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ドローンにみる技術革新とプライバシーの問題

どうもSHIBAです。

首相官邸屋上で小型無人機が発見された事件で一気にその知名度が上がった「ドローン」

ドローンがすでに身近な存在となっているアメリカと比べれば、かなり遅れている日本にはまだドローンを規制する法律が整っていません。
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ドローン技術は便利な反面、簡単に犯罪利用できてしまいます。

テロ利用など政治的な問題だけではなく、カメラを搭載したドローンによる盗撮も可能になるなど他人事ではない問題も抱えています。

日本人はプライバシーの侵害に敏感ですからね。

なので、アメリカと違っておそらく日本ではなかなか普及しないんじゃないかな。

ドローン技術先進国であるアメリカではAmazonが配達をドローンで行うことを発表したり、軍事利用にも研究されているだけあって、今回の事件ではアメリカでの関心は高く、日本以上に大きく報道されていたそうです。

でもそれはテロ利用を意識したもの(ホワイトハウスでも同様な事件があったことも要因の一つ)

アメリカでは現在、個人が趣味などで使用する場合は法的な規制はないそうです。
なんとなくプライバシーの侵害には警戒が緩い印象があります。



実は2年前にも同じような印象を持ったことがあります。

メルマガでも書いたことなのですがアメリカの諜報活動を暴露して米政府から訴追されたエドワード・スノーデンの事件が話題になった時がありましたよね。

CIAやNSAと呼ばれる情報機関の局員だったスノーデンは、その手口を世界中に発信したために全世界を騒がせました。

一人の人間がここまで世界に影響を与えるって、そうそうないことですよ。
それだけ凄いことを発言したってことです。

例えば米政府が世界中のインターネットや電話の傍受、ハッキングをしていること。
また、同盟国や友好国の大使館にまで盗聴を仕掛けていたことなど。

まあ、アメリカならそんなこと日常茶飯事だろと、以前から言われてはいたのですが。
外部ではなく、内部の人間が証言したことが信憑性を増しています。

当然、諸外国はアメリカに対し、苦言を呈しました。日本政府もしかり。

ところがね。

当のアメリカ国民の反応はどうかというと。
これがあまりメディアで流れなかったそうなんですよ。

不思議ではありませんか?

だってね。これって、自分たち米国民の情報も収集されているってことだから、他人事ではないはずなんですよ。

国家による個人情報の収集はテロや凶悪犯罪を防ぐ手がかりになる一方で、個人のプライバシーを損なう危険をも同時にはらむもの。

アメリカの国民は犯罪を防ぐためには、個人のプライバシーが多少犠牲になっても構わないということなんでしょうか。

これが日本での事件だったら、国民は絶対許さないでしょう。


グーグルマップのストリートビューという機能も、アメリカの企業によるものだから実現したのだと思います。
日本の企業だったら、その技術があったとしても「無断で撮影するな」と言われて終了でしょう。

ストリートビューは米政府の情報機関や軍事機関にも利用されている。或いはグーグルが政府に情報提供していると考えるのが普通です(一応公式では否定していますが)


と、こんな風に考えていくと、アメリカはプライバシーの侵害について日本より寛容なのではないでしょうか。


しかしなぜ寛容なのか?

いろいろ考えられるかもしれませんが、僕が思うに、アメリカは多民族国家だからだと思うんですよ。

アメリカのある大学では、授業の参加生徒たちが自らどのような社会階層の出身なのかとか、性的な志向(レズであるとか、ゲイであるとか)、民族などをみんなの前で告知するんだそうです。

アメリカにはいろんな人種、宗教、階層の人たちがいますから。そうした「違い」や「多様性」を認めて尊重することが、人間関係を築くうえで重要だったり、差別問題の解消に繋げているのだと思います。

自己主張が強いのもそれと関係あるでしょうね。


それにひきかえ、日本はどうか、というと。

日本は古来より単一民族ですよね。

余談ですけど「世界一古い国」って日本だということ。ご存知ですか?
どんな歴史のある国でも侵略されたことが一度も無い国ってないんですよ、日本以外。けっこう意外だったりするんですが。

そんなわけで日本は単一民族。

だから「違い」や「多様性」を認める風土はあまりありません。
人と違うことを言う奴は村八分にされるんです。

「子どもの貧困問題」でもこの国民性が関係していましてね。

日本の子ども貧困率が高いのは、自分の家庭が貧困であるということを言いにくい環境が日本にはあるからだと思うんです。
それを言ったら仲間はずれにされてしまうかもしれないからです。

被差別部落問題についても同じことが言えます。

『書評:『橋はかかる』』 参照


本当の自分(プライバシー)を晒さない方が、社会で上手くやっていけるのが日本式。
タテマエとホンネの文化です。

だから日本人はプライバシーを知られたくないという気持ちが強いのも道理なんですね。


でもどうなんだろう。
きっと世の中は技術革新によってプライバシーが無くなっていく方向に向かうような気がします。

あえて大げさに例えると、「ドラえもん」の世界を想像してみるとよく分かります。

いつかタケコプターが現実のものになったら・・・

自宅の頭上を何人もの人が飛行していくんですよ。上空から見下ろされるんですよ。

高層マンションに住んでいても、窓ごしにタケコプター利用者と目が合うかもしれません。
絶対プライバシーの侵害問題が発生しますから。

ドローンだって同じこと。


そしてもっと究極なのは「どこでもドア」

ドアの向こうがいきなり他人の家の中だったりするから凄いですよね。

のび太がしずかちゃんの入浴時に「どこでもドア」で現れて
「きゃぁぁぁ!のび太さんのエッチ~!」
ってことよくあったじゃない?

あれなんてもう、プライバシーの侵害どころか不法侵入および、性犯罪ですよ。

まあ、僕にしてみれば
いつもお風呂に入っているしずかちゃんにも問題があるかと・・・


(あんな娘といいな デキたらいいな♪ SHIBA)