梅雨になるとよく風邪をひく、咳が出るといった症状はありませでしょうか。
梅雨だから気分が沈んでいるせいなのかな?気持ちの問題かな?と簡単に決めつけてはいませんか?
実はそれ、カビが原因で起こる「夏型過敏性肺炎」かもしれませんよ。
◆梅雨と肺炎
梅雨ならではの湿度の高さによる季節性の疾患です。
まるで風邪に似た症状のため間違えやすいようですが、自宅のカビ(トリコスポロン)によってアレルギー症状を引き起こすことを夏型過敏性肺炎と呼んでいます。
肺炎といっても感染症ではなくアレルギー症状ですので他人に感染するということはありません。
面白いことに、外出中は問題ないのに帰宅すると具合が悪くなるという特徴があります。まあ家のカビが原因ですからね。
当然湿気の多いところや水回り(洗面所やお風呂)にカビは繁殖しやすいので、予防法としては風通しを良くすることとまめに掃除することになります。特にエアコンに潜んでいることが多いそうです。
入浴で気を付けたいことといえば、風呂上りは湯船の栓を抜くこと。追い炊きは禁止。
ふだんからこまめに壁の湿気を取るだけでも効果はあるそうです。
梅雨の時期は低気圧のために酸素が薄くなりがちなため、酸素交換がうまくできずに呼吸が苦しくなる可能性もあるので、梅雨の風邪症状には注意しましょう。
◆梅雨と肌のかゆみ
梅雨にありがちな体の異変といえば、アレルギー反応。
前述の夏型過敏性肺炎もカビによるアレルギー反応ですが、梅雨の時期はアレルギー反応を起こしやすいと考えられていて一説では低気圧そのものが引き金になっているとも言われています。
いずれにしても、アレルギー反応によってヒスタミンが分泌しやすいのが梅雨の時期。
肌のかゆみはこのヒスタミンの影響によるものですが、かゆいからといってかけばかくほどヒスタミンを刺激してしまいさらにかゆくなります。
こんな状態の時は抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)を使いましょう。
気をつけたいのは、アレルギー性のかゆみには放っておくと「じんましん」が起こる場合があることです。
アレルギー性のじんましんは、熱いお湯や冷たい空気ですらもアレルギーの対象となりますので、梅雨の時期は低気圧や冷房の空気や熱いお風呂に注意しましょう。
また、梅雨から夏にかけて多いのが「脂漏性(しろうせい)皮膚炎」です。
皮脂の多い部分(頭皮や鼻の周辺)に起こりやすい皮膚炎です。
この疾患も炎症を起こした部分が肌が赤くなってかゆみを伴います。
頭皮で炎症を起こせば、かさつきだけでなくフケが多くなるようです。
そしてこの脂漏性皮膚炎の原因は、これまた「カビ」だということです。
さらに加えて梅雨から急増するのは「水虫」ですよね。
これも原因はカビ。一般に「白癬菌(はくせんきん)」と呼ばれるカビです。
やはり高温多湿の環境で多い疾患です。
◆梅雨の「肌のかゆみ」の入浴法
かゆみを刺激してはいけませんから、当然ですが熱いお湯は禁止です。
シャワーも湯船の温度も40℃以下にしましょう。
ボディシャンプー(又は石鹸)は肌にやさしいものを選び、場合によっては使用しないことです。
よく泡立てて泡でなでるようにすることが大切で、間違ってもこすってはいけません。
当たり前ですがナイロンタオルは必要ありません。
肌荒れがひどい場合はタオルを使わず手でやさしく洗います。
足の水虫においても同様にやさしく洗いましょう。
ゴシゴシやると皮膚が傷ついて、そこから白癬菌が入りかえって悪化する可能性があります。
脂漏性皮膚炎で頭皮に影響が出ている人はシャンプーにも気を使った方が良いですよ。
シャンプーには抗真菌剤の入った物もありますので、医師や薬局でお問合せしてみて下さい。
風呂上りもバスタオルはやさしく扱うこと。肌に押し当てるようにして拭き取りましょう。
カビが原因による疾患の共通点は多湿の環境です。
注意すべきは入浴後は換気をすること。使用後の湯船のお湯は捨てること。バスマットをこまめに換えること(水虫が感染する原因になるから)
また、意外と盲点なのは脱衣カゴ。
汗など湿気を含んだ衣類が放り込まれる脱衣カゴも、カビは繁殖しやすい環境です。
脱衣カゴにもこまめな手入れをしておきましょう。
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