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2016年8月

【入浴】 「更年期障害」の入浴法 ~気持ちを安定させる~


女性の更年期障害に対する入浴法です。

女性の更年期とは閉経を挟んだ前後10年間のことで、主に40歳~60歳。

閉経に伴い女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が低下することと関係しています。

更年期症状としては、ほてりのぼせ、発汗、冷え、肩こり、睡眠障害、動悸、頭痛、めまいといった身体的なものから意欲低下、物忘れ、イライラといった精神的なものまで実に様々な症状があり、また人によっても違います。

身体的な症状は生理の変化、つまりエストロゲンの変化や低下が自律神経中枢のある視床下部に影響していて、自律神経が乱れることで生じます。

また精神的な症状は、ストレスが大脳辺縁系に影響し、気分の落ち込みや情緒不安定になることで生じます。

自律神経を司る視床下部は大脳辺縁系の制御を受けているので、更年期障害の対策としては自律神経のバランスを整えるだけでは不十分で、気持ちを安定させることの方が重要になってきます。

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入浴法としてのポイントは、気持ちを安定させる入浴法。具体的には脳への血流を促進すること

例えばうつ病患者は健常者と比べると脳の血流が不足していることが分かっています。
脳の血流が悪いと意欲の低下や気分の落ち込みを招き、それが自律神経の乱れにも繋がっていきますから、なによりも脳への血流改善が求められます。

エストロゲンには血管拡張作用があるので、更年期になるとこの作用が弱くなってどうしても血流が悪くなりやすくなりますから、自分で血流を促進させていくしかありません。



1.毎日決まった時間に入浴し、睡眠すること


脳の血流と睡眠は密接な関係にあります。

睡眠中は副交感神経が優位になり血管が拡張され血行が良くなります。
脳内においては、睡眠中に老廃物が洗い流されていて、これが物忘れや認知症の予防とも関係していると考えられています。

また、睡眠中は心拍数も下がり体温も下がっている状態ですが、これは体温が下がらないと質の高い睡眠が得られないことを意味します。

体温は末梢の皮膚血管から放熱されることで下げられますが、血行が悪いとうまく放熱ができずなかなか寝付くことができません。

そこで就寝1~2時間前の入浴はとても有効になります。
お風呂で血行を促進し、入浴後に一度温まった体温がゆっくりと放熱されて下がっていく過程でヒトは眠たくなります。

そういうわけで入浴と睡眠はセットで考えましょう。


また、気持ちを安定させる方法のひとつに生活のリズムを安定させることが挙げられます。
不規則な生活は気持ちをも不安定にしますからね。

できれば毎日同じような時間に入浴して、同じような時間に入眠すると良いでしょう。



2.38~40℃のぬるめお湯で15~20分間


入浴には言うまでもなくリラックス効果があります。

熱いお湯は逆効果になりますから、ぬるめ(38~40℃)のお湯でシャワー浴ではなくじっくり浴槽浴に浸かって15~20分間

時間を長めに設定しているのは、ぬるめのため時間が短いと体が温まらないことと、リラックス効果をしっかりと得るためです。

でも20分間はさすがに長いので、体に負担を感じるようなら半身浴にしたり、「10分+10分」の2回に分けた分割浴でも良いでしょう。

入浴中、あるいは入浴後に簡単なストレッチを取り入れるとさらに効果が見込めます。


また、更年期障害の入浴剤としてクラリセージのアロマ精油が有名です。

数滴湯船に垂らすだけ。

クラリセージはハーブ系の香りで心を落ち着かせる効果がありますので、苦手な香りでなければ試してみると良いでしょう。



3.キーワードはオキシトシン?


