• イベント情報
  • メールフォーム

2019年10月

【入浴】 「緑内障」の入浴法 ~水はけを良くして眼圧を下げる~


緑内障とは眼圧が上がることで視神経が圧迫され、視野が狭くなる病気です(眼圧が正常でも発症することもある)


眼圧が上がる原因は、主に目の水分(房水)の量が増えすぎることにあります。

房水とは虹彩の裏側にある毛様体から分泌される液体のことで、房水は瞳孔を通って前眼房に流れ、排出路である隅角(ぐうかく)を通って虹彩付着部にあるシュレム管に吸収され眼球外に排出されています。

201692415300.jpg


正常な場合は房水の分泌量と排出量が一定に保たれているので眼圧が安定しているものですが、房水の出口にある隅角(ぐうかく)が塞がると眼の中の房水が過剰となり眼圧が上がります。

このように隅角が塞がることで緑内障になるタイプを「閉塞隅角緑内障」といいます。

つまりは
「房水が排出できない = 眼圧が上がる = 視神経を圧迫、傷つける = 視野が狭くなる」 というのが閉塞隅角緑内障。


2016924153053.jpg


緑内障には他にも種類がありますが、いずれにしても視神経が傷つくことで発症します。




◆体質別の入浴法


緑内障の治療は薬物療法やレーザー療法、手術療法がありますが、私生活においても自分でできる対処法はいくつか存在します。

なかでも入浴は緑内障にとって効果があると考えられています。

例えば緑内障の人には末梢血管の循環が悪いと言われ、冷え性の人が多いようです。
血流が悪いと視神経の細胞にも栄養が行き渡らなくなるので血流を改善することが優先されます。


『【入浴】 「冷え性」の入浴法 ~誤解だらけの冷え症対策~』 参照


また、むくみやすい人も要注意。むくみやすいということは、水はけが悪いということで漢方でいうところの「水毒」にあたります。

余分な水分を排出することで眼圧は上がりにくくなりますから、入浴による発汗作用、または浴槽浴による水圧効果などはむくみ対策として期待できます。
入浴自体に利尿作用がありますからね。それに冷え性からくるむくみもありますので、冷え性と併せて改善しましょう。


『【入浴】 「脚のむくみ」の入浴法 ~炭酸泉が効果あり~』 参照


さらに高血圧も緑内障の危険因子と考えられています。

高血圧と眼圧に直接的な関係は認められてはいませんが、緑内障患者には高血圧を持っている人が多いという報告があります。

なぜ高血圧との関係が医学的に説明されていないのに緑内障になるのかといえば、これは交感神経と関係しているとも考えられます。

例えば自律神経の交感神経が優位になると血管は収縮します。そのため血圧は上がります。
いつも緊張やストレスにさらされている人は交感神経が優位になりやすく、結果として高血圧になりやすい。

また、交感神経が優位な場合、瞳孔は散大になりがちです(逆に副交感神経が優位だと瞳孔は縮小する)

実はここが問題で、瞳孔が大きく開くということは、虹彩筋は縮んで短く太くなっている状態です。

この太くなることが隅角の隙間を狭くする要因となるわけです。もともと狭隅角の人は塞がってしまうことも。

これにより眼圧が上がって緑内障になる・・・というわけです。

高血圧だから緑内障になるというよりも、ストレスによる自律神経の乱れが高血圧や緑内障を引き起こしているとも考えられるんですね。

そういう意味でもリラックス効果のある入浴は有効です。

リラックスすると副交感神経が優位になり、ストレスが解消され、眼圧を下げることになります。
また副交感神経優位によって血管は拡張されますので、血流も改善され視神経にも酸素や栄養が行き渡ります。


