夏かぜのひとつ「ヘルパンギーナ」
ヘルパンギーナは夏に流行する急性の咽頭炎で、子どもに多いので「子どもの夏かぜ」として知られています(大人もかかります)
一般的な症状としては、突然の発熱から喉が痛み、食事が飲み込めない場合があるようです。
ウイルス性の感染症で、病原体はエンテロウイルス属(コクサッキーウイルス、エコーウイルスなど)で、熱は2~4日で治まるとされていますが、まれに重症化してしまう病原体です。
夏のエンテロウイルスによる感染症は他に「手足口病」などがあります。
一般にウイルスといえば冬場の低温乾燥の環境を好むものですが、エンテロウイルスは夏に好発するだけあって、高温多湿の環境を好むのが特徴です。
そのため、1997年にアメリカの医師によってエンテロウイルスとの関係性が分かるまで ヘルパンギーナはずっと慢性疲労症候群と呼ばれ原因は不明とされていました。
原因が分かってからまだ日が浅いため、効果的な治療法や薬はまだ確立されていないようです。
◆ヘルパンギーナの特徴
【感染様式】飛沫感染、接触感染
【潜伏期】2~4日
【好発年齢】乳幼児
【症状】発熱、咽頭痛、口内炎、水疱
◆入浴法しても良いのか?
一般的なかぜであれば入浴しても問題がなく、発熱をしているかどうかよりも、子ども本人が元気かどうかで判断することが多いものです。
しかし、ヘルパンギーナの場合は、子どもの体力は確実に落ちていると考えられるので入浴は控えた方がよいでしょう。
せめてぬるめのシャワーで清潔さを保つのが無難です。
入浴は熱が下がり水疱がなくなってからにしましょう。
また、入浴で他の家族に感染するかといえば、湯船では感染はしませんが飛沫感染や間接的な接触感染の可能性はあります。
一般のかぜでは高温多湿の浴場で感染することはありませんが、エンテロウイルスは高温多湿を好むという点で注意が必要です。
入浴できるようになっても、他の家族全員が入浴し終えてから最後に入浴させると良いでしょう(シャワー浴の場合でも)
また、タオルやバスタオルの共有も控え、入浴後は湯冷めさせないように注意してあげて下さい。
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