【入浴】 「歯周病」の入浴法 ~お風呂で歯みがき~
歯周病は細菌感染による炎症性疾患です。
最初は歯みがきをしている時に出血したり、歯がしみたりする程度ですが、症状が進行すると歯茎が赤く腫れたり膿が出ることになります。
放っておくと、いずれは歯周ポケットが深くなり、歯がグラグラしたり歯を失うことにもなるようです。
また、次第に口臭も気になるようになります。
歯周病の直接の原因は歯の汚れの磨き残しです。
喫煙や糖尿病、ストレスといった生活習慣の乱れも歯周病を悪化させる原因となります。
また、反対に歯周病が糖尿病の原因となったり、他にもいろいろな疾患の原因となることが報告されています。
高齢者は誤嚥性肺炎にも気を付けなければなりません。
ですので、ある意味「歯周病は万病の元」とも考えられるわけで、歯周病の予防はとても重要なことになります。
◆入浴上の問題リスト◆
#1 歯みがきの習慣がしっかりしていない。または歯みがきの時間が短い
#2 歯痛がある
入浴が歯周病にもたらす効果といえば、一つは歯茎の血流の促進です。
もちろん、それが直接歯周病を治癒するものではありませんが、喫煙や糖尿病は歯茎の血液循環を悪くする要因であることからも分かるように、血液や体液の循環を促進することは老廃物の流れをスムーズにしたり免疫力を高めることになりますので、細菌の感染から守るうえで重要であると考えます。
もう一つの効果は口腔内の衛生の維持。シャワーで口内をすすぐと、その水圧により、普通に洗面所でうがいをするよりも汚れを落としやすいという特徴があります。
◆入浴法◆
<入浴上の問題>#1 歯みがきの習慣がしっかりしていない。または歯みがきの時間が短い
<入浴目標> 入浴中に丁寧な歯みがきができる
お風呂で歯みがきをすると健康や美容の効果が高いと言われています。
洗面台での歯みがきは面倒くさくてパパッと済ませてしまう人には特にお勧めしたいのが、この入浴中の歯みがきです。
時間が無かったり、寒かったり、立った状態が疲れたりなど、洗面所での歯みがきには苦痛を感じているという人は、ぜひ入浴中に歯をみがいてみましょう。
入浴ついでに浴室で座りながら歯をみがくことで、リラックスして行えることもあり、意外と丁寧にしっかりとブラッシングができたりするものです。
さらにはシャワーですすぐことで、洗面台ですすぐよりも口腔内を清潔にします。
シャワーの刺激が歯茎の血行を促進するという利点もあります。
歯茎の血行を促進するという意味では「歯茎のマッサージ」を試してみてはどうでしょうか。
歯周病予防に入浴中の歯茎マッサージが良いとしてよく推奨されています。
方法は簡単。
人差し指の腹側で歯茎をなぞるように優しく刺激するだけ。
時間はかからないし、1日に入浴中の1回行うだけですのでとても手軽です。
強く刺激したり爪を立てたりすることがないように気を付けて、歯茎の筋肉を鍛えるつもりで行いましょう。
ちなみに浴槽の温度と入浴時間についてですが、特別な入浴法はありません。
冷えは血流の悪化と免疫力の低下を招きますので、しっかりと温まるようにすると良いでしょう。
ただし熱い温度のお湯は禁物です。
歯周病は炎症性の疾患ですから、熱い温度は炎症を増悪させる恐れがありますので、浴槽の温度は41℃以下にしましょう。
<入浴上の問題>#2 歯痛がある
<入浴目標> 入浴による刺激を避ける
歯痛を伴う場合は入浴を控えましょう。体温が上がると血行が良くなりますが、それが痛みを増強させる原因となりかねません。
痛みの程度が軽い場合でも、長湯は避けて短時間で済ませましょう。
歯周病に限らず、虫歯や歯肉炎の場合でも同様です。
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