• イベント情報
  • メールフォーム

【健康】 分かっているようで知らない「甘いものを食べると太るワケ」

どうもSHIBAです。

甘いものを食べると太るのは、誰しもが持っている共通認識ですよね。

太るとは脂肪細胞が増えること。

しかし「なぜ甘いものを食べて脂肪が増えるのか?」と問われると、これが上手く答えられない人が多い。

確かに、それもそのはず。

例えば
「甘いものを食べると糖尿病になる」や
「脂っこいものを食べると脂肪がつきやすい」
というのならイメージしやすい。

でも糖質と脂肪は違うから直接的な関係はなさそうに思えます。

甘いものが太る理由については「インスリンの役割」と「相反するホルモンの関係」を理解すると、すごく腑に落ちるかと思います。

94712088ea8b342128c6bad4dbadb5c9_s.jpg

①インスリンの役割

ご存知、インスリンはすい臓から分泌されるホルモン。
上がった血糖値を下げて一定の血糖値を保つ役割があります。

食後、血糖値が上がるとインスリンが分泌され肝臓や筋肉の細胞に血糖を取り込ませて血糖値を下げてくれるんですが、インスリンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれています。

というのは、糖の摂り込みばかりでなく、タンパク質や脂質の合成も同時に行っているからです。

タンパク質や脂質は糖に代わるエネルギー源として必要な栄養素。

エネルギー源として糖が枯渇した場合は、タンパク質や脂質などが「糖新生」によって糖に変換されエネルギー源として利用されています。

これは飢餓状態や摂取できる栄養素が少ない状況でもエネルギー不足にならないよう、人類が生存するためのメカニズムなんですね。

インスリンは血糖値を調整するだけでなく、エネルギー源を蓄える役割も担っているわけです。

なので、インスリンが働いている時は、糖新生は行われません。


②相反するホルモンの関係

食後2時間以上経つと、血糖値は元の空腹時の値まで減少しますが、体内における糖の利用は続きます。
代謝は常に行われており、エネルギー源は消費されています。

血中の糖が減少すればするほど血糖値はどんどん下がり続けるはず。
それでも一定の血糖値を保っているのはカテコールアミン(アドレナリンなど)やグルカゴン、成長ホルモンなど血糖を上げるいくつかのホルモンが分泌されているためです。

副腎から分泌されるこれらのホルモンは、血糖値を上げて一定の血糖値を保つ役割があります(インスリンと逆の作用)

血糖が少なくなると、肝臓から蓄えられていた糖を血中へ放出し、筋肉や脳でエネルギー源として利用します。

さらに肝臓から放出できる糖が枯渇すると、今度はタンパク質や脂質など糖以外の物質が分解されてグルコース(ブドウ糖)を作ります(これが糖新生)



つまり、

 <食後> 血糖値があがる
 インスリン・・・血糖値を下げ、エネルギー源を貯蓄するためのホルモン

 <食間(空腹時)> 血糖値が下がる
 カテコールアミンなど・・・血糖値を上げ、エネルギー源を消費するためのホルモン



さて。

ここまでの説明で「甘いものを食べると太る」理由が見えてきましたでしょうか。

糖質の摂取 → 血糖値の上昇 → インスリンの分泌 → 中性脂肪の貯蓄、及び分解の抑制



ヒトが太る(肥満になる)のは、中性脂肪が増加することにあるが、
それは摂り過ぎが原因であることよりも消費されないことの方が重要なんです。

摂取した分だけ消費すれば体脂肪は増加しません。

しかし甘いものをたくさん摂取するとインスリンの働く時間が長くなり、その間は体脂肪の分解は抑制されていますから脂肪細胞は増えるばかりです。

間食が多い人はなおさらです。

甘いものを食べると太るのは、脂肪が蓄積されることもそうですが、それ以上に脂肪細胞内の中性脂肪が消費されないことが太る最大の要因かと思われます。


ちなみに脂肪細胞が増大すると、インスリンの効きを阻害するTNF-α(ティーエヌエフアルファ)という悪玉アディポサイトカインが分泌され高血糖を招く要因となります。

さらに、肥満状態で脂肪細胞内に大量の中性脂肪が存在すると、その一部は分解を受けて常時脂肪酸が血液中へと放出されます。
この場合の脂肪酸は、エネルギー源としてどこかで利用されるわけではないので、意味もなく血中に留まり血中の脂肪酸濃度が高くなります。
血中の脂肪酸濃度が高くなることも、インスリンの効きを低下させる原因となることが分かっています。

この状態が続くと、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病へと繋がりますからね。
肥満が糖尿病を招くのはこうした理由によります。


そういうわけで、インスリンが働けば働くほど、血糖値は抑えられるが肥満の原因になってしまうことが分かります(ただし肥満状態が続けばインスリンが効かなくなる)

なので肥満を防止するには、インスリンとカテコールアミンなどの分泌のバランスが重要になってきます。

決して「インスリンを分泌させなければいいんだ」と勘違いして極端な糖質制限をしようとは思わないように。

『【美容】 ケトン体ダイエットは大丈夫か』 参照

重ねて言いますが、糖質は摂り過ぎても摂らなさ過ぎても問題だということ。


また、ダイエットに運動が有効とされるのは、運動によるカテコールアミンなどの刺激により、中性脂肪が分解されてエネルギー源として利用されやすくなるからです。


– – – – –  ここから先は読まなくても大丈夫 – – – – –


ちょっと学術的なことを言いますとね

脂肪細胞内の中性脂肪は、通常はその表面をペリリピンというタンパク質が覆っていて、
脂肪を分解する酵素(リパーゼ)の攻撃から防ぎ、脂肪細胞の蓄積を促進しています。

しかし空腹時など脂肪がエネルギーとして必要になった場合(エネルギー枯渇時)、アドレナリンなどのカテコールアミンが脂肪細胞表面の「アドレナリン受容体」に結合し、細胞内の「cAMP」濃度を上昇させ、その結果「プロテインキナーゼA」を活性化させます。

※「○○キナーゼ」のキナーゼとはターゲット分子をリン酸化させる酵素のこと

このキナーゼにより、ペリリピン分子の複数箇所がリン酸化します。

ペリリピンはそれまで強固にリパーゼの分解作用から中性脂肪を守っていたのに、リン酸化によってリパーゼの分解作用を許してしまいます。
この結果、中性脂肪はリパーゼの分解を受けて血中に流れ出して運ばれます。
そして運ばれた先でエネルギー源として使用されるんですね。


つまり、全てはカテコールアミンがアドレナリン受容体と結合するところから始まっているので、
逆に言えばアドレナリン受容体が活性化されない限り体脂肪は減らないことになります。
そのため、アドレナリン受容体遺伝子に変異があると、カテコールアミンの作用が脂肪細胞内に伝達されず肥満になりやすいと言われています。


(インスリンは悪者ではない SHIBA)