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2017年03月

【入浴】 「睡眠時無呼吸」の入浴法 ~血圧に注意する~


睡眠時無呼吸とは、眠っている間に無呼吸を繰り返す病気のことです。

一般的には睡眠時無呼吸と言えば、のどの周りや舌についた脂肪によって気道が塞がって呼吸ができなくなってしまう「閉塞性睡眠時無呼吸」のことを指します。

主な原因は肥満で、舌の根元に脂肪がたまると仰向けで寝た時に気道が狭くなることで、無呼吸と呼吸を繰り返してしまい、眠りが浅くなってしまいます。


睡眠の質が低下してしまうので、睡眠時間が取れているのに日中に強い眠気を感じるようであれば睡眠時無呼吸の疑いが考えられます。

しかも睡眠時に大きないびきをかいていると他人から指摘されるようであれば、一度検査を受けてみた方が良いかもしれません。

無呼吸になると酸素不足を招きますので、心疾患(心筋梗塞など)脳卒中(脳梗塞など)の危険性が高くなることが分かっています。
また、脳が酸素不足により覚醒状態になると交感神経が刺激されるので、血管が収縮して心疾患や脳卒中のリスクを高めます。

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◆入浴上の問題リスト◆


#1 睡眠時間は取れているのに、日中に眠くなる
#2 夜中にトイレに起きることが多い

 
睡眠時無呼吸で注意しなければならないのは高血圧との合併で、心疾患や脳卒中のリスクを下げるには睡眠時無呼吸の治療が必要になります。
睡眠時無呼吸と高血圧のカギを握っているのは交感神経です。
入浴では睡眠時無呼吸を治すことはできませんが、交感神経の活動を抑えることで合併の影響を少なくしましょう。



◆入浴法◆


<入浴上の問題>#1 睡眠時間は取れているのに、日中に眠くなる

<入浴目標> 血圧や心拍数の安定をはかる



ヒトの体は日中は交感神経優位で血圧が高く、夜は副交感神経優位で血圧は低くなるものです。

ところが睡眠時無呼吸が原因で熟睡できなくなると、体や脳が休まらずに血圧が夜間の間も高い状態になります。
睡眠の質が悪いと、睡眠時間が足りていても日中に眠気を感じたり疲れがたまりやすくなります。

そして何より高血圧による心疾患や脳卒中に注意しなければなりません。

入浴で気をつけなければいけないのは、交感神経を刺激しないことです。

交感神経の活動を抑制し、血圧や心拍数の安定を図りましょう

簡単に言えばリラックスすることです。

熱いお湯と長湯は交感神経の活動を亢進させてしまうので、
浴槽のお湯は39~40℃のぬるめで、半身浴で15~20分

半身浴は水圧による心臓への負担がかかりませんのでお勧めです。

忘れてはいけないのが水分の摂取

入浴で汗をかくと血液が水分を失いドロドロになりやすくなります。
心疾患や脳卒中のリスクが高くなりますので水分補給はしっかりと行って下さい。



<入浴上の問題>#2 夜中にトイレに起きることが多い

<入浴目標> 朝までしっかり寝られる



眠りが浅く、トイレに行きたくて起きるのか、目覚めたからトイレに行きたいのか自分でも分からなくなる。
このような睡眠障害は、不眠症が原因の場合もありますが、睡眠時無呼吸が原因で熟睡できず、途中で目が覚めてしまうこともあります。

特に高齢者になると途中で目が覚めやすくなりますからね。「年のせいだ」なんて決めつけると危険ですよ。

少しでも途中で目が覚めることがないよう、深い眠りにつきたいものです。

そのためには入浴は就寝前の1~2時間前に入りましょう。

入浴により一度上がった体温が、時間をかけて下がっていく過程でヒトは眠たくなる習性があります。

入浴で副交感神経優位のリラックスした状態で、スムーズに入眠することで少しでも睡眠の質を高めることができます。



◆おすすめのアロマバス◆



精油選びのポイントは安眠効果があるもの。そして鼻の通りを良くするものが良いでしょう。

安眠効果が得られる精油はたくさんありますが、とりわけ鎮静作用が強い酢酸リナリルという成分が多く含まれているラベンダークラリセージベルガモットなどが定番となっています。酢酸リナリルと同じエステル類を多く含むカモミール・ローマンも肌に優しくアロマバスに向いています。

これらの精油を浴槽のお湯に3~5滴垂らしてよく混ぜて入浴しましょう。
気持ちが静まって入眠しやすくなることが目的です。

しかし、これで逆にいびきが激しくなった場合は、これらの精油が原因となってしまっている可能性があります。

鎮静作用のある精油には気持ちを落ち着かせることで副交感神経を優位にする働きがありますが、そのために舌の筋肉が弛緩し、かえって気道を狭くしている可能性があるからです。

いびきは口呼吸である場合が多く、改善するためには鼻呼吸をするのが一番ですが、鼻づまりなどがあると口呼吸になりがちです。

そこで「いびきが激しい」「鼻づまりがある」という場合には鼻の通りを良くする精油がお勧めです。

鼻づまり解消に働く精油はユーカリラヴィンサラニアウリなどがアロマバスとしてお勧めです。



『症状別の入浴法』




 