『【入浴】 「高血圧」の入浴法 ~安全な入浴法と症状別の工夫~』 参照


加えて低血圧もまた緑内障の危険因子となります。

血圧が低過ぎることも血流が悪くなる原因となりますので、血圧は高すぎても低すぎても緑内障にはよくありません。



◆入浴時に意識すること


上記のように、低血圧の場合を除くいずれの危険因子を持つ体質の場合でも、基本は38~40℃のぬるま湯でなければなりません。

副交感神経が優位になるような入浴によって、冷え性やむくみ、高血圧などが緑内障の要因になることを防ぐためです。

湯船に浸かるときは、のんびりリラックスすることを心がけましょう。

入浴剤には血行促進効果の高い炭酸ガス系がお勧めです。
生薬入り薬用剤ならば、これまた血行促進作用のあるトウキやセンキュウなどが配合されたものがお勧めです。

また、湯船に浸かりながら目の周りをマッサージすると効果があるかもしれません。
なぜなら目の周りには「攅竹(さんちく)」「 晴明(せいめい)」「太陽(たいよう)」といった眼圧を下げるツボがあるからです。


なお、注意すべき点があるとすれば、シャワー時は長い時間頭を下に向けて洗髪しないこと
長時間下を向いていると眼圧が上がりやすいからです。


このようなわけで、入浴は緑内障にとって効果があると考えられます。

ただし手術療法を受けた場合は、術後数日間は入浴も洗顔も禁止されていますので医師の指示に従ってください。



関連記事

『症状別の入浴法』



 

【入浴】 「更年期障害」の入浴法 ~気持ちを安定させる~


女性の更年期障害に対する入浴法です。

女性の更年期とは閉経を挟んだ前後10年間のことで、主に40歳~60歳。

閉経に伴い女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が低下することと関係しているようです。

更年期症状としては、ほてりのぼせ、発汗、冷え、肩こり、睡眠障害、動悸、頭痛、めまいといった身体的なものから意欲低下、物忘れ、イライラといった精神的なものまで実に様々な症状があり、また人によっても違います。

身体的な症状は生理の変化、つまりエストロゲンの変化や低下が自律神経中枢のある視床下部に影響していて、自律神経が乱れることで生じます。

また精神的な症状は、ストレスが大脳辺縁系に影響し、気分の落ち込みや情緒不安定になることで生じます。

自律神経を司る視床下部は大脳辺縁系の制御を受けているので、更年期障害の対策としては自律神経のバランスを整えるだけでは不十分で、気持ちを安定させることの方が重要になってきます。

2016825214251.jpeg



入浴法としてのポイントは、気持ちを安定させる入浴法。具体的には脳への血流を促進すること

例えばうつ病患者は健常者と比べると脳の血流が不足していることが分かっています。
脳の血流が悪いと意欲の低下や気分の落ち込みを招き、それが自律神経の乱れにも繋がっていきますから、なによりも脳への血流改善が求められます。

エストロゲンには血管拡張作用があるので、更年期になるとこの作用が弱くなってどうしても血流が悪くなりやすくなりますから、自分で血流を促進させていくしかありません。



1.毎日決まった時間に入浴し、睡眠すること


脳の血流と睡眠は密接な関係にあります。

睡眠中は副交感神経が優位になり血管が拡張され血行が良くなります。
脳内においては、睡眠中に老廃物が洗い流されていて、これが物忘れや認知症の予防とも関係していると考えられています。

また、睡眠中は心拍数も下がり体温も下がっている状態ですが、これは体温が下がらないと質の高い睡眠が得られないことを意味します。

体温は末梢の皮膚血管から放熱されることで下げられますが、血行が悪いとうまく放熱ができずなかなか寝付くことができません。

そこで就寝1~2時間前の入浴はとても有効になります。
お風呂で血行を促進し、入浴後に一度温まった体温がゆっくりと放熱されて下がっていく過程でヒトは眠たくなります。

そういうわけで入浴と睡眠はセットで考えましょう。


また、気持ちを安定させる方法のひとつに生活のリズムを安定させることが挙げられます。
不規則な生活は気持ちをも不安定にしますからね。

できれば毎日同じような時間に入浴して、同じような時間に入眠すると良いでしょう。



2.38~40℃のぬるめお湯で15~20分間


入浴には言うまでもなくリラックス効果があります。

熱いお湯は逆効果になりますから、ぬるめ(38~40℃)のお湯でシャワー浴ではなくじっくり浴槽浴に浸かって15~20分間

時間を長めに設定しているのは、ぬるめのため時間が短いと体が温まらないことと、リラックス効果をしっかりと得るためです。

でも20分間はさすがに長いので、体に負担を感じるようなら半身浴にしたり、「10分+10分」の2回に分けた分割浴でも良いでしょう。

入浴中、あるいは入浴後に簡単なストレッチを取り入れるとさらに効果が見込めます。


また、更年期障害の入浴剤としてクラリセージのアロマ精油が有名です。

数滴湯船に垂らすだけ。

クラリセージはハーブ系の香りで心を落ち着かせる効果がありますので、苦手な香りでなければ試してみると良いでしょう。



3.キーワードはオキシトシン?