更年期障害の症状にほてりやのぼせ、発汗があると言いましたが、これは「ホットフラッシュ」といって局所的に大量の汗が出る多汗症に似た症状で別名「更年期の多汗症」とも呼ばれています。

多汗症もまた体温調節中枢のある視床下部のみならず、その上位である大脳辺縁系に問題があると考えられ、そのため情動が不安定なために発汗する精神性発汗が汗の主体となっています。

『【入浴】 「多汗症」の入浴法 ~情動の安定をはかる~』 参照


そのせいか、更年期障害と多汗症は共通している部分が多いと考えられます。

多汗症との違いがあるとすれば、その原因が更年期であるということ。エストロゲンの減少ですね。

減少する女性ホルモンであるエストロゲンは更年期である以上、自分で増やすことはできませんが、このエストロゲンの働きを助け、かつエストロゲンの働きに類似したホルモンなら自分で増やすことは可能だと言われています。

そのホルモンとは「オキシトシン」

オキシトシンは視床下部で産生される別名「幸せホルモン」とか「愛情ホルモン」と呼ばれる神経伝達物質のひとつで、大脳辺縁系の情動を司る扁桃体に作用してストレスを打ち消すと考えられています。

しかもストレスを抑えるどころか幸福感を感じ、心拍や血圧を調整し、骨や筋肉の形成にも関与しているというから、まさにエストロゲンの代わりです。

オキシトシンはスキンシップで増えるので、好きな人と一緒にお風呂に入ると効果があるかもしれません。いや冗談抜きで。

また、先に述べたアロマ精油なども自分に合った物であればオキシトシンが増えると考えられています。要は幸福感が得られるような入浴タイムにすれば良いわけです。

 

関連記事

『症状別の入浴法』


 

【健康】 熱中症が増えた理由は昔より暑くなったから・・・だけではない


どうもSHIBAです。

近年では熱中症になる人が増加していますよね。

日本人は暑さに弱くなったのでしょうか。
それとも昔の人が暑さに強かった?

現在では「水分補給には水分だけでなく塩分も必要」というのは常識になってきていますが、昔はそんな知識すらなかったのに、ましてや部活などでは猛練習でも「水なんか飲むな」という風潮だったのにね。


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この疑問に対する憶測はいろいろされていますが、大別すると2つの意見に分かれています。


●暑さに弱い人が増えたから

●昔から比べて夏が暑くなったから



これ。どちらが正しいと思われますか。

おそらくどちらも正しいでしょうね。



「暑さに弱い人が増えたから」というのは、今の人が昔の人よりも暑さに弱いという意味ではありません。

高齢者ほど体温調節機能の働きが鈍くなるので熱中症患者の多くは高齢者であり、現在の熱中症患者の増加はそうした高齢化社会と関係があると考えられています。

つまり、「暑さに弱くなった」のではなくて「暑さに弱い人が増えた」ということです。


しかし同時に「暑さに弱くなった」というのも事実なのではないでしょうか。

高齢者以外においても昔の成人より今の成人は暑さに弱いということ。


と、こう言えば必ず「昔から比べて夏が暑くなっているのだから熱中症になりやすいのは当たり前だ」という反論があるものです。

確かに温暖化により気温は30年前よりも2.5度ほど高くなっていると言われたり、気候的なもの以外でもヒートアイランド現象などが影響していることもあって、昔より暑くなっているのは間違いないでしょう。

しかしそれがかえって冷房に頼る機会が増え、自ら体温調節機能を弱めている可能性が高いように思います。

暑い所と涼しい所の差が激しいほど出入りする度に自律神経は乱れやすく「夏バテ」の要因となり、
また発汗機能も低下して熱が体内に籠りやすくなり「熱中症」となる要因にもなるからです。

