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2019年07月

【入浴】 「坐骨神経痛」の入浴法 ~冷えと血流の改善を優先する~

温泉に行くと効能に「神経痛」と記されているのを目にしたことはありませんか?

神経痛といえば温泉が有効だというイメージがあるかと思いますが、
それにはちゃんとワケがあるんです。

神経痛のなかでも多いのが「坐骨神経痛」

ちなみに坐骨神経痛は病名ではなく症状です。

坐骨神経とは、腰からお尻、太ももの裏を通って 足の指先にまで伸びている神経です。

この坐骨神経が圧迫されることで、お尻から脚にかけて痛みやしびれが出る症状です。

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骨神経痛の原因で若い人に多いのは「腰椎椎間板ヘルニア」

高齢者になってくると「腰部脊柱管狭窄症」が多く、また変形性腰椎症帯状疱疹などが原因で坐骨神経痛が起きる事もあります。

坐骨神経痛の治療は対症療法がメインとなっています。
坐骨神経痛は病気ではなく症状ですから、病気の原因そのものを取り除くのではなく、痛みやしびれを緩和する治療が行われるんです。

冷えと血流の悪さが原因で痛みを感じることが多いそうなので、冷えの改善血行促進が基本的なケアとなります。

それで温泉が有効な手段になるのでしょうね。

温泉に入ることで血流が良くなり、痛みを感じる部位へ酸素や栄養素が運ばれますし、筋肉や関節をほぐすことにもなります。

ところで、坐骨神経痛は泉質を選びません。
冷えと血流の改善が目的なので、どの温泉でも効能に「神経痛」があるのはそのためです。

そういうワケですから、家庭の入浴でも同様な期待ができます。


1.40℃前後 15~20分

神経痛には身体を温める(特に患部)必要があるので、40℃前後でしっかり15~20分

最初はぬるめの湯に浸かり、徐々に温かくすると刺激が少なくて済みます。


2.湯船用の腰掛を使用する

神経痛の原因が腰椎椎間板ヘルニアによる場合は、前かがみになると痛みが出ます。

浴槽で体育座りになると痛みが強く出るような場合には、湯船用の腰掛を使用して姿勢を正しながら入浴してみてはいかがでしょうか。


3.浴槽に塩を入れる

温泉の泉質はどれでも坐骨神経痛には有効ですが、温まることを優先するのであれば炭酸泉食塩泉がおすすめでしょう。

家庭の風呂では、塩をひとつまみ浴槽に入れれば塩湯になり、入浴後も体温が下がりにくいという効果が得られますよ。

ついでにストレッチで筋肉や関節をほぐすとより効果が期待できます。


なお、当センターの漢方「励明薬湯」も神経痛にはおすすめです。

血行促進の当帰(トウキ)、冷え改善の茴香(ウイキョウ)、鎮痛効果の芍薬(シャクヤク)などが含まれていますから、ぜひお越しの際にはお試しください。


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『症状別の入浴法』

 

【入浴】 「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」の入浴法 ~口すぼめ呼吸でゆっくりと~


別名「タバコ病」とまでいわれる慢性閉塞性肺疾患(COPD)

近年急増中の注意すべき疾患です。

タバコを主とする有毒粒子やガスの吸入が原因となります。
COPD患者の9割が喫煙が原因とも・・・





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肺気腫(肺胞壁が破壊されたために、肺胞が縮みにくく喚起障害を起こした状態)と慢性気管支炎をまとめてCOPDと呼んでいます。

通常、息を吐くときは肺胞が縮むことで吐けるわけですが、この疾患では肺胞が縮みにくく、また気管支炎のため気道が閉塞しているためにゆっくりでないと息が吐きにくいという特徴があります。

そのため、階段や坂道をあがったときに息切れを起こしやすくなります(労作性呼吸困難)



◆入浴上の問題リスト◆


#1 浴室や脱衣所が冷えている
#2 入浴中に息切れを起こしやすい


COPDは基本的に根本的な治療法はなく、症状を緩和する対症療法が主体とされています。
入浴においては、息切れや呼吸困難を起こさないようゆっくりとした動作で入浴することが重要です。



◆入浴法◆



<入浴上の問題>#1 浴室や脱衣所が冷えている

<入浴目標> 風邪予防ができる



COPDでは炎症により気管や気管支などの粘膜が傷ついているため、 風邪インフルエンザなどを起こす病原体に感染しやすいようです。

COPDの状態で感染すると症状はかなり増悪するはずですから、 浴室・脱衣所はあらかじめ暖かくしておいたり、 風呂上りにも湯冷めなどしないように気をつける必要があります。

また、感染症予防のために、入浴の際にはシャワーで口腔内をよくすすいだり、歯を磨くことも有効です。



<入浴上の問題>#2入浴中に息切れを起こしやすい

<入浴目標> 入浴方法を知ることで不安が軽減する



入浴中に息切れや呼吸困難を招かないことが最優先されます。

注意する点は
・熱い湯は危険(刺激になる)
・全身浴より半身浴(水圧は負担となる)
・長湯は負担になる(体力を消耗する)


