健康や美容のためにサウナを愛用している人は多いですが、はたしてそれが本当かどうか。医学的や科学的にどうなのよ・・・と思われている方もいらっしゃるでしょう。
そこで、ちょっとサウナの効果について科学的に評価してみよう、というのが今回のテーマ。
とは言っても、サウナで期待されている効果は一つではありません。
・デトックス効果 それによる美肌効果
・リラックス効果 それによる疲労回復効果
・ダイエット効果
・体温調節機能の改善効果 それにょる冷え性改善効果
など、サウナを利用する人の目的は様々だと思います。
今回はデトックス効果について。
サウナといえばデトックス、と感じている人は多いでしょう。
ですが、はたしてサウナにはデトックス効果はあるのでしょうか?
そもそもデトックスって何でしょう?
デトックスという言葉は学術的には定義されていないらしく、一般的には体から毒素や老廃物を排出することで体をキレイに保とうとする方法を指していると考えられます。
つまり発汗によるデトックス効果が注目されているのは、その先にある美肌効果のため。
しかし、ここでいう「毒素」とは何のことでしょうか?
医学的にはデトックスといえばアルコールや薬物の解毒のことを指しますが 、毒素を解毒するという意味であれば、それは肝臓の仕事であり発汗ではありません。
サウナに期待しているデトックスはそういう意味ではありませんよね。
毒素とは何のことであれ、それらの類の殆どは肝臓で処理されその後、便・尿・汗・髪・爪から排出されています。
で、その割合ですが、「便(75%)・尿(20%)・汗(3%)・髪(1%)・爪(1%)」となっており、これがデトックスとするなら圧倒的に排便によるデトックスの方が重要になってきます。
汗によるデトックスは全体の3%でしかなく、しかも汗(エクリン汗腺)の成分の99%は水です。
残り約1%の大部分は塩化ナトリウム(食塩)で、汗をなめるとしょっぱいのはそのためです。
その他、汗の成分として尿素、乳酸、硫化物、アンモニア、尿酸などが含まれていますが微量でしかありません。
これでも発汗によるデトックスは効果があると言えるのか?
それよりも「快便こそがデトックスである」と言っても過言ではありません。
・・・と、こう結論付けてしまっては元も子もないですよね。
実は毒素と考えられるものには体内毒素と体外毒素というものがあり、
このうち体外毒素は発汗でしか排出できないという理論があるんです。
体内毒素というのは、尿素、乳酸、硫化物、アンモニア、尿酸などが該当し、汗にも微量ですが含まれています。
とはいえ、便や尿とは比較になりません。
体外毒素というのは本来体内にはないもの。水銀、カドミウム、アルミニウム、鉛などの有害物質です。
これら体外毒素と呼ばれる有害物質は解毒されず、腎臓でろ過されることもないので排便や排尿では排出されません。
体外物質が排出されるのは発汗でのみ。
ただし、普通の汗ではありません。
汗腺から出る汗は主に水分ですよね。これら有害物質は金属なので水に溶けて排出されることはないんです。
毛穴にある皮脂腺の皮脂と結びついて排出されます。だから正確には汗ではないですね。
この皮脂腺の分泌こそが体外毒素を排出するうえで重要であると言えます。
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