どうもSHIBAです。
いやぁ~。これは驚きのニュースですね。
厚生労働省がこれまでの常識を覆しましたよ。
今年4月改訂した「日本人の食事摂取基準(2015年版)」でなんと!
「コレステロールの摂り過ぎには注意しましょう」というこれまでの方針を撤廃して「気にしなくてもよい」ということになりました。
厚労省栄養指導室は「目標量を設定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため」と説明しています。
http://www.iza.ne.jp/topics/events/events-6832-m.html
産経新聞:食事コレステロールもう気にしなくていい? 「血中濃度と無関係」厚労省は抑制目標値「撤廃」
そして、見解を保留していた動脈硬化学会もまた5月1日に厚労省の考えを容認する発表がありました。
体内にあるコレステロールの7割前後は体内で合成され、食事から摂るコレステロールは3割程度でしかないことは栄養学の世界では元々知られていたことで、以前から食事によるコレステロールの規制には疑問が多かったものですが、こうして厚労省が正式に発表されたことで、これまでの常識が覆されるターニングポイントになりました。
総コレステロール値やLDL(悪玉コレステロール)の数値が高くて、
健康のためにコレステロールの摂取量を控えていた人は多いはずですからね。
卵やイクラなどコレステロールのせいで我慢してきた人も多いはず。
それが我慢する必要がなくなったことは、コレステロール値が高い人にとって朗報かもしれません。
・・・が!
ちょっと待てよ!これは朗報とは言えない???
この報道ってかなり誤解を招くかもしれません。
実はコレ、コレステロール値が高い人は喜んではいけないんです!
一見するとコレステロール値を気にしなくても良さそうにみえるけど、
そうではないんです。
コレステロールは細胞膜やホルモンの原料となるなど体にとって不可欠な栄養素でもありますが、
酸化すると動脈硬化の原因になることには変わりありません。
コレステロール自体が悪者なのではなく、酸化すること、つまり活性酸素こそが悪者であることは違いないのですが、過剰なコレステロールは酸化する可能性を高めてしまいますから、やはり高コレステロール値は危険だと言えます。
そしてこの度の厚労省や動脈硬化学会の発表は、
「摂取するコレステロール量を気にしなくても良い」という意味であって、
「コレステロール値が高くても気にしなくても良い」という意味ではないことに気付かなければ誤解してしまうでしょう。
つまり、コレステロール値の高い人は、数値を下げる努力を怠ってはならないことには変わらないということ。
通常は食事制限や運動でコレステロール値を下げることがこれまでの常識だったわけですが、
今回の発表で「食事制限をしても効果が無い」ということになったので、これからは運動しか下げる手段はないことになるんです。
コレステロール値を下げる手段としての選択肢が減ってしまったわけですよ。
これって朗報なんかじゃありませんよね(食事制限を我慢しなくて良くなったのは朗報ですが)
しかも、いくらコレステロールの摂取基準が無くなったからといって、
食べ過ぎ(カロリーオーバー)はメタボを招き、結局はコレステロール値を上げてしまいます。
『【健康】 メタボと生活習慣病と動脈硬化の関係 ~内臓脂肪が溜まると怖い本当の理由~』 参照
つまるところ、
この発表はコレステロール値の管理がより難しくなったことを意味します。
※追記
ただし食事によるコレステロールの管理方法としては、コレステロールの摂取を控える抑制策ばかりではなく、コレステロール値を下げる効果のある食品(オメガ3脂肪酸を含む食品、大豆など)を積極的に摂取する積極策もありますから、これからは後者の積極策が重要になってきそうです。
(運動せずに健康なんて無理ってことだ SHIBA)