更年期障害の症状にほてりやのぼせ、発汗があると言いましたが、これは「ホットフラッシュ」といって局所的に大量の汗が出る多汗症に似た症状で別名「更年期の多汗症」とも呼ばれています。

多汗症もまた体温調節中枢のある視床下部のみならず、その上位である大脳辺縁系に問題があると考えられ、そのため情動が不安定なために発汗する精神性発汗が汗の主体となっています。

『【入浴】 「多汗症」の入浴法 ~情動の安定をはかる~』 参照


そのせいか、更年期障害と多汗症は共通している部分が多いと考えられます。

多汗症との違いがあるとすれば、その原因が更年期であるということ。エストロゲンの減少ですね。

減少する女性ホルモンであるエストロゲンは更年期である以上、自分で増やすことはできませんが、このエストロゲンの働きを助け、かつエストロゲンの働きに類似したホルモンなら自分で増やすことは可能だと言われています。

そのホルモンとは「オキシトシン」

オキシトシンは視床下部で産生される別名「幸せホルモン」とか「愛情ホルモン」と呼ばれる神経伝達物質のひとつで、大脳辺縁系の情動を司る扁桃体に作用してストレスを打ち消すと考えられています。

しかもストレスを抑えるどころか幸福感を感じ、心拍や血圧を調整し、骨や筋肉の形成にも関与しているというから、まさにエストロゲンの代わりです。

オキシトシンはスキンシップで増えるので、好きな人と一緒にお風呂に入ると効果があるかもしれません。いや冗談抜きで。

また、先に述べたアロマ精油なども自分に合った物であればオキシトシンが増えると考えられています。要は幸福感が得られるような入浴タイムにすれば良いわけです。

 

関連記事

『症状別の入浴法』


 

【入浴】 「多汗症」の入浴法 ~情動の安定をはかる~


ヒトは体温調節をするために汗をかきますが、必要以上に汗をかく症状を「多汗症」といいます。

多汗症は入浴によって治療はできませんが、ある程度は発汗を正常化することが可能だと考えられています。



◆温熱性発汗と精神性発汗


ヒトが発汗するのは体温を維持するため。

そのため汗腺は交感神経が支配しています(副交感神経の支配は受けていない)

というのは、例えば激しい運動や戦闘を行ったときは緊張状態にありますから交感神経が優位になっていますよね。
激しい動作を伴いますので体温は上昇します。このまま放っておくとヒトは体温が42℃以上になり機能不全、死に至ります。

そうならないために発汗をして体温を下げるのが温熱性発汗(体温調節性発汗)

というわけで、発汗は交感神経が優位な場合に起きます

交感神経が優位になると発汗するので、体温の上昇とは関係なく緊張している時も汗をかきます。

この緊張や不安、ストレスで起こる発汗を精神性発汗といいますが、局所性多汗症の多くはこの精神性による発汗の異常が原因だと考えられています。

局所性多汗症というのは、多量に発汗する部位が限られているもので、手のひらに多く発汗がみられるのは「手掌多汗症」、足裏に多く見られれば「足蹠多汗症」、脇に多いのは「腋窩多汗症」と分けて呼んでいます。


まれに全身が多量に発汗する全身性の多汗症もありますが、これらはその裏に更年期障害や甲状腺障害、糖尿病、結核、その他に薬剤の副作用などが原因となっている場合が多いようです。

