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2016年08月

【健康】 熱中症が増えた理由は昔より暑くなったから・・・だけではない


どうもSHIBAです。

近年では熱中症になる人が増加していますよね。

日本人は暑さに弱くなったのでしょうか。
それとも昔の人が暑さに強かった?

現在では「水分補給には水分だけでなく塩分も必要」というのは常識になってきていますが、昔はそんな知識すらなかったのに、ましてや部活などでは猛練習でも「水なんか飲むな」という風潮だったのにね。


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この疑問に対する憶測はいろいろされていますが、大別すると2つの意見に分かれています。


●暑さに弱い人が増えたから

●昔から比べて夏が暑くなったから



これ。どちらが正しいと思われますか。

おそらくどちらも正しいでしょうね。



「暑さに弱い人が増えたから」というのは、今の人が昔の人よりも暑さに弱いという意味ではありません。

高齢者ほど体温調節機能の働きが鈍くなるので熱中症患者の多くは高齢者であり、現在の熱中症患者の増加はそうした高齢化社会と関係があると考えられています。

つまり、「暑さに弱くなった」のではなくて「暑さに弱い人が増えた」ということです。


しかし同時に「暑さに弱くなった」というのも事実なのではないでしょうか。

高齢者以外においても昔の成人より今の成人は暑さに弱いということ。


と、こう言えば必ず「昔から比べて夏が暑くなっているのだから熱中症になりやすいのは当たり前だ」という反論があるものです。

確かに温暖化により気温は30年前よりも2.5度ほど高くなっていると言われたり、気候的なもの以外でもヒートアイランド現象などが影響していることもあって、昔より暑くなっているのは間違いないでしょう。

しかしそれがかえって冷房に頼る機会が増え、自ら体温調節機能を弱めている可能性が高いように思います。

暑い所と涼しい所の差が激しいほど出入りする度に自律神経は乱れやすく「夏バテ」の要因となり、
また発汗機能も低下して熱が体内に籠りやすくなり「熱中症」となる要因にもなるからです。

単に昔より気温が高くなったことだけが熱中症増加の原因だとすれば、日本より暑い国の人々は熱中症だらけでなければなりません。

日本は気温だけでなく湿度も高いことも関係しているとは思いますが、やはり暑さに対して適応できていないと考えべきではないでしょうか。


エアコンやクーラーといった冷房の利用を否定しているわけではありません。

しかし、日常的に「汗をかくべき時は汗をかく」というヒトとして当たり前の生理現象を避けてばかりいると、ますます暑さに対する適応能力が失われていきます

便利な世の中になればなるほど、ヒトが本来持っている能力が衰えていくことの一例のような気がしてなりません。



<追記>

汗をかく習慣が無いと熱中症のリスクが高くなるのは汗腺機能が低下してしまうため。

能動汗腺(発汗作用が機能している汗腺)が少なくなると当然汗をかきにくくなりますよね。

能動汗腺は加齢によっても減少するそうなので、発汗できず熱が籠りやすい高齢者に熱中症が多いと考えられます。

【健康】 高齢者が熱中症にかかりやすい本当の理由 参照


また、逆に汗をかきにくいことが脱水を起こしていることに気付かないというパターン(かくれ脱水)もあるそうで、これも高齢者に熱中症が多い理由の一つになっています。

【健康】 「自分には関係ない」と思っている人ほど「かくれ熱中症」に注意 参照


なお、これらは何も高齢者に限ったことではなく、「汗をかく習慣が無い」人にも当てはまるので、やはり汗をかく習慣は重要になってきます。

手軽に汗をかく習慣を身につけるには毎日の入浴が有効です。
暑いからといってシャワー浴になっていませんか?シャワー浴では発汗作用が十分には働きませんよ。
全身浴か半身浴でしっかり汗をかきましょう。
ただし、発汗作用が円滑に機能するためには水分補給が大切になります。
ただ汗をかいてばかりいると脱水を招きますから、入浴の前と後には必ず水分を摂取して下さい。


