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健康・入浴法

【入浴】 「低血圧」の入浴法 ~交感神経を刺激する~

高血圧への対処法はよくテレビやネットで話題になりますが、
低血圧はあまりそういうの無いですよね。

低血圧にだってチョットは注目して欲しいもの。



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一般に低血圧とは上の血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下と言われていますが、
明確な基準はありません。

高血圧に比べて重篤な状況になりにくいので扱いが適当ですね(思い込み)


でも低血圧も酷い場合は、朝が起きられないふらつきめまい頭痛などの症状が現れることもありますからね。


低血圧の原因としては、様々な異常が挙げられます。

例えば心拍出量減少によるもの、血管拡張によるもの、脱水や出血によるもの、透析患者における除水によるものなど。

よく起こりやすいのが食後や排尿時

食後30分には腸管への血流が増加するので、低血圧の人は一過性に脳虚血になりやすい特徴があります(食後低血圧

排尿時にみられる低血圧は、膀胱に尿を溜めすぎて腹圧がかかった状態から一気に尿を排出することで血圧が下がる症状ですから、
尿意は我慢しすぎないことが重要になってきます(排尿後低血圧


そして、低血圧を起こしやすいといえば、入浴時も例外ではありません。

温まることによる血管拡張が原因で、入浴中に起こると事故につながるので注意が必要です。



◆入浴上の問題リスト◆


#1 入浴時にめまいや立ちくらみを起こす
#2 低血圧を改善・予防するための健康管理ができていない


低血圧は、身体の一番高い位置にある脳が影響を受けやすく、急に立ち上がるとめまいや立ちくらみを起こしやすいという特徴があります。
入浴時はこれら起こりうる問題を回避し、安全に入浴すること。
そして、血圧を低下させるような基礎疾患が認められる場合(二次性低血圧)はその疾患を治療することが優先されますが、原因に応じた生活習慣の見直しなど自己管理が必要となってきます。



◆入浴法◆


<入浴上の問題>#1 入浴時にめまいや立ちくらみを起こす

<入浴目標> 低血圧の危険を回避する


入浴時で起こりうる低血圧で一番問題になるのは「起立性低血圧」です。

起立性低血圧とは、寝ている状態(または座っている状態)から急に立ち上がったときに血圧が急低下し、めまいや立ちくらみを起こす状態です。
急に立ち上がると、血液は重力によって下肢へ流れようとします。健常な人であれば、自律神経の緊張によって血管が収縮し、脳などの上半身への血流は維持されますが、自律神経がうまく働かないと脳などの血流が低下してしまうためにめまいや立ちくらみが起こります。


『【健康】 お風呂上がりの立ちくらみは「貧血」ではない』 参照


起立性低血圧を起こす原因は、血圧を調整する機能が低下しているためです。
病気(心疾患など)や薬(血管拡張薬など)だけでなく、正常であっても加齢と共にその能力は衰えるので仕方のないこともあります。

起立性低血圧による転倒リスクを避けるには、長時間の入浴をしないことと、立ち上がるときはゆっくりと行って下さい。

もし立ち上がったときにクラっとした場合は、ゆっくりとその場でしゃがむようにしましょう。
起立性低血圧は血圧の調整が遅れているだけの一過性の症状ですから、すぐに血圧は正常になりますので心配はありません。


ちなみに起立性低血圧はなにも入浴時だけの症状とは限りません。

女性ならば弾性ストッキングやベルトをきつめに締めるなどすると、
交感神経を刺激して血管の収縮を促し血圧を上げる効果があるので推奨されています。


また、入浴時の血圧低下の危険性を予防するうえで、食後すぐの入浴は控えることも重要です。

食後は血流が胃腸などの消化器に集中しますので、入浴により血管が拡張しますと、より低血圧になりめまいやふらつきを起こす(脳が酸欠を起こす)場合がございます。

食後は1時間空けてから入浴するようにしましょう(飲酒後は危険です)



水分補給も重要です。

これは、脱水を防ぎ、循環血液量を増加させるためです。

特に制限のない場合は、適度な水分と塩分の摂取を心がけましょう

入浴時には入浴の前後にコップ1杯の水分補給をして下さい。


それから、マッサージは入浴中ではなく入浴後にしましょう。

マッサージをすると血管が拡張しますので、高血圧の人にはとても期待できますが、低血圧の人にとっては拡張しすぎる可能性も考えられますし、より起立性低血圧のリスクが高まります。



<入浴上の問題>#2 低血圧を改善・予防するための健康管理ができていない

<入浴目標> 症状を改善・予防するための必要性を理解し、自己管理が実践できる


今さらですが、血圧とは血液が動脈の壁を圧し拡げようとする圧力のこと

通常、血圧が下がったときは、心拍数を増やして心拍出量を増やしたり、細動脈や静脈が収縮して動脈の血流を確保することで血圧を一定に保ちます。
低血圧の人はその調整機能が低下していることを意味します。


 【心臓】 → 大動脈 → 動脈 → 細動脈 → (毛細血管) → 細静脈 → 静脈 → 大静脈 → 【心臓】

※一般に血圧を調整するために収縮したり拡張したりするのは細動脈。細動脈が収縮すると動脈内の血液量は増加し、血圧が上がります。血圧といえば、通常は動脈(上腕動脈)で測りますよね。


入浴でいえば、誰しも体が温まることで細動脈が拡張され動脈内の血液量が減って血圧が低下しますよね。
血液は毛細血管(特に皮膚血管)に集中し、肌は赤みを帯びます。

さて、ここからが問題なのですが、毛細血管から静脈を通って心臓へ血液を戻すには、静脈の血流が良くないと血液は静脈内に溜まってしまって心臓に送り戻されなくなります。こうなると心臓へ戻る血液の量が減少して、心臓から拍出される血液量が減り、動脈の血圧が低下してしまいます。

とはいえ、静脈の収縮力は動脈と比べて弱いことと、心臓のポンプ機能は動脈への拍出専門であり静脈からの汲み取り機能はないために、下半身、とりわけ脚の静脈に溜まっている血液を重力に逆らって心臓へ戻すにはふくらはぎの筋肉の働きが重要になってきます。

筋肉量が少ない女性や高齢者に低血圧が多くみられるのはそのためです。


低血圧の入浴法として、少しでも血圧を低下させないために、あえて熱めの42℃のお湯に入浴する方法があります。

交感神経を刺激することで細動脈を収縮し、動脈の血圧低下を抑えようとする入浴法です。

意外と半身浴が効果的。

その理由は、肩まで浸かる全身浴は水圧が全身にかかり、心臓に負担をかけ、
それが元で圧迫された心臓は、血液を力強く送り出すことが出来なくなりさらなる低血圧を招くからです。

というわけで熱めの湯で半身浴がおすすめです。

ですが、入浴してしばらくすると熱さに馴れて、そのうち血管が拡張され血圧は低下し始めます。

効果は3~5分しか持続しません
※体温が上がると体温調節機能が働いて、熱を放散するためにどうしても血管が拡張してしまうという理由もあります。

そこでおすすめなのが温冷交互(交代)浴

温かい湯と冷たい水を交互に浴びる入浴法です。


  【温冷交互(交代)浴】

  1.42℃のお湯に3分浸かる
  2.浴槽から出て、冷たい水シャワーを手足に10秒かける


  1と2を数回繰り返します。
  なお、最後は水で終わるのが鉄則です(皮膚が引き締まり保温効果になる)



この温冷交互(交代)浴は、自律神経のバランスを整える効果があります。

血圧が下がったときは血管を収縮し、血圧が上がったときは血管を弛緩させることで血圧を一定に保つという本来の自律神経の機能を取り戻すことが目的です。

低血圧の改善は、最終的には体質の改善が必要になると思われます。


そしてなにより、自律神経にとって大切なのは、規則正しい生活を行うことです。

早寝早起きは基本中の基本です。
体内時計が乱れると自律神経のバランスも乱れるため、睡眠時間の確保や就寝時刻・起床時刻のリズムを守りましょう。

低血圧の人は朝の目覚めが悪いことが多いとよく言われています。

副交感神経優位の睡眠状態から交感神経へのスイッチの切り替えがうまく働かないために脳への血流が悪いということが考えられますが、これは低血圧が原因というより、自律神経の機能の問題だと言えますね。

このような朝は、熱めのシャワーで交感神経を刺激すると効果が期待できます。



◆おすすめのアロマバス◆


アロマ精油の使用は朝と夜とで分けて考えます。

朝の場合、低血圧の人は交感神経への切り替えが働かず血圧が上がらない状態になることが多いようです。

交感神経を刺激したり血圧上昇作用があることで知られている精油もありますが、朝といえばローズマリーが定番です。

ローズマリーはどの精油とも相性が良いので、好きな香りの精油とブレンドして手浴するとよいでしょう。

洗面器のお湯に1~2滴垂らして5分間両手をつけて香りを楽しむと清々しい朝を過ごせそうですね。

ただし、ベルガモットの精油には光毒性(ひかりどくせい)といって、精油が塗布された皮膚に紫外線に当たると火傷や色素沈着を起こすことがあるので、外出するならベルガモットの使用は避けましょう(ベルガモット以外で光毒性があると言われている精油については1%以下に希釈すれば問題ないようです)


●ローズマリー
すっきりとしたハーブの香り。気分を高揚させる作用があり、前向きな気持ちになります。脳の活性化にもつながり集中力を高めます。


夜の入浴には自律神経のバランスを調整してくれるような精油を用いたアロマバスでリラックスしましょう。

夜の入浴にまで交感神経を刺激するような精油を使用すると、寝付きが悪くなり結果として気持ちの良い朝を迎えられなくなるからです。

生活の乱れは自律神経の乱れです。改善の鉄則は「規則正しい生活」

精神を安定させたり自律神経の調節に働く精油はベルガモットプチグレンサイプレスジュニパーなどが該当します。



(最終更新日 2017.03.11)


関連記事

『症状別の入浴法』

 

【入浴】 「痛風」の入浴法 ~激痛時は入浴厳禁~

あの痛みはなった者にしか分からないと言われる症状のひとつ、痛風。

痛風は、尿酸が体の中に溜まり、それが高尿酸血症(血液尿酸値>7.0mg/dL)となり、その状態が続くことで関節中で尿酸が結晶化し、激痛を伴う関節炎をきたす疾患です。