具体的な入浴法は
・湯温は36~37℃
・湯船に浸かるのはみぞおちまで
・入浴時間は4~5分


あまり酸素を必要とするような状況を作らないよう、ぬるめ(36~37℃) の湯で短めに。

湯船に浸かるのはみぞおちまでにしておきましょう。

ただし体が温まらないまま上がると湯冷めしやすいので気をつける必要があります。


それから、 身体や頭を洗うときは、息切れをしないようにゆっくりと行う必要があります。

COPDには「口すぼめ呼吸」でゆっくりと息をはきながら行うことが有効と言われています。

また、安楽な姿勢を維持することも重要です。

前かがみになり、お腹を圧迫するような動作は息切れの原因となります。
高めのイスに座り、腕を高く上げないで行うと楽だということです。


ここまで読むと、息切れしないようにと動かない方が良いみたいに思われるかもしれませんね。しかし運動不足になり過ぎると心肺機能が低下してしまうらしいので、ウォーキングなどの適度な運動は必要でしょう。

いうまでもなく禁煙は絶対条件です。


(最終更新日:2017/05/17)


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『症状別の入浴法』

 

【入浴】 子どもの入浴法 ~「あせも」の場合~


あせもとは汗腺に汗がたまり炎症を起こした状態で、正式名称は「汗疹(かんしん) 」といいます。

頭やひたい、首、肘や膝の内側など汗の溜まりやすいところや、下着の締め付けているところに発症します。

代謝の良い乳幼児は特にあせもになりやすく、オムツかぶれもしやすいので注意が必要です。

あせもをかきむしってしまうと、肌に傷ができてそこから細菌が入り、「とびひ」にかかってしまうこともあるので、肌を傷つけないよう爪は短く切ってあげることも大切です。

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◆入浴の3大ポイント


「汗かきの人」はあせもになりやすく、あせもの予防法として「汗をかかないこと」とよく言われますが、これには少し誤解があります。

汗をかくことが問題なのではなくて、かいた汗をそのままにしておくことが問題なんですね。

汗は皮膚の中にある汗腺で作られ、導管(汗管)を通って皮膚表面に出てきますが、かいた汗を放置しておくと、皮膚の表面の汗や導管に詰まって皮膚内に貯留しや汗に垢や汚れが溜まることが「あせも」の原因ですからね。

むしろ汗をかいて導管に詰まった汗を出してしまった方が清潔です。

問題はその後。かいた汗へのケアです。

こまめに汗を拭くことはもちろんですが、シャワーを浴びることも有効です。

ですが、シャワー浴よりも浴槽浴の方が有効です。

ただし、正しい入浴法でないと逆効果になるので注意して下さい。


あせもに対する入浴法のポイントは3つ

(1) 清潔にする
(2) 刺激を避ける
(3) 保湿する


この3つを原則として守らなければいけません。

このポイントに沿って、「大人・小児」に対する入浴法と「赤ちゃん」に対する入浴法に分けて紹介します。



◆大人・小児に対する入浴法


3つのポイントに沿って説明します。

(1) 清潔にする

まず、入浴は就寝の数時間前に入ることが多いと思いますが、あせもを改善するのなら帰宅後早めの入浴をお勧めします。
かいた汗を放置しておく時間はできるだけなくしたいからです。

そしてシャワー浴より浴槽浴を勧めるのは、浴槽浴はいい汗がかけるからです。

ふだんから汗をかいている人は汗腺がしっかり機能しているが、汗をかく習慣のない人は機能する汗腺が少なくなります。
その状態で夏の暑くて体温が上がったときには、汗が限られた汗腺から一気に吹き出すので汗がつまりやすい。これが悪い汗。

それに湯船に浸かると皮膚の末端まで血流が良くなります。
酸素と栄養が供給され老廃物が排出され、傷ついた皮膚の細胞が修復されますし、新陳代謝が活発になるので古い細胞から新しい細胞へと肌のターンオーバーサイクルを活性化することにもなります。