(最終更新日:2018/07/19)





 

【健康】 「自分には関係ない」と思っている人ほど「かくれ熱中症」に注意


暑い日が続きます。熱中症対策は万全でしょうか、どうもSHIBAです。

熱中症になると異常な発汗あったり気を失ったり、または筋肉がけいれんを起こしたりします。

いずれにしても何らかの症状が生じて具合が悪くなるので通常は異変に気づくものですが、
中には本人も自覚しないうちに熱中症にかかってしまうことがあります。

これを「かくれ熱中症」といい、かくれ熱中症になる人は、汗をかかないために本人も脱水状態になっていることに気づかないことが多いようです。

「かくれ脱水」ともいい、発汗機能が低下している人に多い症状だと考えられます。


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ヒトは体温調節機能の一つとして、皮膚血管の末梢から熱を放散しています。
これを不感蒸泄といって発汗がみられなくても目に見えない形で水分を失っています。

そのため症状に気づかないまま重症化してしまうようです。
しかも「自分には関係ない」と思っている人に多いというから厄介です。


かくれ熱中症(かくれ脱水)は高齢になるほどなりやすいと考えらていて、その理由は筋肉量や食事量の低下と関係しているからです。

筋肉には体内の水分を蓄えられています。体内の水分の約10%は筋肉に蓄えられているそうですよ。
だから脱水になると筋肉痛や筋肉けいれんを起こしやすいんですね。

食事量が減少することも水分やミネラルの摂取が減ってしまう原因となります。
歳を重ねるほど代謝が悪くなるので食事量も減りがちですから、そこは敢えて脱水にならないよう水分補給を意識したいものです。


「かくれ熱中症に気を付けよう!」といっても症状が表れないと気付きにくいものですが、サインとしては排尿の減少が挙げられます。

ヒトは発汗や呼吸、不感蒸泄などで水分を失うと、それ以上の損失を防ぐために腎臓での尿生産が抑えられ、排尿が少なくなる傾向があります。

尿があまり出なくなったら脱水状態を疑ってみることをお勧めします。

【健康】 これも熱中症?赤ちゃんにオシッコがみられない時は脱水症状を疑え


赤ちゃんは熱中症になっていても咳が出たり吐いたり下痢をするわけではありませんので、見た目にでは気付きにくいものがあります。

また、赤ちゃんは暑くてものどが渇いても苦しくても、それを伝える言葉を持ちません。

赤ちゃんを熱中症から守るには周りがしっかりと注意して見ていなければならないようです。

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赤ちゃんは体温や水分出納バランスがとても変動しやすい特徴を持っています。

とにかく体内に占める水分量が多く、成人の水分は体重の55%程度であるのに対し、赤ちゃんは体重の65~75%も水分が占めているというから、それだけ赤ちゃんにとって水分は重要だということなんでしょう。

赤ちゃんはよく発汗しますからね。新陳代謝が激しいうえに、体重あたりの体表面積が広いこともあって汗によって容易に水分を失ってしまうようです。発汗していない時でも、皮膚からの不感蒸泄も多いのが乳幼児の特徴です。

このように体内に水分量が多くても簡単に脱水していしまいかねないので油断できません。


脱水状態の指標として体重の減少があります(脱水症状とは水分を失うことなのでその分体重が減少します)

乳幼児の目安としては、5%の体重減少がみられると軽症の脱水状態とされています。
例えば体重10kgの乳幼児は500gの水分を失うと軽症の脱水状態にあるとみてよいわけです。