このような原因がはっきりしている続発性の多汗症であれば、対処法は自ずと決まってきますが、問題は局所性多汗症の場合。

一応は自律神経の失調である可能性が高いものの原因ははっきりしていません。

201672020957.png



◆入浴法のアプローチ


入浴法のアプローチとしては

・「汗腺機能を鍛える入浴法」
・「脳への血流を良くする入浴法」


の2通りが考えられます。

自律神経のバランスが乱れているために体温調節機能上手く働いていないとするならば、汗腺機能を鍛えることで改善が期待できます。

汗腺機能を司っているのは視床下部の体温調節中枢です。
外気温の変化は皮膚に存在する温受容器で感受し、その情報は体温調節中枢に伝えられます。
また、体内の深部温の変化は、視床下部にある温度感受性ニューロンで感受し、その情報も体温調節中枢に伝えられます。

体温調節中枢は、この内外から伝わる温度情報を統合して処理され発汗を誘発します。

汗をかくべき時に汗をかく。この当たり前の生理反応が弱いと汗腺機能が衰退し、能動汗腺(働いている汗腺)の数は減少してしまいます。

能動汗腺が減少していると、全身の汗腺で汗をかかないぶん、 体の一部分だけに大量の汗をかいてしまう現象が起きてしまいます。

このような体質の人には汗腺機能を鍛える入浴法が有効です。

しかし、局所性多汗症のようにみえるこの症状は、本当は「能動汗腺衰退症」と呼ばれ多汗症とは違います。

ただ、汗腺機能が低下しているために多汗症だと勘違いしているケースも多いようなので、一度は汗腺機能を鍛える入浴法を試してみる価値はあるでしょう(ちなみに、これはふだん汗をかく習慣のない人、運動不足の人にも有効な入浴法です)


もし汗腺機能に問題がないとすれば別のアプローチが必要で、それが脳への血流改善です。

それでは、「汗腺機能を鍛える入浴法」と「脳への血流を良くする入浴法」をそれぞれ紹介します。



◆「汗腺機能を鍛える入浴法(1)」手足高温浴からの半身浴


多汗症に悩んでいるからといって汗をかかないようにと水分の摂取を控えるとか、制汗スプレーなどで汗を止めたりするのは多汗症にとっては逆効果になると考えられています。

汗腺機能が正常に働いていないのであれば、汗を抑えるのではなく汗腺を鍛えて正常に戻すことが重要。

ということは、汗をかくべき時はしっかりと汗をかいて体温調節機能の役割を果たさせる必要があります。


汗腺機能を鍛える入浴法として知られているのは「手足高温浴」

手足高温浴とは、43~44℃の高温のお湯が腰のあたりまで少なめに張られた浴槽に、両手の肘から先と下半身だけ浸す入浴法です。
パッと見、土下座をしているような姿勢になります。

顔はうつむかないで上げて下さい。
この姿勢が辛い場合は、浴槽用のイスを入れて腰かけながらするのもよいでしょう。

時間にして10~15分間。かなりの発汗量になると思います。

この手足高温浴の目的は3つ。

1)手や足は局所性多汗症に多くみられる発汗部位になるので、ここの汗腺を刺激すること。

2)43~44℃だけに全身から汗が出ますが、これは全身の汗腺を働かせること。

3)かいた汗が蒸発することで気化熱を奪って皮膚温が低下し体温が調節されますが、ここまでが本来の汗腺機能の役目ですからね。そこまでしっかり働かせること。お湯が高温であるにもかかわらず10~15分間ものぼせることなく入っていられるのは、手足以外がお湯に浸かっていないためにかいた汗が蒸発できるから。