(2) 刺激を避ける

体温が上昇すると症状が悪化します。
そのためお湯の温度は38℃前後を適温とします。

体を洗うときはゴシゴシ洗わない。当然のことですが、肌を傷つけることは炎症の原因となります。


(3)保湿する

入浴後は化粧水や保湿クリームを使用してしっかり保湿しましょう。

肌の水分が失われ乾燥すると、肌のバリア機能が低下してこれまた炎症の原因となります。

そもそも保湿ができていればあせもにはなることは少ないです。



◆赤ちゃんに対する入浴法


赤ちゃんはいろいろと未熟な部分が多いので、その点を注意する必要があります。

(1) 清潔にする

赤ちゃんがあせもになりやすい理由の一つに「自分で汗を拭けない」ことが言えます。

そのため赤ちゃんの汗に対するケアをまめに対応してあげなければなりません。

入浴は汗を流す良い方法ですが、1日に何度も入浴するとその度に皮膚表面の角質が失われていきます。

1日に複数回入浴するのであれば、1回あたりの入浴時間を5~10分間と短めにすると良いでしょう。


(2) 刺激を避ける

赤ちゃんの肌は敏感です。お湯の温度は夏でも38℃にしましょう。

あせもができている部位を冷やしてあげようと冷水をかけるのは危険です。
赤ちゃんは体温調節も未熟なので冷水によって体温が下がってしまう可能性があるようです。

赤ちゃんは肌バリア機能も未熟。
そのため入浴剤も特別必要ありません。発汗作用のある入浴剤やメントール系は赤ちゃんにとっては刺激が強すぎます。

あせも対策ならば、よもぎ風呂、桃の葉風呂、どくだみ風呂、びわの葉風呂といった天然由来成分のあるものにしておきましょう。

肌が弱いので、使用する石鹸はベビー用石鹸(界面活性剤や香料が入っていない)かアトピー用石鹸が刺激が少なくてお勧めです。

泡立てて手のひらでなでるように洗って下さい。
泡は残らないようにしっかりすすぎましょう。シャワーを当てすぎると皮脂が落ちてしまうという意見もありますが、皮脂はまた分泌されます。それよりも古い皮脂を残していたりすすぎ残しがあると肌トラブルの原因となります。

最後はタオルを当てるように水気を取ります。タオルは吸水性よりも肌触りの良い物(刺激が少ない物)を使用しましょう。


(3) 保湿する

入浴後のスキンケア製品は、なるべく無香料や無着色といった無添加の物を使用しましょう。

ベビーパウダーは導管(汗管)を塞いでしまうのであせもには逆効果になる場合もあるそうです。
もともと予防用ですからね。使用するときはしっかり肌を乾かしてからにして、つけ過ぎに注意しましょう。



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『「子育て」としての入浴法』

『子どもの症状別入浴法』

【入浴】 子どもの入浴法 ~「プール熱(咽頭結膜熱)」の場合~


夏に流行する夏風邪のひとつ「プール熱(咽頭結膜熱)」

アデノウイルスによる急性の感染症で、主に6月~8月にかけて子どもを中心に流行します。
流行のピークが夏場であり、プールを介しての感染が多いことからプール熱と呼ばれていますが、ウイルスが原因ですので夏以外でも感染することがあるのが特徴です。

アデノウイルスは感染力が強く、子どもから大人に感染する場合もあり、大人にとっても注意が必要な感染症だと言えるでしょう。

主症状は咽頭痛(のどの痛み)、結膜炎(目の充血)、発熱なので、「咽頭結膜熱」とも呼ばれています。


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◆プール熱の特徴

【感染様式】 飛沫感染、接触感染

【潜伏期】 5~7日間

【好発年齢】 幼児~学童

【症状】 発熱、結膜炎(目の充血)、のどの痛み




1.お風呂には入れるのか?



入浴できるかどうかの判断ですが、高熱の場合は入浴は無理ですが、微熱程度の場合は元気があるかどうかで判断しましょう。

熱でフラフラしたり、食欲がないような場合は控えた方が良いでしょう。
元気があるようならお風呂でサッパリして、しっかりと睡眠する方が好ましい場合もあります。

ただし、入浴も体力を消耗するので長湯はいけません。

なにより湯冷めをしないように気を付けることが一番重要です。

入浴後は水分補給することも忘れないようにしましょう。



2.お風呂で感染するのか?



「プール熱」と呼ばれるように、衛生状態の悪いプールの水を介して、口や鼻、目に感染するので、お風呂でも感染する可能性はあります

そのため、他の家族にうつらないように、お風呂はシャワー浴を勧めるところも多いようです。

もし、浴槽浴をするのであれば入浴の順番を最後にすると良いでしょう。

それよりも、タオルやバスタオルの使用は共有しないようにする方が感染予防になります。
使いまわしをすると、間接的にうつる可能性があるからです。

衣類などに付着したインフルエンザウイルスの生存期間が8~12時間なのに対して、アデノウイルスは8~10日間生き続けるとも言われています。

これでは洗濯したくらいでは死滅しませんね。洗い流すという感じです。
それだけアデノウイルスの感染力は強力だということが分かります。

また、石けんの共有も感染する場合があるようです。




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『「子育て」としての入浴法』

『子どもの症状別入浴法』

【入浴】 子どもの入浴法 ~「ヘルパンギーナ」の場合~


夏かぜのひとつ「ヘルパンギーナ」

ヘルパンギーナは夏に流行する急性の咽頭炎で、子どもに多いので「子どもの夏かぜ」として知られています(大人もかかります)


一般的な症状としては、突然の発熱から喉が痛み、食事が飲み込めない場合があるようです。

ウイルス性の感染症で、病原体はエンテロウイルス属(コクサッキーウイルス、エコーウイルスなど)で、熱は2~4日で治まるとされていますが、まれに重症化してしまう病原体です。


夏のエンテロウイルスによる感染症は他に「手足口病」などがあります。

一般にウイルスといえば冬場の低温乾燥の環境を好むものですが、エンテロウイルスは夏に好発するだけあって、高温多湿の環境を好むのが特徴です。

そのため、1997年にアメリカの医師によってエンテロウイルスとの関係性が分かるまで ヘルパンギーナはずっと慢性疲労症候群と呼ばれ原因は不明とされていました。

原因が分かってからまだ日が浅いため、効果的な治療法や薬はまだ確立されていないようです。



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◆ヘルパンギーナの特徴

【感染様式】飛沫感染、接触感染

【潜伏期】2~4日

【好発年齢】乳幼児

【症状】発熱、咽頭痛、口内炎、水疱





◆入浴法しても良いのか?