【入浴】 「PMS(月経前症候群)」の入浴法 ~自分のPMSの状態を把握しよう~


PMS(月経前症候群)の症状は人それぞれで原因ははっきりとはしていません。

ただ、月経(生理)の3~10日前に起こりやすいことから「ホルモンバランスの乱れが関係している」とは言えるようです。

そこに女性特有の体質である冷えやむくみが症状を悪化させていると考えられています。

女性であればほとんどの人が経験する道で、そう考えると必要以上に気にすることはなさそうですが、そうはいっても体のあちこちが痛かったりだるかったりすると憂鬱な気分になりますよね。化粧のノリが悪くなったり、大事な仕事の途中で眠くなったり生活に支障をきたせばなおさらです。

PMSは生理現象なので、なくすことはできませんがお風呂で温まることで症状を緩和することができまると考えられています。

体調がすぐれない時はシャワーで済ましたくなるものですが、それでは問題を先延ばしになるだけですよ。


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◆入浴上の問題◆


#1 イライラしたり落ち込んだり情緒不安定なところがある
#2 浮腫、頭痛、下腹部のはりがあったり、疲れを感じやすい
#3 肌荒れやニキビ、吹き出物などの肌トラブルがある



症状は人それぞれ。体や心だけでなく肌にも不調が表れます。

対策としては、何よりもまず自分がPMSになりやすい時期を把握し、どのような症状が出やすいのかを知っておきましょう。
そうすることでPMSの症状が起きた時に慌てないで済みます。

共通して言えることは規則正しい食事や睡眠など生活のリズムを整えること。入浴に関して言えば、リラックスすること、血行を促進すること、そして質の高い睡眠へと繋げること。
お好みの入浴剤やアロマ精油でバスタイムを楽しむことも効果があります。



◆入浴法◆


<入浴上の問題>#1 イライラしたり落ち込んだり情緒不安定なところがある

<入浴目標> 自律神経系と内分泌系のバランスを整える



女性ホルモンの分泌バランスが乱れるとイライラしたり落ち着きがなくなったりする理由。それは、女性ホルモンの分泌を調整している司令塔は自律神経系のバランスも司っている脳の視床下部だからです。

視床下部からの分泌指令が上手く出なくなると、自律神経系のバランスもまた乱れることとなります。

自律神経は血圧や呼吸数、脈拍や体温調節などいろいろな生理作用をコントロールする役目があるので、これが自律神経系が乱れると小さなストレスに対しても対応が難しくなります。また冷え性の原因にもなります。

イライラしたり怒りっぽい。反対にボーっとしたり、集中できない。または落ち込みやすくなったり泣きたくなるのは、自律神経系が交感神経優位に傾き過ぎているから。


さらに、このような情緒不安定になる原因の一つとして考えられているのがセロトニンの不足と言われています。

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれている神経伝達物質で、交感神経が高ぶったときにイライラや不安などネガティブな感情を鎮める働きがありますが、PMSが発生するとセロトニンの分泌が低下する場合があるようです。

これには女性ホルモンのバランスが乱れることによる体調の不調がストレスとなって副腎から分泌されるストレスホルモンのコルチゾールが、脳内のセロトニンの分泌を抑制するからだと考えられています。


そういうことですから、とにかく入浴で体を温めてゆっくりしましょう。

入浴すると、浮力効果による筋肉の弛緩でリラックスできることで、副交感神経を刺激して自律神経系のバランスを整えることが期待できます。

リラックスするためのお湯の温度は38~40℃全身浴なら15~20分半身浴なら20~30分を目安にゆっくりと浸かりましょう。

半身浴を勧めている話をよくみかけますが、気分の優れない日が続くようでしたら全身浴に切り替えてみましょう。

自律神経は脊髄から伸びていますが、その脊髄は首の後ろあたりから背中にかけて通っているので、背中をしっかりと温めてあげる方が効果は期待できそうです。

しっかり温まることで、汗腺が開き発汗作用が亢進されます。
発汗そのものに余分な水分が排出されるという効果もありますが、何より体温調節機能をしっかりと働かせることで冷え性の体質を改善できることにあります(冷え性の原因は体温調節機能が働きにくいこと)

なお、入浴する時間帯は、就寝する1~2時間前に入浴しましょう。

そうすることで入眠しやすくなるだけでなく、質の高い睡眠が得られます。これはPMS改善には絶対に必要な条件です。


PMSの時期が来る前に事前に予防するなら「温冷交互(交代)浴」がお勧めです。


温冷交互浴とは水風呂と熱風呂を交互に入浴する方法です。


  【温冷交互(交代)浴】

  1.40~42℃のお湯に3分浸かる
  2.浴槽から出て、冷たい水シャワーを手足に10~20秒かける


  1と2を数回繰り返します。
  なお、最後は水で終わるのが鉄則です(皮膚が引き締まり保温効果になる)



この入浴法は血行を促進するだけでなく、自律神経系のバランスを整える効果があります。
「自律神経を鍛える」という意味もあります。




<入浴上の問題>#2 浮腫、頭痛、下腹部のはりがあったり、疲れを感じやすい

<入浴目標> 体液の循環を促進させて症状を緩和する



この時期の体は妊娠へ備えるために栄養を蓄える傾向があり、そのために栄養や水分がリンパに排出されなくなるためにむくみが起こるようです。

とりわけタンパク質は分子が大きいためにそのままでは血管へは吸収されません。そこで先ずリンパ管に取り込まれるわけですが、何らかの理由で(今回の場合はPMS)リンパ管に入れずに組織間にとどまると、タンパク質はどんどん溜まり、しかも周りの水分を取り込んで膨張するため浮腫になりやすいという性質があります(正確には、浮腫は、水分ではなくタンパク質の流れの停滞が直接の原因とも言える)