ただ単に汗をかいてもダメなんですね。

そして、そのあとに、浴槽にお湯を足し、37~39℃の微温浴で半身浴をします。

これは手足高温浴で優位になっていた交感神経を副交感神経に切り替えるため

全身浴より半身浴が有効な理由は、やはり汗腺機能を鍛えるため。体温調節としての汗腺機能の役割は「汗が蒸発して気化熱で体温を調節するまで」が1セットですからね。

頭から手、腋を含む上半身からかいた汗が蒸発するまでを実践することで本来の働きを取り戻すことが目的です。

こうして手足高温浴で交感神経を刺激し、半身浴で副交感神経優位に切り替えることで自律神経のバランスも整えられます。



◆「汗腺機能を鍛える入浴法(2)」入浴後のケア


入浴後は体をタオルで軽く拭き(水分を完全に拭こうとしない)、ゆっくりと汗が蒸発して体温が下がるのを待ちます。

暑い時はうちわで扇ぐのも良いでしょう。ただし、冷房を使って一気に体を冷やすと、せっかくの汗腺トレーニングが無駄になってしまいます。

皮膚表面の温度が下がることで一時的には汗はひきますが、体内(脳内)の深部体温は高いままなので再び体温調節中枢が働いて汗が出てきます。

ゆっくりと汗が蒸発して体温が下がるのを待つのは、体温調節中枢が正常な判断ができるようにするためです。



◆「脳への血流を良くする入浴法」


局所性多汗症の発汗は温熱性発汗(体温調節性発汗)よりも精神性発汗であることの方が多いもの。

この精神性発汗が温熱性発汗と生理的に違うのは、視床下部だけでなく大脳辺縁系が関与しているということ。

そして、手足以外から発汗するのが温熱性発汗であるのに対して、手足に発汗が多いのが精神性発汗の特徴です。

精神性発汗に大脳辺縁系が関与しているのは、辺縁系には情動に司る扁桃体が存在するからで、視床下部は辺縁系の影響を受けて作用します

「情動」とは喜怒哀楽の感情で引き起こされた行動のこと。

体温調節中枢も汗腺機能も自律神経の制御やホルモンの分泌も全て視床下部の役目ですが、その上位である大脳辺縁系で統合された指令が視床下部を制御しています。

つまり、大脳辺縁系は視床下部の上司みたいなもの。
自律神経のバランスは情動によって左右されるのはそのためです。

これでもうお分かりになるかと思いますが、局所性多汗症が精神性発汗の異常によるものだとすれば、いくら汗腺機能を鍛えても効果は期待できず、情動の安定が必須条件になります。

そのためには視床下部や大脳辺縁系に血流と脳脊髄液の循環を改善すること。


入浴法としては「脳への血流を良くする入浴法」が求められます。

脳への血流が悪いとめまいなどの症状が表れますが、実際に多汗症にはめまいを併発することが認められています。

首こりや肩こりがあると脳への血流は悪くなりますので、首や肩にこりがある場合は先にこれを改善しましょう。


『【入浴】 「めまい」の入浴法 ~耳の血流UPとストレス発散~』 参照

『【入浴】 「肩こり」の入浴法 ~炭酸ガス系の入浴剤やアロマで効果的に改善~』 参照


脳脊髄液を増やすには、日常生活においては十分な水分補給睡眠が不可欠だと言われています。
入浴法としては安眠へと繋がるような入り方をすることが求められます。


『【入浴】 「不眠症」の入浴法 ~就寝の1~2時間前に入浴する~』 参照


また、情動を司る扁桃体にはオキシトシン受容体が多く、オキシトシンはそこに作用して、扁桃体で生じる恐怖や不安を打ち消すという研究報告があります。
オキシトシンとは視床下部で産生される別名「幸せホルモン」とか「愛情ホルモン」と呼ばれる神経伝達物質のひとつです。

そこで、このオキシトシンが増えるような入浴法が望まれますが、浴槽に好きなアロマ精油を数滴垂らすと効果があると考えられています。

好きな人と一緒にお風呂に入るのもいいらしいですよ。要はスキンシップですね。

あとは、入浴中にストレッチリンパマッサージを行うとさらに効果が期待できるようです。

オキシトシンが十分に分泌されると、心理的・精神的ストレスを緩和し、身も心も満たされたような気分になるので大脳辺縁系の状態が安定し、それが多汗症にも良い影響を与えるのではないかと推測されます。
 

【入浴】 「水虫」の入浴法 ~足の洗い方と効果的な足湯法~


女性にも増えてきているという「水虫」

感染してもかゆみが出ない場合もあるが、進行すると「かゆみ・水ぶくれ・皮向け」などの症状が表れ、放っておいても治ることはないと言われていますので必ず治療を受けましょう。


水虫は「白癬菌(はくせんきん)」というカビが、皮膚の角質層に侵入し繁殖して起こります。

角質層を構成しているケラチンが白癬菌の栄養源で、繁殖スピードはとても早く、肌のターンオーバーのサイクルよりも早いので、古くなった角質から共に自然といなくなることはないと言われています。

