【入浴】 「脂肪肝」の入浴法 ~代謝機能を高める~
肝臓の細胞の約3割以上に脂肪がたまると脂肪肝と診断されますが、放っておくと肝炎や肝硬変、さらには肝がんに至る危険性もあり、油断のできない状態と言えます。
肝臓には代謝機能や解毒機能などいくつもの役割がありますが、脂肪肝になるとこれらの肝機能が低下すると言われています。
肝臓に負担をかけないために、「温度は熱くしない・長時間の入浴は避ける・食後や運動直後の入浴は避ける」といった注意を払いましょう。
・お湯の温度は38~40℃
・入浴時間は10~15分間
・食後や運動後の入浴は最低1時間は空けること
が目安となります。
負担をかけずに血流を良くすることで肝機能も高まります。
そのため脂肪肝の人は高血圧を併発している場合が多く、心臓や動脈硬化に不安のある人には水圧の弱い半身浴をお勧めします。
さらに少しでも負担をかけない入浴法としては「反復浴(分割浴)」があります。
分割法(反復浴)とは、例えば5分入浴してから少し外気浴、また5分入浴してから少し外気浴を繰り返す入り方で、外気浴のタイミングで頭や体を洗うと良いでしょう。
『【入浴】 反復浴(中温反復浴)とは』 参照
また、サウナに入ってしばらくすると汗腺から出る汗以外に、皮脂腺から皮脂が分泌されますので新陳代謝にも効果があります。
新陳代謝と言えば、体内の有害毒素である重金属(水銀、カドミウム、アルミニウム、鉛)は脂肪に溶けると肝臓や腎臓ではデトックスできず、皮脂と一緒に体外へ排出するしかないという点にも注目に値します。
サウナでかいた汗、それも皮脂腺から出たサラサラした汗(皮脂のこと)は肌の保護膜になるから拭かない方が良い、という風潮がありますが、この件に関してはしっかり洗い流した方が肌に良いと思われます。
『【健康】 サウナを科学する② デトックス効果(後編)』 参照
家庭風呂でも市販のクエン酸を浴槽(180~200リットル)に大さじ3杯程度入れるだけで簡単に作れます。
クエン酸を多く含む食品としてレモンやお酢、梅干しなどがあるように、クエン酸には疲労回復の効果があるとして知られています。
これはヒトがエネルギーを生産するときにはクエン酸回路が中心的な役割をするからで、疲労の回復以外にも代謝機能の向上や肌のトラブルにも効果があると言われています。
肝臓に中性脂肪を溜め込まないためにも代謝機能を高めることは大きな意味があります。
クエン酸は食品から経口摂取するだけでなく、嬉しいことに肌からも吸収できるようで、入浴によるクエン酸摂取は消化吸収をする過程がないので経口摂取よりも負担がかからないと考えられています。
加えてアロマ精油の「ローズマリー・ベルベノン」や「レモン」を数滴垂らすと肝機能に良いと言われています。
また、入浴により体内の水分が失われると、血液の粘度が増してドロドロになるので、入浴前後にはしっかりと水分摂取をしましょう。
なお、風呂上りの直前に背中の肝臓にあたる部分に温かいシャワーを当てると良いでしょう。
肝臓は右胸の裏あたりに位置し、ここにシャワーを当てることで代謝機能の改善が期待できます。
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『症状別の入浴法』