「耳鳴り」は症状であって、病気の名前ではありません。
「キーン」とか「ジー」とか聞こえ方はいろいろありますが、
これらは外部から聞こえてくる音ではなく耳の内部から感じる音であり、
何らかの原因があってこのような音が聞こえるという現象です。
その原因と考えられているのは主に3つ
●病理的な原因
●加齢による原因
●血行不良やストレスなど
ひとつ目の「病理的な原因」とは、
主に中耳炎や内耳炎などの影響を受けて発生する耳鳴りのこと。
原因は他にもいろいろ考えられますが、耳の病気の多くは、その症状として耳鳴りがありますので、
その場合は耳鼻科にて診察、処置してもらうことが優先されます。
ふたつ目の「加齢による耳鳴り」とは、簡単にいえば老化現象です。
歳とともに耳が聞こえにくくなったり(聴力の低下)、平衡感覚を失いやすくなるのと同じです。
耳の内部の構造が変化している影響であり、耳鳴りもその影響を受けていると考えられています。
難聴による耳鳴りもあります。
難聴になる前触れとして耳鳴りがすることもあるようです。
三つ目の「血行不良やストレスなど」が原因の耳鳴りとは、一般的な耳鳴りで、
その多くは血流改善によって解消されることがあります。
このような耳鳴りには、入浴はとても効果的な改善法になります。
1.38~40℃の湯に15~20分
ぬるめのお湯で長めに浸かることが推奨されます。
そうすることで血管が、頭部への血流改善にじゅうぶん拡張されます。
肩こりの症状が酷い人は、肩こりの緩和を目的に入浴して下さい。
『【入浴】 「肩こり」の入浴法 ~炭酸ガス系の入浴剤やアロマで効果的に改善~』 参照
血液やリンパの流れが悪いために耳鳴りがすると考えられていて、
肩や首のコリによって血流が悪くなっている場合もあり、
コリを改善することで耳鳴りが治る場合もあるそうです。
また、高血圧が原因で耳鳴りを起こす場合も考えられます。
「血管性耳鳴り」といい、頸動脈など耳の近くを通る血管に異常があるために雑音となって聞こえる耳鳴りです。
このような場合は、まず高血圧を改善することが先決となります。
『【入浴】 「高血圧」の入浴法 ~安全な入浴法と症状別の工夫~』 参照
高血圧の状態を放っておくと、脳卒中などの脳疾患へと悪化する可能性もあるので注意しましょう。
2.耳鳴りに対して神経質にならない
入浴では熱い湯に浸かると逆効果になります。
42℃以上になると交感神経が刺激され、血管が収縮され血流が悪くなってしまいます。
ストレスが耳鳴りになるのは、ストレスが交感神経を刺激して血流が悪くなるから。
睡眠不足や疲れもストレスとなり耳鳴りの要因となります。
なのでストレスが原因の耳鳴りには、なおさらリラックスして入浴するよう心掛けなければなりません。
時に耳鳴りを気にし過ぎることもあるかもしれません。
耳鳴りを気にしているうちに、意識がそちらに行き過ぎていて、
例えば耳鳴りが鳴っていなくても自ら耳を澄ませて耳鳴りを確認しに行って
微かな音を拾い出して「あ、耳鳴りだ」とわざわざ耳鳴りを感じてしまうとか・・・
耳鳴りに対してあまり神経質にならないことも重要です。
ゆったり湯に浸かりながら他のことでも考えましょう。
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『症状別の入浴法』