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【入浴】 「腱鞘炎」の入浴法 ~薬湯やバスソルトがお勧め~


腱鞘炎には、指を伸ばそうとすると痛みカクンとはねる「ばね指」と呼ばれる症状と、手首の親指側に炎症が起こる「ドケルバン病」があります。

どちらも発症時は痛みと腫れがみられるため冷やした方が好ましいですが、急性期(熱をもっているとき)を過ぎた数日後からは積極的に患部を温めてあげた方が血流が良くなって痛みを軽減するので良いとされています。

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◆中間期は漢方の薬用入浴剤がおすすめ


腫れはひいているがまだ痛みが残っている中間期における入浴には、鎮痛作用血行促進作用のある生薬が成分に含まれている薬用入浴剤を使用すると良いでしょう。

血行促進と鎮痛に作用する生薬としては、例えば当帰(トウキ)芍薬(シャクヤク)などが有名です。



◆慢性期はバスソルトがおすすめ


患部に熱感はないが手や指先が冷えていて血行が悪くなっている慢性期には、バスソルトに入浴すると良いでしょう。

末梢血管まで酸素と栄養が行き渡らなくなっている状態なので、血行を促進することが条件ですが、このような状態の時には葛根湯が用いられるように、発汗を促し冷えによってこわばっている筋肉を緩めることが先決です(葛根湯は肩こりの緩和にも効果があるほど弛緩作用がある)

ただし、発汗を促した方が良いからといって、お風呂の温度を熱くすれば良いわけではありません。


そこでお勧めなのがバスソルト。

バスソルトは塩のもつ浸透圧の影響で、通常のお湯の約4倍も汗をかくとさえ言われるほど発汗作用があります。

つまり通常の温度でもしっかり汗が出ます。

しかもバスソルトにはマグネシウムが含まれていて、マグネシウムには筋肉の緊張を解く働きがあります。

筋肉は収縮するときにカルシウムが使用され、弛緩するときにマグネシウムが使用されているので、冷えによって筋肉がこわばっている人にはマグネシウムが含まれたバスソルトがお勧めなのはそういう理由によります。


さらにラベンダーやカモミールなどのリラックス効果のあるアロマ精油を垂らすとより効果が得られるはずです。



◆マッサージとツボ圧し


マッサージも効果があるとされていますが、患部に熱を持っていて腫れや痛みが強い急性期にマッサージをすると腱鞘炎が悪化します。

そんな時は肘まわりの筋肉をほぐすようにします(肘まわりの筋肉は手首とつながっている)

ある程度痛みが弱くなってから入浴中に湯に浸かりながらマッサージをするとよいでしょう(ただし入浴中は血流が良いので軽めでよい)


腱鞘炎に効果のあるツボもありますので、入浴中に圧すこともお勧めです。


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腱鞘炎に効果のある主なツボ

大陵(だいりょう) ・・・ 手のひら側の手首のちょうど真ん中
陽谿(ようけい) ・・・ 親指を反らしたときに浮き出る2本のスジの間のくぼみ
陽池(ようち) ・・・ 手首(手の甲側)にある横ジワ中央の小指よりのくぼみ
外関(がいかん) ・・・ 陽池から指3本分肘方向に離れた中央


手首にある「大陵・陽谿・陽池」は痛みを軽減させる作用があります。
「外関」は水分代謝に働く三焦経の経絡に属しているので、むくみの改善にも効果があるとされています。「水分の代謝=老廃物の排出」でもあり、外関は腱鞘炎の回復を早める作用があると考えられています。


ただし、患部に熱があったり痛みが強いうちは、これら患部に近いツボではなく肘まわりにある手三里(てさんり)曲池(きょくち)を圧すと良いでしょう。


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