このような理由で浮腫は主に下肢に顕著ですが、脚だけでなく体のあちこちで不調の元となります。脳がむくめば頭痛、胸なら胸のハリ、下腹部なら腹痛、という具合に症状が表れます。

リンパの流れが悪くなるということは、体内に水分や老廃物が溜まりやすくなるということですからね。
老廃物には細菌やウイルスも含まれていますから、リンパの流れが悪いと免疫力も低下します。

入浴時間は全身浴で10~20分間。骨盤周りの血流を改善するだけなら半身浴でも構わないのですが、水圧効果を得るには半身浴よりも全身浴が適しています。

水分の摂取は重要です。むくみがあると「水分を摂らない方が良い」と誤解されがちですが、水分の摂り過ぎが浮腫の原因ではありません。
入浴の前と後にコップ一杯の水分を補給しましょう。


ここで一つ。お風呂でできる一番簡単(だと思う)お勧めなリンパストレッチを紹介します。

①まず湯船に浸かりながら体育座りをします。

②湯船の縁に片足の足首をかけて、ひざ裏を伸ばします。
 もう片方の脚は引き寄せたまま。

③そのまま10秒キープ。



これだけ。

逆の脚も同様に。左右5回ずつ。

どうです?簡単でしょ。

簡単すぎて今「はぁ?」と思いましたか?

ひざ裏は4大リンパ節の一つなんですよ。



<入浴上の問題>#3 肌荒れやニキビ、吹き出物などの肌トラブルがある

<入浴目標> 新陳代謝を促進する



肌荒れがひどい場合は、体を洗うときにゴシゴシ洗わないことはもちろん、タオルを使わずに手のひらで優しく撫でるように洗うのも良いでしょう。
洗浄力の強いボディソープの使用も控えましょう。

入浴法としては高温のお湯と長湯は肌へのダメージとなりますから、38~40℃のお湯で20分間まで。

熱いお湯は交感神経を刺激して寝付きも悪くなり、質の高い睡眠が得られなくなります。

食後すぐの入浴も肌に良くありません。食後すぐの入浴は血流が胃や腸に集まらず消化が悪くなります
消化が悪いと、これまた不眠の原因となったり肌に栄養が届かない要因にもなります。

質の高い睡眠にこだわるのは、肌のターンオーバーは、睡眠中に分泌される成長ホルモンによって行われているからです。

ターンオーバーとは新陳代謝のことで、古い細胞が新しいものと入れ替わること。

新陳代謝を活性化するには体温を上げること、血液やリンパの流れを改善することです。
だから入浴はとても効果的。サウナ浴も効果的。

入浴中は「三陰交(さんいんこう)」というツボを刺激しましょう。
内くるぶしから指4本分上に上がったところで、スネの骨の内くぼみに位置します。

PMSだけでなく、冷え性やむくみや生理痛、更年期障害などにも効果があると言われ、女性にとってとてもありがたいツボです。



◆おすすめのアロマバス◆


女性ホルモンの調整作用に働くアロマ精油はたくさんあります。
ここはアロマの得意分野なので、ぜひアロマバスを活用しましょう。


女性ホルモンのバランスを整える精油

イランイラン カモミール・ローマン クラリセージ グレープフルーツ サイプレス ゼラニウム パルマローザ マージョラム メリッサ ラベンダー ローズウッド など(アイウエオ順)

どの精油もPMSには効果があり、入浴に使用しても肌に優しいものが多いです。
ただし月経量に影響を与えるものがあるので、その点は注意しましょう。
月経量が多い場合はゼラニウム、少ない場合はクラリセージマージョラムラベンダーがお勧めです。

PMSによって感情のコントロールが難しい場合は、セロトニンの分泌を促す精油がお勧めです。
成分に酢酸リナリルなどエステル類を多く含まれる精油が該当します。


セロトニンを分泌させる精油

カモミール・ローマン クラリセージ ベルガモット ラベンダー など

これらセロトニンの分泌に働く精油には高い鎮静作用があります。
症状に合わせて女性ホルモンのバランスを整える精油と上手に組み合わせて利用しましょう。


そして紹介したこれらの精油は、エプソムソルトで希釈してバスソルトにするとさらなる効果が期待できます。
エプソムソルトに多く含まれるマグネシウムにはホルモンバランスを整える作用があると言われているからです。
マグネシウムは経皮吸収されるので、バスソルトとアロマ精油の組合せはPMSには理想的な入浴法と言えるかもしれません。



アロマバスの例


イライラしやすい場合
 エプソムソルト 50g
 ベルガモット 3滴
 カモミール・ローマン 1滴

 (ベルガモットは柑橘類で唯一酢酸リナリルを含む精油で精神を安定させる作用がある。カモミールはリラックス作用に加え保湿作用もあるのでスキンケアにも向く)
 ※ベルガモットは人によってピリピリした刺激を感じる場合があります。また光毒性があるので朝風呂などには使用しないで下さい。