ちなみに痛風と高尿酸血症は同義ではありません。
尿酸値が高い状態は、痛風だけでなく腎不全や尿路結石、さらに脳卒中や心筋梗塞など全身の病気の原因にもなるからです。

尿酸は、プリン体を食事で摂取したり、体内(肝臓)で合成されたプリン体が代謝されることで生成さますが、その一方でほぼ同じぐらいの尿酸が腎臓から排泄されるとのこと。

なので、通常は尿酸が溜まりすぎて痛風になるようなことはないようです。

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尿酸が増える原因として、「尿酸産生量の増加」と「尿酸排泄量の低下」とに分けられ、これら両者が同時に起こる場合もあるそうです。

つまり、プリン体を多く含む食品を摂り過ぎることも原因になりますが、
プリン体の摂り過ぎでなくてもプリン体の代謝によってできる尿酸の排泄がうまくいかない体質が原因となる場合もあるということ。

例えば痛風は圧倒的に男性に多い(90%以上が男性)疾患だと言われている。
これは女性ホルモン(エストロゲン)には尿酸排泄を促進作用があるからだと考えられているんです。
女性も閉経後は尿酸値が上がりやすくなるのはそのためらしい。


さて、痛風が痛いのは、関節で結晶化した尿酸を白血球がこれを異物と判断し処理しようと反応するからです。この時に起こる炎症が痛風発作です。

というわけで、痛風発作は炎症によるもの

痛風発作は1週間以内におさまります。
ただし、症状がおさまっている期間を中間期(間欠期)といい、治ったわけではなく痛風発作と中間期は繰り返されるのが特徴です。



◆痛風発作時は入浴厳禁


痛風にとって入浴はどうかと言いますと、痛風発作時は入浴は厳禁です。

経験者いわく、間違いなく激痛に苦しむそうです。

当然ですよね。炎症を起こしている状態なんですから。

捻挫や筋肉痛の時に熱い風呂に入るのは良くないのと同じですよ。
スポーツ選手をみれば分かりますよね。
とりわけプロ野球の投手は試合後に氷で肩を冷やしている姿が思い出しやすいかな。

 

話は逸れますが、よく冷湿布と温湿布の使い分けに迷われる場合がありますが、
それは炎症によるものかどうかで判断できますよ。

ぎっくり腰や捻挫、筋肉痛のような急性な炎症を伴う痛みには冷湿布。

腰痛や肩こりのような慢性的な痛みは、血液の循環が悪いことが原因であることが多いので、血行を良くするために温湿布。

というわけで、炎症部は温めてはいけないんです。


痛風発作時はぬるめのシャワーで我慢しましょうね。



◆中間期は入浴した方がよい


ただし、無症状である中間期(間欠期)はむしろ入浴した方が良いと考えられます。

入浴により血管が広がり血行が良くなり、利尿作用をもたらすからです。

ですが、同時に水分補給もしっかり行う必要があります。

水分をたくさん摂って、尿酸の排泄を促すイメージです。

水分を補給せずにただ入浴すると、発汗によっても水分は失われますから気をつけて下さい。

これでは体内の血液量が減るので、相対的に血液に含まれる尿酸の量は増えますから(尿酸値の上昇)

ということで、入浴の前も後もしっかり水分補給して下さい。

十分な水分摂取は痛風だけでなく尿路結石の予防にもなります



あ、そうそう。利尿作用があるからといってアルコール飲料の飲み過ぎはダメですよ。

アルコールは、プリン体を含まない酒でも体内のプリン体分解を促進して尿酸生成を促進し、また腎臓からの排泄を妨げるので高尿酸血症の人には逆効果です。


『【健康】 プリン体ゼロのビールって意味あるの?』 参照



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『症状別の入浴法』



 

【入浴】 「鼻血」の入浴法 ~上を向くのは良くない~

夏といえば・・・

そう!生脚!・・・え?

いや。だってほら、どの娘もどの娘も脚出してるじゃない、あんなの見せつけられたら、

あっ!鼻血がぁ・・・

って、そんな事で本当に鼻血が出るのか疑問だな。


「エロいこと想像すると鼻血ブー」のイメージはどこから来たのか。
調べてみると、どうも1970年代の少年マガジンで連載されていた漫画『ヤスジのメッタメタガキ道講座』(谷岡ヤスジ)が起源らしいですね。

どうでもいいですか、そうですか。

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ちなみに鼻血が出た時は上を向くことが多いと思われますが、

実はアレ、逆に良くないことなんだそうです。

というのは、上を向くと血が逆流するだけで止血できるわけではないからです。
のどに血が垂れ込んで飲み込んでしまったりして、逆に不快な思いをいたことはありませんか?

首の後ろをトントン叩くのも意味がありません。むしろ逆効果になるかも。


正しくは、脱脂綿かティッシュを詰めて、鼻を親指と人差し指でつまんで数分~十分間ほど圧迫すれば止まるそうです。

もし止まらなければ普通の鼻血ではない可能性があるので、その場合は耳鼻咽喉科などを受診して下さい。


さて。

鼻血が出た後の入浴ですが、入浴法もなにも、これは避けた方が賢明だと思われます。

お風呂に入ると血の流れが良くなりますからね。再出血する可能性があります。

しっかりと時間を空けてから入浴することをオススメします。


とはいえ、どうしても直ぐに入らなければならない場合もあるでしょう。

そんな時は温めのお湯で。熱い風呂はかえって鼻血が酷くなりますからね。

顔に冷たいタオルを当てるなどして再出血しないように気をつけて下さい。


なんならシャワーのみでも良いでしょう。

当然ですが、長湯はNGです。避けて下さいね。


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『症状別の入浴法』

 

【入浴】 「口内炎」の入浴法 ~口内炎は疲労のサイン~


夏は口内炎になりやすいと言われています。

どうして夏になると口内炎になるのか?

それは疲れやすい時期だから

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夏バテになっていませんか?
仕事のし過ぎではありませんか?
睡眠はしっかりとれていますか?
ストレスは溜まっていませんか?


これら疲れが原因で体力が落ち、免疫力が低下するなど諸症状が表れるが、口内炎もその一つ。

食欲が無くなるのも胃腸の疲れと関係があって、それも口内炎の原因になると言われています。


と、いうことは口内炎の対策としては、そう。

「疲労回復」ですよね。

そういうわけで口内炎には入浴も効果的。

入浴法といっても、特別なことは必要無くて、とにかく疲労回復すること

ただ、血が騒ぐような熱い温度の湯は逆効果。
心地良いと感じられる温度でのんびり浸かりましょう。

好きな入浴剤でリラックスするのも効果があります。


入浴をしたついでに、シャワーで口をよくゆすぎましょう。

うがいによって口内を清潔にしておくことは基本中の基本ですからね。


塩水でうがいすると、殺菌消毒効果があってより効果的だと言われています。

かなりしみるので悶絶ものですが(笑)

はちみつを口内炎に塗るのも良いそうですよ。傷口がコーティングされるので。


でもまあ、基本は疲労回復ですから、食事でも疲労回復になるものを積極的に摂りましょう。


『【健康】 栄養ドリンクに頼るのは止めた方が良い。疲労回復に効く栄養とは?』 参照

『【健康】 口内炎になったら食べると良いもの』 参照


そして、入浴後は早く寝る。疲れには身体を休めるのは最も基本ですからね。


このように生活習慣に気をつければ数日で簡単に治りますよ。

ただし、気をつけなければならない口内炎もあります。

口内炎の原因が疲労からくるものではなく、ウイルスからくるものもあるんです。

夏風邪と言われるような「ヘルパンギーナ」「手足口病」などが該当します。

特に子供に多い症状ですが大人もかかることがあるので、
口内炎があまり酷いようなら注意が必要です。

口内炎が治らず長く続くようなら「口腔がん」の可能性も出てくるので、
しつこい場合は診察することをおすすめします。


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『症状別の入浴法』

 

【入浴】 「便秘」の入浴法 ~お腹を温めリラックスする~


特に女性に多い便秘の悩み。

もし便秘に悩んでいて、いつも湯船に浸からずシャワーばかりで済ましている方はいらっしゃいませんか?

毎日の入浴は便秘にとても効果があると言われています。

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そもそも便秘の定義とは何ぞや?

2通りの考え方があって、

1つは「排便が週に3回未満」というもの。

でも、「べつに腹が張って辛い」という状況でなければ、或は生活に困っているわけではなければ、これは別段問題ではありません。

問題なのはもう1つ方、「排便困難」によるもの。

便が硬い、力んでも出せない、腹が辛いなど・・・悩みの多くはこれ。

便が腸内に長く留まると、便の水分を失って硬くなったり出にくくなったり。



便秘にもタイプがあって、弛緩性便秘、直腸性便秘、痙攣性便秘とがあります。

簡単に言えば、

1.腸の動きが悪く便の通過が遅いタイプ(弛緩性便秘)

2.便意はあるが肛門の筋力低下によって力んでも出せないタイプ(弛緩性便秘)

3.何日も便意を感じないタイプ(直腸性便秘)

4.ストレスが原因で便意を感じなくなってしまうタイプ(痙攣性便秘)


に分けることができますが、入浴法においてはどのタイプでもポイントは同じになります。



◆入浴上の問題リスト◆


#1 加齢と共に慢性的な便秘になりやすい
#2 何日も便意を感じないことが多い
#3 便秘と下痢を繰り返したり、便がコロコロしている



どの問題においても入浴でお腹を温めることがポイントとなります。お腹の血流が良くなることで腸のぜん動運動を正常化すること。それから気持ち良く温まることで副交感神経が刺激され、それによっても腸のぜん動運動が促進されます。
なお、腹痛に加え下痢や吐き気などを伴う場合は、急性の疾患である可能性もあるので医療機関を受診しましょう。



◆入浴法◆


<入浴上の問題>#1 加齢と共に慢性的な便秘になりやすい

<入浴目標> お腹を温め、リラックスできる



便秘になる大きな原因のひとつに「冷え」があります。

お腹を冷やすと腸の血行が悪くなり、腸の働きも悪くなるようです。

夏だって冷たいものを飲んだり、冷房に頼った生活をしているとお腹は冷えるので便秘の方は注意が必要です。

ストレスによっても冷えは起こり、便秘の原因になることあるようです。

また、加齢によっても腹筋の力の低下と共にふんばりが利かなくなってきます。


これらの問題は腸のぜん動運動の低下だと考えられています。

湯船に浸かることで腸に血流がいき渡り、冷えが改善され腸のぜん動運動が活発になります。

お腹を温めることは腸内細菌を活性化させることでもあります。腸内細菌の適温は37℃ぐらいだと言われています(深部体温は平熱より1℃ほど高い)