一般的なかぜであれば入浴しても問題がなく、発熱をしているかどうかよりも、子ども本人が元気かどうかで判断することが多いものです。

しかし、ヘルパンギーナの場合は、子どもの体力は確実に落ちていると考えられるので入浴は控えた方がよいでしょう。
せめてぬるめのシャワーで清潔さを保つのが無難です。

入浴は熱が下がり水疱がなくなってからにしましょう


また、入浴で他の家族に感染するかといえば、湯船では感染はしませんが飛沫感染や間接的な接触感染の可能性はあります。

一般のかぜでは高温多湿の浴場で感染することはありませんが、エンテロウイルスは高温多湿を好むという点で注意が必要です。

入浴できるようになっても、他の家族全員が入浴し終えてから最後に入浴させると良いでしょう(シャワー浴の場合でも)

また、タオルやバスタオルの共有も控え、入浴後は湯冷めさせないように注意してあげて下さい。



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『「子育て」としての入浴法』


『子どもの症状別入浴法』

【入浴】 「変形性膝関節症」の入浴法 ~温熱下膝ストレッチング訓練が有効~

膝の痛みとして最も多い疾患「変形性膝関節症」

ひざ関節の軟骨が擦り減ることで痛みが出る症状です。

原因ははっきりしていないようで、加齢肥満など膝への負担が増加することなどが考えられています。
また、女性に多いのも特徴です。

症状としては、初期段階では朝起きた時、立ち上がった時、歩き始めた時に痛みを感じ、
中期になると階段や正座が苦痛に感じるようになり、だんだん痛みの出る時間が長くなるようです。
最終的には膝の変形が目立つようになり、歩行困難に至ることも。

いずれにしても、これらの症状はADL(日常生活動作)が低下する原因となっています。

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さて、変形性膝関節症の治療法といえば「保存療法」と「手術療法

保存療法には薬物療法の他に「生活指導」や「装具療法」などがあります。

生活指導とは、例えば肥満の人であれば減量への取り組みを指導することなどがそうです。


実は温熱療法もまた保存療法の一つであると広義で解釈できると思います。

膝に腫れや熱がある時は患部を冷やす必要がありますが、そうではない時は関節周りを温めることが有効になるからです。

関節を冷やしてしまうと筋肉や腱がこわばりますので、より関節や筋肉が硬くなります。

ですから、入浴によって患部を温めてやることは、血行が良くなり患部周りがほぐれ、痛みが和らぐのでとても効果的な療法だといえます。

また、朝にこわばりが強くなる場合もあるかと思いますが、それは関節痛の特徴として、関節内に水が溜まることで腫れたり炎症を起こしていると考えられていて、日中に動いている間に楽になってくるのは血流が良くなって水が血液に流れ出ることで腫れが引いたり、炎症による発痛物質が流れていくからです。

このような観点からも血流を促進する入浴は効果が期待できます。
 


1.湯温は38~39℃ 半身浴・部分浴でも可

38~39℃程度が妥当。熱いと患部を刺激するので、それは避けて下さい。

膝関節周り温めることが目的なので、半身浴でも可。部分浴でも効果が期待できます。

入浴以外では、温湿布ホットパック温めたタオルを使うのも温熱療法になります。



2.ぬるい温度の炭酸浴が効果あり


「お風呂に入ると悪化するよ」と言う人には炭酸風呂を試してみると良いかもしれません。それもぬるい温度で。

ある程度温まらないと通常は血流が良くならないものですが、炭酸浴の場合は低温でも血流が増加します。

軟骨細胞は関節液から酸素と栄養をもらっていて、酸欠になると軟骨は減少してしまいますが、炭酸浴は酸素の供給を促しますので関節炎や関節痛の治癒に効果があるという研究報告があります。

一般的な家庭の浴槽で炭酸浴をする場合は、浴槽のお湯に「重曹を大さじ3杯、クエン酸を大さじ2杯」入れると炭酸風呂になります。



3.温熱下膝ストレッチング訓練

温熱療法のほかに運動療法もまた、軽症から重症までいかなる重症度にも有効な手段です。

運動療法は膝関節を支えている筋肉を鍛えることで膝への負担が軽減されることが目的です。

しかし、発症前の予防法としてならともかく、痛みが増してしまってからだと運動も難しくなります。

また、運動の結果、膝関節周囲の筋肉を痛めて、そこがトリガーポイント(引き金箇所)となって膝が痛いと感じている症例もあるそうです(トリガーポイントは太ももだったりふくらはぎだったり、人によって違ってくるそうです)
 

そこで温熱療法を組み合わせた運動療法「温熱下膝ストレッチング訓練」です。

浴槽のなかで運動することで膝への負担をいくぶん軽減できますし、トリガーポイントがある人はそこの筋肉の血流を改善することで膝への痛みを緩和することが期待できます。

まず、入浴し膝関節周りを温めて柔軟性を向上させます。

それから浴槽の中で膝に痛みのない範囲で屈伸運動を行います。

15~20秒間続けて膝の屈曲と伸展(屈伸運動)すること5回、これで1セットとし、
1日1~2セット行うという治療プログラム
がありますので、
興味のある人は無理のない程度で試してみて下さい。


