アラピアの大浴場には人工炭酸泉がございます。
「炭酸泉が身体に良い」という話はよく耳にするかもしれませんが、
なぜ身体に良いのか?
意外と知らないものではないでしょうか。
ネットで調べてみるとだいたい
・血圧が下がる
・血行が良くなる
・代謝が良くなる
などと説明されています。
しかし・・・
なぜ炭酸泉が血圧や血行や代謝に良いのか?
そこまで説明されているものは少ないし、
また、説明がなされていても結構専門的で小難しいものばかり。
これでは炭酸泉の良さを本当に理解してもらうのは難しそうです・・・
そこで。
炭酸泉の効果について説明させて頂きます。
まず炭酸泉の水質は弱酸性です。
アラピアの炭酸泉の場合はpH4.5~5の弱酸性(中性はph7)
さて、ここでいきなり難所。
弱酸性とかpHとかって何?
と今疑問に感じた方は先にこちらを参照して下さい。
/blog/2014/12/post-154.php
【健康】【美容】お肌のpHバランスとは?
つまり、人の肌も弱酸性なので炭酸泉は肌に優しいということになります。
肌が弱い人には特にオススメ。
炭酸泉の炭酸とは二酸化炭素が水に溶けたもの。
二酸化炭素(CO2)が水(H2O)に溶けると弱酸性の炭酸水(H2CO3)という水溶液になります。
要するに炭酸が弱酸性なので、当然炭酸泉も弱酸性ということになるわけです。
この水に溶け込んだ二酸化炭素が皮膚に浸透し、いろいろな効果をもたらします。
さて、ここでまた疑問。
酸素なら体に必要だってことは知っているが、二酸化炭素って体に良いの?
と今思った方は鋭い!
そうなんです。
二酸化炭素は細胞にとって“老廃物”でしかありません。
なので皮膚から浸透し毛細血管に侵入してきた二酸化炭素を、
血管は追い出そうとして拡張します。
これが血圧を下げ、血流を良くする理由です。
なので、炭酸泉が実際の温度よりも1~2℃高く感じるはそのためです。
そして更に面白いのは、
赤血球のヘモグロビンてあるでしょ?
体の各細胞は酸素を必要としますが、その酸素を運ぶ役割をヘモグロビンが担っています。
しかし一度ヘモグロビンとくっ付いた酸素はなかなか分離しないらしいんですよ。
ヘモグロビンは酸素のことが相当お気に入りらしい。
せっかく目的地の細胞に到着しても酸素を手放してくれないのでは困りものですよね。
ところが、ヘモグロビンは酸素よりもお気に入りがあって、それが二酸化炭素。
酸素を届けたい目的地の細胞のところに二酸化炭素があれば、
ヘモグロビンは酸素をパッと手放して二酸化炭素を拾います。
こうして効率よく各細胞へ酸素が行き渡り、代謝が促進されるというわけです。
考えてみると面白いですよね。
体にとって不要なものを取り込むことで、良い効果を生むって・・・
血管の中が二酸化炭素ばかりになれば酸欠になるのでは?と思うかもしれませんが、
呼吸をしている限り常に酸素は供給されていますので心配はありません。
ほら、「炭酸水ダイエット」てあるでしょ?
炭酸を飲むことでダイエットしようとするのも多分同じ理屈。
でもダイエット効果って実際のところどうなのかなぁ。入浴のように身体が温まるわけではありませんしね。
そこまで新陳代謝が促進されるのかどうか分かりません。
あ、そうそう。
大事なことを言いますが、炭酸は水分に溶け込んだ状態でなければ皮膚に吸収されません。
何が言いたいのかといいますと、
ここまで読んで頂ければもうお分かりだと思いますが、炭酸泉はブクブク泡が出ていりゃ良いってものではないのです。
泡そのものは溶けきれないで残ったガスですからね。
温浴施設によってはやたらと泡の出ている炭酸泉を見かけますが、あれは単なる見た目のパフォーマンスであって、本当に効果があるのかどうか疑わしいものです。
だってそうでしょ。
せっかくの炭酸が湯に溶けていないとしたら
すべて水の泡ですよ。