腸を温めるのを最優先するなら半身浴でも効果がありますよ。


また、腸の活動をコントロールしているのは自律神経で、自律神経系の副交感神経を刺激することで腸のぜん動運動が活発になります。

リラックスすると副交感神経が働くので、少しぬるめかも?と思うくらいのお湯が適しています。


具体的には38℃~40℃くらいの温度のお湯で15分~20分が良いと言われています。


また、湯船に浸かりながら、おへその周りに「の」の字を描くようにマッサージすることも効果があると言われています(時計回りに腹をさする)

さらに強めの水圧で、お腹に熱いシャワーとぬるいシャワーを交互に当てるとより効果が見込めます。


そして入浴後はしっかりと水分補給して下さい。


なお、食前食後の入浴は控えましょう。消化のために腸に集まるはずの血液が全身に分散するために消化機能が低下してしまうからです。



<入浴上の問題>#2 お腹に張りがあり、何日も便意を感じないことが多い

<入浴目標> 我慢せずに排便ができる



便意を我慢ばかりしている人に多いのがこの直腸性便秘のタイプで、脳からの排便のサインが送られにくくなってしまうのが原因と考えられています。

このようなタイプは直腸に便がたまり、そのうち硬くなってしまうので、いざ排便しようにも困難となってしまいます。

便が硬くなってしまうのは、便が直腸に長時間滞在することで水分が失われてしまうためです。

このようなタイプの改善には便の軟化のために水分補給が重要です。
水分を摂取すると血液量も増えるので血流を促進することにもなります。
反対に水分が不足すると血液がドロドロになり、便秘を悪化させる原因となります。

入浴は発汗に伴い水分を失いやすいので、入浴の前と後にしっかりと水分補給を行って下さい。


入浴剤としてお勧めなのはバスソルト

特にエプソムソルトマグネシウムの含有量が多く、便の軟化作用に働き、便秘の改善が期待できます。


また、お腹が張るのはガスがたまっているためで、便が出ないと腸内にガスがたまりやすくなります。

オナラのあの嫌な臭いは腸内細菌が食べ物を分解したときに発生したもので、腸内にガスが多くなると悪玉菌も増えて腸内環境がさらに悪化します。

腸内で発生したガスの一部は腸管壁から血管へ吸収されますが、それにより血液の質が悪くなり血流も悪くなる要因となります。

そのような理由からも、お腹を温めて血流を促進することは、腸内のガスを抜くために重要な改善策となります。

そして入浴後はガスを抜くためのストレッチを行うと、より効果的だと言われています。
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仰向けに寝て、片足ずつ(又は両足)抱えるように引き寄せるストレッチです。



<入浴上の問題>#3 便秘と下痢を繰り返したり、便がコロコロしている

<入浴目標> ストレスが緩和される



便秘と下痢を繰り返したり、便がコロコロとする大きな原因の一つにストレスが考えられます。

腸がけいれんする痙攣性の便秘で、検査しても異常が見つからないことがあり、その場合は機能性障害といい、最近は過敏性腸症候群(IBS)として注目されています。

原因がストレスであるならば、その改善法は当然リラックスして緊張状態にある腸管を弛緩させることです。


『【入浴】 「過敏性腸症候群」の入浴法 ~腸脳相関に注目する~』 参照



◆おすすめのアロマバス◆


便秘に効果のある精油とは、便秘の原因となるストレスを緩和する作用のあるもの、お腹を温めて血流を促進する作用のあるもの、それから消化器官の活動を促進するものが該当します。

精油はそのまま浴槽に垂らすよりも、エプソムソルトに混ぜてから使用する方が、エプソムソルトの成分であるマグネシウムによる便の軟化作用が働いてより効果が期待できますよ。


●ジンジャー
消化活動の促進に優れている。加温作用もあるので冷えからくる便秘には最適の精油。特に内臓型冷え性には効果が期待できる。

●カモミール・ローマン
鎮静・鎮痙作用があるので、ストレスからくる痙攣性の便秘の改善に役立つ精油です。消化器の不調にも効果があると言われている。

●マージョラム・スイート
痛みを取り、血管を拡張させる働きがある。胃腸の機能が低下して便やガスが腸内にたまり、お腹が張って痛みを伴うような場合に用いられる。高血圧を伴う便秘に最適。

●オレンジ・スイート
血流を促進して体を温める作用がある。誰にでも受け入られる香りなので、どの精油ともブレンドしやすい。


アロマバスの例


冷えからくる便秘には
 エプソムソルト(天然塩でも可) 大さじ2
 ジンジャー 2滴
 オレンジ・スイート 3滴

 (体を温める組合せの精油。ジンジャーには消化器の不調を改善する作用がある)
 ※妊娠中・敏感肌の使用は控えましょう。


お腹の張りが辛い場合
 エプソムソルト(天然塩でも可) 大さじ2
 マージョラム・スイート 2滴
 オレンジ・スイート 2滴

 (血流を促進して腸内にたまっているガスを腸壁から吸収するよう働きかける。マージョラムには痛みを取る作用もある)
 ※妊娠中・授乳中の使用は控えましょう。低血圧の人には向いていません。


ストレス性の便秘には
 エプソムソルト(天然塩でも可) 大さじ2
 カモミール・ローマン 1滴
 ベルガモット 3滴

 (セロトニンを分泌させ、心も腸もリラックスできる組合せ。自律神経のバランスを調整する精油と言えばベルガモット) 
 ※ベルガモットには光毒性があるので朝風呂などには使用しないで下さい。




(最終更新日:2017/05/08)


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『症状別の入浴法』

 

【入浴】 「夏バテ」の入浴法 ~防止法と解消法は違う~


夏バテといえば猛暑の時期に多そうなイメージがありますが、そんなことはありません。

暑くなり始めや残暑の時期にもなりやすい症状です。

猛暑に多いのは熱中症で、これは暑さによるものですが、夏バテは病名ではなく体調不良を示す表現です。

熱中症と夏バテは違いますからね。


『【健康】 夏バテは夏だけのものではない ~夏バテと熱中症の違い~』 参照


外の暑さと室内の冷房の温度差により体内の体温調節機能が乱れたり、夏の疲れが出てきたりすることで、体がだるくなったり食欲不振になったりするのが夏バテです。




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こんな夏バテを起こした時には、入浴はとても効果があります。

巷では、「夏バテには38~40℃のお湯に20~30分浸かってしっかり汗をかこう」というのが定説になっていますが、気をつけなければならないのは、「夏バテ防止」と「夏バテ解消」の入浴法は違うということ。

夏バテというのは本来汗をかくべき時に冷房に頼り過ぎるあまり、体温調節機能が低下してしまって体調がおかしくなる症状ですから、入浴でしっかり発汗して体温調節機能を働かせてやることはとても有効です。

しかし、すでに夏バテになってしまっている状態ではガッツリ発汗するよりも、血行促進に主眼を置かなければなりません。



◆「夏バテ防止」の入浴法


発汗機能を働かせることが重要です。

ヒトの体温調節中枢は脳内の視床下部にあり、そこから自律神経を介して全身の汗腺に発汗作用をもたらしますので、自律神経が乱れていると上手く発汗作用が機能しません。

そこで汗腺機能を鍛えることで自律神経のバランスを整え、夏バテを予防することが期待ができます。


夏バテを防止するための入浴の温度と時間は以下の2通りがございます。

① 38~40℃のぬるめのお湯で20~30分

② 41~42℃の熱めのお湯で15~20分



一般的には①のようなぬるめのお湯でじっくりと汗をかくことが夏バテ防止の入浴法とされていますが、実は②の熱めのお湯でサッと汗をかくことも同様の結果が得られます。

というのは、あまり知られていませんが汗腺は交感神経の支配を受けているからです(副交感神経の支配は受けていない)

緊張している時に手に汗握るのもそうですが、発汗は交感神経が優位な場合に起きるんです。

一般的に①のぬるま湯が推奨されるのは交感神経を刺激しないことを狙ってのことだと思われますが、直接交感神経を刺激しない38~40℃のお湯でも、長い時間浸かっていれば体が温まって体温が上がり、どのみち体温調節中枢が交感神経を刺激して発汗を促すので結果的に同じことなんです。

また、38~39℃では見込めませんが、

40℃のお湯で20分間
41℃のお湯で15分間
42℃のお湯で10分間


の入浴で体温が2℃上がり、HSP(ヒートショックプロテイン)が産生されると言われています。

HSPとは傷ついた細胞を修復するタンパク質で、ストレスを受けると産生され、免疫力も高まると考えられています。
熱がストレスとなりHSPが産生されるというわけです。

HSPは細胞レベルで疲労を回復してくれるありがたいタンパク質なんですよ。
疲れを溜め込んで夏バテになってしまう前に、時々HSP入浴法を試してみてはいかがでしょうか。


【HSP入浴法】

  1.入浴前に水分補給をしておく
  2.浴槽に浸かって体温を2℃上げる
体温を2℃上げるとHSPは産生される
     時間の目安は
     40℃のお湯で20分間
     41℃のお湯で15分間
     42℃のお湯で10分間

     ※炭酸系の入浴剤を使用すれば時間は短縮できる
  3.入浴後は10~15分間は保温に努める
(体を冷やさないこと)

  効果のピークは2日後といわれているので3~4日に1回の入浴で十分。



『【入浴】 HSP入浴法(ヒートショックプロテイン入浴法)』 参照


高ぶった交感神経によって自律神経の乱れが気になる人は、その後に、37~39℃の微温浴で半身浴をすると良いでしょう。
高温浴で優位になった交感神経を副交感神経に切り替えることが目的です。



◆「夏バテ解消」の入浴法


すでに夏バテを起こしている場合。これは自律神経のバランスが乱れていたり体力が低下して食欲がない状態です。

こうなると41℃以上のお湯は逆効果。ただでさえ自律神経が乱れているところに、さらに交感神経を刺激することになります。

また、HSP入浴法も体力のない時に行うと刺激が強すぎる可能性があります。

よって38~40℃の半身浴で15~20分が目安。

いくらぬるい温度でも、それ以上の長時間の入浴は逆に疲労を招きます。


そのため「夏バテ防止」の入浴法のように交感神経を刺激して発汗を促すことよりも、体の各組織に酸素と栄養を行き渡らせ回復に努める入浴法でなければなりません。

よって血行を促進することに主眼を置きます。


また、食欲が低下しているときは胃腸が弱っている状態です。
お腹をしっかり温め、消化器官の血行を促進させましょう。

そのため半身浴でも効果は得られます。

ぬるめの温度は副交感神経を優位にして血管を拡張させますので、結果として血流が改善され全身の組織に酸素や栄養が行き渡ります(交感神経優位は胃腸の働きを抑制し、副交感神経優位は胃腸の働きを促進します)