また、水中ウォーキングも浮力で膝に負荷がかかりにくい運動としてオススメですよ。



(最終更新日:2017/06/23)


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『症状別の入浴法』

 

【入浴】 「ものもらい」の入浴法 ~アイメイクにご用心~

誰しも一度は経験があるのではないでしょうか「ものもらい」

目がゴロゴロして不快ですよね。
自分の場合、大概そのうち勝手に治っていたものですが、ものもらい用の目薬を買ったこともあります。

今思えばコンタクトレンズが原因だったかもしれません。

女性の方はアイメイクが原因でものもらいになることが多いようです。

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ものもらいには、「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」と「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」の2種類があります。

霰粒腫は、まつ毛の根元の内側にあるマイボーム腺(脂を分泌している器官)が詰まることで発症するものもらい。

通常、マイボーム腺から出る脂は、表面に油層を作って涙の蒸発(ドライアイ)を防いでいます。

だからマイボーム腺が詰まるとドライアイにも関係してきます。

アイメイクなどがこの腺の出口を塞いでしまえば、脂の分泌がうまく働きません。

アイメイクとコンタクトを両方使用している人は、ものもらいやドライアイになりやすいのではないでしょうか。

麦粒腫は、まぶたの表面の細菌などが原因で発症するものもらいです。赤く腫れて痒みや痛みを伴い、酷い場合は化膿します。


ものもらいに対する入浴法は以下のとおりです。


1.目を清潔に保つ

ものもらいに対しては、眼を清潔に保つことが基本。

なので、症状の程度によってはコンタクトの使用は禁止されています。

アイメイクはしっかり落とす。当たり前ですが。


2.シャワーで目を洗うだけでは不十分

また、まぶたは冷やすよりは温めた方が血の巡りが良くなり脂の分泌も円滑になります。

マイボーム腺が詰まりにくくなるので霰粒腫の予防や改善に入浴は効果的です。

しかしシャワーで目をすすぐだけではまぶたは温まりません

しっかりと浴槽に浸かり、まぶたと全身の血流をよくしましょう。


3.湯温は40℃ 10~20分

細菌による麦粒腫は炎症なので熱い湯は適していません。

免疫力を高めるような入浴をしなければならないので、
湯温は40℃
時間にして10~20分しっかりと温まって免疫力を高めましょう。

質の高い睡眠へ繋げることも有効です。


4.蒸しタオルを眼の上に当てる

痒みも痛みもない場合は、蒸しタオルを眼の上に当ててやると、
マイボーム腺が詰まりにくくなります。


ちなみにものもらいは感染症ではありません。それっぽい名前していますが・・・


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『症状別の入浴法』

 

【入浴】 「心不全」の入浴法 ~ぬるめ、浅め、早め~


心不全とは、心臓のポンプ機能の低下により血液の循環が不全になる状態のこと。

「心不全」という病名があるわけではなく、状態をあらわす言葉です。

血液循環が悪いため、全身の組織に十分な酸素が行き渡らず、また全身の血流が滞るためにうっ滞などが起こる症候群のことを指します。


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心臓には右心と左心がありまして、血液の循環はこのように流れていますよね。


心臓(左心) →(動脈)→ 全身 →(静脈)→ 心臓(右心) →(肺動脈)→ 肺(ガス交換) →(肺静脈)→ 心臓(左心)


これで1周。 

( ※肺動脈は名前こそ「動脈」ですが、流れている血液は静脈血です。肺静脈はその逆。ややこしい)


心不全には正確には右心不全左心不全がありますよね。


右心不全・・・心臓の全身から血液を受け取る機能が弱いため、静脈血がうっ血(血が滞る)した状態。

症状としては、足のむくみなどがあります。

左心不全・・・全身への心拍出量が低下しているため諸臓器の血流が悪くなっている状態。また、肺からの血流をも停滞させ、肺うっ血を起こす。

症状としては、呼吸困難、頻脈、チアノーゼ、尿量低下、血圧低下などがあります。
また、ピンク色の痰がでることも・・・




◆入浴上の問題リスト◆


#1 息切れを起こすことがあり、入浴に不安がある
#2 倦怠感があり、入浴が困難に感じる


心不全は心機能が低下している状態なので、入浴する時には心臓に負担がかからないよう、ちょっとした注意が必要です。



◆入浴法◆



<入浴上の問題>#1 息切れを起こすことがあり、入浴に不安がある

<入浴目標> 入浴中に症状が悪化しない



息切れや呼吸困難を生じることがあるので入浴が不安になる場合があるのではないでしょうか。

しかし、心不全にとって風邪をひかないようにすることは重要です。体を清潔に保ち、特に冬場は体を冷やさないようにして、風邪予防に努めるためにも上手に入浴を活用しましょう。