月経量が多く、むくみや頭痛などの症状が強く出ている場合
 エプソムソルト 50g

 ゼラニウム 1滴
 サイプレス 2滴
 イランイラン 1滴

 (ホルモンバランスを調整しつつ腹痛や頭痛の痛みを和らげる組み合わせ。体液の循環促進と鎮痛に優れている)
 ※妊娠中・授乳中の使用は控えましょう


冷え性を改善するなら足浴
 エプソムソルト 小さじ1(冷え性対策に特化するならヒマラヤ岩塩 小さじ1)
 マージョラム・スイート 2滴
 サンダルウッド 1滴

 (42~43℃のお湯で約20分。血行を促すマージョラムと体液の循環を促すサンダルウッドの組み合わせは生理前の冷えを和らげる)
 ※妊娠中・授乳中の使用は控えましょう

なお、ネロリの精油は少々お値段が高いので紹介しませんでしたが、新陳代謝を促進する作用があり、ネロリドールというホルモン様作用のある成分が含まれているので、PMSによる肌荒れにお悩みの方や、セレブな気分でケアをしたい方にはいいかも。


『症状別の入浴法』



 

【健康】 <ミニコラム> ドーパミンって何?③ 小さな成功体験の積み重ねが成長に繋がる



ドーパミンは脳内の「やる気ホルモン」とも呼ばれていて、意欲快楽と大きく関係しています。

人は一度ある快楽が得られると、またその快楽を得たい、もしくはもっと大きな快楽を得たいという意欲が起こります。

そのために一生懸命頑張ることができるわけですが、そのドーパミンが持つ性質のためにアルコールやギャンブルの依存症の原因にもなります。

ドーパミンを上手に分泌させるには方向性を誤らないことです。
仕事や学習に対して有効に利用したいもの。

仕事でも勉強でも良い結果が得られるとドーパミンが分泌されて快楽を得るので、これがモチベーションとなってますます頑張ることができる。つまり自分の成長に繋がるようなことにドーパミンを活用したいものですよね。

ただし、ここで一つコツがあります。

それは大きな目標を立てるよりも、小さな目標を立てて確実にクリアすること。

たとえ小さなハードルでもそれをクリアすることでドーパミンが分泌されます。それが次への意欲となり、上手にそのサイクルに乗ることができれば、大きな目標を立てて頑張るよりも早くて確実に成長ができると考えられるんですね。

つまり小さな成功体験の積み重ねは、自信をつけることにもなり、成長に繋がるというわけです。


関連記事

『【健康】 <ミニコラム> ドーパミンって何?① 時間を忘れて没頭できるのはドーパミンのおかげ』
『【健康】 <ミニコラム> ドーパミンって何?② タバコがやめられないのはドーパミンのせい?』




 

【健康】 <ミニコラム> ドーパミンって何?② タバコがやめられないのはドーパミンのせい?



ドーパミンは脳内の「やる気ホルモン」とも呼ばれていて、意欲快楽と大きく関係しています。

ドーパミンが分泌されると快楽を伴います。そのため、またその快楽を繰り返し得たいという意欲がわきます。

仕事や学習においてはモチベーションを上げるためにとても必要なものですが、気をつけないと中毒になって依存性を伴います。

ドーパミンが分泌されて快楽を得られた時は満足できるのですが、満足が得られない時はかえってそれがストレスになってしまうことがあります

例えば、ストレス解消のためにタバコが止められないという人がいますが、これは持論でもあるのですが、タバコを吸わないとイライラが解消されない人の原因は「いつもタバコを吸っているから」なんですよね。

タバコを吸うとドーパミンが分泌されて快楽を得られますが、時間の経過とともにまたその快楽を得たいという衝動に駆られます。
その衝動が治まらないうちはそれがストレスになるので中毒の原因になるというわけです。

アルコールやギャンブルなどの依存症もドーパミンが関係していると考えられ、依存症の原因の一つであると言われています。


ドーパミンが中毒性を持つメカニズムを少し説明すると、ドーパミンはドーパミン受容体に結合してその機能を果たしているわけですが、
ドーパミンが大量に分泌されると受容体が足りないので受容体の数を増やすことで対応しています。
しかしその後、一旦増加した受容体を埋めるにはこれまでと同等かそれ以上のドーパミンを分泌しないと衝動が治まらなくなるという弊害を生みます。

従来と同量のドーパミンの分泌量では満足できなくなるんですね。

そういうわけで、ドーパミンには脳内麻薬のような性質もあるんです。


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【健康】 <ミニコラム> ドーパミンって何?① 時間を忘れて没頭できるのはドーパミンのおかげ



ドーパミンは、セロトニンノルアドレナリンと並んで、体内に必要な三大神経伝達物質の一つです。

脳内の「やる気ホルモン」とも呼ばれていて、意欲快楽と大きく関係しています。

気持ちを前向きにしてくれる伝達物質なので、ドーパミンが不足すると意欲が弱くなり無気力になってしまいます。
反対にドーパミンが過剰に働くと、気持ちが高揚し過ぎて周りの迷惑などを考えないような行動をとってしまったりします。