このように、胃腸が弱っている状態では副交感神経を優位にするぬるめのお湯でなければなりません。

それにより免疫力(免疫細胞の多くは腸に宿っている)も向上し、夏風邪をひきにくい身体になります。


ちなみに食欲低下に効果のある漢方薬は、弱った胃腸の機能を高める「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」が知られています。

さらに発汗過多により脱水気味になると、補中益気湯から気を巡らせて体を温め発汗を促すような生薬を外し、代わりに水分の保持や火照りを抑える生薬を配合した「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」が効果的だと言われています。

そのため清暑益気湯は補中益気湯の夏バージョンと言われることもあります。


この漢方薬の考え方と、夏バテに対する入浴法へのアプローチは似ている部分が多いですね。



◆夏バテに効果のある入浴剤


「炭酸ガス系」

よくあるシュワシュワ泡の出る入浴剤ね。
お湯の中で炭酸ガスを発生させますが、効果を発揮するのはガスを出し切った後。
お湯に溶けた炭酸ガスが皮膚から血管へと浸透し、直接血管に働きかけ血管を拡張させます。
血行促進には最適な入浴剤です。

「薬用植物系」

俗に言う薬湯。
トウキ、センキュウ、ウイキョウ、チンピなど血行促進効果のある生薬が配合されたものをお選び下さい。


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『症状別の入浴法』



 

【健康】 「下痢」の入浴法 ~腸を落ち着かせる~


便秘の対策法はよく語られますが、下痢についてはあまり聞きませんね。

これから夏本番に向けて、
うっかり水分を摂り過ぎて腹が下る可能性が高くなります。

下痢になった場合、入浴は何に気を付ければ良いでしょうか。

入浴は下痢にとっても有効です。

腸を温めてリラックスすることで、副交感神経に働きかけることが大切です。

これは便秘の時と同じですが、腸の働きを正常化させることが目的です。

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1.冷えによる下痢


女性に多いのがお腹の「冷え」による下痢。

冷えると下痢になるのは余分な水分を排泄してお腹まわりを温めやすくするためです。

例えば鍋に張った水を温めたい時は、少し水の量を減らした方が早く温まりますよね。
それと同じで体も余分な水分は排泄して体温を維持しようとします。
体内の水分は摂取量と同じだけ排泄されていて、排泄は発汗、呼気、尿と便によって行われています。

しかし、困ったことに「冷え」が生じている時は発汗がありません。
よってその分だけ尿や便による排泄量が増えることになりますが、
普通はその度にイチイチ下痢にはなりません。

その代わり寒い時にオシッコが近くなるのはそのためです。

そうやって体の大切な部分(内蔵関係)の熱を維持しようと努めますが、
お腹まで冷えてしまうと下痢という形で水分を排泄し、お腹まわりを温めやすくしようとします。


というわけで、冷えによる下痢の場合の入浴法ですが、

これもやはりお腹を温めてやることが基本。

40℃以下のお湯にゆっくり入って血流を良くして温まる必要があります。



2.腸のぜん動運動が活発すぎることによる下痢


それから、便の大腸を通過するスピードが速すぎて水分の吸収が間に合わずピーになるパターンの下痢もあります。

これは大腸のぜん動運動が活発すぎることが原因です。

カプサイシンやカフェインなどには腸を刺激する作用があります。

これら香辛料などを摂取しすぎると、腸のぜん動運動が活発化し、
すぐに便が肛門まで送られてしまい、しっかりと水分を吸収されないまま下痢になることがあるのはそういう理由があるからです。


ここでひとつ。下痢に対する入浴法でよくある誤解を紹介します。

自律神経(交感神経と副交感神経)と腸は深い関係にあります。

交感神経が優位なら腸の働きは抑制され、副交感神経が優位なら腸の働きが活性化されます。

だから下痢の場合は熱いお湯で交感神経を刺激すれば良いと考えたくなります。

しかし熱い湯(42℃以上)は長い間浸かることができません。温まったと思っても体の表面ばかりが熱を持ち、実は体の芯までは温まっていないことがよくあるんです。

結果、上記のような「冷え」を助長したり、いたずらに自律神経のバランスを乱して以下に示すような過敏性腸症候群の引き金になる可能性もありますよ。

というよりも、下痢を止める止瀉(ししゃ)作用を入浴に期待するのではなく、腸の働きを正常化させる整腸作用に期待しましょう。

下痢止めなら止瀉薬を用いるべきです。しかし気を付けなければいけないのは、、そもそも下痢とは体の中の悪いものを排除するための防御機能であること。むやみに止めれば良いというものではありません。細菌性の下痢などの場合は市販薬に頼らず医療施設の受診をお勧めします。


ちょっとここで、下痢に関するありがちな誤解をひとつ紹介します。

それは、下痢の時は水分摂取を控える人が多いこと。

お腹が下っている時に水分を摂ると余計に悪化するのではないか?と思われがちですが、
実は逆で、冷えによる水分はしっかり補給した方が良いんです。

通常、摂取した食べ物は便になって排泄されるまでに、小腸で栄養素が吸収され、大腸で水分が吸収されます。ざっくり言うと。

下痢の時は、大腸における水分の吸収が不十分のまま排泄されているので、
これは脱水症状のひとつ
なんです。

冷えによる下痢の場合はそれほどでもありませんが、細菌性などの炎症を伴う下痢の場合は特に脱水しやすいので注意が必要です。

「そうは言っても、経験則ではお腹が下っている時に水分を摂ると決まって治りが悪いよ」

と思った方。

それは冷たい飲み物ではありませんか?

冷たいものはお腹を冷やしますからね。それが原因かもしれません。

そんな場合は温かいものを飲んでみるといいですよ。



3.過敏性腸症候群の場合


検査してもなんら異常が無いのに、緊張やストレスからくる便の不調もあります。

これには便秘にも下痢にもなり得ます。また交互に繰り返すことも。

正常な人ならリラックス状態の時に便意をもよおすものなんですよ。
外出先では全然感じなかったのに、家に帰るやいなや便意を感じることってありませんか?

それが、大事な局面にお腹が痛くなったりすることが常態化している場合は、
腸の状態が不調である可能性があります。

これは「過敏性腸症候群」といって、自律神経のバランスが乱れていると陥りやすいので、
この場合も入浴でゆっくりリラックスすることが肝心です。

『「過敏性腸症候群」の入浴法 ~腸脳相関に注目する~』 参照


お腹の血行を良くすることで腸の消化活動を正常化させること。
便秘にも下痢にもいえることで、入浴後には質の高い睡眠へと繋げたいところですね。


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『症状別の入浴法』

 

【入浴】 「肩こり」の入浴法 ~炭酸ガス系の入浴剤やアロマで効果的に改善~

今や日本の国民病と呼ばれる疾患はいくつかありますが、肩こりほど経験者の多い症状は他にないのではないでしょうか?

肩こりとは、項頸部から僧帽筋エリアの諸筋に生じる主観的に詰まったような、こわばった感じや不快感・こり感・重苦しさや痛みにいたる症候の総称です(ウィキペディアより)

僧帽筋などが緊張によって硬直し、血流が悪くなることが原因です。

デスクワークが多い人、姿勢が悪い人、緊張しやすい人が肩こりになりやすいと言われています。

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◆入浴上の問題リスト◆

 
#1 頭痛や吐き気を伴っている
#2 首をある角度に曲げると腕に痛みやしびれが走る
#3 内臓に不調があり、入浴やマッサージで改善されない


肩の筋肉をほぐすことと血行を良くすることが求められます。
そこで、入浴は肩こり解消に相応しい行為になります。
実際、入浴に肩こり解消を期待している人も多いです。
 

 
◆入浴法◆


 
<入浴上の問題>#1 頭痛や吐き気を伴っている
 
<入浴目標> 血流を改善され、自律神経系が安定する

 
一時的に肩にコリを感じているだけなら誰でも経験しますが、ときに肩こりは頭痛吐き気を伴う場合があります。
 
肩こりからくる頭痛は「緊張型頭痛」といって、血行の悪さが原因でもたらされます。
 
運動不足はもちろん、長時間のデスクワークにより首や肩の筋肉が緊張したり、パソコンやスマホによる目の酷使によっても目の筋肉が緊張して肩に影響を与えたりします。
そして、その肩こりによる血行の不良のため首から後頭部にかけて痛みを感じるのが特徴的です。
 
また、脳への血行不良により、脳へ酸素や栄養が行き届きにくいことが原因で吐き気が起こる場合もあります。
 
それから、ストレスや疲労が原因で自律神経系のバランスが乱れ、たまたま肩こりと吐き気が同時に生じることもあり得ます。
 
これらの問題を解決するには血流の改善が最優先されます。
 
自律神経系の乱れが原因となる場合もありますが、基本的には血行不良により交感神経が刺激されて自律神経系の調整ができなくなっていることの方が多いと思われます。
 
 
さて。そんな場合の入浴法ですが、コリの原因となっている血行を良くするためにシャワーや半身浴よりも全身浴が適しているでしょう。

全身浴は全身浴でも、しっかり肩まで浸かる全身浴がお勧めです。

湯船に浸かるのは40℃で10分間というのが多くの専門家に共通する見解です。

40℃では少しぬるめに感じるかもしれませんが、まずはゆったりリラックスすること。
それでも10分あれば汗は掻くはずです。
10分間では体が温まらないよ、という人は入浴剤を利用しましょう。

 
肩こりに合うのは、シュワシュワする「炭酸ガス系」の入浴剤です。

炭酸ガス系の主成分は炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム

お湯の中で炭酸ガスを発生させますが、効果を発揮するのはガスを出し切った後。

お湯に溶けた炭酸ガスが皮膚から血管へと浸透し、直接血管に働きかけ血管を拡張させます。

血行促進には最適な入浴剤です。


ちなみに、市販の重曹クエン酸を購入すれば、いつでも自宅で炭酸浴ができますよ。

一般的な浴槽(200リットル前後)のお湯に重曹を大さじ3杯、クエン酸を大さじ2杯入れるだけで、炭酸風呂のできあがりです。


『【入浴】 家庭でできる「炭酸風呂」』 参照
 
 
 
温まってきたら肩や首を回すなどして、筋肉をほぐしてみましょう。
 
42℃の熱めのシャワーを肩に当てるとマッサージもなります。

 
心臓が弱い人は半身浴で20分間くらい。
ただし肩を冷やさないようタオルなどを当てて下さい。肩を冷やしながらの半身浴は逆効果になってしまいますので・・・
 
 
最後に大事なポイント。それは入浴後に体を冷やさないことです。

 
 