寒い季節は交感神経を刺激しやすく、それが血圧を上げたり心臓に負担をかけたりする原因にもなっては大変です。

少しでも入浴で体を温めて、楽になるようにしたいものです。


また、更衣や浴槽の出入りはゆっくり行うことも心がけましょう。
脈が早くなると心臓が疲弊しますからね。そのせいで呼吸が苦しくなるかもしれません。


洗髪する時は、前かがみになると心臓を圧迫しますので、姿勢には注意してシャワーを使用すると良いそうですよ。

また、サウナのある温浴施設ではサウナ浴をするのも良いでしょう。

浴槽浴は水圧がかかるので少なからず心臓に負担がかかりますから、少しでも呼吸が楽にできるという意味では水圧のかからないサウナ浴(または岩盤浴)は有効です。


なお、浴槽浴でもサウナ浴でも、入浴後は水分補給をしっかりと行って下さい。



<入浴上の問題>#2 倦怠感があり、入浴が困難に感じる

<入浴目標> 負荷をかけずに入浴ができる




まず、心臓への負担を少なくするため、動作間を30分程度空けるようにして、二重負荷がかからないようにしましょう。

例えば食後にお風呂へ入るのであれば、食後30分以上空けてから入浴するようにします。
仕事から帰宅した場合も、すぐにお風呂に入るのではなく30分待ってからにすると心臓に負担がかかりにくくなります。

そして、その間(入浴を待っている間)は、脱衣場と浴室内を暖めておきましょう(特に冬の寒い季節)

急激に血圧が上がったりすることがないよう、あらかじめ脱衣場や浴室内を暖めておくことは有効な方法です。

浴室内においても、入浴前にシャワーを出しっ放しにしておいたり、浴槽の蓋を開けておくなど、湯気で室内を暖めておくと良いですね。

要は温度差をなくすようにするということです。


入浴する際は、先にかけ湯をしましょう。
心臓から遠い場所からお湯をかけるようにします。


浴槽の温度は心臓にのかからない温度であることが重要です。
40℃前後が目安です。


心不全で呼吸が辛い時は、寝ているよりも座っている状態の方が楽である特徴があります。

深く浸かると肺や心臓に水圧が強くかかるので、浅めが推奨されています。

浅めでも長湯をすると負担になるので、10分以内に上がりましょう。

なお、起立性低血圧を起こしやすいので、出浴時には立ちくらみに注意してゆっくり立ち上がりましょう。



このように、心不全の場合の入浴は「ぬるめ、浅め、早め」が基本となります。
 



(最終更新日:2017/05/31)



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『症状別の入浴法』

 

【入浴】 「気管支ぜんそく」の入浴法 ~サッと入ってサッと上がる~


気管支が炎症を起こし気道が狭くなることで呼吸困難をきたす「気管支喘息(ぜんそく)」

ハウスダストやダニなどの吸入によるアレルギー性の疾患ではありますが、
気温や気圧の急激な変化によって体調が崩れることが引き金になって発症します。

季節の変わり目夜中から朝方にかけて喘息の発作が起きやすいのが特徴です。


『【健康】 秋に発症しやすい「気管支ぜんそく」』 参照


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◆入浴上の問題リスト◆
 
#1 入浴時に喘息発作が起こる
#2 入浴後に喘息発作が起こる
#3 水分不足による痰の粘稠度の増大
 
環境中に存在する抗原(アレルギーの原因となる物質)を除去することはアレルギー反応を抑制するうえで必須条件です。
また、急激な環境の変化にも反応しますので温度変化などに注意を払うようにします。
入浴によって喘息発作が出る理由は、こうしたアレルギー反応や過敏性の増強による場合か、入浴によるリラックス効果で副交感神経が優位になり気管支が狭くなる場合によりますので、喘息発作を抑制するケアを行うことが重要です。
 
 
 
◆入浴法◆
 
 
<入浴上の問題>#1 入浴時に喘息発作が起こる
 
<入浴目標> 喘息発作の危険因子を除去する
 
 
お風呂に入って急に喘息発作が起こるのはアレルギー性の炎症反応か、それに伴う過敏性の増強による反応であると考えられます。
 
浴室は多湿でカビが繁殖しやすい環境です。カビの成分を吸い込むことでアレルギー性の咳がでることがあるので、こまめに浴室を掃除したり入浴後は換気扇を回したりして、危険因子の除去に努めましょう
 
急激な温度変化も喘息発作の要因となります。
浴室や脱衣所の室温も寒暖差ができるだけ無いように工夫した方が良いでしょうね。
 
バスマットやバスタオルなどは常に清潔にしておくことも大切です。
 
 
 