しかも、角質層には白血球がいないので、いくら免疫力を高めても角質に潜む白癬菌を退治することはできないとのこと。
つまり自然治癒は無理だということになります。



2016629163645.jpg


◆入浴上の問題リスト◆


#1 症状が進行してかゆみ・水ぶくれ・皮向けに及ぶリスクがある
#2 家族に感染するリスクがある
#3 治癒後に再発するリスクがある



水虫は大きな病気になることはありません。
しかし日常生活に影響しますので、しっかりと治療と予防しましょう。
治っても再発率が高いのが水虫です。最終的には予防するための足の洗い方を身に付けることが求められます。

気になるのは、その感染力の高さゆえ、入浴でもうつるのか?ということですが、入浴で感染することはありません
家族の中で「水虫の人が最後に入浴しなければならない」ということもありません。
ですが、バスマットやタオルの共有を介して感染しますので感染リスクの除去に努めましょう



◆入浴法◆


<入浴上の問題>#1 症状が進行してかゆみ・水ぶくれ・皮向けに及ぶリスクがある

<入浴目標> 効果的な足浴と水虫外用薬ケアができる



汗を多くかく人は、それだけで水虫になりやすいので、しっかりと入浴か足浴(足湯)で清潔を保って下さい。

ここでは効果的な足浴(足湯)について紹介します。


白癬菌は角質層に侵入しているので、角質を削るのは有効だとと言えますが、傷口から侵入を許してしまいかねないので、削るよりも足湯に重曹を入れてこすり洗う方をお勧めします。

重曹には、タンパク質を分解するという特徴があるので、古い角質を分解する効果が期待できるんです。

洗面器でする足湯なら小さじ1杯程度で十分です。

足を浸す時間は10~15分。

問題はお湯の温度。

ぬるめの湯を推奨している所もありますが、カビの生育可能温度の領域は0~40℃ですので、理論上は40℃以上で白癬菌が死滅することになります。

ですので、なかには「40℃以上で死滅する」と謳っているところもありますが、菌が入り込んでしまっている状況では理論通りには死滅しません。

41~43℃くらいのお湯で毎日足浴(足湯)をすることで、水虫を予防したり進行を抑制するつもりで行うのがよろしいかと思います。


重要なのは入浴後の水虫外用薬ケア

入浴後は足の裏の皮膚(角質含む)は水分を含んでいるので柔らかくなっています。

薬の成分が奥まで浸透しやすい状態になっているので、水虫外用薬を塗るには入浴後が絶好です。

なお、水虫外用薬を塗り終えたら手をしっかり洗いましょう。
手に感染して「手白癬(手の水虫)」になる可能性があるからです。



<入浴上の問題>#2 家族に感染するリスクがある

<入浴目標> 感染のリスク要因は除去し、清潔を保つ



水虫はお風呂に入って他人にうつるものではありませんが、バスマットやタオルの共有にて感染する場合がありますので、常に清潔を保ちましょう
特にバスマットなど湿度の高い所は菌が繁殖しやすいので使用したら毎回洗濯をする必要があります。

ちなみに同じ洗濯槽で他の洗濯物と一緒に洗っても大丈夫です。
ただしよく乾燥させて下さい。

こまめな浴室の掃除も重要です。

入浴後はしっかりと足を乾かし、家の中でも裸足で歩かないようにします。
靴下を履く場合は毎日履き替える。スリッパを履く場合は個人用のものを使用するなどの工夫が必要です。


きちんと手洗いをすることも大切です(手白癬の予防)

感染予防のキーワードは「清潔」「乾燥」「共有しないこと」です。



<入浴上の問題>#3 治癒後に再発するリスクがある

<入浴目標> 正しい足の洗い方をして予防する



水虫外用薬は毎日継続的に続けることが大切です。
途中でやめることがないようにしましょう。症状が治まっても白癬菌を完全に退治しないと再発します。

水虫の再発率は50%と言われています。
2人に1人ですから結構高い確率だとも言えますが、再発する人の多くは途中で治療をやめているか、治ったとしてもそれ以降清潔を保っていなかったりしていることが原因と考えられていますので、しっかりケアをする習慣があれば予防できます。

