紫外線対策といえば日焼け止めクリームや日傘など体の外側からのケアが中心となります。
ここに体の内側からも紫外線対策ができるとしたら・・・
それができるんです。夏野菜で。
夏野菜といえばトマトやナス、ズッキーニなど色鮮やかな物が多く、しかも色が濃いという特徴がありますよね。
実はその色の濃さに紫外線から守ってくれる理由があるんです。
◆紫外線から守る抗酸化作用
そもそも紫外線対策が重要なのは日焼けから守るため、ではありません。もちろん美白を意識している人には日焼けしないことも大事なことでしょうけど、紫外線が肌に与える影響で気になることと言えば、やはりシミやシワになるでしょう。
紫外線によって発生する活性酸素は、皮膚の細胞にダメージを与えることによってシミやシワの原因になるからです。
そのため、紫外線対策に良い食材としては抗酸化作用を持つ物が良いということになります。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどは抗酸化作用のあるビタミンですが、夏野菜に限らず大体どの野菜・果物にも含まれています。
ですから野菜や果物は全般的に紫外線対策には良い食材と言えるのですが、その中でも夏野菜は特別な力を持っています。
そのキーワードが「色の濃さ」
◆夏野菜の色が濃い理由
植物も人間と同じように紫外線から身を守る必要があります。
当然ですが野外で一日中日光に晒されている植物は、ずっと紫外線を浴びていることになります。
それでいて細胞が破壊されないのは、それだけ植物には高い抗酸化成分が含まれているということです。
ポリフェノールやカロテノイドなどと呼ばれる色素成分で、主に皮の部分に多く含まれています。
例えばトマトに含まれている「リコピン」
トマトが赤いのはこのリコピンによるもので、リコピンには強い抗酸化力があり、その強さはビタミンEの約100倍以上とも言われています。
それからナスには「ナスニン(アントシアニンの一種)」という紫色のポリフェノールが含まれています。
このポリフェノールにも強い抗酸化作用があり、やはり紫外線やバイ菌から身を守っているわけです。
また、ズッキーニには「β-カロテン」というカロテノイドが豊富で、同じβ-カロテンを豊富に含むニンジンよりも抗酸化力が高いと言われています。
β-カロテンは緑黄色野菜に多く含まれているのが特徴で、ズッキーニはきゅうりに似ていますが実はカボチャの仲間であり、β-カロテンを含んでいることからも緑黄色野菜であることが分かります。
ということで、夏野菜であるカボチャにもβ-カロテンが豊富であり、カボチャにはβ-カロテンの他に「ゼアキサンチン」も含まれていて、ゼアキサンチンはとうもろこしにも多く含まれている黄色のカロテノイドです。
目を保護する働きがあり、目の紫外線によるダメージから守ると考えられています。
夏野菜で最近注目されているのがパプリカ。
パプリカにはいろんな色がありますが、赤パプリカの赤色は「カプサンチン」
トマトのリコピンと同じくカロテノイドの中でも赤色の色素で、抗酸化力もほぼ同じらしい。
ちなみにカプサンチンとよく似た名前で辛み成分のカプサイシンとは別物です。
黄色やオレンジのパプリカの色は「ゼアキサンチン」によるもの。目の健康を維持したい人にはお勧めの夏野菜です。
このように、高い抗酸化力のあるポリフェノールやカロテノイドは、それぞれ鮮やかな色素を持っており、夏野菜が色鮮やかなのはそのためです。
しかも夏は日照時間も長く、紫外線を強く浴びるので、夏野菜の色が濃いのは、それだけポリフェノールやカロテノイドが豊富であるからだということが分かります。
色の濃さが抗酸化作用の強さを意味するのであれば、夏野菜が紫外線対策になるというのも納得できますね。
旬の物を食べるのはとても理に適っていることの一つと言えそうです。