<入浴上の問題>#2 入浴後に喘息発作が起こる
 
<入浴目標> 喘息発作をコントロールする
 
 
最近は喘息があっても熱がなければ入浴した方が良いとされていますが、時にはお風呂には入らない方が良いと言われることもあります。
 
それは、入浴で寛ぐことが副交感神経を優位にし、発作を招く怖れがあるからです。
 
事実、喘息の発作はリラックスしている時に起こりやすいものです。
 
リラックスした状態は筋肉が緩むので、さらに気道が狭くなるからです。
 
風呂上りに休もうとしている時に、決まって苦しくなりやすいのはそのためです。
 
だから風呂は良くないと言われています。
 
しかし。
 
衛生上そういうわけにもいきません。
 
身体には細菌など気管支にとっての大敵がたくさん付いていますからね。
 
常に清潔にしておかないと風邪をこじらせてしまい、それが喘息の発作の引き金になることもあります。
 
もちろん、今まさに呼吸困難だという場合は入浴は避けなければなりません。
 
呼吸が楽な場合でも、調子に乗って風呂で寛ぐのは危険です。
 
副交感神経が優位になると発作が起きやすくなります。入浴時は問題なくても上がった後に起きることもあります。
 
なのでリラックスモードになりやすい38℃前後の湯は適温とは言えません。
 
ベストだと考えられている温度は40~42℃
 
湯船には全身浴で、サッと入ってサッと上がること。時間にして5分以内
 
変に温まり過ぎると気道が狭くなるので長湯は禁忌です。
 
全身浴は胸部に水圧がかかって呼吸しづらいと感じる場合は半身浴にしましょう(肩が冷えないようにタオルを当てるなど工夫して下さい)
シャワーだけでも構いませんが、冬など寒い日は湯冷めが心配なので気をつけないといけませんね。
 
症状が経過とともに軽くなってくる安定期になれば、少しずつ入浴時間を延ばしていきましょう。
 
 
それでも・・・

それでも湯上りに喘息を発症してしまう場合があります。

そんな時は、肺や気道を広げやすくするために衣服の首周りを緩め、
上体を90度に起こして座る姿勢になります(起座位)

 
また、くれぐれも身体は冷やさないようにしなければなりません。

お子様が気管支喘息でお悩みの方は、医師の指示に従って下さい。
 
 
<入浴上の問題>#3 水分不足による痰の粘稠度の増大
 
<入浴目標>容易に痰が出るようにする
 
 
痰が絡むときはしっかりと痰が出るようにしたいものです。
 
暖かく湿った空気は、痰の喀出を容易にするので入浴はとても効果があります(逆に冷たく乾いた空気は刺激の要因になる)

入浴の最大のメリットはこの湿度の高さにあると言えるでしょう。だだし、普段は浴室の換気をしっかりと行い、カビなどの危険因子を取り除くことが大切です。
 
また、入浴で汗をかき、適切な水分摂取が行われなければ、体内の水分が不足し、痰の粘稠度が増して呼吸が困難になります
水分補給はしっかりと行いましょう。
 
ただし、冷たい飲み物は、ただでさえ過敏になっている喉を刺激してしまいますので、常温温かい物を飲むべきでしょう。
 
気管支喘息にはコーヒーが効果的だという噂があります。
 
水分補給だけではなく、カフェインが交感神経をするからだと考えられています。
 
喘息は交感神経が優位の時は症状が落ち着いていますが、
副交感神経が優位になると発作を起こしやすくなる傾向があることから、
「コーヒーは喘息に良い」と言われているんでしょうね。
 
とはいえ、コーヒーは薬ではありませんから、症状を抑えることを期待するのではなく、予防程度に考えておくのがよろしいかと。



◆おすすめのアロマバス◆


呼吸系のトラブルに効果があるとされている精油リストは、
サイプレス、ティートゥリー、ニアウリ、フランキンセンス、ペパーミント、ユーカリ・ラディアータ、ローズマリー、レモングラス など・・・

主に咳を鎮めたり痰を切りやすくなる精油が並びます。

ただし注意しなければならないのは、気管支喘息は風邪の咳とは違うということ。

副交感神経が優位になり過ぎると気管支が狭くなってしまうので、リラックス効果の高い精油は逆効果となってしまうことが懸念されます。

リストに挙げたフランキンセンスは、咳を鎮める作用がありますが、同時にリラックス効果をもたらす精油でもあるので使い方には注意しなければなりません。症状が酷いときよりも予防のために使用する方が適していると思われます。
 
また、アロマバスとして精油を用いるということは、蒸気を吸入することにもなるので、気道が狭いときにはむせてしまう可能性があります。
実際、日本アロマ環境協会によれば、喘息時にはアロマは吸入しないことと定めています(特に手浴は蒸気でむせやすいと思われます)

それに気管支喘息はアレルギー性の疾患でもあります。
精油が合わずにアレルギー反応を起こすことがあります。
アレルギー反応が出なくても、気管支が過敏なっていてアロマの精油成分が気管支の粘膜を刺激してしまう場合もあります。
事前に医師に相談したうえで、必ずパッチテストを行ってから使用しましょう。



アロマバスの例


症状の緩和ケア
 天然塩 大さじ2
 
ユーカリ・ラディアータ 3滴
 ペパーミント 2滴

 (一般の咳と違いアレルギー性の疾患なので、抗アレルギー作用も持ち合わせた精油をブレンドする。去痰作用も必要)
 ※入浴時間は5分間。少しでも異常を感じたらすぐに風呂からあがりましょう



(最終更新日:2019/07/19)


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『症状別の入浴法』

 

【入浴】 「不眠症」の入浴法 ~就寝の1~2時間前に入浴する~




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不眠症の原因はいろいろありますが、ストレスや環境の変化による要因が多いようなので、
これは言い換えれば自律神経の乱れによるもの。


