健康のために牛乳を飲むなら朝と夜、どちらが効果的でしょうか?
牛乳を飲む習慣のある人なら一度は考えたことがあるかもしれない疑問です。
牛乳にはたくさんの栄養素が含まれていますからね。
牛乳から摂取できる主な成分はカルシウム、ビタミンA、ビタミンB2、そして豊富なアミノ酸などなど・・・
これらの成分はそれぞれ役割があるので適した時間に摂取することが望まれ、また吸収しやすい時間・作用しやすい時間というのもあります。
なので、牛乳を飲むなら朝が良いとも夜が良いとも一概には言えなくて、目的に応じて答えは変わってきます。
◆便秘解消には「朝」
考えるうえで必要になってくるのは時間栄養学です。
時間栄養学に基づけば、一日の生活リズムのうち、朝は排出の時間帯。
そのため内臓を温めるようなものや腸内活動を刺激するものが有効となります。
「牛乳を飲むとお通じに効果があるから朝に飲む」という人は多いと思いますが、これは時間栄養学からみてもとても理に適っています。
牛乳を飲むとお腹がゆるくなるのはオリゴ糖や乳糖を多く含んでいるからだと言われています。
腸内で善玉菌のエサとなり腸のぜん動運動を活発化させる作用があるので便秘解消に効果があると考えられます。
◆骨粗しょう症予防、安眠効果、美肌効果を期待するなら「夜」
牛乳といえばカルシウムですが、カルシウムはただ摂取しても効果的ではありません。
カルシウムは骨を形成するうえでとても重要な成分ですが、骨を形成している時間帯は実は就寝中。
ヒトは夜眠っている間に成長ホルモンが分泌され、傷ついた血管を修復したり骨を形成したりしています。
ということは、骨の材料であるカルシウムは夜摂取する方が骨粗しょう症の予防には良いということになります。
カルシウムは就寝の1~2時間前が吸収されやすいので、風呂上りの1杯に最適ですよ。
また、カルシウムには気持ちを落ち着かせる効果も認められていますし(ストレスを感じた時に副腎から分泌される抗ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールは生成されるためにカルシウムが必要になる)、牛乳には心を落ち着かせる脳内物質セロトニンを生成するためのトリプトファン(体内で作ることができない必須アミノ酸)が豊富に含まれています(アミノ酸はタンパク質を構成する成分)
コルチゾールの生成にはカルシウムの他にマグネシウムも必要になりますが、牛乳にはマグネシウムも豊富に含まれています。
よって牛乳はストレス解消にはとても効果があり、夜飲むことで安眠効果に結び付けることができると考えられます。
そしてそして。
牛乳には美肌ビタミンと呼ばれるビタミンAも豊富。
ビタミンAは皮膚や粘膜を保護するビタミンとして肌トラブルから守ってくれる働きがあります。
乾燥肌対策にもなりますよ。
◆体力UP、筋力UPには「運動直後」
筋肉は主にタンパク質を構成するアミノ酸から合成されています。
そしてそのタンパク質合成能力は運動終了直後が特に高くなると言われています。
よくアスリートが筋トレをした後にプロテインを飲むのはそのためです。
言うまでもなく牛乳も良質なアミノ酸(タンパク質)が含まれています。
目安は「運動終了直後30分以内」だそうです。ホント直後ですね。
筋肉量が増えれば基礎代謝量もUPしますので疲労も回復しやすくなります。
まだまだ牛乳の効果はあります。
それなりにカロリーがあるので空腹時に飲めばおやつ代わりに。食前に飲めば食べ過ぎの予防に。などなど・・・
このように細かく見ていけば牛乳は目的に応じて飲む最適なタイミングが違ってくることが分かります。
しかし、本当に大事なのはスポット的に飲むのではなく、毎日飲む習慣を身に付けることでしょうね。