どうもSHIBAです。
頭痛は誰にでも見られるものですが、深刻な状況になることはめったにありません。
しかし、中には他の病気が原因で頭痛がきる場合があり(二次性頭痛疾患)、
稀に深刻な病気による頭痛というのもあります。
脳腫瘍やくも膜下出血など可能性のある病気がいくつかありますが、
子どもに限っていえば免疫力がじゅうぶんではないので感染症である「髄膜炎」は要注意です。
おそらく小児科にとって最も注意を払っている子どもの頭痛は髄膜炎なのではないでしょうか。
髄膜炎とは、脳を包む髄膜に細菌やウイルスなどが感染し炎症が起きる病気。
髄膜炎は細菌性と無菌性に分類されます。
●細菌性髄膜炎(化膿性髄膜炎)
細菌がくも膜下腔に侵入することで起きる炎症です。
髄膜炎が怖いのは、治療が遅れると死亡したり、知的障害など脳に後遺症が残ったりするからです。
最初は頭痛、発熱、吐き気などかぜに似た症状や首の硬直がみられたり、酷い場合にはけいれんや意識障害があります。
首の硬直とは、あごを胸につけることが痛くてできないことをいいます。
原因となる細菌には「インフルエンザ菌b型(Hib)」「肺炎球菌」が代表的ですが、
乳幼児に多いのは「B群溶血性レンサ球菌」「大腸菌」などがあげられています。
細菌の侵入により免疫細胞による防御反応が起きるため、血液検査をすれば白血球の増加が認められます。
脊椎穿刺を行うことで原因となる細菌か細菌以外によるものかを判別でき、さらに細菌であればどの細菌によるものか特定するための検査も行われます。
しかし、検査の結果を待たずして数種類の抗生物質が投与されることも多いそうです。
症状だけでは細菌の種類が特定できないので複数の抗生物質を投与する必要があるのだとか。
場合によっては抗ウイルス薬も投与されることがあるようです。
副作用の危険があるにもかかわらず、原因が特定できる前からこのように抗生物質や抗ウイルス薬を投与するということは、それだけ手遅れになると命の危険があるということです。
●無菌性髄膜炎
検査で細菌が検出されなかった場合の髄膜炎です。
その多くは何らかのウイルスによるウイルス性髄膜炎ですが、
なかでもムンプスウイルスやエンテロウイルスが有名です。
麻疹、風疹でも脳炎を合併することがありますが、
ワクチンが普及しているのでこれらが原因になることは少なくなっております。
細菌性髄膜炎よりかは危険性は低いそうですが、炎症が脳にまでおよぶと脳炎になるので、
顔色が悪いとかあくびをよくするといった様子がみられる場合は注意が必要です。
ウイルス以外でも真菌や薬剤による影響で髄膜炎になることがあります。
いずれにしても、発熱を伴う頭痛、首の硬直がみられる場合は、すぐにでも診察し、入院も考慮しなければならないでしょう。
子どもは子どもでも赤ちゃんの場合は、頭痛を訴えることができません。
なので親が赤ちゃんの異変に気づきにくいという危険があります。
機嫌が悪い、ミルクを飲みづらそう、やたらと眠るといった様子がみられる場合は疑ってみるべきでしょう。
髄膜炎は、医療機関よりも親による対応の方が鍵となりそうな疾患ですね。
(もちろん成人にとっても重篤な疾患です SHIBA)