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【入浴】 「水虫」の入浴法 ~足の洗い方と効果的な足湯法~


女性にも増えてきているという「水虫」

感染してもかゆみが出ない場合もあるが、進行すると「かゆみ・水ぶくれ・皮向け」などの症状が表れ、放っておいても治ることはないと言われていますので必ず治療を受けましょう。


水虫は「白癬菌(はくせんきん)」というカビが、皮膚の角質層に侵入し繁殖して起こります。

角質層を構成しているケラチンが白癬菌の栄養源で、繁殖スピードはとても早く、肌のターンオーバーのサイクルよりも早いので、古くなった角質から共に自然といなくなることはないと言われています。

しかも、角質層には白血球がいないので、いくら免疫力を高めても角質に潜む白癬菌を退治することはできないとのこと。
つまり自然治癒は無理だということになります。



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◆入浴上の問題リスト◆


#1 症状が進行してかゆみ・水ぶくれ・皮向けに及ぶリスクがある
#2 家族に感染するリスクがある
#3 治癒後に再発するリスクがある



水虫は大きな病気になることはありません。
しかし日常生活に影響しますので、しっかりと治療と予防しましょう。
治っても再発率が高いのが水虫です。最終的には予防するための足の洗い方を身に付けることが求められます。

気になるのは、その感染力の高さゆえ、入浴でもうつるのか?ということですが、入浴で感染することはありません
家族の中で「水虫の人が最後に入浴しなければならない」ということもありません。
ですが、バスマットやタオルの共有を介して感染しますので感染リスクの除去に努めましょう



◆入浴法◆


<入浴上の問題>#1 症状が進行してかゆみ・水ぶくれ・皮向けに及ぶリスクがある

<入浴目標> 効果的な足浴と水虫外用薬ケアができる



汗を多くかく人は、それだけで水虫になりやすいので、しっかりと入浴か足浴(足湯)で清潔を保って下さい。

ここでは効果的な足浴(足湯)について紹介します。


白癬菌は角質層に侵入しているので、角質を削るのは有効だとと言えますが、傷口から侵入を許してしまいかねないので、削るよりも足湯に重曹を入れてこすり洗う方をお勧めします。

重曹には、タンパク質を分解するという特徴があるので、古い角質を分解する効果が期待できるんです。

洗面器でする足湯なら小さじ1杯程度で十分です。

足を浸す時間は10~15分。

問題はお湯の温度。

ぬるめの湯を推奨している所もありますが、カビの生育可能温度の領域は0~40℃ですので、理論上は40℃以上で白癬菌が死滅することになります。

ですので、なかには「40℃以上で死滅する」と謳っているところもありますが、菌が入り込んでしまっている状況では理論通りには死滅しません。

41~43℃くらいのお湯で毎日足浴(足湯)をすることで、水虫を予防したり進行を抑制するつもりで行うのがよろしいかと思います。


重要なのは入浴後の水虫外用薬ケア

入浴後は足の裏の皮膚(角質含む)は水分を含んでいるので柔らかくなっています。

薬の成分が奥まで浸透しやすい状態になっているので、水虫外用薬を塗るには入浴後が絶好です。

なお、水虫外用薬を塗り終えたら手をしっかり洗いましょう。
手に感染して「手白癬(手の水虫)」になる可能性があるからです。



<入浴上の問題>#2 家族に感染するリスクがある

<入浴目標> 感染のリスク要因は除去し、清潔を保つ



水虫はお風呂に入って他人にうつるものではありませんが、バスマットやタオルの共有にて感染する場合がありますので、常に清潔を保ちましょう
特にバスマットなど湿度の高い所は菌が繁殖しやすいので使用したら毎回洗濯をする必要があります。

ちなみに同じ洗濯槽で他の洗濯物と一緒に洗っても大丈夫です。
ただしよく乾燥させて下さい。

こまめな浴室の掃除も重要です。

入浴後はしっかりと足を乾かし、家の中でも裸足で歩かないようにします。
靴下を履く場合は毎日履き替える。スリッパを履く場合は個人用のものを使用するなどの工夫が必要です。


きちんと手洗いをすることも大切です(手白癬の予防)

