女性に共通する悩みともいえる「冷え性」
冷え性対策としてあれこれ試しているが苦労が絶えない。
その理由は「体質が改善されない限りは解決しない問題」だからです。
女性が男性に比べて冷え性になる人が多い理由の一つが筋肉の量だと考えられています。
人が体温を維持するための熱を産生するのは主に筋肉での代謝によるものなので、筋肉量の少ない女性は発熱量があまりないために体温がりやすい傾向にあります。
そうなると、ヒトの体というのは大事な脳や内臓を守るために、手足の末端の血管が収縮して血液を体の中心部へ集めます。
その代わりに手足の先が冷える。それが冷え性のメカニズムです。
『【健康】 脚の細い人には「冷え性」が多い?』 参照
こうなると血流が悪くなるので、手足の先まで血の巡りをよくしてあげなければいけません。
しかし女性の場合、とても大きな障壁があります。
それが「肩こり」
厚労省の調べ(平成22年国民生活基礎調査)によると、女性の最も訴えの多い自覚症状が「肩こり」であることが分かっています。
肩こりは首から肩、背中にかけて大きく展開する「僧帽筋」の血流が悪くなることで感じる「コリ」で、女性にはやはりこの僧帽筋が男性に比べて少ないことが肩こりになりやすい原因となっているようです。
僧帽筋のような大きな筋肉がこってしまうと、僧帽筋による発熱量は減るばかりでなく、その周りの血流も悪くなるので冷え性になると考えられています。
では女性はあきらめなければならないのか?といえばそうでもない。
キーワードは「肩甲骨」
僧帽筋と繋がっているのが肩甲骨で、肩こりの人の多くはこの肩甲骨が歪んでいるとも言われています。
姿勢が悪かったり同じ姿勢が続くと肩甲骨が歪んでしまうので、やがて僧帽筋がこったり血流が滞ったりするようです。
肩甲骨の歪み方は人によって違いがありまして、
●左右の肩甲骨の高さが違うタイプ
●両肩甲骨がおじぎするように前へ傾いているタイプ
●肩甲骨を背中側から見たとき、ハの字に開いているタイプ
など様々で、特にハの字タイプは肩が上まで上がらなくなる原因にもなります。
そういうわけで、肩甲骨を積極的に動かすことは、肩こりの解消になるばかりか、肩こりによる冷え性の改善にも効果が期待できます。
肩甲骨のストレッチはいろいろあるので、興味のある人は自分で調べてみるのもよいでしょう。
超簡単なストレッチとしては
1.両手をダラ~ンと垂らした状態で肩だけググゥ~っと上げる
2.5秒キープしてから、肩の力をストンと脱力する
又は
1.両手の指先を肩の上にチョコンと当てて
2.肩を軸に腕をクルクルと前回り、後ろ回りに回す
又は
1.両手を揃えて顔の前に出し、手のひらを顔に向ける
2.肘と肘をくっつける
3.そのまま両腕の手から肘までくっつけたまま、両腕を上にあげる
又は
1.両手を後ろ手で組む
2.組んだ状態で肘を伸ばしたまま腕を上に上げる
(両肩甲骨が寄せられる)
このように寄せたり離したり回したりするだけで、きっと筋肉がほぐれて血行が良くなるはずですよ。
場所を選ばないのでいつでもどこでも気軽に行えるのが嬉しいですね。
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