ちなみに「不眠症」と「寝不足」は違います。別もの。

寝不足というのは、不規則な生活や仕事で忙しくて寝る暇もないというような、眠たいのを我慢している状況を意味します。

不眠症というのは眠ろうとしても寝付かない、またすぐに目が覚めてしまうような睡眠障害のこと。

症状は大きく4つに分類されています。

1)入眠障害(床についてもなかなか眠れない)
2)中途覚醒(夜中に何度も目が覚めてしまう)
3)早朝覚醒(朝早くに目が覚めてしまい、その後眠れない)
4)熟眠障害(眠りが浅い、疲れが取れない)




◆入浴上の問題リスト◆


#1 生活リズムが乱れているために寝付かない
#2 日中のストレスや緊張、不安状態が入眠の妨げになっている



不眠症の解決方法は、基本的にはストレスモードからリラックスモードに切り替えること。
そんなわけで、入浴は不眠症にとってとても効果的です。



◆入浴法◆


<入浴上の問題>#1 生活リズムが乱れているために寝付かない

<入浴目標> 起床時間と就寝時間のリズムを規則正しくする




ヒトの体には体内時計があって、通常は夜になると自動的に眠たくなるものです。

それが朝の起きる時間が遅すぎたり毎日の起床時間が不規則だったりすると、体内時計が乱れて本来眠くなるべき時間帯になっても寝付けないという状態になります。

このような悪循環を断ち切るためには、しっかり就寝時間と起床時間を決めること。
「睡眠時間を何時間確保するか」よりも「何時に起きて何時に眠るか」の方が重要です。

例えば就寝時間を23時に決めたとする。
でも今まで生活リズムが乱れていたために、そう簡単には思い通りの時間に眠くなるとは限りませんよね。

そこで試してほしいのが就寝の1~2時間前に入浴すること。


これは多くの専門家に共通する見解ですが、床につきたい1~2時間前に入浴すると一番入眠しやすいとのこと。

深部体温が下がるとヒトは眠くなる習性があります。
逆に言えば眠くなる時は深部体温が少し下がります

これは、代謝を下げて体内のエネルギーを節約するためです。

この下がっている時こそが眠りやすいタイミングだということ。

体温が最初から下がっている場合よりも、一度体温を上げて身体が火照っている状態から少し冷えてくる途中が入眠しやすいタイミングになります。

一度上げてから下げる。この高低差が少しある方が入眠しやすいと言われています。

そのために入浴は効果的で、入浴後1~2時間後が入眠しやすいタイミングだと言われていますが、
個人差もあるでしょうからあくまでも目安に。


そして起床時間も安定化させましょう。

目覚めが悪い場合は朝シャワーで気持ちをシャキッとさせると良いですね。



<入浴上の問題>#2 日中のストレスや緊張、不安状態が入眠の妨げになっている

<入浴目標> バスタイムをリラックスタイムにする



日中に過度なストレス状態を過ごしていると、夜になっても気持ちが落ち着かず不眠になる要因となります。

これが自律神経の乱れというもので、とりわけ交感神経が優位な状態を意味します。

入浴にはリラックス効果があるので、上手にお風呂を利用しましょう。


湯温は38~40℃。

ポイントは熱すぎないこと。
熱すぎると体温が下がるまでに時間がかかることや、交感神経が刺激されてリラックスモードに切り替えられなくなりますよ。

副交感神経に働きかけるよう38~40℃で、リラックスしましょう。


入浴時間は20~30分間。


短すぎると身体が火照るまでには至りません。
また、当然ですがシャワーのみでは、深部体温も上がりませんしリラックス効果も弱いものになってしまいます
湯船にゆっくりと浸かりましょう。

湯船には好きな入浴剤を利用するのもおすすめです。



◆おすすめのアロマバス◆


リラックス効果のあるアロマの香りに包まれたアロマバスは副交感神経を刺激し、入眠しやすい状況を生み出します。

使用する精油は好きな香りのものを選びましょう。

お気に入りの精油を3~5滴、浴槽のお湯に垂らしよくかき混ぜるだけで、アロマの香りが浴室内に広まりとてもリラックスできます。

好きな香りと言われても「どれを選べば良いのか分からない」という方は、以下の精油を試してみて下さい。

不眠に効果のある精油は実はたくさんあります。その中でもとりわけ不眠に作用する精油成分である酢酸リナリルリナロールをたくさん含む精油を3つ紹介します。
 

●ラベンダー
リラックスといえばラベンダー。香りさえ苦手でなければ不眠対策以外にもいろんな場面で活用できるはず。ラベンダーにも種類があるので不眠対策には真正ラベンダーを使用しましょう。

●プチグレン
ビターオレンジの枝葉から抽出された精油。気持ちが高ぶっている人には鎮静作用が働き、落ち込んでいる人には高揚させる働くという、鎮静と高揚の両作用があるので、自律神経のバランスを整える効果があります。
 
●クラリセージ
ハーブの爽やかさとナッツの甘さを持ち合わせたような香り。精油の中でも酢酸リナリルも最も多く含む。当然鎮静効果が高い。女性ホルモン様の成分も含まれているため、ホルモンバランスも整えるという女性に嬉しい精油です。



ただし、入眠するまでに入浴後3時間以上空く場合はこの限りではありません。



(最終更新日:2017/03/05)


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