そういうわけで、適度なドーパミンの分泌は、仕事や学習をするうえでやる気を起こしたりモチベーションを上げるために必要なものであることが分かります。


ではどうすればドーパミンが増えるのか?といいますと、
何か新しい発見があったり、成功を体験すると分泌されることが分かっています。

例えば仕事で実績を上げると、上司に褒められたり給料が上がったりすることが「快楽」と感じることでドーパミンが分泌されますが、これが次の仕事への意欲を向上させます。

つまり、ドーパミンとは報酬系のホルモンであり、どうすれば快楽を得られるか経験することで、その快楽という報酬を繰り返し得ようと頑張ろうとします。

これが時間を忘れて物事に没頭することに繋がるので、何かに夢中になったり一心不乱になれるのはドーパミンのおかげだというわけです。



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【健康】 アロマバスのすすめ⑤ こんなマイナス作用があります


アロマバスには入浴効果に加えてアロマ効果があるので、心身の健康の維持にとても期待ができます。

しかし、そのためには守らなければならない注意事項があります。

安全に入浴するためには知っておかなければならないこともあるんです。

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アロマバスの特徴として、「精油が肌に直接触れる」ということが言えるかと思います。

精油の香り成分は鼻から吸収されるだけでなく、実は皮膚からも吸収される性質があるんですね(経皮吸収

精油の持つ香り成分によって鎮静作用のあるものや抗菌作用のあるものなど、いろいろな効果がをもたらしますが、アロマバスでは皮膚からもそれらの香り成分が吸収されるという特徴があります。
そして、経皮吸収された香り成分は神経を刺激して電気信号が脳へ送られることで鎮静作用や鎮痛作用などを示しますが、経皮吸収の場合はそのまま皮膚に作用して皮膚の軟化や皮脂の分泌抑制、保湿に働いたりするものも存在するわけです。これもアロマバスの魅力。


ですが精油がダイレクトに皮膚にも影響を及ぼす分、精油が持つ刺激も強く影響してしまう可能性があるんですね。

精油にもよりますが刺激の強いもの、例えばウインターグリーンやオレガノなどは原液のまま浴槽に垂らさないようにして下さい。
植物油(エッセンシャルオイル)や天然塩などで希釈して使用する必要があります。


また、それほど刺激性の強い精油でなくても敏感肌の場合は痛みや不快感を生じることがあるので、使用する精油の使用法や使用量は確認してからにしましょう。
精油の全身浴使用の場合、浴槽に垂らすのは5滴まで、というふうに一応決まりはありますが、精油やその人の体質によってはもっと控えたり、希釈して薄める必要があるということです。

そして、人によってですが、特定の精油に対してアレルギー反応を示す場合もあります

アレルギー体質の人や気になる人は、初めて使用する精油に対しては必ずパッチテストを行ってからにしましょう。


さて。もう一つ。アロマ精油の使用上、注意しなければならないこととして「光毒性(ひかりどくせい)」があります。

光毒性とは、直射日光や強い紫外線に当たることが原因で皮膚に火傷のような症状や色素沈着が生じることをいいます。

光毒性を持つ精油は一部でして、ベルガモットやグレープフルーツ、レモンなど柑橘系の精油に多く、高濃度で使用したり原液のまま使用すると光毒性を起こしてしまうので注意しましょう。

例えば朝風呂でアロマバスに入浴して、その後外出するという場合は、ベルガモットなどの使用は避けなければいけないということです。


その他にも、妊娠中は使用を避けた方がよい精油や、幼い子には適さない精油など、アロマならではの注意事項もあるので注意して下さい。
精油は医薬品と違って誰でも手軽に購入できる反面、誰も購入時に注意事項を教えてくれるわけではないので、自己責任で取り扱わなければならないということだけは認識しておかなければなりませんね。

それでも何か異常を感じた時は医師に相談するようにしましょう。

 

【健康】 アロマバスのすすめ④ こんなプラス作用があります


アロマバスにはどんなプラス作用があるのか紹介します。

入浴効果にアロマ効果が加わったものがアロマバスのプラス作用ということになりますが、基本的にはアロマ効果そのものといって良いでしょう。

例えばアロマ効果のひとつに気持ちを静める鎮静作用がありますが、普通に入浴するだけでもリラックス効果がありますから、アロマバスには入浴することでアロマが持つ鎮静効果をさらに高めるという相乗効果がある・・・というふうに考えることができます。


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ではアロマバスにはどんなプラス作用があるのか。
大雑把に「心」「体」「肌」「その他」に分けて順番にみていきます。

まず「心」

「心」というのは脳や神経に働きかける作用のことですね。心身をリラックスさせたり安眠にも効果のある鎮静作用や、痛みを和らげてくれる鎮痛作用がアロマの得意とする作用でして、一般的なアロマのイメージといえばこういうことではないでしょうか。

それから筋肉の緊張を緩める鎮痙(ちんけい)作用。ラベンダーやクラリセージなどが得意とする分野ですが、入浴による温熱効果によっても筋肉が弛緩しますので生理痛や肩こりにはとても有効です。

で、そのクラリセージといえば女性ホルモン様の作用もあり、女性ホルモンのバランスを整えたいときに便利な精油で、このように一つの精油で複数の作用がある場合もよくあります。これは精油の成分が単一ではないからで、例えばクラリセージに含まれる酢酸リナリルという成分が鎮痙作用に働き、スクラレオールという成分が女性ホルモンのバランスを整える作用がある。というふうに考えられています。

ちなみに女性ホルモンを整える作用のある精油には、他にイランイランやゼラニウムなども有名ですが、これらの精油にも鎮静作用や鎮痛効果など複数の働きを持っています。

ま、こんなことを言い出したらラベンダーなんて何にでも効果を発揮する万能精油なので、ラベンダー1つさえあれば他に何もいらないんじゃないか?ってことになりそうなものですが、問題はその香りが使う人にとって「快」と感じられるかどうかが重要なんですね。

