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【健康】 糖尿病と睡眠の関係がどんどん解明されてきている件


どうもSHIBAです。

食生活以外で糖尿病の誘因影響となる生活習慣といえば、これまでは運動不足や肥満、喫煙などが指摘されてきましたが、近年になって睡眠との関係も深いという研究が次々と報告されてきています(ここでいう糖尿病とは2型糖尿病)

そこで・・・

昨年(2015年)から次々と報告されている糖尿病と睡眠の関係性についての研究を少し紹介してみます。


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◆糖尿病と睡眠障害の関連性


まずは2015年、大阪市立大の研究チームによって、糖尿病と睡眠障害の関連性が明らかにされました。

結論から言うと「睡眠障害を抱える患者は糖尿病になりやすい」とのこと。

2型糖尿病患者63人の睡眠の質を脳波計で測定したところ、血糖値が高いほど深い睡眠の時間が減少して朝の血圧上昇が高まったそうです。
血糖値が高いと眠りが浅くなり、不眠症などに陥りやすいようです。さらに、睡眠障害を起こしたまま早朝を迎えると血圧が上がり、血管障害のリスクが増えることが分かったといいます。



◆糖尿病と寝だめの関連性


同じ2015年の11月、米ピッツバーグ大学の研究グループによって、糖尿病と寝だめの関連性が指摘されました。

「休日に寝だめをすると、心血管疾患や糖尿病などの長期的な健康問題を喚起する恐れがある」と報告しています。

どうも平日と休日の睡眠スケジュールの差が大きければ大きいほど、インスリン抵抗性の悪化やBMIの上昇、血中脂質の増加といった代謝系への悪影響も大きくなるようです。

この研究結果は、糖尿病リスクの要因が睡眠時間にあるというよりも、生活リズムが乱れたことによるものだと言えそうです。



◆糖尿病と睡眠時間の関連性


先述の2つの研究は睡眠障害や睡眠スケジュールの乱れによる糖尿病リスクとの関連性についてのものでしたが、睡眠時間そのものの影響力は解明されていませんでした。

それが2016年に入り遂に、オランダのアムステルダム自由大学医療センターの研究チームによって「睡眠時間は少なすぎても多すぎてもの糖尿病リスクになる」という研究結果が報告されました。

睡眠不足が糖尿病リスクになり得ることはすでに大阪市立大の研究により指摘されていましたが、実は睡眠時間が極端に多い場合も糖尿病リスクが高くなるという結果が得られたということです。

ただし・・・

注目すべきは、この傾向が見られたのは男性だけだったといいます(実験対象は成人男女約800人)

なぜ男性と女性とでこのような差が生じたのかは説明できておらず、この研究結果だけで糖尿病と睡眠時間の因果関係を結論付けることはできません。
今後、さらなる研究結果が報告されることを待ちましょう。



◆糖尿病と昼寝の関連性


最近では2016年9月に東大グループが「1日に60分以上の昼寝をすることが、2型糖尿病の発症リスク上昇に関連していた」というデータ解析を学会で報告しています。

これまでは、短時間の昼寝であれば眠気が取れて作業効率を高め、不眠や認知症の予防にもなるというメリットが指摘されている反面、寝過ぎると逆効果になるということが指摘されていました。

そして今回の研究によって、1日当たり60分以上の昼寝をすることは、全く昼寝をしないことに比べ、2型糖尿病発症のリスクが45%上昇させることが判明したようです。

しかし、この研究においても、60分以上の昼寝がなぜ糖尿病の発症リスクを高めるのかを説明できるものではありません。

せいぜい「昼寝のしすぎが夜に眠れなくなる原因となって睡眠障害となっている可能性ある」と指摘されている程度です(睡眠障害が糖尿病の誘因となることは証明済み)


今のところ睡眠時間と糖尿病との関連性は明らかになっているのは結果報告のみで、因果関係を説明できるレベルには至っていません。
ですが、ここへきて次々と類似性の研究が報告されているので、近い将来解明されるのではないかと期待しています。


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