赤ちゃんは熱中症になっていても咳が出たり吐いたり下痢をするわけではありませんので、見た目にでは気付きにくいものがあります。
また、赤ちゃんは暑くてものどが渇いても苦しくても、それを伝える言葉を持ちません。
赤ちゃんを熱中症から守るには周りがしっかりと注意して見ていなければならないようです。
赤ちゃんは体温や水分出納バランスがとても変動しやすい特徴を持っています。
とにかく体内に占める水分量が多く、成人の水分は体重の55%程度であるのに対し、赤ちゃんは体重の65~75%も水分が占めているというから、それだけ赤ちゃんにとって水分は重要だということなんでしょう。
赤ちゃんはよく発汗しますからね。新陳代謝が激しいうえに、体重あたりの体表面積が広いこともあって汗によって容易に水分を失ってしまうようです。発汗していない時でも、皮膚からの不感蒸泄も多いのが乳幼児の特徴です。
このように体内に水分量が多くても簡単に脱水していしまいかねないので油断できません。
脱水状態の指標として体重の減少があります(脱水症状とは水分を失うことなのでその分体重が減少します)
乳幼児の目安としては、5%の体重減少がみられると軽症の脱水状態とされています。
例えば体重10kgの乳幼児は500gの水分を失うと軽症の脱水状態にあるとみてよいわけです。
ちなみに10%以上の体重減少になると重症と判断されます。
ただし、体重の変化は測定してみないと分からない部分もあり、毎日測っているわけでもないでしょう。
もっと分かりやすい脱水のサインとしては「排尿の減少」があります。
ヒトは発熱や嘔吐・下痢など、必要以上に水分を排泄してしまった時は、これ以上の水分損失を防ぐため腎臓での尿生産が抑えられオシッコがみられなくなります。
ただでさえ、赤ちゃんは尿量が多いもの。それは腎臓で尿を濃縮する機能が未熟なため、電解質や尿素を尿中に排泄するために多くの水分が必要となってしまうため尿量が多くなってしまうんですね。
それがパッタリと排尿が止まるというのは脱水を疑ってみるべきです。
また、大泉門が陥没しているかどうかも判断材料になりますよ(昔から赤ちゃんの頭のてっぺんが凹むと脱水していると言われている)