<入浴上の問題>#2 首をある角度に曲げると腕に痛みやしびれが走る
 
<入浴目標> 原因を知る。そのためには自己判断しない

 
首を傾けたり曲げたりした時に、ある角度に曲げたときに腕に痛みやしびれが走るとき、それは肩こりではなく頸椎に異常がある可能性が高いです。
 
その頸椎の異常とは、頚椎症頸椎ヘルニアが考えられます。首の骨が変形することで神経を圧迫していることが原因です。
 
個人的な感想ですが、頚椎症は経験したことがあるのでよく分かるのですが、初めのうちは肩こりと間違えやすいです。
しかし、マッサージしても改善されないのでそのうちに「コリではないな?」と気付き、今度は「スジを痛めたのかな?寝違えかな?」とも考えてしまいます。
 
頚椎症や頸椎ヘルニアであった場合、放っておいて症状が悪化してしまうと、首が回らなくなったり夜も寝られなくなることがあるようなので整形外科などで受診しましょう。
 
ただし、初期症状であるうちは画像検査しても「異常ありません」と言われるかもしれません。実際自分がそうでした(涙)

 
もし頚椎症や頚椎症や頸椎ヘルニアだった場合、入浴してもよいのかどうか?という問題に対しては「入浴して症状が悪化しないようであれば入浴して肩を温めるべき」と言えます。
 
骨が変形して神経を圧迫しているといっても、その原因は硬くなった筋肉によるものであることが多いので、積極的に患部を温めて筋肉をほぐしたり、血流を改善させて神経の細胞に酸素や栄養を行き届かせることで症状を和らげます。


『【入浴】 「椎間板ヘルニア」の入浴法 ~痛みを緩和する方法~』 参照

 
 
<入浴上の問題>#3 内臓に不調があり、入浴やマッサージで改善されない
 
<入浴目標> 入浴しても改善されない場合は医療機関で受診する
 
 
入浴してもマッサージ、指圧をしても改善されない場合は、内蔵の不調が原因かもしれません。

想像しにくいですが心臓や胃、肝臓などの臓器が患っていると、その自覚症状として肩こりに表れることもあるそうです。

例えば狭心症や心筋梗塞など心臓を患っている時は左肩がこることがあります。

単なる肩こりだと思って放っておくと胸痛発作に発展する可能性もあります。

その他、肝臓を患っていると右肩が、胃を患っていると右肩または肩甲骨の間に痛みを伴うようです。
 
通常のコリは血行不良が原因なので、血行を良くしても改善されない場合は内科で診察してもらうことをおすすめします。



◆ツボを刺激してみる


肩こりに有効なツボがいくつかあります。


特効ツボとして知られているのが「肩井(けんせい)

首の付け根から肩先にかけてのラインの、ちょうど中間点あたり。
腕を首の前で交差させて手を肩にのせたとき、中指が当たるところが「肩井」です。

押し込んでみると痛いので分かりやすいはずです。

肩井のあたりに太い動静脈が走っているので、
肩までしっかり湯船に浸かる全身浴を勧めるのはそのためです。

半身浴の場合は、合わせて肩井に直接42℃以上の熱めのシャワーを打たせ湯のように当ててやると効果的です。


他に肩こりに有効なツボには「天柱(てんちゅう)」と「風池(ふうち)」があります。
共に首の後ろ。髪の生え際あたりに存在します。

天柱 風池.png

天柱(てんちゅう)」は、肩こりと同時に首のこり眼精疲労を伴っている場合にとても有効なツボです。
頭部への血流も良くなりイライラを静めるので、ストレスによる疲れ(めまい・頭痛など)からくる肩こりにも効果があります。

場所は、ぼんのくぼ(後頭部の高く飛び出した骨下のくぼみ)の下から左右外側に親指1本分離れたところにあります。
頭を後ろに反らすように上を向いて探すと分かりやすいですよ。


風池(ふうち)」は風邪と関係の深いツボです。
風邪をひくと免疫力が低下して肩こりになる場合があります。
これは肩こりの原因が筋肉の緊張状態にあり、免疫力は筋肉の緊張に作用する自律神経系の働きと密接な関係があるので風邪をひくと筋肉が緊張するからです。
風池は、字のごとく「風邪の溜まるところ」。そんな風邪による疲れ(咳・体の節々が痛い・だるいなど)からくる肩こりにとても効果があります。

場所は天柱より少し上の外側。髪の生え際より少し上。
親指で耳の後ろにある骨の出っ張りが分かれば後は簡単。その出っ張りから少し内側にあるくぼみを親指でグッと押してみて下さい。きっと痛みを感じるはず。あ、風池のツボは奥深いので刺激が弱いと分かりませんよ。


この天柱と風池を、入浴中に押してみましょう



◆おすすめのアロマバス◆


肩こりは主に血液循環の滞りが原因です。
アロマバスとして適しているのは血流の改善に働く精油が基本となりますが、入浴そのものに血行促進効果がありますから、アロマが得意とするリラックス効果を上手く取り入れてブレンドするのがよろしいかと思います。

●ラベンダー
高い鎮静作用があり、筋肉の緊張を解き、痛みを静める作用もある。肩こりのファーストチョイスはこの精油。風邪に対しても有効なので、風邪の症状が肩こりからきているような場合にも有効。

●ローズマリー・カンファー
血液循環に優れた作用がある。新陳代謝を促進したり体液の停滞も改善するので、血液やリンパの循環が良くなり、結果として痛みが和らぎ精神をスッキリさせる。ただし血圧の高い人には向いていない。

●マージョラム・スイート
血行を促進する作用がある。女性ホルモンの分泌を調整したり、体を温め痛みを取る作用もあるので、「冷え性」や「月経痛(生理痛)」を伴っている人にお勧め。

●クラリセージ
鎮痛・鎮静作用の定番精油。肩こりの痛みが強くなってきた時にはこの精油の出番です。

●サイプレス
さりげなくお勧めなのがサイプレスのうっ滞除去作用。肩こりの原因の一つは筋肉の緊張によるものですが、静脈の血流は筋肉の働きに依存します。ですから肩こりで起こる血流悪化は静脈のうっ血によるものなんですね。肩こりが酷く冷え性を伴っている時は、マージョラムとブレンドして血流の改善を優先しましょう。



アロマバスの例


肩こりの定番アロマバス
 
ラベンダー 3~5滴
 (軽い肩こりであればラベンダーでリラックスしましょう。香りさえ苦手でなければお勧めの精油です)
 ※妊娠中の使用は控えましょう


ストレスを強く感じている時
 ラベンダー 2滴
 ベルガモット 2滴

 (血行を促進するだけでなく、イライラ感がある時は心を鎮め、不安がある時は心を落ち着かせて、自律神経系の調整にも働く)
 ※妊娠中の使用は控えましょう。ベルガモットは光毒性があります
 

むくみがある場合
 天然塩 大さじ2
 
ローズマリー・カンファー 3滴
 ジュニパーベリー 2滴

 (血行不良になるとむくみも伴いやすい。ジュニパーには老廃物を排出してむくみを解消する働きがある)
 ※妊娠中・授乳中・乳幼児の使用は控えましょう。皮膚刺激があるので敏感肌の人は注意して下さい。


血行促進を重視した炭酸風呂ブレンド
 重曹 大さじ3
 クエン酸 大さじ2
 ローズマリー・カンファー 4滴
 オレンジスイート 2滴
 (オレンジのリモネンは体温を上げて血行を促進する作用があり、リラックス効果も優れている。重曹とクエン酸をお茶パックに入れて、精油を垂らしたら輪ゴムで縛って浴槽に落とすと、シュワシュワと長持ちするので楽しめます)
 ※妊娠中・授乳中・乳幼児の使用は控えましょう。皮膚刺激があるので敏感肌の人は注意して下さい。

 

慢性の肩こりには手浴も効果があります。
洗面器に40℃ぐらいのお湯をいれ、好きな香りの精油1~3滴を垂らし、両手を浸けて10分間前後。
 
手の自由が利かないのでテレビを見ながら香りを楽しんだりすると良いでしょう。
心地よい香りがリラックス効果をもたらし、血流が改善されるので、手浴を習慣化すると肩の筋肉もほぐれていきます。



(最終更新日:2017/04/10)
 
 

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『症状別の入浴法』

 

【入浴】  「アトピー性皮膚炎」の入浴法 ~掻痒感の軽減を優先する~

 
アトピー性皮膚炎には、アトピー素因に伴うアレルギー炎症を起こすアレルギー的要因と、皮膚のバリア機能の低下に伴う刺激性皮膚炎を起こす非アレルギー的要因があると考えられています。
 
 
●アレルギー的要因
 ・ダニ ・ハウスダスト ・食べ物 ・花粉 ・カビ(真菌) ・ホルムアルデヒド など
 
●非アレルギー的要因
 ・洗剤(シャンプー、ボディソープなど) ・ストレス ・掻破 ・接触刺激 ・細菌 など
 
 
アトピー性皮膚炎の患者の多くはアトピー素因を持っており、アレルギー性鼻炎や気管支喘息などを合併することが多く、IgE抗体を産生しやすい体質であったり、親にも同様の傾向があるといった遺伝子要素も関係していると指摘されています。
 
皮膚バリア機能の低下も重要な病因であり、角質層の保湿成分が少なくなって皮膚が乾燥した状態は、アトピー素因を持たない人であっても軽微な刺激にも容易にかゆみを誘発しやすく、ましてやアトピー素因を持っている人はさらにアレルゲン(抗原)による炎症も起こしやすいので、アトピー性皮膚炎とは強い掻痒がある湿疹を主症状とします。
 
つまりは、免疫機能の異常と皮膚機能の異常とが組み合わさったものがアトピー性皮膚炎です。
 
そのため、アトピー性皮膚炎のメカニズムはとても複雑であり、患者によっても原因や増悪因子が異なるので、個々の患者によって治療法は違っていたり、症状も増悪と寛解を繰り返し、治療は長期に及びます

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◆入浴上の問題リスト◆
 
 
#1 入浴するとかゆみを感じる
#2 風呂上りにかゆみが増強する
#3 ジュクジュクした部分が気になって仕方がない
#4 ステロイド外用薬の効果があまりなく、汗をかくと症状が悪化する
#5 自分に相応しい入浴法が分からない
 
お風呂に入ると掻痒感が悪化するという人もいますが、入浴は様々な刺激物や汗、汚れを除き皮膚を清潔にするために必要です。
入浴で症状が悪くなるとすれば、それは入浴方法が間違っているからです。
アトピー性皮膚炎の患者による入浴の経験談も人によって様々な意見があるのは、それだけアトピー性皮膚炎の病因や増悪因子が人それぞれだからであり、原則的には自分にとっての増悪因子をできるかぎり見つけてこれを除去するとともに、スキンケアと合わせて対処する必要があります。
直ぐに良くなる症状ではないので、まずはかゆみに対する問題への優先が高くなります。
 
 
 
◆入浴法◆
 
 
<入浴上の問題>#1 入浴するとかゆみを感じる
 
<入浴目標> かゆみを軽減する
 
 
アトピー性皮膚炎の寛解には、体質の改善や皮膚バリア機能の正常化が求められますが、入浴においてはかゆみの要因となる危険因子はできる限り除去し、まずはかゆみを最小限に抑えることが優先されます。
 
お風呂に入るとお湯ですら刺激になるというような場合は、自分の入浴習慣を見直してみましょう。
 
一番風呂に入ってはいませんか?
塩素は除去していますか?
 