例えば気持ちを落ち着かせる効果がとても強い精油だとしても、自分にとって好きな香りでなければ逆効果になってしまいます(これ精油を使ううえで大前提)

この後もアロマにはどんな作用があるのかを話を進めますが、この大前提を忘れてはいけません。


さて、話を戻して・・・

他にも「心」に働く作用としては、消化・食欲増進作用があります。

レモンやグレープフルーツといった柑橘系に多いです。これは柑橘系の精油に含まれるリモネンによる働きによります。
ただし入浴は食事の前後1時間以上は空けましょう。


「体」に働きかける作用としては、免疫力を高める作用(免疫賦活作用)利尿作用があります。
身体への作用は生理的なものが中心です。
入浴にも免疫力を高める作用や利尿作用がありますので、これらもアロマバスの得意分野となります。

また、抗アレルギー作用のある精油を垂らしたアロマバスでは体質の改善も期待できます。

去痰作用のある精油を用いたアロマバスでは、浴室の湿度も手伝って痰が切りやすくなるでしょうね。


では次に「肌」に働きかける作用です。

これには肌を引き締める収斂(しゅうれん)作用と、肌の乾燥を防ぐ保湿作用があります。

脂性肌や毛穴が開いているような場合には収斂作用のある精油を用いたアロマバスを。
反対に皮膚の水分を失いやすい肌の人、敏感肌の人には保湿作用のある精油を用いたアロマバスがお勧めです。

精油は親油性なので肌に浸透しやすい特徴があり、アロマバスの浴槽に浸かることで、精油の成分が直接皮膚から吸収されるのでとても効果が期待できます。

だからといって精油を直接皮膚に塗布するのはやめて下さい。
精油というのは成分が濃縮されたものなので、少しの量でもとても刺激が強く危険です。

そういうわけですから、いくらアロマバスでも精油の使用量や使用法には注意が必要です。
でも今回はプラス作用についての紹介ですから、注意すべき点については次回に回します。


最後に「その他」の作用。

精油には殺菌、抗菌、抗真菌、抗ウイルスなどの作用を持つものが多く存在します。

例えばラベンダーなどに多く含まれるリナロールという成分やレモングラスなどに含まれるシトラールという成分などがそうですが、風邪予防や風邪のひき始めなどにはこれらの成分を含む精油を垂らしたアロマバスに入浴すると良いでしょう。

抗真菌作用のある精油を用いて足浴すれば水虫対策にもなりますよね。


とまあアロマバスのプラス作用について長々と説明していますが、これでもほんの一例でしかありません。

慣れるには少し知識と時間が必要かもしれませんが、とりあえず簡単なことから日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

難しく考えずに、まずは香りを楽しむつもりで試してみるとそこから世界が拡がるかもしれませんよ。


 

【健康】 アロマバスのすすめ③ 香り成分のメカニズム


アロマバスがどうして健康の維持に有効かを説明します。

アロマといえば香りを嗅ぐ芳香浴が一般的ですが、わざわざお風呂に精油を垂らして入浴する(アロマバス)ことにどんな意味があると思われますか?

そもそも。植物から芳香成分を抽出した精油(エッセンシャルオイル)には、心・精神・体の健康を保つための様々な作用がありますが、どのようなしくみで作用しているのでしょうか。

単にいい匂いだから「快」と感じているだけではありません。
そこには脳や自律神経系、免疫系、内分泌系(ホルモン)に影響を与えるような薬理的な働きが存在するんです。

そう。例えばアロマの香りでリラックスできるのは、自律神経が副交感神経が優位になることやセロトニンが分泌されることなどが関係しているんですね。

不思議ですよね。薬を経口投与しているわけでも注射しているわけでもなく、ただ匂いを嗅いだだけで心や体に変化を与えるなんて。


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そういうわけで、香り成分がどのようなメカニズムで心身に影響を与えるのか、昔からいろいろ研究されてきた経緯があります。

香りのメカニズムについてはまだまだ解明されていない部分もありますが、嗅覚から脳に伝わる経路は分かっています。


まず、香り成分の分子が鼻腔の奥に存在する嗅毛(きゅうもう)でキャッチされるところから始まります。

嗅毛は嗅細胞から伸びていて、香り成分の分子が嗅毛でキャッチされると嗅細胞が興奮し、その刺激が電気信号となって嗅神経に伝達されます。
その後、大脳に伝わるわけですが、嗅覚ならではの大きな特徴があります。

視覚・聴覚・味覚の情報はダイレクトに大脳皮質に伝わるのに対して、嗅覚の情報は「まず先に大脳辺縁系に伝わってから少し遅れて大脳皮質の嗅覚野に伝わる」という違いがあるということ。