ちなみに10%以上の体重減少になると重症と判断されます。


ただし、体重の変化は測定してみないと分からない部分もあり、毎日測っているわけでもないでしょう。


もっと分かりやすい脱水のサインとしては「排尿の減少」があります。

ヒトは発熱や嘔吐・下痢など、必要以上に水分を排泄してしまった時は、これ以上の水分損失を防ぐため腎臓での尿生産が抑えられオシッコがみられなくなります

ただでさえ、赤ちゃんは尿量が多いもの。それは腎臓で尿を濃縮する機能が未熟なため、電解質や尿素を尿中に排泄するために多くの水分が必要となってしまうため尿量が多くなってしまうんですね。
それがパッタリと排尿が止まるというのは脱水を疑ってみるべきです。


また、大泉門が陥没しているかどうかも判断材料になりますよ(昔から赤ちゃんの頭のてっぺんが凹むと脱水していると言われている)
 

【健康】 子どもがすぐに熱を出す3つの理由


子どもはよく発熱します。赤ちゃんも。

子どもは感染症に罹患しやすいイメージがありますが、その背景には子どもならではの体温システムが影響しているということは知っておいた方が良いですよね。

体温に影響を及ぼしている要因は「基礎代謝」「体温調節機能」「免疫機能」の3つ。

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1.基礎代謝


子どもは急速に発育しなければならない時期です。エネルギー必要量が非常に多く、大人と比べて基礎代謝が高いもの。
それによる熱生産が多いので、自然と体温は高めになってしまいます。

平熱も大人より高めなので、37度台で「発熱したのではないか?」と慌てる必要はありません。



2.体温調節機能


体温調節機能とは暑さや寒さを感受して体温が変動しないように調節するシステムです。
体温調節中枢は脳の視床下部にありますが、ヒトは暑さを感じるとその情報が体温調節中枢に送られ、ここから自律神経を介して皮膚血管を拡張して熱を体内の放散したり汗腺細胞に働きかけて発汗して体温が上昇するのを防ぎます。

しかし、子どもは自律神経が未熟なため熱を体外へ放散させることが間に合わない場合が多いようです。
これは体温が高くなりやすい大きな要因で、子どもが熱中症になりやすい原因ともなっています。



3.免疫機能


言うまでもなく子どもは免疫機能が未熟です。特に赤ちゃんは抗体を生産する能力が低いので、新生児は胎児期に胎盤を通して母体からもらった免疫グロブリン(IgG)のみが免疫として機能しています。

しかし母親由来の免疫グロブリン(IgG)も徐々に少なくなり、しかも胎盤を通過しない免疫グロブリン(IgAやIgMなど)もあり、免疫システムは不十分な状態にあります。

これでは度々かぜをひいて発熱するのも無理はありません。



子どもの発熱時の対応


発熱時は代謝が高くなって心拍数や呼吸数が上がるので疲れやすくなります。
元気がないようでしたら体を休ませるようにしましょう。

室温や湿度に気をつけ、発汗している時は着替えをしてあげましょう。

高熱による発汗が見られる場合は、首や腋の下、鼠蹊部など大きな動脈の流れている部位を冷やしてあげる必要があります。
ちなみに額を冷やしても体温は下がりません。ただし、脳がダメージを受けると大変なので脳内の温度が上がりすぎないよう額を冷やしてあげることは有効なことです。

また、発汗や呼吸から多量の水分が失われます。水分の補給にも気を配りましょう。

発汗などにより脱水すると腎臓による尿の生産が抑えられオシッコがみられなくなる場合があります。
そのため長い時間オムツを替えないことがあるかもしれませんが、発汗によりオムツ周りが蒸れているはずなので、衣服の着替え同様オムツもこまめに替えてあげたいところです。


子どもが発熱したときにお風呂へ入れても良いのかどうか?よくある疑問ですが、これは発熱の原因にもよりますが、風邪による発熱であればそれほど神経質になる必要はありません。

微熱程度なら熱の有無よりも元気があるかどうか、食欲があるかどうかといった子どもの状態で判断すると良いでしょう。


『健康】 子どもの入浴法 ~「かぜ」の場合~』 参照