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【健康】 メタボと生活習慣病と動脈硬化の関係 ~内臓脂肪が溜まると怖い本当の理由~

どうもSHIBAです。

メタボの人には耳をダンボ(古いなぁ)にして聞いて欲しいお話しかもしれません。

メタボとはメタボリックシンドロームの略で、その定義は
「内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上を合併した状態」を指します(ウィキペディアより)


生活習慣病の代表でもある糖尿病、高血圧症、脂質異常症。
これらは単独でも健康に有害な症状ですが、複数組み合わさると動脈硬化の危険性が高くなるので生活習慣の改善が求められているのはご存じかと思います。

動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす最大の原因ですから当然のことです。

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しかし、動脈硬化のリスクは当然理解しているはずのメタボの人の中でも、
こんな誤解をしている人は多いのではないでしょうか?


高血糖の人「血糖値は血中のブドウ糖の値でしょ?だったら糖質は控えるとして、脂質は関係ないんじゃない?」

高血圧の人「血圧が高いのは塩分の摂り過ぎでしょ?だったら脂質は関係ないんじゃない?」

といって脂分の多い食事を見直そうとはしない人っていませんか?

脂質異常症の人だけは理解しやすいんですよ。
脂質異常症とは、2007年までは高脂血症と呼ばれていた症状で、中性脂肪やコレステロールの値が異常なこと。
だから脂質異常の人だけは、このまま脂質の過剰摂取を控えなければ血液がドロドロになって動脈硬化を引き起こすというイメージがしやすいんですね。

でも高血糖や高血圧の人は、なぜ自分が脂質を控えないと動脈硬化になるのかがイメージしにくい。

これが誤解しやすい原因かと。


実は現在では、肥満や3大生活習慣病は、それぞれが独立した別の病気ではなく、
内臓脂肪が蓄積された状態で引き起こされると考えられるようになってきました


体脂肪は脂肪細胞によって構成されていますが、中性脂肪などを蓄え過ぎると脂肪細胞が肥大化して肥満になります。

これまで脂肪細胞は単なるエネルギーの貯蔵庫的な役割に過ぎないと考えられてきましたが、
アディポサイトカインと呼ばれる多彩な生理活性物質を産生・分泌していることが明らかにされています。

アディポサイトカインには善玉物質と悪玉物質があります。


●善玉アディポサイトカイン

 「アディポネクチン」…インスリンの働きを助け(血糖値の低下)、傷ついた血管を修復し、血圧を低下させる作用も。


●悪玉アディポサイトカイン

 「TNFα(ティエヌエフアルファ)」…インスリンの働きを阻害する(血糖値の上昇)

 「PAI-1(パイワン)」…血栓の溶解を阻害し、血栓を作りやすくし、血管をドロドロにして詰まらせやすくする。

 「アンジオテンシノーゲン」…血管を収縮させ、血圧を上昇させる。



正常な状態では、これら善玉・悪玉アディポサイトカインの分泌はバランスよく保たれていますが、
内臓脂肪が蓄積した状態では、善玉の分泌量が減り、悪玉が過剰に分泌されます

悪玉の代表であるTNFα、PAI-1、アンジオテンシノーゲンはそれぞれ高血糖、異質異常症、高血圧を招く要因であり、
つまり、内臓脂肪の蓄積は脂質異常症だけでなく糖尿病や高血圧症にも発展する可能性が高いということになります。

例えばね。甘いものが嫌いな人や炭水化物抜きダイエットをしている人が糖尿病になった場合、それは脂質の多い食事が原因かもしれませんよ。

糖尿病とはインスリンが働かなくなる症状のことですからね。血中のブドウ糖を細胞に摂り込むホルモンであるインスリンが働かなる結果、血中をさまようブドウ糖が多くなる(血糖値の上昇)わけであって、糖分を控えれば糖尿病の予防になるわけではありませんから。


あ・・・!

ここまで書いてきてまた新たな誤解を招いているような気がしてきましたが、
単に脂質を控えれば良いという意味ではありませんよ。

内臓脂肪の蓄積(脂肪細胞の肥大)は、脂質の摂取量だけで影響されるものではありません。

大事なのはカロリーです。

カロリーの摂り過ぎ(カロリーオーバー)が肥満の原因なので、
カロリーの摂取量に気を付けるのと運動などしてカロリーを消費することが重要になってきます。

糖質も脂質も我慢することはないんです。過剰に摂取してカロリーオーバーになることが問題なのです。

内臓脂肪を減らせば善玉アディポサイトカインであるアディポネクチンが活発になり、
3大生活習慣病の改善・予防にもなる
ということです。


(アディポサイトカインの日本語訳は「脂肪組織由来生理活性物質」 長いよ SHIBA)