大脳皮質は「これは何か?」ということを認識する論理的思考を司る場所であるのに対して、大脳辺縁系は情動や記憶を司る場所です。

そのため、例えば花の匂いを嗅いだとき、「これは花の匂いだな」と認識するよりも先に「いい匂いだな」と感じるというのが嗅覚の特徴となっています。


信号は大脳辺縁系からは大脳皮質の嗅覚野以外に視床下部下垂体にも伝わります。

視床下部からは「免疫系」「自律神経」、下垂体からは「内分泌系」に作用します。

そしてこれらの作用が全て同時に、しかも瞬時に行われるというのも嗅覚の特徴です。

驚くなかれ、香りを嗅いでからそれを脳が認識するまでの伝達時間はわずか0.15秒

これはよく引き合いに出される話ですが、皮膚をつねったりしてその痛みを脳が認識するまでに0.9秒だと言われていますから、それと比較して嗅覚の伝達速度がいかに速いか分かるかと思います。


①嗅覚による経路

鼻 → 嗅神経 → 大脳辺縁系 → 大脳皮質・視床下部・下垂体 → 自律神経や内分泌に作用



さて。

香り成分が心身に作用する経路は、実は嗅覚からだけとは限りません。

呼吸器や皮膚からも香り成分は吸収され、身体の各組織で作用することもあるんです。

呼吸器からの経路とは、香り成分が呼吸と共に吸うことで気管支や肺で取り込まれて血管を介して体内を循環すること。
皮膚からの経路は皮膚から直接体内に吸収されて、やはり血管を介して体内を循環する過程を辿ります。



②呼吸器からよる経路

口 → 気道の粘膜・肺胞 → 血管 → 体内の各組織で作用


③皮膚からによる経路

皮膚 → 皮膚血管(末梢血管)・リンパ管 → 体内の各組織で作用



呼吸器と皮膚からのどちらも血管に取り込まれて体内で作用するという点においては共通していますが、精油の中には呼吸器からの経路では血管に取り込まれるだけでなく直接気管支や肺に作用して咳や痰を鎮めたり、皮膚からの経路では直接皮膚に作用して肌を引き締めたり保湿したりする物もあります。

とはいえ、芳香浴による薬理作用といえば、呼吸器や皮膚から香り成分が吸収されて作用することもあるとはいえ、基本的には嗅覚からの作用によるものです。

そこでアロマバス

芳香浴と比べて、浴槽に精油を垂らして入浴するアロマバスには、香り成分を鼻から吸収するだけでなく、湯気と共に吸い込んだ香り成分は呼吸器から、そしてお湯に浸かっている皮膚からも成分が吸収されるので、アロマバスには精油が持つ作用をとても有効に活用できる方法だともいえます。


例えば皮膚の収斂(しゅうれん)作用を持つサイプレスという精油があります。

「肌のシワやたるみが気になるな~」という場合にはサイプレスが有効ですが、こんな時はぬるめのお湯を入れたお風呂にサイプレスを3~5滴を垂らして入浴すると、サイプレスが持つ収斂作用が働き、単に匂いを嗅ぐだけよりも肌の引き締め効果が期待できますよね。

匂いを嗅ぐだけでなく、呼吸器や皮膚からも香り成分を吸収できるのがアロマバス
入浴すること自体にもリラックス効果があるわけですから、そこにアロマ効果が加わることがアロマバスの最大の魅力です。

このようなことから、上手にアロマバスを活用することは健康を維持するうえでとても有効な手段となります。

ただし、精油には刺激性の強い物があったり、人によっては敏感肌である場合があるので、使用法や使用量には気をつけなければならない場合もあるということは注意しなければなりません。


 

【健康】 アロマバスのすすめ② アロマバスをやってみよう!


アロマバスとは、お好みのアロマ精油(エッセンシャルオイル)を浴槽に混ぜて入浴すること。

普通に入浴するだけでも心も体もリラックスできますが、ここにアロマの香りが加わることでさらなるリラックス効果が期待できます。

いろいろな香りを楽しむだけでなく、アロマ精油にはそれぞれ薬理作用があるので活用次第では健康にも効果を発揮します。

つまりアロマバスとは、入浴効果とアロマ効果の相乗効果が得られるので「お風呂でのアロマテラピー」ともいえる入浴法なんですね。

使用する精油によっては、単にリラックス効果を得るだけでなく、血行促進効果や殺菌効果、抗アレルギー効果など様々な作用が働いてくれるので心の安定だけでなく、皮膚への薬理効果や身体への薬理効果も期待できるので、とても奥が深い入浴法だともいえます。


とはいえ、初めてアロマバスを試すには、難しいことは考えず、まずはラベンダーや柑橘系などのポピュラーな精油を垂らしたアロマバスでリラックスタイムを過ごしてみると良いかと思います。

どの精油をチョイスするかは、自分が心地良いと感じるものを選ぶと良いでしょう。
精油にはそれぞれ心身にもたらす作用に違いがあるので、目的別に選ぶこともできますが、一番大事なのはその香りが自分に合っているかどうかです。

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さて。精油選びが決まったら、あとはその精油を浴槽に3~5滴垂らして混ぜるだけ

これだけで温かい湯気と一緒に、心地よい香りが浴室いっぱいに広がります。

ただし、揮発性が高いので香りはそんなに持続しません。お湯に精油を垂らすのは入浴直前にしましょう。

お湯の温度はリラックスすることが目的なら38~40℃が適していると思います。

全身浴、半身浴どちらでも構いません。ゆっくりと深呼吸すると湯気と共に香り成分が吸い込まれて、より心地良さを感じることができます。

アロマの香り成分がどのようなメカニズムで身体に作用するのかは次回説明しますが、アロマバスには皮膚からも精油の有効成分が多少吸収されるというメリットがあるんです。


ではここで注意事項を少し・・・

アロマバスには少なからず刺激があります。
基本的には3歳未満の乳幼児にはアロマバスはおすすめできません

3歳以上の小児でも様子を見ながら使用する精油の量を決めましょう。

アロマ精油は名前からも分かるように親油性で、水に溶けない、または溶けにくいという性質があります

そのため精油の原液が直接皮膚に触れることになります。

使用量が多過ぎたり、肌が敏感な人にはピリピリ感じたりかゆくなったり赤くなることがあるので注意しましょう。
また、オレンジやレモンなどの柑橘系の精油はピリピリとした刺激を感じることがあります。