アトピー性皮膚炎とは無縁の人でも、一番風呂に入るとお湯がなんとなくピリピリ感じたことがあるかもしれません。
 
その刺激の原因は塩素であることが多いものです。
 
ご存知のとおり水道水には消毒のために塩素が含まれていますが、その影響で皮膚の弱い人には刺激と感じることがあります。
 
入浴剤にこだわるよりも塩素の除去の方が重要で、そのためにはビタミンC(アスコルビン酸)を約1g浴槽に投入するだけでビタミンCと塩素が酸化還元反応を起こし、塩素を除去できます。
 
アスコルビン酸の原末は薬局、ドラッグストア、通販でも手に入れることができます。
 
なお、浴槽のお湯だけでなく、シャワーのお湯(水)もまた塩素を含んでいると思いますが、
シャワーヘッドを塩素除去ヘッドに買い替えてみることも手段のひとつです。
 
 
湯船の塩素を除去したとしても、皮膚にアレルゲンを付着したまま浸かるのはよろしくありません。
 
浴槽に浸かる前には、アレルゲンを落とすためにぬるめのシャワーを浴びるようにしましょう。
 
浴槽の温度と入浴時間の目安は、37~39℃のお湯で約15分間としましょう。
 
40℃ですら人によっては刺激となるくらいアトピー性皮膚炎患者には熱めのお湯は危険因子となります(皮膚の乾燥の程度によっては40℃でも可能)
 
入浴時間は、10分間でも体が温まるようならそれでも構いませんが、冷え性を伴う場合は15分間を目安にしましょう。
 
アトピー性皮膚炎患者には冷え性を伴っていることが多く、冷え性は皮膚血管の血流が悪くなりやすいことからも分かるように、冷えはアトピー症状を悪化させる要因となります。
 
体を洗うための石けんやボディソープ、シャンプーは無添加・無香料のものが基本です。
どの製品が肌に合うかは個人差があるので自分で試すしかありません。
何も使用しないという選択肢もあります(ただし、この場合は殺菌効果はありません)
 
洗い残しもかゆみの原因になります。すすぎが足りないと石けんなどの成分が刺激となる場合もあるからです。
 
 
 
<入浴上の問題>#2 風呂上りにかゆみが増強する
 
<入浴目標> 保湿ケアで乾燥から守る
 
 
入浴によって角質層が必要以上に流れ落ちてしまうと、皮膚バリア機能が悪化します。
 
皮膚バリア機能が低下すると皮脂膜・NMF(天然保湿因子)・細胞間脂質などの保湿成分を失いやすく、肌が乾燥して細胞間に隙間ができてしまうので、少しの刺激にも敏感になってしまいます
 
入浴後にかゆみが増強する場合は、アレルゲン(抗原)の影響ではなく、入浴中に角質を落とし過ぎたためと考えられます。
 
さすがにこれは無いと思いますが、例えば体を洗うときにゴシゴシこすったり、ナイロンタオルを使用すれば当然角質は落ちてしまいます。
シャワーの水圧が強いだけでも落ちやすいものです。
 
 
浴槽に浸かる時間も長くて15分間としたのは、それ以上の長湯は角質をふやけさせてしまい、ちょっとした刺激でも剥がれちてしまいやすくなるおそれがあるからです。
 
風呂上がりの時点ですでにかゆみを感じる場合は、その部分に冷たいシャワーを当ててから浴室を出ると良いでしょう。
 
 
重要なのは入浴後の保湿ケアです。
 
できれば入浴後5分以内に行うことが求められます。
 
入浴直後は肌が潤っているように思えても、すぐに乾燥して肌の水分は入浴前より失われた状態になるからです。
 
そうは言っても5分以内じゃ汗がひかないよ・・・という場合にも風呂上がりの冷たいシャワーは有効でしょう。

 
 
 
 
<入浴上の問題>#3 ジュクジュクした部分が気になって仕方がない
 
<入浴目標> 殺菌とともに正しいスキンケアができる
 
 
皮膚のpHは弱酸性に保たれたりすることで皮膚上に存在する常在菌のバランスが保たれています。
 
しかし皮膚のバリア機能が低下したり、汗をかく習慣がなかったりすると、皮膚のpHは弱酸性を保てなくなり弱アルカリ性に傾きます。
そうなるとアルカリ性を好む悪玉菌の黄色ブドウ球菌が増殖し、黄色ブドウ球菌が出す毒素によって炎症反応が起こります。
 
肌のジュクジュクした部分は黄色ブドウ球菌が繁殖していることを意味します。
ですので、この部分はしっかり殺菌する必要がありますが、洗うときに石けんなどを使用すれば殺菌はできるものの角質は落ちやすくなります。
 
できれば皮膚を刺激することなく殺菌したいものですが、そこで殺菌効果のある入浴法としてクエン酸風呂が知られています。
 
クエン酸とは梅干しや柑橘類などに含まれる成分としておなじみの物質で、皮膚からも吸収されるという性質を持っているため、クエン酸風呂に入ることで肌を一時的に弱酸性にし、悪玉菌を殺菌する効果が期待されています。
 
アトピー肌の人の肌はアルカリ性に傾いている場合が多いので、クエン酸風呂は症状を緩和すると考えられているわけです。
 
 

 
ただし殺菌効果は一時的なもの。
 
殺菌すると善玉菌も殺菌されます。そしてその後、善玉菌と悪玉菌のどちらの繁殖が優勢になるかは、どちらが繁殖の好条件を満たしているかによります。
殺菌をしたとしても、ターンオーバーの乱れや汗腺機能の低下が改善されていなければ、悪玉菌が繁殖しやすい条件であることには変わりません。そのうち再び黄色ブドウ球菌が繁殖することになるからです。
 
また、皮膚の奥で増殖している菌までは殺菌できません。皮膚バリア機能低下が激しいほど生き残る菌が増えることになり、再度増殖することになります。
 
アトピー性皮膚炎の症状は増悪と寛解とを繰り返すというのはそういう理由によります。
 
殺菌や消毒を繰り返していると菌も耐性を持つことがあり、肌を悪玉菌が繁殖しにくい環境にするためにスキンケアをしっかりと行うことが求められます。
 
ただし、だからといって神経質なまでの洗い過ぎは、善玉菌を含む全ての菌を除去するだけでなく、皮膚バリア機能をも悪化させるので逆効果となります。
 
清潔さを維持することは重要なことですが、適切な殺菌とスキンケアを心がけましょう
 
 
 
<入浴上の問題>#4 ステロイド外用薬の効果があまりなく、汗をかくと症状が悪化する
 
<入浴目標> 原因を理解し、汗腺機能を正常化する
 
 
ステロイド外用薬は免疫機能の異常を抑える一般的な治療薬です。
 
ステロイド外用薬の効果がいまいちだという場合には、いま一度シャワーでしっかりと患部を洗ってから塗布してみましょう。
ステロイドを塗布するときに以前に塗布したステロイドがまだ皮膚に残っていると薬の効果は発揮しません
 
それでもステロイドで効果が弱い場合はマラセチア真菌(カビの一種)が原因である可能性があります(もしくは他の要因と両方)
 
マラセチア真菌は汗や皮脂を栄養とするので、半身浴やサウナをするとかいた汗によってかゆみを感じる場合(かつステロイド効果が弱い場合)はマラセチア対策も試してみると良いかもしれません。
 
入浴は全身浴にして、体を洗うときは抗カビ成分を含んだ石けんやシャンプーでマラセチア真菌を退治し、入浴後には保湿して、その他の時間帯にはステロイド外用薬を塗布するなどして複合的に改善を図ってみましょう。
 
マラセチア真菌が増える原因として、汗や皮脂のかき過ぎが考えられますが、意外にも汗腺機能が低下していて汗をかかないことも原因となりえます。
それは、汗をかかないということは、汗や皮脂が分泌されても皮膚表面に出ずに中で詰まっている状態であり、特にマラセチア真菌はカビの一種なので、このような毛穴や汗腺の中に詰まったジメジメしたところを好むからであり、お風呂や台所のような水回りにカビが繁殖しやすいのと同じです。
 
マラセチア真菌が皮脂をエサとして分解した際に生成される過酸化脂質(油汚れと同じ)は毒性があるので炎症の原因となります(脂漏性皮膚炎

『【入浴】 「脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)」の入浴法 ~生活習慣と洗髪方法を見直す~』 参照
 
 
しかもアトピー素因を持つ人にはそれだけでは終わりません。
マラセチア真菌が作るタンパク質にはヒスタミンが含まれているという研究報告があり、このヒスタミンが汗に混じることでアレルギー反応を起こしてしまうようです。
 
 
さらにこのヒスタミンがアセチルコリンによる発汗を抑制しているとも考えられていて、そのためかアトピー性皮膚炎患者は汗腺機能が低下していることが多いようです。 そしてまたマラセチア真菌が増殖するという悪循環を招きます。
 
ヒスタミンが原因であれば、通常の治療には抗ヒスタミン薬が用いられますが、抗コリン作用を伴わない抗ヒスタミン薬でなければ汗腺機能は低下したままになります。
 
その点、入浴では副交感神経を刺激するのでアセチルコリンによる発汗を促進することができます。
 
 
というわけで、このような場合の入浴に求められる効果といえば「発汗」ですよね。
 
カビ菌は毛穴や汗腺の中に潜んでいることが多いわけですから、汗をかくことで追い出すことができます。
 
汗をかくと炎症がひどくなるという人でも、入浴中であればすぐに洗い流せるので、敢えて入浴中に汗をかくようにしましょう。
 
そこでバスソルトがおすすめです。
 
バスソルトは塩のもつ浸透圧の影響で、通常のお湯の約4倍も汗をかくとさえ言われるほど発汗作用があります。
ただ単に汗をかこうとお湯の温度を高くするのは、アトピー性皮膚炎には逆効果になりますからね。
お湯の温度を高くすることなく効率よく発汗できる入浴法がバスソルトです。
 