完治後、再び白癬菌に感染したとしても感染が成立するまでに最低24時間かかると言われています。毎日入浴する習慣があり、しっかりと足を洗っていれば水虫になることはありません(ただし足の皮膚に傷がある場合は12時間と言われている)

そこで足の洗い方ですが、特に足の指と指の間は丁寧に洗いましょう


手順を紹介します。

1.まず足をお湯で洗って汚れを落とす

2.石鹸をしっかり泡立てる

3.足を洗うときはナイロンタオルや軽石を使用しない。またゴシゴシしない(皮膚に傷がつくとそこから白癬菌が侵入するから)

4.足の指と指の間だけでなく、足の裏、爪の中にも白癬菌が付着するので念入りに洗いましょう

5.お湯で綺麗に洗い流す

6.風呂上りはしっかりと拭いて乾かす(この「乾かす」ことが大事です)




◆おすすめのアロマバス◆


アロマの精油には抗真菌作用を持つものがあり、水虫対策としては基本的にこの抗真菌作用のある精油が有効です。

抗真菌作用のある精油は、
カモミール・ジャーマン 、カモミール・ローマン、ゼラニウム、ティートゥリー、ニアウリ、パチュリー、パルマローザ、フランキンセンス、ラベンダー、レモングラス など(アイウエオ順)

水虫が治りにくい理由は、白癬菌が寄生している角質層は生組織ではないので免疫細胞が存在しないこと、また白癬菌を外用薬で退治しようにも、角質層の役割は異物からのバリア機能なので角質層の奥深くに逃げ込んだ白癬菌にまで届かないことなどが挙げられます。
それに対し、精油が水虫に対して有効だと考えられる理由として、精油は脂溶性であり、すんなりと角質の奥の細胞にまで浸透できる点にあります。

お勧めは精油を垂らした足浴(足湯)です。

ただし先に忠告しておきますが、抗真菌作用のある精油に頼るよりも大事なこと。それはしっかりと足を洗うこと。抗真菌作用があるといってもそのうち耐性ができてしまうことも考えられます。
そして足浴後は清潔な乾いたタオルで水分をよくふき取ること、もしくは水虫外用薬でケアをすることが大切です。

 
アロマバス(足浴)の例


軽度の水虫の場合には<42℃のお湯で20分間>
 植物油(キャリアオイル)や天然塩など基材となるもの 少量
 パルマローザ 3滴
(短期間のパルマローザによる足浴で白癬菌が100%除菌できたという研究報告がある。主成分のゲラニオールは抗真菌作用だけでなく、皮膚の収れん作用もある。バリア機能が低下した肌に出番の精油)
※ゲラニオールには子宮収縮作用があるため妊娠中の使用は避けて下さい。


さて、かゆみが強いときの足浴法ですが、精油を混ぜる基剤として重曹を活用しましょう。

重曹の性質についてはすでに述べていますが、重曹には角質を落とす作用があるので精油の成分が角質の奥に届きやすくなるからです。
ただし、重曹に長時間浸けると、古い角質だけでなく若い角質まで傷つけてしまう恐れがあるため、足浴は15分以内にする


かゆみが強い場合は<41~43℃のお湯で15分間以内>
 重曹 小さじ1
 ティートゥリー 2滴
 ラベンダー 2滴

 (ティートゥリーには抗真菌作用に加え、かゆみを抑える作用がある。ラベンダーにはかゆみによる不快感を鎮める作用がある)


ジクジク趾間型の水虫には<41~43℃のお湯で15分間以内>
 重曹 小さじ1
 ティートゥリー 2滴
 フランキンセンス 2滴
 ミルラ 1滴

 (抗炎症作用、免疫強壮作用、細胞成長促進作用、瘢痕作用の組合せ)
 ※瘢痕(はんこん)作用とは傷あとを綺麗に修復する働きのこと。趾間型の水虫は症状が悪化すると水疱ができたり皮がむけたりするので、細胞成長促進作用や瘢痕作用のある精油をブレンドすることが望ましい。



(最終更新日:2019/10/2)


関連記事
『症状別の入浴法』