アロマバスにはどんなプラス作用があるのか紹介します。
入浴効果にアロマ効果が加わったものがアロマバスのプラス作用ということになりますが、基本的にはアロマ効果そのものといって良いでしょう。
例えばアロマ効果のひとつに気持ちを静める鎮静作用がありますが、普通に入浴するだけでもリラックス効果がありますから、アロマバスには入浴することでアロマが持つ鎮静効果をさらに高めるという相乗効果がある・・・というふうに考えることができます。
ではアロマバスにはどんなプラス作用があるのか。
大雑把に「心」「体」「肌」「その他」に分けて順番にみていきます。
まず「心」
「心」というのは脳や神経に働きかける作用のことですね。心身をリラックスさせたり安眠にも効果のある鎮静作用や、痛みを和らげてくれる鎮痛作用がアロマの得意とする作用でして、一般的なアロマのイメージといえばこういうことではないでしょうか。
それから筋肉の緊張を緩める鎮痙(ちんけい)作用。ラベンダーやクラリセージなどが得意とする分野ですが、入浴による温熱効果によっても筋肉が弛緩しますので生理痛や肩こりにはとても有効です。
で、そのクラリセージといえば女性ホルモン様の作用もあり、女性ホルモンのバランスを整えたいときに便利な精油で、このように一つの精油で複数の作用がある場合もよくあります。これは精油の成分が単一ではないからで、例えばクラリセージに含まれる酢酸リナリルという成分が鎮痙作用に働き、スクラレオールという成分が女性ホルモンのバランスを整える作用がある。というふうに考えられています。
ちなみに女性ホルモンを整える作用のある精油には、他にイランイランやゼラニウムなども有名ですが、これらの精油にも鎮静作用や鎮痛効果など複数の働きを持っています。
ま、こんなことを言い出したらラベンダーなんて何にでも効果を発揮する万能精油なので、ラベンダー1つさえあれば他に何もいらないんじゃないか?ってことになりそうなものですが、問題はその香りが使う人にとって「快」と感じられるかどうかが重要なんですね。
例えば気持ちを落ち着かせる効果がとても強い精油だとしても、自分にとって好きな香りでなければ逆効果になってしまいます(これ精油を使ううえで大前提)
この後もアロマにはどんな作用があるのかを話を進めますが、この大前提を忘れてはいけません。
さて、話を戻して・・・
他にも「心」に働く作用としては、消化・食欲増進作用があります。
レモンやグレープフルーツといった柑橘系に多いです。これは柑橘系の精油に含まれるリモネンによる働きによります。
ただし入浴は食事の前後1時間以上は空けましょう。
「体」に働きかける作用としては、免疫力を高める作用(免疫賦活作用)や利尿作用があります。
身体への作用は生理的なものが中心です。
入浴にも免疫力を高める作用や利尿作用がありますので、これらもアロマバスの得意分野となります。
また、抗アレルギー作用のある精油を垂らしたアロマバスでは体質の改善も期待できます。
去痰作用のある精油を用いたアロマバスでは、浴室の湿度も手伝って痰が切りやすくなるでしょうね。
では次に「肌」に働きかける作用です。
これには肌を引き締める収斂(しゅうれん)作用と、肌の乾燥を防ぐ保湿作用があります。
脂性肌や毛穴が開いているような場合には収斂作用のある精油を用いたアロマバスを。
反対に皮膚の水分を失いやすい肌の人、敏感肌の人には保湿作用のある精油を用いたアロマバスがお勧めです。
精油は親油性なので肌に浸透しやすい特徴があり、アロマバスの浴槽に浸かることで、精油の成分が直接皮膚から吸収されるのでとても効果が期待できます。
だからといって精油を直接皮膚に塗布するのはやめて下さい。
精油というのは成分が濃縮されたものなので、少しの量でもとても刺激が強く危険です。
そういうわけですから、いくらアロマバスでも精油の使用量や使用法には注意が必要です。
でも今回はプラス作用についての紹介ですから、注意すべき点については次回に回します。
最後に「その他」の作用。
精油には殺菌、抗菌、抗真菌、抗ウイルスなどの作用を持つものが多く存在します。
例えばラベンダーなどに多く含まれるリナロールという成分やレモングラスなどに含まれるシトラールという成分などがそうですが、風邪予防や風邪のひき始めなどにはこれらの成分を含む精油を垂らしたアロマバスに入浴すると良いでしょう。
抗真菌作用のある精油を用いて足浴すれば水虫対策にもなりますよね。
とまあアロマバスのプラス作用について長々と説明していますが、これでもほんの一例でしかありません。
慣れるには少し知識と時間が必要かもしれませんが、とりあえず簡単なことから日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
難しく考えずに、まずは香りを楽しむつもりで試してみるとそこから世界が拡がるかもしれませんよ。