感染予防のキーワードは「清潔」「乾燥」「共有しないこと」です。



<入浴上の問題>#3 治癒後に再発するリスクがある

<入浴目標> 正しい足の洗い方をして予防する



水虫外用薬は毎日継続的に続けることが大切です。
途中でやめることがないようにしましょう。症状が治まっても白癬菌を完全に退治しないと再発します。

水虫の再発率は50%と言われています。
2人に1人ですから結構高い確率だとも言えますが、再発する人の多くは途中で治療をやめているか、治ったとしてもそれ以降清潔を保っていなかったりしていることが原因と考えられていますので、しっかりケアをする習慣があれば予防できます。

完治後、再び白癬菌に感染したとしても感染が成立するまでに最低24時間かかると言われています。毎日入浴する習慣があり、しっかりと足を洗っていれば水虫になることはありません(ただし足の皮膚に傷がある場合は12時間と言われている)

そこで足の洗い方ですが、特に足の指と指の間は丁寧に洗いましょう


手順を紹介します。

1.まず足をお湯で洗って汚れを落とす

2.石鹸をしっかり泡立てる

3.足を洗うときはナイロンタオルや軽石を使用しない。またゴシゴシしない(皮膚に傷がつくとそこから白癬菌が侵入するから)

4.足の指と指の間だけでなく、足の裏、爪の中にも白癬菌が付着するので念入りに洗いましょう

5.お湯で綺麗に洗い流す

6.風呂上りはしっかりと拭いて乾かす(この「乾かす」ことが大事です)




◆おすすめのアロマバス◆


アロマの精油には抗真菌作用を持つものがあり、水虫対策としては基本的にこの抗真菌作用のある精油が有効です。

抗真菌作用のある精油は、
カモミール・ジャーマン 、カモミール・ローマン、ゼラニウム、ティートゥリー、ニアウリ、パチュリー、パルマローザ、フランキンセンス、ラベンダー、レモングラス など(アイウエオ順)

水虫が治りにくい理由は、白癬菌が寄生している角質層は生組織ではないので免疫細胞が存在しないこと、また白癬菌を外用薬で退治しようにも、角質層の役割は異物からのバリア機能なので角質層の奥深くに逃げ込んだ白癬菌にまで届かないことなどが挙げられます。
それに対し、精油が水虫に対して有効だと考えられる理由として、精油は脂溶性であり、すんなりと角質の奥の細胞にまで浸透できる点にあります。

お勧めは精油を垂らした足浴(足湯)です。

ただし先に忠告しておきますが、抗真菌作用のある精油に頼るよりも大事なこと。それはしっかりと足を洗うこと。抗真菌作用があるといってもそのうち耐性ができてしまうことも考えられます。
そして足浴後は清潔な乾いたタオルで水分をよくふき取ること、もしくは水虫外用薬でケアをすることが大切です。

 
アロマバス(足浴)の例


軽度の水虫の場合には<42℃のお湯で20分間>
 植物油(キャリアオイル)や天然塩など基材となるもの 少量
 パルマローザ 3滴
(短期間のパルマローザによる足浴で白癬菌が100%除菌できたという研究報告がある。主成分のゲラニオールは抗真菌作用だけでなく、皮膚の収れん作用もある。バリア機能が低下した肌に出番の精油)
※ゲラニオールには子宮収縮作用があるため妊娠中の使用は避けて下さい。


さて、かゆみが強いときの足浴法ですが、精油を混ぜる基剤として重曹を活用しましょう。

重曹の性質についてはすでに述べていますが、重曹には角質を落とす作用があるので精油の成分が角質の奥に届きやすくなるからです。
ただし、重曹に長時間浸けると、古い角質だけでなく若い角質まで傷つけてしまう恐れがあるため、足浴は15分以内にする


かゆみが強い場合は<41~43℃のお湯で15分間以内>
 重曹 小さじ1
 ティートゥリー 2滴
 ラベンダー 2滴

 (ティートゥリーには抗真菌作用に加え、かゆみを抑える作用がある。ラベンダーにはかゆみによる不快感を鎮める作用がある)


ジクジク趾間型の水虫には<41~43℃のお湯で15分間以内>
 重曹 小さじ1
 ティートゥリー 2滴
 フランキンセンス 2滴
 ミルラ 1滴

 (抗炎症作用、免疫強壮作用、細胞成長促進作用、瘢痕作用の組合せ)
 ※瘢痕(はんこん)作用とは傷あとを綺麗に修復する働きのこと。趾間型の水虫は症状が悪化すると水疱ができたり皮がむけたりするので、細胞成長促進作用や瘢痕作用のある精油をブレンドすることが望ましい。



(最終更新日:2019/10/2)


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