精油を直接お湯に垂らすのは抵抗がある、もしくは刺激を感じるという場合には、肌に優しいキャリアオイル(植物油)で希釈してから使用するという方法が一般的です。

5?10ml程度(小さじ1程度)のキャリアオイル(植物油)で薄めてからお湯に入れると、刺激を感じにくくなります。

キャリアオイルは精油と馴染みやすく、キャリアオイル自身にも保湿効果や安眠効果などがあります。

キャリアオイルのように、精油を希釈するために用いる素材のことを「基剤」と呼びますが、キャリアオイルの他によく利用される基剤としてがあります。

バスソルトに精油を混ぜる方法で、人気の高いアロマ入浴法です。

天然塩に精油を加えるだけの希釈方法ですが、キャリアオイルのように精油が溶けるわけではなく、水に溶かす媒介の役目をしているだけなのでそれほど薄まりません。

気になる方はキャリアオイルも一緒に加えると良いでしょう。


なお、入浴後の浴槽の手入れですが、いつも通りで構いません。

まずは一度、アロマバスでリラックス効果を体験してみましょう。
効果が実感できるといろいろ試してみたくなりますよ。

 

【健康】 アロマバスのすすめ① アロマテラピーとは?

入浴タイムを有意義に過ごしたい。そんな思いから入浴剤にこだわる人も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのがアロマバス


 ※この先、アロマバスをご存知の方は読み進める必要はありません。


「アロマバス」という表現は知らなくても「アロマテラピー」という言葉は聞いたことがあると思います。

でもアロマテラピーって何だかよく分からない。マッサージの類かな?・・・みたいなイメージがあるのではないでしょうか。


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アロマテラピーは直訳すると「アロマ=芳香」「テラピー=治療」の語句で成り立っていますが、
一応アロマテラピーは以下のように定義されています。


「アロマテラピーは精油を用いてホリスティックな観点から行う自然療法である」


どうですかこれ?パッと聞いて意味伝わりますか?

引っかかるワードは「精油」と「ホリスティック」でしょうか。

精油とは、これちょっと細かく説明するとあれなんで、簡単にいえば「植物から抽出された香り成分」のこと。

「アロマ=芳香」なので、この香り成分が抽出された精油を「アロマ精油」と呼びます。別名「エッセンシャルオイル」ともいいます。

つまりアロマテラピーとは、植物から抽出された香り成分(アロマ精油)を利用した治療だということになります。

ここで重要なのはアロマ精油(エッセンシャルオイル)とは、その成分が天然100%であること。科学的な成分や香りを含まれたものは該当しません。
よく雑貨屋などで「アロマ」と称して販売されているもの全てがアロマテラピーに使用される「アロマ」ではないということです。

で、「ホリスティック」とは「全体的な」という意味なので、アロマの効果はどこか局所における作用があるというよりも心と体、つまり患部だけでなく心身全体に作用する治療法であることが分かります。


と、ここまで読んで

「え?アロマテラピーって治療なの?マッサージのことじゃないの?」と思われたかもしれません。

ま、ここがアロマの世界の面白いところで、アロマ精油が健康に何らかの効果があることは古代から知られていて、近代になってから科学の発展につれてアロマ精油の持つ作用のしくみが次々と明らかになっていくわけですが、ここで国によってはアロマを用いた療法を医療と捉える地域とリラクゼーションと捉える地域とに分かれてしまったようです。

元々アロマテラピーという言葉は、1928年フランスの科学者ルネ・モーリス・ガットフォセが、実験中にやけどをした際にラベンダーの精油を用いたことから生まれたことに由来しますが、そういう経緯もあってフランスでは「メディカルアロマテラピー」といって、アロマテラピーは医師が処方して治療をする正規の医療として確立された療法となっています。

しかし、それがイギリスなどでは美容やストレス解消に効果があるとしてアロマテラピーは伝わり、医療ではなくリラクゼーションとして定着したようです。


日本においてはマッサージや癒しとしてのイメージが強いですよね。そういうわけで、日本ではフランス式(メディカルアロマテラピー)ではなくリラクゼーションとして定着しています。

そのため日本ではアロマ精油は雑貨扱いです。

アロマ精油には使用料を間違えると逆効果になったり一部の物を除いては直接皮膚に塗布することは危険行為とされていますが、雑貨扱いのために取り扱いは自己責任ということになっています。

しかし実際にフランス式の考え方が存在するように、アロマ精油は一種の薬だともみなすことができるわけです。


以上のことからアロマ精油は上手に活用することで健康効果が期待できますが、医師の処方があるわけではないので取り扱いには知識が必要になります。


ここではアロア精油を使用した入浴法「アロマバス」に絞って、何回かにわたってその魅力や活用法を紹介していきたいと思います。