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2019年08月04日

【入浴】 「腰痛」の入浴法 ~腰痛にもいろいろある~

お風呂は腰痛の緩和に良いという話は昔から当然のように言われています。

しかし腰痛にもいろいろありまして・・・


椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、原因が特定できる腰痛と、
原因は特定できないが腰の筋肉が張っている、コリが痛いなど「なぜか分からないが腰が痛い」という腰痛とに分けられます。

一般的に多いのは後者で、原因が特定できないことから正確には「腰痛」ではなくて「腰痛症」と呼ばれています。「腰が痛いという症状」という意味ですね。

俗に言われている腰痛とは、この慢性的に腰の筋肉にコリを感じる「筋性腰痛症」と呼ばれる慢性の腰痛症のことを指しますから、ここでは慢性腰痛症の入浴法を中心に紹介します。

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◆入浴上の問題リスト◆


#1 腰の筋肉の疲労により痛みを感じる
#2 ストレスや不安がある
#3 急性腰痛症(ぎっくり腰)により入浴が困難である
#4 骨や神経が圧迫されることによる腰痛である


腰痛にもいろいろあり、入浴が効果的なのは慢性腰痛症(一般的な腰痛のこと)であり、冷えによる筋肉のこわばりや血行の悪さが原因です。



◆入浴法◆



<入浴上の問題>#1 腰の筋肉の疲労により痛みを感じる

<入浴目標> 腰痛が楽になる



「お風呂が腰痛に良い」と言われている「腰痛」とは、この慢性腰痛症のことになります。
それも筋肉の疲労による「筋性腰痛症」

入浴によって期待できる効果は、血液の循環を良くすることと、筋肉のコリをほぐすこと。

38~40℃のお湯に15~20分、じっくり浸かることをオススメします。

腰痛持ちの人にとって、湯船に浸かっているととても腰が楽になるのは、
血行が良くなるばかりでなく、浮力が働いて腰の負担が軽減されているから。

それでも姿勢によって腰に痛みを感じるようなら、湯船では正座をして背筋をまっすぐに保つと良いでしょう。

本当ならば、湯船に浸かりながら足を伸ばして体操をしたりすると相乗効果が期待できるのですが、
姿勢を変えると痛みを感じるようならば深呼吸だけでもしてみましょう。

適度な温度での深呼吸は、血管を広げるので血行が良くなり筋肉が緩む効果が期待できますよ。

一気に血流を良くしたい場合、水圧の強いシャワーならば、浴槽にシャワーヘッドを入れて腰に当てると、ジェットバスのような効果が期待できます。

風呂上りは腰を冷やさないことが鉄則なので、
風呂上がりの直前に熱めのシャワーを腰に少し当てたり、
上がった後にストレッチをすると湯冷めせずに効果が持続します




<入浴上の問題>#2 ストレスや不安がある

<入浴目標> お風呂でリラックスできる



腰痛症には腰の筋肉の疲労によって痛みを感じる「筋性腰痛症」の他に、
ストレス、不安、うつなど精神的・心理的な不調が要因で起こる心因性の腰痛症があります。

これらの要因がいかにして腰の痛みを感じさせているのかは解明されていません。

ただ、腰の痛みが心因性によるものであれば、入浴に期待することといえばリラックス効果でしょう。

副交感神経を優位にすることが目的になるでしょう。

好きな入浴剤やアロマ精油などを効果的に使用することをお勧めします。



<入浴上の問題>#3 急性腰痛症(ぎっくり腰)により入浴が困難である

<入浴目標> シャワー浴と足浴を活用する



腰痛症には慢性のものと急性のものがあります。

急性腰痛症とは俗にいう「ぎっくり腰」のこと。

この場合、慢性の腰痛症とは一転、入浴は危険な行為になります。

ぎっくり腰になった当初は患部が炎症や腫れを起こしています。
患部を温めると悪化しますから安静が第一です。
入浴はもちろん温湿布やカイロも逆効果です。

むしろ患部を冷やすべきで湿布は冷湿布でなければなりません。
ちなみに温湿布で温かくなるわけではありませんが(実際は皮膚の温受容器がカプサイシンによって刺激を受けて温かいと感じるだけ)、温湿布により脳が温かいと感じてしまうため血管が拡張し血流が増加してしまい、より痛みが増しやすい。

しかし、なかには「いつまでも安静にしている方が治りが悪い」「次の日からでも入浴はした方が良い」など積極的な意見も存在します。

そうは言っても、いつからお風呂に入れるかは程度によりますから、 まずは41℃ぐらいのシャワーで様子をみるべきでしょう。

寒い季節には足浴(足湯)もお勧めです。



<入浴上問題>#4 骨や神経が圧迫されることによる腰痛である

<入浴目標> 入浴の是非を正しく判断できる



原因が特定できる腰痛には「骨や神経の圧迫によるもの」「内臓の疾患によるもの」とがあります。

「骨や神経の圧迫によるもの」には、椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症腰椎分離症(すべり症)変形性腰椎症骨粗鬆症帯状疱疹など様々な疾患があります。

なかでも椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などは腰ばかりでなく、神経を伝って脚にまで痛みやしびれをもたらす「坐骨神経痛」を引き起こすのが特徴です。

症状の程度により、入浴を控えた方が良い場合と積極的に入浴した方が良い場合とがあります。痛みが強いときは医師の指示に従いましょう。


『【入浴】 「椎間板ヘルニア」の入浴法 ~痛みを緩和する方法~』 参照
『【入浴】 「坐骨神経痛」の入浴法 ~冷えと血流の改善を優先する~』 参照



帯状疱疹によっても坐骨神経痛が起こることがありますが、
帯状疱疹には帯状疱疹なりの入浴法があります。

『【入浴】 「帯状疱疹」の入浴法 ~2つの疑問~』 参照


実は骨粗鬆症による腰痛もあります。
というより、意外と骨粗鬆症が原因の腰痛は多いようです。

骨粗鬆症によって脆くなった腰椎が圧迫骨折する痛み、または圧迫骨折による歪みが神経を圧迫している場合などが考えられます。

『【入浴】 「骨粗鬆症」の入浴法 ~体温を1℃上げる~』 参照 


もし圧迫骨折を起こしてしまったら、しばらくはお風呂に入ってはいけません
数週間は絶対安静が必要です。


最後に「内臓の疾患による腰痛」もありますが、これは胃や肝臓、腎臓などの疾患が原因であり、
考えられる疾患の数は多すぎるため、ここでは割愛します。



(最終更新日:2017/05/24)


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『【健康】 腰痛特集② 運動やストレッチはしていますか?』
『【健康】 腰痛特集③ 腰痛のタイプや原因はさまざま』


『症状別の入浴法』