単に昔より気温が高くなったことだけが熱中症増加の原因だとすれば、日本より暑い国の人々は熱中症だらけでなければなりません。

日本は気温だけでなく湿度も高いことも関係しているとは思いますが、やはり暑さに対して適応できていないと考えべきではないでしょうか。


エアコンやクーラーといった冷房の利用を否定しているわけではありません。

しかし、日常的に「汗をかくべき時は汗をかく」というヒトとして当たり前の生理現象を避けてばかりいると、ますます暑さに対する適応能力が失われていきます

便利な世の中になればなるほど、ヒトが本来持っている能力が衰えていくことの一例のような気がしてなりません。



<追記>

汗をかく習慣が無いと熱中症のリスクが高くなるのは汗腺機能が低下してしまうため。

能動汗腺(発汗作用が機能している汗腺)が少なくなると当然汗をかきにくくなりますよね。

能動汗腺は加齢によっても減少するそうなので、発汗できず熱が籠りやすい高齢者に熱中症が多いと考えられます。

【健康】 高齢者が熱中症にかかりやすい本当の理由 参照


また、逆に汗をかきにくいことが脱水を起こしていることに気付かないというパターン(かくれ脱水)もあるそうで、これも高齢者に熱中症が多い理由の一つになっています。

【健康】 「自分には関係ない」と思っている人ほど「かくれ熱中症」に注意 参照


なお、これらは何も高齢者に限ったことではなく、「汗をかく習慣が無い」人にも当てはまるので、やはり汗をかく習慣は重要になってきます。

手軽に汗をかく習慣を身につけるには毎日の入浴が有効です。
暑いからといってシャワー浴になっていませんか?シャワー浴では発汗作用が十分には働きませんよ。
全身浴か半身浴でしっかり汗をかきましょう。
ただし、発汗作用が円滑に機能するためには水分補給が大切になります。
ただ汗をかいてばかりいると脱水を招きますから、入浴の前と後には必ず水分を摂取するよう心がけましょう。


(最終更新日:2018/07/19)





 

【健康】 「自分には関係ない」と思っている人ほど「かくれ熱中症」に注意


暑い日が続きます。熱中症対策は万全でしょうか、どうもSHIBAです。

熱中症になると異常な発汗あったり気を失ったり、または筋肉がけいれんを起こしたりします。

いずれにしても何らかの症状が生じて具合が悪くなるので通常は異変に気づくものですが、
中には本人も自覚しないうちに熱中症にかかってしまうことがあります。

これを「かくれ熱中症」といい、かくれ熱中症になる人は、汗をかかないために本人も脱水状態になっていることに気づかないことが多いようです。

「かくれ脱水」ともいい、発汗機能が低下している人に多い症状だと考えられます。


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ヒトは体温調節機能の一つとして、皮膚血管の末梢から熱を放散しています。
これを不感蒸泄といって発汗がみられなくても目に見えない形で水分を失っています。

そのため症状に気づかないまま重症化してしまうようです。
しかも「自分には関係ない」と思っている人に多いというから厄介です。


かくれ熱中症(かくれ脱水)は高齢になるほどなりやすいと考えらていて、その理由は筋肉量や食事量の低下と関係しているからです。

筋肉には体内の水分を蓄えられています。体内の水分の約10%は筋肉に蓄えられているそうですよ。
だから脱水になると筋肉痛や筋肉けいれんを起こしやすいんですね。

食事量が減少することも水分やミネラルの摂取が減ってしまう原因となります。
歳を重ねるほど代謝が悪くなるので食事量も減りがちですから、そこは敢えて脱水にならないよう水分補給を意識したいものです。


「かくれ熱中症に気を付けよう!」といっても症状が表れないと気付きにくいものですが、サインとしては排尿の減少が挙げられます。

ヒトは発汗や呼吸、不感蒸泄などで水分を失うと、それ以上の損失を防ぐために腎臓での尿生産が抑えられ、排尿が少なくなる傾向があります。

尿があまり出なくなったら脱水状態を疑ってみることをお勧めします。

【健康】 これも熱中症?赤ちゃんにオシッコがみられない時は脱水症状を疑え


赤ちゃんは熱中症になっていても咳が出たり吐いたり下痢をするわけではありませんので、見た目にでは気付きにくいものがあります。

また、赤ちゃんは暑くてものどが渇いても苦しくても、それを伝える言葉を持ちません。

赤ちゃんを熱中症から守るには周りがしっかりと注意して見ていなければならないようです。

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赤ちゃんは体温や水分出納バランスがとても変動しやすい特徴を持っています。

とにかく体内に占める水分量が多く、成人の水分は体重の55%程度であるのに対し、赤ちゃんは体重の65~75%も水分が占めているというから、それだけ赤ちゃんにとって水分は重要だということなんでしょう。

赤ちゃんはよく発汗しますからね。新陳代謝が激しいうえに、体重あたりの体表面積が広いこともあって汗によって容易に水分を失ってしまうようです。発汗していない時でも、皮膚からの不感蒸泄も多いのが乳幼児の特徴です。

このように体内に水分量が多くても簡単に脱水していしまいかねないので油断できません。


脱水状態の指標として体重の減少があります(脱水症状とは水分を失うことなのでその分体重が減少します)

乳幼児の目安としては、5%の体重減少がみられると軽症の脱水状態とされています。
例えば体重10kgの乳幼児は500gの水分を失うと軽症の脱水状態にあるとみてよいわけです。