そして入浴後はドライヤーで完全に髪を乾かしましょう。頭皮が濡れているとカビが増殖しやすくなります。
 
 
 
 
<入浴上の問題>#5 自分に相応しい入浴法が分からない
 
<入浴目標> 体質を改善できる
 
 
原因や症状によって治療法が違ってくるように、入浴法もいろいろあるかと思います。
 
そうは言っても自分にとっての増悪因子が特定できていないうちは、アレルギー対策を重視すればよいのか、それとも乾燥肌対策を重視すればよいのか分からないかもしれません。
 
とりあえずアトピー性皮膚炎にとって効果が期待できる共通の入浴法として、温冷交互(交代)浴があります。誰にでも効果があるというわけではありませんが、試してみる価値のある入浴法です。
 
 
温かい湯と冷たい水を交互に浴びる入浴法です。


  【温冷交互(交代)浴】

  1.40~42℃のお湯に3分浸かる
  2.浴槽から出て、冷たい水シャワーを手足に10~20秒かける


  1と2を数回繰り返します。
  なお、最後は水で終わるのが鉄則です(皮膚が引き締まり保温効果になる)


 
 
42℃のお湯はアトピー性皮膚炎にとって刺激となる場合もあるので、最初は40℃から始めてみても良いでしょう。
 
特に心臓や身体に不安のある人は絶対に無理せず、徐々に慣らすようにするようにしましょう。
 
この温冷交互(交代)浴は、交感神経と副交感神経を交互に刺激することで自律神経系のバランスを整えるという効果があります。
 
自律神経系のバランスは免疫系のバランスや内分泌系(ホルモン系)バランスと密接な関係で影響し合っています。

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そのため、自律神経系のバランスが正常化は、免疫系のバランスにも好影響を及ぼします。
また、ホルモンの分泌も正常化するので、副腎皮質から分泌されるコルチゾールも適正に働くようになります。
コルチゾールとはステロイドホルモンの一種で、いわば自前のステロイド剤なので、抗炎症性作用があるため免疫機能の異常を抑制する働きがあります。
 
つまり、自律神経系のバランスが崩れているために免疫機能が異常を起こしたり、ステロイドホルモンが働かないために免疫機能の異常を抑制できずに炎症を起こしたりしている状態がアレルギー体質だとも言えるんですね。
 
さらに、自律神経には汗腺機能を調節する役割もあります。要は汗腺機能を鍛えたかったら自律神経を鍛えるしかないわけです。
 
 
温冷交互(交代)浴には冷え性の改善にも効果があります。
 
 

 
温冷浴によって血管が拡張したり収縮したりすることで血行が促進されるので、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が活発となり、皮膚バリア機能の回復及び乾燥肌の改善が期待できます。
 
このように、温冷交互(交代)浴はアトピー性皮膚炎にとって最適な入浴法だと考えられます。
 
そこに、自分の症状に合わせて、
 
例えば、ジュクジュク肌がひどい場合はクエン酸風呂での温冷交互(交代)浴を試してみるとか、汗がかゆみとなる場合はバスソルトで温冷交互(交代)浴を試してみるなど、何か工夫をしてみると良いかもしれませんね。
 
 
「風呂に入ると症状が悪化する」と簡単にあきらめずに、いろいろ試して前向きに過ごしていきましょう。
 
そもそも入浴にはストレスを軽減したり感染を予防する効果があります。
それに入浴は症状の改善に重要な保湿ケアの前に必要でもあります。
 
 
症状をよく観察したり原因を特定出来たりすることで、きっと自分に相応しい入浴法が見つかるはずです。



◆おすすめのアロマバス◆



アトピー性皮膚炎をケアする精油を選ぶ際は、アトピー性皮膚炎に効果のある薬理作用のある物に注目しまします。
その薬理作用とは、抗アレルギー作用、抗ヒスタミン作用、抗炎症作用、抗掻痒作用、抗菌作用、保湿作用、瘢痕作用などが挙げられます。

自分の症状に応じて、自分の症状に必要な薬理作用のある物を選ぶと良いでしょう。
ただし、どの精油を選ぶにしても、必ずパッチテストを行ってから使用しましょう。


アトピー性皮膚炎のケアとしてアロマバスに向いている精油

●ティートゥリー
抗菌作用の精油でも筆頭レベル。特にブドウ球菌に強い殺菌力を発揮する。それでいて皮膚への刺激はソフト。

●カモミール・ジャーマン
カモミール・ローマンと同様に抗アレルギー作用があるが、こちらの方がより高い抗掻痒作用があり、かゆみが強い場合に有効。免疫系を強壮するオキサイド類が多く含まれ、ステロイドによる免疫力低下時にも効果を発揮する。

●ラベンダー
抗炎症作用も抗菌作用もあるが、不快感を鎮める作用が期待される。

●ゼラニウム
抗菌作用があり、皮脂のバランスやホルモンバランスを整える。そのためどんな肌にも合う万能スキンケア精油。


これらの精油を混ぜる基剤としては、ヨーロッパでは月見草油がアトピー性皮膚炎の治療に用いられているようですが、ホホバ油も評判が高くお勧めです。

ホホバ油のワックスエステルという成分は、人間の皮脂の構成に近いため浸透しやすいという特徴があります。自然界でワックスエステルを含んでいる植物はホホバだけらしい。しかも他の植物油と違い酸化しにくい特徴がある(これ大事なポイント)
 
皮脂の分泌を調整する作用があるため、バリア機能の低下したアトピー肌には最適なオイルだと言えます。
ただし、このホホバ油に関しても人によって合う場合と合わない場合もあり、パッチテストは行ってから使用して下さい。


アロマバスの例


かゆみが強い場合
 ホホバ油 小さじ2
 
カモミール・ジャーマン 1滴
 ティートゥリー 2滴
 ラベンダー 2滴

 (ジャーマンだけでなくティートゥリーにもかゆみを抑える作用がある。ラベンダーがかゆみによる不快感を和らげてくれる)
 ※妊娠中・授乳中の使用は控えましょう


ジクジク感が強い場合
 ホホバ油 小さじ2
 ティートゥリー 3滴
 パルマローザ 3滴

 (ジクジクするのは黄色ブドウ球菌が繁殖しているからで、この2つの精油は免疫力を高め、かつ菌を退治する作用がある。また一時的に殺菌できても皮膚バリアが修復されていないと再び菌が繁殖するので、そこでパルマローザの瘢痕作用が期待できる)
 ※妊娠中の使用は控えましょう


ステロイド外用薬が効かなくなってきた場合、またはステロイド外用薬に頼りたくない場合
 これは提案ですが、ヨーロッパアカマツ(パイン)という精油が免疫抑制作用があり、ステロイドのような働きがあると言われています。実際、この精油をホホバ油などと合わせて軟膏として塗布することで症状が緩和したという経験談をよく見かけます。アロマバスとしてではなく、風呂上がりの保湿ケアとして使用してみてはいかがでしょうか。


寛解中のケアとして
 症状が治まっている時は皮膚を保護するような入浴にしたいものです。
 ホホバ油 小さじ2
 カモミール・ローマン 1滴
 ゼラニウム 3滴
 ※妊娠中・授乳中の使用は控えましょう



(最終更新日:2017/4/1)


関連記事

『症状別の入浴法』
 

【入浴】 「花粉症」の入浴法 ~症状を緩和する入り方~


花粉症は、スギなどの花粉による季節性アレルギー性鼻炎のこと。

ハウスダストやダニなどによる通年性アレルギー性鼻炎とは分けられていますが、発生原理や症状、所見は同じです。

抗原が鼻腔に侵入することでアレルギー反応が起こります。
抗原とはアレルギーの原因となる異物(アレルゲンという)のことで、花粉症の場合はスギやヒノキなどの花粉です

くしゃみ鼻水鼻づまり(鼻閉)がアレルギー性鼻炎の三大症状です。

これらの症状が引き起こされるのは、ヒスタミンなどの化学伝達物質の作用によるものと考えられています。


アレルギー画像


花粉症の発症メカニズム


まず、抗原(花粉症の場合は花粉)が鼻腔に侵入した情報を免疫細胞がキャッチすると、免疫細胞はIgE抗体を産生します。

IgE抗体が肥満細胞(マスト細胞)に取り付き、この状態で抗原と結合すると肥満細胞は化学伝達物質を放出。

花粉症に影響する主な化学伝達物質には、ヒスタミンロイコトリエンがあります。

ヒスタミンによって知覚神経を刺激し、その情報が中枢神経に伝わると、今度は副交感神経を介してくしゃみ鼻水を起こします。

副交感神経は体を休ませ守るために働く自律神経で、例えば食べた物を消化しやすいように唾液の分泌を促進したり、体内の老廃物を排出するためにおしっこを作ったり、目や鼻腔に付着した異物を洗い流す働きがあります。何かと体内の水分を排出させることの多い神経といえます。

また、ロイコトリエンによって鼻の血管が拡張したり、血管透過性が亢進されます。鼻の粘膜の血漿が漏出し浮腫んだように腫れるために鼻づまり(鼻閉)を起こします。これは異物が奥へ入らないように気道を狭くしていると考えることができます。


この花粉症の発症メカニズムが分かりにくいという人は抗原を敵部隊、免疫細胞を偵察部隊、IgE抗体をレーダー、肥満細胞を軍輸送車、化学伝達物質を工作部隊に例えると分かりやすいかも(笑)

敵部隊をキャッチした偵察部隊によってレーダーが作られ、それを搭載した軍輸送車が再び敵を探知すると工作部隊がわらわらと降りてきて鼻腔に仕掛けを作って敵の侵入を防いだり排除しようとしている。そんなイメージでしょうか。



◆入浴上の問題リスト◆


#1 くしゃみ、鼻水、鼻づまりだけでなく冷え性も伴っている
#2 入浴後に症状が悪化する

#3 肌荒れがあり、かゆみを感じる

まず入浴中にアレルギー症状が出ないことが優先。
そして、花粉症対策として入浴を活用したいものです。
人によっては入浴すると症状が悪化する場合がありますが、体質の改善も考慮した入浴法も効果的です。



