、便秘の原因になることあるようです。

また、加齢によっても腹筋の力の低下と共にふんばりが利かなくなってきます。


これらの問題は腸のぜん動運動の低下だと考えられています。

湯船に浸かることで腸に血流がいき渡り、冷えが改善され腸のぜん動運動が活発になります。

お腹を温めることは腸内細菌を活性化させることでもあります。腸内細菌の適温は37℃ぐらいだと言われています(深部体温は平熱より1℃ほど高い)

腸を温めるのを最優先するなら半身浴でも効果がありますよ。


また、腸の活動をコントロールしているのは自律神経で、自律神経系の副交感神経を刺激することで腸のぜん動運動が活発になります。

リラックスすると副交感神経が働くので、少しぬるめかも?と思うくらいのお湯が適しています。


具体的には38℃~40℃くらいの温度のお湯で15分~20分が良いと言われています。


また、湯船に浸かりながら、おへその周りに「の」の字を描くようにマッサージすることも効果があると言われています(時計回りに腹をさする)

さらに強めの水圧で、お腹に熱いシャワーとぬるいシャワーを交互に当てるとより効果が見込めます。


そして入浴後はしっかりと水分補給して下さい。


なお、食前食後の入浴は控えましょう。消化のために腸に集まるはずの血液が全身に分散するために消化機能が低下してしまうからです。



<入浴上の問題>#2 お腹に張りがあり、何日も便意を感じないことが多い

<入浴目標> 我慢せずに排便ができる



便意を我慢ばかりしている人に多いのがこの直腸性便秘のタイプで、脳からの排便のサインが送られにくくなってしまうのが原因と考えられています。

このようなタイプは直腸に便がたまり、そのうち硬くなってしまうので、いざ排便しようにも困難となってしまいます。

便が硬くなってしまうのは、便が直腸に長時間滞在することで水分が失われてしまうためです。

このようなタイプの改善には便の軟化のために水分補給が重要です。
水分を摂取すると血液量も増えるので血流を促進することにもなります。
反対に水分が不足すると血液がドロドロになり、便秘を悪化させる原因となります。

入浴は発汗に伴い水分を失いやすいので、入浴の前と後にしっかりと水分補給を行って下さい。


入浴剤としてお勧めなのはバスソルト

特にエプソムソルトマグネシウムの含有量が多く、便の軟化作用に働き、便秘の改善が期待できます。


また、お腹が張るのはガスがたまっているためで、便が出ないと腸内にガスがたまりやすくなります。

オナラのあの嫌な臭いは腸内細菌が食べ物を分解したときに発生したもので、腸内にガスが多くなると悪玉菌も増えて腸内環境がさらに悪化します。

腸内で発生したガスの一部は腸管壁から血管へ吸収されますが、それにより血液の質が悪くなり血流も悪くなる要因となります。

そのような理由からも、お腹を温めて血流を促進することは、腸内のガスを抜くために重要な改善策となります。

そして入浴後はガスを抜くためのストレッチを行うと、より効果的だと言われています。
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仰向けに寝て、片足ずつ(又は両足)抱えるように引き寄せるストレッチです。



<入浴上の問題>#3 便秘と下痢を繰り返したり、便がコロコロしている

<入浴目標> ストレスが緩和される



便秘と下痢を繰り返したり、便がコロコロとする大きな原因の一つにストレスが考えられます。

腸がけいれんする痙攣性の便秘で、検査しても異常が見つからないことがあり、その場合は機能性障害といい、最近は過敏性腸症候群(IBS)として注目されています。

原因がストレスであるならば、その改善法は当然リラックスして緊張状態にある腸管を弛緩させることです。


『【入浴】 「過敏性腸症候群」の入浴法 ~腸脳相関に注目する~』 参照



◆おすすめのアロマバス◆


便秘に効果のある精油とは、便秘の原因となるストレスを緩和する作用のあるもの、お腹を温めて血流を促進する作用のあるもの、それから消化器官の活動を促進するものが該当します。

精油はそのまま浴槽に垂らすよりも、エプソムソルトに混ぜてから使用する方が、エプソムソルトの成分であるマグネシウムによる便の軟化作用が働いてより効果が期待できますよ。


●ジンジャー
消化活動の促進に優れている。加温作用もあるので冷えからくる便秘には最適の精油。特に内臓型冷え性には効果が期待できる。

●カモミール・ローマン
鎮静・鎮痙作用があるので、ストレスからくる痙攣性の便秘の改善に役立つ精油です。消化器の不調にも効果があると言われている。

●マージョラム・スイート
痛みを取り、血管を拡張させる働きがある。胃腸の機能が低下して便やガスが腸内にたまり、お腹が張って痛みを伴うような場合に用いられる。高血圧を伴う便秘に最適。

●オレンジ・スイート
血流を促進して体を温める作用がある。誰にでも受け入られる香りなので、どの精油ともブレンドしやすい。


アロマバスの例


冷えからくる便秘には
 エプソムソルト(天然塩でも可) 大さじ2
 ジンジャー 2滴
 オレンジ・スイート 3滴

 (体を温める組合せの精油。ジンジャーには消化器の不調を改善する作用がある)
 ※妊娠中・敏感肌の使用は控えましょう。


お腹の張りが辛い場合
 エプソムソルト(天然塩でも可) 大さじ2
 マージョラム・スイート 2滴
 オレンジ・スイート 2滴

 (血流を促進して腸内にたまっているガスを腸壁から吸収するよう働きかける。マージョラムには痛みを取る作用もある)
 ※妊娠中・授乳中の使用は控えましょう。低血圧の人には向いていません。


ストレス性の便秘には
 エプソムソルト(天然塩でも可) 大さじ2
 カモミール・ローマン 1滴
 ベルガモット 3滴

 (セロトニンを分泌させ、心も腸もリラックスできる組合せ。自律神経のバランスを調整する精油と言えばベルガモット) 
 ※ベルガモットには光毒性があるので朝風呂などには使用しないで下さい。




(最終更新日:2017/05/08)


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