ちなみに10%以上の体重減少になると重症と判断されます。


ただし、体重の変化は測定してみないと分からない部分もあり、毎日測っているわけでもないでしょう。


もっと分かりやすい脱水のサインとしては「排尿の減少」があります。

ヒトは発熱や嘔吐・下痢など、必要以上に水分を排泄してしまった時は、これ以上の水分損失を防ぐため腎臓での尿生産が抑えられオシッコがみられなくなります

ただでさえ、赤ちゃんは尿量が多いもの。それは腎臓で尿を濃縮する機能が未熟なため、電解質や尿素を尿中に排泄するために多くの水分が必要となってしまうため尿量が多くなってしまうんですね。
それがパッタリと排尿が止まるというのは脱水を疑ってみるべきです。


また、大泉門が陥没しているかどうかも判断材料になりますよ(昔から赤ちゃんの頭のてっぺんが凹むと脱水していると言われている)
 

【健康】 子どもがすぐに熱を出す3つの理由


子どもはよく発熱します。赤ちゃんも。

子どもは感染症に罹患しやすいイメージがありますが、その背景には子どもならではの体温システムが影響しているということは知っておいた方が良いですよね。

体温に影響を及ぼしている要因は「基礎代謝」「体温調節機能」「免疫機能」の3つ。

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1.基礎代謝


子どもは急速に発育しなければならない時期です。エネルギー必要量が非常に多く、大人と比べて基礎代謝が高いもの。
それによる熱生産が多いので、自然と体温は高めになってしまいます。

平熱も大人より高めなので、37度台で「発熱したのではないか?」と慌てる必要はありません。



2.体温調節機能


体温調節機能とは暑さや寒さを感受して体温が変動しないように調節するシステムです。
体温調節中枢は脳の視床下部にありますが、ヒトは暑さを感じるとその情報が体温調節中枢に送られ、ここから自律神経を介して皮膚血管を拡張して熱を体内の放散したり汗腺細胞に働きかけて発汗して体温が上昇するのを防ぎます。

しかし、子どもは自律神経が未熟なため熱を体外へ放散させることが間に合わない場合が多いようです。
これは体温が高くなりやすい大きな要因で、子どもが熱中症になりやすい原因ともなっています。



3.免疫機能


言うまでもなく子どもは免疫機能が未熟です。特に赤ちゃんは抗体を生産する能力が低いので、新生児は胎児期に胎盤を通して母体からもらった免疫グロブリン(IgG)のみが免疫として機能しています。

しかし母親由来の免疫グロブリン(IgG)も徐々に少なくなり、しかも胎盤を通過しない免疫グロブリン(IgAやIgMなど)もあり、免疫システムは不十分な状態にあります。

これでは度々かぜをひいて発熱するのも無理はありません。



子どもの発熱時の対応


発熱時は代謝が高くなって心拍数や呼吸数が上がるので疲れやすくなります。
元気がないようでしたら体を休ませるようにしましょう。

室温や湿度に気をつけ、発汗している時は着替えをしてあげましょう。

高熱による発汗が見られる場合は、首や腋の下、鼠蹊部など大きな動脈の流れている部位を冷やしてあげる必要があります。
ちなみに額を冷やしても体温は下がりません。ただし、脳がダメージを受けると大変なので脳内の温度が上がりすぎないよう額を冷やしてあげることは有効なことです。

また、発汗や呼吸から多量の水分が失われます。水分の補給にも気を配りましょう。

発汗などにより脱水すると腎臓による尿の生産が抑えられオシッコがみられなくなる場合があります。
そのため長い時間オムツを替えないことがあるかもしれませんが、発汗によりオムツ周りが蒸れているはずなので、衣服の着替え同様オムツもこまめに替えてあげたいところです。


子どもが発熱したときにお風呂へ入れても良いのかどうか?よくある疑問ですが、これは発熱の原因にもよりますが、風邪による発熱であればそれほど神経質になる必要はありません。

微熱程度なら熱の有無よりも元気があるかどうか、食欲があるかどうかといった子どもの状態で判断すると良いでしょう。


『健康】 子どもの入浴法 ~「かぜ」の場合~』 参照