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【入浴】 子どもの入浴法 ~「RSウイルス」の場合~

冬から春にかけて乳幼児に多く流行する「かぜに似た症状」として「RSウイルス」があります。

俗にいう「かぜ」とは、細菌やウイルスなどの病原体が上気道に感染する上気道感染症のこと。

その原因となる病原体には、細菌よりも大半はウイルスによるものであり、かぜの病原体となる主なウイルスにはライノウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスが該当します

なのでRSウイルスはかぜの一種といえます。

しかしRSウイルスの厄介なところは、炎症が下気道にまで波及することがあり、細気管支炎などを発症する場合があることです。

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「上気道」とは喉頭(喉仏の位置)より上の空気の通り道のことで、「下気道」とはそれより下(気管支、細気管支、肺)の気道のことです。

※いわゆる「かぜ」とは感染による上気道の炎症(上気道症状)を意味し、下気道が炎症を起こす気管支炎などとは区別されます。しかし軽度な下気道の炎症は「かぜ」に含まれることもあり、その線引きははっきりしていません。



RSウイルスは、2歳頃までにほぼ100%の子どもがかかるといわれ、
潜伏期は2~8日と結構な幅があります。

通常は鼻水、咳、発熱などの上気道症状(かぜ症状)があり、多くの場合1~2週間で治るとされています。

しかし、うち30%程度は下気道にまで炎症がすすみ、気管支炎や細気管支炎を発症し、「ぜいぜい」という喘鳴(ぜんめい)という呼吸困難をきたすのが特徴です。

特に細気管支は空気の通り道が細いので、ここで炎症がおこるとさらに狭くなり呼吸困難になるんですね。
吸うよりも吐くほうが難しいという、喘息とよく似た症状がみられます。

RSウイルスが侮れないのはこの細気管支炎を起こすことで、
「RSウイルス感染症」とは「細気管支炎」だといっても過言ではありません。


初めて感染した場合ほど重くなりやすいといわれ、乳幼児期、特に生後6カ月以内の場合は注意が必要です。

冬季に乳児がかぜの症状から呼吸がぜいぜいと言いだしたらRSウイルス感染症を疑ってみる必要があります。


発熱を伴っている場合は、安静にした方が良いと思われますので入浴は控えましょう。

熱が下がるまではタオル等で身体を拭いてあげて下さい
汗をよく掻くからだけでなく、清潔にしておかないと細菌なども感染してう可能性があるからです。

※RSウイルスによって抵抗力が下がっていると、ふつうは感染しないようなレベルの細菌でも感染し、肺炎などを合併する場合もある。よく風邪をひいた時にウイルスには効かないはずの抗生物質を処方するのは、このような重複感染を警戒してのものです。


熱さえ下がれば入浴法は基本的にはかぜの場合と同じ

『【入浴】 子どもの入浴法 ~「かぜ」の場合~』 参照

お風呂は湿度が高いので鼻やのどの粘膜が潤って症状が楽になることもあります。

熱い湯と長風呂は避けて、風呂上がりのケア(湯冷め・水分補給)に注意して下さい。



ただし、熱が無くても

●ミルクを飲みたがらない・・・哺乳ビンなどを咥えながら呼吸するのが困難である可能性がある

●呼吸が多い(60回/分以上)・・・これも呼吸困難であることを意味する

このような場合は、下気道に炎症が波及していることが疑われますので、重症化しないうちに医師に診てもらってください。


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『子どもの症状別入浴法』