◆入浴法◆


<入浴上の問題>#1 くしゃみ、鼻水、鼻づまりだけでなく冷え性も伴っている

<入浴目標> リラックスして血行を促進する



入浴は花粉を洗い流すだけでなくリラックス効果が得られるので、シャワーだけで済ますことがないようにしましょう。

花粉症は冷え性とも関係があって、しっかりと温まり血流を良くすることが重要です。

体に冷えがあると、免疫力のバランスを乱しやすく、そのため免疫細胞が花粉に対してアレルギー反応を起こしてしまうという考え方が存在します。

そしてその冷えの原因は、血流が悪いのと自律神経のバランスが悪いためだと考えられています。

なので、38~40℃のお湯10~15分浸かることが目安です(15分を超えると逆効果になる可能性が高くなる)

これがリラックスするには適温です。


注意しなければならないのは、42℃以上の熱い温度です。

熱い湯は、それ自体がストレスとなってアレルギー症状を悪化させる原因となってしまうからです。

リラックスすることを目的に入浴して下さい。


目や鼻がムズムズする場合には蒸らした温かいタオルを目や鼻を中心に当ててやると気持ちいいですよ


入浴剤にはリラックス効果の高いハーブ系がお勧めです。




<入浴上の問題>#2 入浴後に症状が悪化する

<入浴目標> 体質を改善して自律神経系のバランスを整える



しっかり温まったところで、これで風呂から上がっても良さそうなものですが、このままだと問題になることがあります。

花粉症の人が入浴した後に症状が悪化したという報告が結構あるからです。

入浴して症状が逆に悪化してしまう理由はいくつか考えられています。


浴室内や髪の毛に花粉が付着していた。
もしくはバスタオルや着替えの衣服、バスマットなどに花粉が付着していた可能性もあります。

しかしそれ以上に気がかりなのは、入浴によるリラックスで副交感神経が優位になりすぎている場合です。

というのは、くしゃみや鼻水は副交感神経が優位の場合に起きやすいものだからです。

また、風呂上りの温度変化、いわゆる寒暖差に鼻の粘膜の血管が過敏に反応する場合もあります。花粉に反応しているわけではなく、空気もまたストレスとなってヒスタミンの作用により副交感神経を介してくしゃみや鼻水を引き起こしている可能性もあります。


せっかく体も温まってリラックスできたのに、そのために症状が悪化するというのはとても残念な話です。


ではどうすれば良いのでしょうか・・・

ヒントは薬物療法にあります。


通常、薬物治療では、くしゃみや鼻水に対しては抗ヒスタミン薬でヒスタミンの働きをブロックするか、ステロイド薬で免疫細胞の過剰反応を抑えることで症状を止めます。

鼻づまり(鼻閉)には、抗ロイコトリエン薬やステロイド薬で解消します。また、鼻づまり(鼻閉)は鼻粘膜の血管が拡張しているために腫れているのが原因なので、交感神経を刺激して血管を収縮させる血管収縮薬を併用する場合もあります。


さて、

薬物療法のように花粉症に対して理に適った入浴法はあるのでしょうか。


血管を収縮させることで鼻づまり(鼻閉)を解消させようと、敢えて交感神経を刺激するような熱い湯に入浴すれば、交感神経が優位となり、その熱い湯がストレスとなりヒスタミンやロイコトリエンが誘発されて症状が悪化。

逆に副交感神経が優位となるようぬるま湯でリラックスすれば、それはそれで風呂上りに症状が悪化。

ふつうに入浴するだけでは花粉症に対応できません。


そこで試しもらいたいのが「温冷(交互)浴」

温冷交互浴とは水風呂と熱風呂を交互に入浴する方法です。


  【温冷交互(交代)浴】

  1.40~42℃のお湯に3分浸かる
  2.浴槽から出て、冷たい水シャワーを手足に10~20秒かける


  1と2を数回繰り返します。
  なお、最後は水で終わるのが鉄則です(皮膚が引き締まり保温効果になる)




とはいえ、普通の家庭に二つも湯船があるわけでもなく、水風呂に浸かるのは抵抗も大きいでしょうから、
「冷水を浴びる →入浴→冷水を浴びる→入浴→冷水を浴びる」を繰り返す入浴法でも構いません。

この入浴法でもしっかり温まることができます。

「半信半疑だな」「面倒だな」と思われる人は、ゆっくり温まって風呂上がりの前に一度だけ冷水を浴びるだけでも試してみて下さい。


最後は冷水で終わることが肝心です。

それにより皮膚がキュッと引き締まり、体内の熱を逃がさない保温効果が高まります。

これはサウナの後の水風呂と同じ原理です。

皮膚と地続きの鼻の粘膜の血管も引き締まり鼻の通りが良くなります


そして、この入浴法の一番の効果は自律神経のバランスが整われること。

交感神経、副交感神経どちらかに偏ることにはなりません。

自律神経のバランスが整うということは、免疫力のバランスも整うということ。


また、「自律神経が鍛えられる」という表現をされる方もいらっしゃいます。

これは多少の花粉や寒暖差に過敏に反応しなくなるということでもあります。

免疫システムの過剰反応(アレルギー反応)の制御にもなれば体質改善にもなります。


そのため、今ではこの温冷(交互)浴は、
花粉症のみならず他のアレルギー疾患、例えばアトピー性皮膚炎や喘息などにも効果があるとして注目されています。



<入浴上の問題>#3 肌荒れがあり、かゆみを感じる

<入浴目標> 保湿ケアに努め皮膚バリア機能を維持する



花粉症の症状は鼻や目だけでなく肌にも表れる場合があります。

冬の乾燥肌時期でもないのに肌がカサカサしたりかゆみを伴ったりする場合、それは花粉症が原因かもしれません。

花粉症の人にとっては花粉はアレルゲンですから、花粉が皮膚に触れることで肌がアレルギー反応を起こすことがあるからです。

赤いブツブツができることもあり、「花粉症皮膚炎」と呼ばれたりもします。

毎年花粉症に悩まされている人にとっては、春先にこの皮膚症状が現れたら花粉症到来のサインかもしれません。

症状がひどい場合は皮膚科の受診が必要になりますが、入浴においては体をゴシゴシ洗わないことはもちろん、必要以上に洗い過ぎないようにしなければなりません。

浴槽に浸かる時間も長くて15分間としたのは、それ以上の長湯は角質をふやけさせてしまい、ちょっとした刺激でも剥がれちてしまいやすくなるおそれがあるからです。
 
風呂上がりの時点ですでにかゆみを感じる場合は、その部分に冷たいシャワーを当ててから浴室を出ると良いでしょう。
 
 
重要なのは入浴後の保湿ケアです。
 
できれば入浴後5分以内に行うことが求められます。
 
入浴直後は肌が潤っているように思えても、すぐに乾燥して肌の水分は入浴前より失われた状態になるからです。
 
そうは言っても5分以内じゃ汗がひかないよ・・・という場合にも風呂上がりの冷たいシャワーは有効でしょう。

入浴後の保湿ケアで重要なのは、化粧水だけで終わりにせず、その後に保湿クリームをすること。

ただの保湿ではなく、クリームの油分が皮膚を覆うことで花粉が肌に触れることから守るという意味があります。

これは男性であっても同じです。化粧水はともかく保湿クリームは塗布しましょう(軟膏やワセリンでも可)




◆おすすめのアロマバス◆


花粉症による鼻水・鼻づまり・目のかゆみにはアロマバスでリフレッシュしましょう。
根本的な治療にはなりませんが、アロマは花粉症の緩和をサポートします。

花粉症対策といえばユーカリティートゥリーペパーミントが代表的な精油と言えるでしょう。

特にユーカリは清涼感のある香りで鼻やのどの不調に最適な精油です。
鼻が詰まって香りを嗅げなくても、湯気を吸うように口呼吸することによっても肺から血管に香り成分が吸収されますよ。また皮膚からも吸収されるのがアロマバスの良いところです。
ユーカリと同じように呼吸器系のトラブルにはティートゥリーも有効です。
どちらも抗菌作用に優れていて、外出する時はハンカチやマスクに一滴吸収させて用いられたりしています。

鼻づまりのエキスパートといえばペパーミント。

目のかゆみを伴う時には、カモミール・ローマンラベンダーをブレンドすると良いでしょう。


●ユーカリ
すっきりと頭がクリアになるような香り。主成分の1.8シオネールには高い抗菌作用がある。ユーカリにはユーカリ・グロブルスとユーカリ・ラディアータの2種類あるが、アロマバスにはラディアータの方が刺激が弱いので肌に良い。

●ティートゥリー
風邪予防の精油としてポピュラーな精油。並外れた抗菌・抗真菌・抗ウイルス作用がある。足浴にもよく用いられる。

●ペパーミント
クールなミントの香り。鼻の通りを改善する効果がある。清涼感のある香りは脳を活性化する働きもあるので集中力が高まります。

●カモミール・ローマン
リラックス作用が高く保湿作用もあるのでアロマバスに向いている。抗炎症作用もあるのでアレルギー症状やかゆみを伴う症状全般に役立つ。


アロマバスの例


基本は浴槽にユーカリ・ラディアータを数滴(最大5滴まで)を垂らし、よく混ぜて全身浴してみましょう。
精油の刺激が気になる方は、天然塩大さじ1に混ぜてバスソルトにするのもいいですね。

鼻水などの症状が花粉症なのか風邪なのか判断できないときはティートゥリーに替えると良いでしょう。


とりわけ鼻づまりが酷い場合
 ユーカリ・ラディアータ 2滴
 ペパーミント 2滴

 (ユーカリとペパーミントはどちらも揮発性が高く香りも強いので配合比率は同率にする)
 ※妊娠中・授乳中・乳幼児の使用は控えましょう。ペパーミントは皮膚刺激があります。


目のかゆみが気になる場合
 ユーカリ・ラディアータ 2滴
 ラベンダー 4滴

 (ラベンダーをカモミール・ローマンに代替するなら2滴)

ラベンダーやカモミール・ローマンは乾燥肌や敏感肌にもお勧めの精油です。


温冷交互浴、または自律神経系のバランスを調整するなら
 ティートゥリー 2滴
 ベルガモット 3滴

 (ベルガモットは鎮静と高揚の両方に働き心を調整する作用がある)
 ※光毒性に注意して下さい


★目や鼻の症状は出ていないが肌がかゆくなり始めた場合
 ティートゥリー 2滴
 パルマローザ 3滴

 (パルマローザはスキンケアに最適な精油。本格的な花粉症になる前に予防するブレンド
 ※妊娠中の使用は控えましょう


(最終更新日:2017/03/14)



『症状別の入浴法』